水稲冷害研究チーム
2000年青森県「発生予察情報」
なお,詳しい内容に関する問い合わせは津軽地域病害虫防除所(TEL.0172-52-6500)、南部地域病害虫防除所(TEL.0176-23-4290)にお願いいたします.
発生予報第1号
平成12年3月22日
津軽・南部地域病害虫防除所
1.苗立枯病(ピシウム・フザリウム):県内全域、発生量は平年並み
(予報の根拠)
@4月の気温は平年並みの見込みである。
Aフザリウム属菌やピシウム属菌に対する効果の高い薬剤による防除の徹底が見込まれる。
2.苗立枯病(ごま葉枯病):県内全域、発生量はやや多い
(予報の根拠)
@前年の収穫期におけるごま葉枯病の発生量は平年よりやや多かった。
A4月の気温は平年並みの見込みである。
3.苗立枯病(もみ枯細菌病・苗立枯細菌病):県内全域、発生量はやや多い
(予報の根拠)
@前年の本田においてもみ枯細菌病の発生がみられた。
A4月の気温は平年並みの見込みである。
4.ばか苗病:県内全域、発生量は少ない
@前年の本田における発生量は少なかった。
A効果が高い薬剤による種子消毒の徹底が見込まれる。
【防除のポイント】
1.種籾の準備
自家産の籾を種籾として使用する場合は、いもち病、ばか苗病やごま葉枯病、もみ枯細菌病等が発生しなかった圃場のものを使用する。
2.塩水選
@塩水選は充実した籾を選別するばかりでなく、いもち病、ばか苗病やごま葉枯病等に感染した籾を除去するためにも重要な作業であることから、必ず実施する。
A塩水選の濃度は基準を守り、丁寧に実施するとともに、塩水選後は十分水洗いする。
3.種子消毒
@塩水選後浸種前に、種子消毒を行う。
A薬液の量は、種籾と同じかそれ以上の容量とし、種籾が薬液からでないようにする。
B薬液の温度が10度以下のような低温になると防除効果が低下する傾向があるので、液温があまり低くならないように屋内で消毒する。
C低濃度長期間浸漬で消毒する場合は、浸漬中に2〜3回薬液をよく攪拌する。
D高濃度短時間浸漬で消毒する場合は、網袋に入れた籾に薬液が良く付着するように網袋をよくゆする。
E生割れ以上の種籾を消毒すると、生育遅延などの薬害を生ずるので行わない。
4.浸種
@水の量は種籾の2倍かそれ以上の容量とする。
A水温が低いと消毒の効果が低下する傾向があるので、水温は10度以下にならないようにする。
B消毒後の浸種は流水を避け、水の交換は初めの2日間は行わない。その後は3日程度に1回静かに水を入れ替える。
5.催芽
@催芽の際に使用するわら類は70度以上の湯に20分間浸漬して消毒する。
A循環式催芽機は細菌の増殖を促進することがあるので消毒等には使用しない。
6.フザリウム・ピシウム属菌による苗立枯病の防除
@土壌のpHを5.0前後に矯正する。
A播種前に、タチガレエース粉剤を育苗箱当たり8gの割合で床土に均一に混和するか、タチガレエース液剤の500−1000倍液を、育苗箱に床土を詰め灌水してから、箱当たり500ml潅注する。
B育苗中の温度管理を徹底する。また、過湿にならないように注意する。
7.リゾープス属菌による苗立枯病の防除
@育苗箱などの資材は水洗したものを使用する。
A傷籾の混入が多いと多発しやすいので、傷籾の多いものは使用しない。
B厚まきすると発生が多くなるので、基準量を守る。
C播種5日前〜播種時に、ダコニール粉剤を箱当たり15−20g床土に均一に混和するか、育苗箱に床土を詰め灌水してから、ダコニール1000の500倍液を箱当たり500ml潅注する。なお、いずれの場合もタチガレエース剤との併用または混用ができるが、ダコニール粉剤とタチガレエース粉剤との併用では初期生育を抑制することがあるので、基準薬量を厳守する。
D高温、過湿で多発するので注意する。特に、播種から出芽期の温度は30−32度、緑化から1.5葉期の温度は30度以上にならないように注意する。
8.ごま葉枯病菌による苗立枯病
@種子消毒のほか、次のことも注意する。
A種籾等が露出していると二次感染が多くなるので、覆土は十分に行う。
B育苗時の高温・過湿は発病を助長するので、適正な育苗管理に努める。
8.もみ枯細菌病・苗立枯細菌病菌による苗立枯病の防除
@前述の種子消毒か、あるいは次のAのいずれかで行う。
A播種前に、カスミン粒剤を箱当たり30gで床土に均一に混和するか、播種後覆土前にカスミン粒剤を箱当たり15−20gを、播種した種籾の上から均一に散粒するか、カスミン液剤の4−8倍液を箱当たり50mlを播種した種籾の上から均一に散布する。
B育苗中の温度管理を徹底する。特に高温、過湿にならないように注意する。
C発病苗は植えない。
9.苗代におけるキリウジガガンボの防除
(播種前)耕起、整地して置土を作ってから、バイジット乳剤1000倍液を、苗床1平方メートル当たり300−500ml散布する。
reigai@tnaes.affrc.go.jp