水稲冷害研究チーム
1999年岩手県「発生予察情報」
なお,詳しい内容に関する問い合わせは岩手県病害虫防除所(TEL.0196-88-4477)にお願いいたします.
病害虫発生予察情報 発生予報第1号
平成11年3月18日
岩手県病害虫防除所
1. 細菌病類
○ 発生時期:(育苗期)
○ 発生量・感染量:やや多い
[予報の根拠]
@ 例年、細菌病が各地で発生している。
A 4月の気温は平年並みの見込みであるが、天気は周期的に変わる見込み。
[防除対策]
例年、催芽・出芽温度が高いなど不適切な管理が原因で多発しているところが多いので、薬剤防除に加えて、耕種的防除に努める。
1) 細菌病は適切な育苗管理が防除手段として最も重要なので、温度、水管理等、育苗基本技術を厳守する。
2) 薬剤防除は、前年の発生状況等を考慮して、適切な防除方法を選択して行う。薬剤防除だけでは十分な対策とはならないので適切な育苗管理を併せて徹底する。
@ 前年、発生、被害があったところ:播種後覆土前にカスミン液剤の4〜8倍液を箱当たり50mlを、種籾の上からキリナシノズルを用いて均一に散布するか、カスミン粒剤を覆土1リットル当たり15gを均一に混和して覆土する。
A 広く予防的に使用する場合:スターナ水和剤の種子粉衣または浸績を行う。
B カスミン液剤の低濃度液(50-200倍液など)の潅注は防除効果が期待できないので行わない。
2. 苗立枯れ(ムレ苗含む)
○ 発生時期:(育苗期)
○ 発生量・感染量:並み
[予報の根拠]
@ 近年、温度管理の不十分なところなどで発生しているものの、効果の高い薬剤の使用により少発傾向にある。
A 4月の気温は平年並みの見込みであるが、天気は周期的に変わる見込み。
[防除対策]
1) 苗立枯れは、発生後の防除が困難なので必ず予防対策をとる。
2) 緑化期以降、播種層等にカビが出やすいので発生に注意する。
3. ばか苗病
○ 発生時期:(育苗期)
○ 発生量・感染量:少ない
[予報の根拠]
@ 種子更新率の向上およびEBI剤の普及などにより、近年少発傾向にある。
A 前年の本田での発生は少なかった。
[防除対策]
1) 種子消毒は正しい処理方法で必ず実施する。
2) ベノミル耐性ばか苗病菌が全県的に認められるので、種子消毒はEBI剤(ヘルシード水和剤、テクリード水和剤、スポルタック乳剤)を使用する。
3) EBI剤は生育初期(播種10日後頃まで)に草丈・根の伸長抑制がみられることがある。特に、低温に遭遇すると生育遅延が助長されるので、出芽後は適切な温度管理、灌水管理を行う。
4) 発病苗は見つけ次第抜き取り、土中に埋めるか焼却処分する。
4. いもち病
○ 発生時期:(育苗期)
○ 発生量・感染量:並み
[予報の根拠]
@ 前年の穂いもちの発生が少なかったことから、種子の保菌率は低く、罹病わら・籾殻等の伝染源も少ないと考えられる。
A 4月の気温は平年並みの見込みであるが、天気は周期的に変わる見込み。
[防除対策]
例年、苗いもちや育苗期に感染したと思われる苗が原因となって、早期から葉いもちが発生する圃場がみられるので、育苗期の感染防止対策として育苗期防除を実施する。
(苗いもち)
1) 塩水選後、種子消毒を必ず行う。
2) 播種の際、籾が露出していると苗いもちの発生が助長されるので、覆土は適正に行う。
(育苗期・葉いもち)
1) 育苗施設内やその付近に、籾殻・稲わら等の伝染源となるようなものを放置しない。
2) 過度の被覆等で過湿に管理すると、発病を助長するので注意する。
3) 育苗期のいもち病感染を予防し、本田への持ち込みを防ぐため、育苗期防除を実施する。
4) 方法は、田植え予定の5〜7日前までに、予防的効果の高い薬剤を本葉2葉期から7〜10日おきに、稚苗では1〜2回、中苗では2〜3回、茎葉散布する。なお、苗の葉は薬剤が付着しにくいので、展着剤を加用して丁寧に散布する。
<農薬の安全使用>
種子消毒後の薬液は、河川や地下水を汚染する心配のないところを選んで、土壌表層での分解を促進させるため、できるだけ薄く広くまくなどする。
reigai@tnaes.affrc.go.jp