1999年仙台管区気象台発表予報

8月23日発表3ヶ月予報


 本情報は仙台管区気象台発表の3ヶ月予報内容をお知らせします.


○8月23日発表 3ヶ月予報(9月,10月,11月)

  1. 予想される天候
    3か月平均気温の各等級の確率

    9〜11月の3か月平均気温は、「高い」の可能性が最も大きく、その確率は50%です。「平年並」の可能性が次に大きく、その確率は30%です。「低い」の可能性は小さく、その確率は20%です。

  2. 天候の特徴
     9月10月11月
    気圧配置低気圧や高気圧が数日の周期で通過する。一時太平洋高気圧に覆われる。 低気圧や高気圧が数日の周期で通過する。 低気圧や高気圧が数日の周期で通過し、一時冬型の気圧配置となる。
    天気天気は周期的に変化するでしょう。太平洋高気圧に覆われ、残暑の厳しい日がある見込みです。 天気は周期的に変化し、平年と同様に太平洋側では晴れる日が多いでしょう。 天気は周期的に変化し、平年と同様に太平洋側では晴れる日が多く、日本海側ではくもりや雨の日が多いでしょう。
    気温高い 平年並 平年並
    降水量平年並 平年並 平年並

  3. 前回発表3か月予報からの変更点
    なし

  4. 最近の天候経過
    8月(22日まで):上旬は、梅雨明けから引き続き太平洋高気圧に覆われ、晴れて気温の高い日が続いた。特に、日本海側を中心に各地で最高気温が35℃を超える厳しい暑さとなり、10日には秋田で37.0℃、青森で36.6℃と日最高気温の高い値2位の記録を更新した。
     中旬になると太平洋高気圧の勢力は弱まり、変わって日本の南海上から日本海に抜けた弱い熱帯低気圧の影響を受け、東北南部を中心に各地で雷を伴う大雨となった。しかし、中旬後半から再び太平洋高気圧の勢力は強まり、晴れて残暑となった。
     仙台管区気象台では、5日に「高温に関する東北地方気象情報」、10日に「少雨と高温に関する東北地方気象情報」、18日に「少雨に関する東北地方気象情報」を発表し注意を呼びかけた。
     この期間の平均気温は、平年を3.0℃も上回り、特に弱い熱帯低気圧の影響を受けにくかった東北北部ではかなり高かった。降水量は、弱い熱帯低気圧の影響を受けた東北南部は平年の109%となったが、東北北部は28%と平年を大きく下回った。特に、東北北部の内陸部ではほとんど雨の降らない状態が続いた。日照時間は133%と平年を上回った。
    <東北全域>地域平均半旬経過図
    <東北全域>地域平均半旬経過図


  5. 中・高緯度の循環
    8月:太平洋高気圧は北に張り出し、東北地方を覆ったが、例年に比べ西への張り出しは弱かった。北の寒気に対応する500hPa高度の負偏差はサハリン以北にあり、強い正偏差の中心は北海道にあった。このため、北日本や東日本は高圧部・正偏差となり、高温・多照となった。一方、西日本や南西諸島は負偏差で、台風や弱い熱帯低気圧がしばしば通過した。高気圧の縁に沿って弱い熱帯低気圧や湿った空気が入り込み、東北地方でも一時局地的な大雨となった。

    8/1〜22の平均500hPa高度
    8/1〜22の平均500hPa高度


  6. 熱帯太平洋の状況
     エルニーニョ監視海域(北緯4度〜南緯4度、西経150度〜西経90度)の7月の海面水温偏差は、-0.4℃であった。
     7月の太平洋赤道域の海面水温は、東経155度以東のほぼ全域で平年より低く、東経170度から西経150度、西経140度から西経120度にかけてと、西経100度以東で-0.5℃以下の負偏差が見られた。
     7月の南方振動指数は+0.5(暫定値)であった(表)。(南方振動指数は貿易風の強さの目安であり、正(負)の値は貿易風が強(弱)いことを示す。)

    <エルニーニョ監視海域の海面水温の今後の見通し(1999年8月〜2000年2月)>
     今春のラニーニャ現象終息後もエルニーニョ監視海域の海面水温は平年よりやや低い状態が続いているが、今後数か月間も状況に大きな変化はなく、エルニーニョ監視海域の海面水温は平年並からやや低めに経過し、向こう半年間にラニーニャ現象・エルニーニョ現象ともに発生する可能性は小さい。



    1999年7月の海面水温平年偏差図
    1999年7月の海面水温平年偏差図
    海面水温平年偏差図の太線は1℃毎、細線は0.5℃毎の等値線を示す(平年は1961〜90年の30年平均値)



  7. 参考資料
    <秋雨前線と台風>
     東北地方の半旬別の地域平均降水量(東北地方にある気象官署の半旬別降水量平年値を平均したもの)の平年の経過を年間を通してみると、夏から秋にかけて際立った2つの多雨期がみられます。
     6月から7月にかけての多雨期はちょうど梅雨の時期にあたり、梅雨前線の活動が活発化することによっておきています。西日本や南西諸島では、熱帯のような激しい雨が降り、特に奄美地方から九州南部にかけてと四国南部では1年のうちで最も降水量が多くなります。ただ、東北地方の梅雨は、冷たく湿ったオホーツク海気団の影響を受けやすく(俗にいう「やませ」)、発生する雲は層状であまり発達しないため、降水量はそれほど多くなりません。しかし、梅雨末期には、南から暖かく湿った空気が流れ込んで梅雨前線の活動が活発となり、大雨となることがあります。
     一方、8月の末から9月にかけての多雨期は、梅雨の時期よりもさらに降水量が多くなっています。9月は、秋の長雨の時期でもあり、秋雨前線が停滞する日が多くなって、くもりや雨の日が続くことがあります。東北地方では特に、太平洋高気圧が後退することにより、北東の冷たい空気が流れ込みやすくなるので、前線の活動が活発になり、降水量が多くなる傾向があります。また、日本列島が台風の通り道にあたる季節で、台風が勢力を保ったまま日本を縦断するようなコースをとることが多くあります。秋雨前線が日本付近に停滞しているときに台風が南海上から北上してくると、台風のまわりの湿った暖かい空気が前線の活動を活発にして、大雨となることがあります。
     昨年は、台風第1号の発生が7月9日ともっとも遅く、年間の発生数も観測史上最少の16個(平年27.8個)となりました。しかし、9月には5個の台風が発生(平年5.2個)し、うち3個が日本に上陸(平年0.8個)しました。東北地方でも、台風第5号、第7号、第8号(上陸後弱い熱帯低気圧に変わる)が影響を及ぼし、各地で被害が発生しました。
     今年は、4月には台風第1号が発生し、現在までで11個の台風が発生しています。また、7月以降弱い熱帯低気圧が日本の南海上に発生し、各地で被害をもたらしています。
     これから、秋雨の時期に入り、台風や大雨による大きな災害が発生しやすくなりますので、地元気象台から発表される注意報や警報、台風情報を的確に入手し、防災に役立てることが必要です。



 
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