水稲冷害研究チーム
1999年岩手県「発生予察情報」
なお,詳しい内容に関する問い合わせは岩手県病害虫防除所(TEL.0196-88-4477)にお願いいたします.
発生予報第2号
平成11年4月28日
岩手県病害虫防除所
<防除のポイント(共通)>
・ ハウス内温度は、下記の通りとし、天候に応じたきめ細かな温度管理を行う。
・ 稚苗:硬化期では日中20〜25度、夜間10〜15度
・ 中苗・成苗:3葉までは日中20〜25度、夜間5〜10度。
・ 中苗・成苗:3葉以降では日中15〜20度、夜間5〜10度。
・ 潅水は朝に1回を基本とするが、床土が乾燥し2回目の潅水を必要とする場合は、しおれを防ぐ程度とし、過剰潅水にならないように注意する。
・ 移植適期葉齢に達した苗は早めに移植し、育苗日数を長引かせない。
1. 細菌病類(もみ枯細菌病・苗立枯細菌病):発生時期は育苗期、発生量はやや多い。
1) 予報の根拠
・ 4月第5半旬現在、一部で発生が確認されている。
・ 細菌病対策の防除が広く行われた。
・ 4月中旬以降の平均気温は平年より高く、ハウス内が高温となった。
2) 防除対策
・ ハウス内温度が高く過湿で発病を助長させるので、特に日中のハウス内温度に注意するとともに、過剰潅水を避ける。
・ すでに発病がみられたところでは、ハウスの裾を開けて温度が高くならないようにするとともに、潅水を控えめにして過湿状態にならないようにする。
・ 発病苗はすぐに処分し、本田に移植しない。
2. 苗立ち枯れ(ムレ苗含む):発生時期は育苗期、発生量はやや少ない。
1) 予報の根拠
・ 4月第5半旬現在、発生はほとんど確認されていない。
・ 苗立ち枯れの防除が徹底されている。
・ 5月前半の気温は平年並みの予報。天気は周期的に変わり、寒気の入る時期がある見込み。
2) 防除対策
・ ハウス内温度が低く乾燥や多湿の繰り返しで発病を助長させるので、特に夜間のハウス内温度に注意するとともに、過剰潅水を避ける。
3. ばか苗病:発生時期は育苗期、発生量は少ない。
1) 予報の根拠
・ 種子更新率の向上およびEBI剤の普及などにより、近年は少発生である。
・ 前年の本田の発生は少なかった。
2) 防除対策
・ 育苗耕起から発生が目立つので、早めに抜き取り土中に埋めるなどして処分する。
・ 発病苗を本田に持ち込まない。
4. いもち病:発生時期は育苗期、発生量は並み。
1) 予報の根拠
・ 前年の穂いもちの発生が少なかったことから、種子の保菌率は低く、罹病わら・もみ殻等の伝染源も少ないと考えられる。
・ 4月中旬以降の平均気温は平年より高く、ハウス内が高温となった。
2) 防除対策
・ 例年早期発生する地域や前年多発した地域では、2葉期から7〜10日おきに茎葉散布剤を散布する。
・ 粒剤の育苗箱施用は、例年早期多発する地域に限り使用する。
5. イネミズゾウムシ:侵入盛期はやや早い、発生量はやや少ない。
1) 予報の根拠
・ 4月第5半旬まで気温は平年より高く経過している。また、5月の気温は平年並みの予報。
・ 前年の発生量はやや少なかった。
2) 防除のポイント
・ 成虫侵入盛期に発生状況を調査し、防除要否を判断する。
・ 成虫侵入盛期は県中部・県南部では5月下旬から6月上旬、県北および山間部では6月上旬から中旬であり、この時期に畦畔から2m入った場所から連続25株調査する。食害株数が20株以上みられる場合、粒剤水面施用または投げ込み施用を行う。
6. イネドロオイムシ:本田飛来時期はやや早く、発生量はやや多い。
1) 予報の根拠
・ 4月第5半旬まで気温は平年より高く経過している。また、5月の気温は平年並みの予報。
・ 近年漸増傾向にあり、前年は山間部・沿岸部で発生程度の高い圃場がみられた。
・ カーバメート系殺虫剤の抵抗性発現地域が拡大傾向にある。
2) 防除のポイント
・ 産卵盛期に発生状況を調査し防除要否を判断する。
・ 産卵盛期は県中部・県南部では5月下旬から6月上旬、県北および山間部では6月上旬から中旬であり、この時期に畦畔から2m入った場所から連続25株調査する。卵塊数が13卵塊以上みられる場合、粒剤水面施用または投げ込み施用を行う。
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