2002年仙台管区気象台発表予報

5月20日発表3ヶ月予報


 本情報は仙台管区気象台発表の3ヶ月予報内容をお知らせします.


○5月20日発表 3ヶ月予報(6月,7月,8月)

  1. 予想される天候
    <3か月(6〜8月)の気温の各階級の確率(%)>
    3か月平均気温の各等級の確率

    <可能性の大きな天候見通し>
    6月 天気は概ね周期的に変わりますが、前線やオホーツク海高気圧の影響で、平年と同様に東北太平洋側を中心に曇りや雨の日が多い見込みです。
     気温、降水量共に平年並でしょう。

    7月 前線やオホーツク海高気圧の影響で、平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょう。その後は、太平洋高気圧に覆われ晴れの日が多い見込みです。
     気温、降水量共に平年並でしょう。

    8月 太平洋高気圧に覆われ、平年と同様に晴れの日が多いですが、太平洋高気圧の勢力が弱まり、曇りや雷雨となる時期があるでしょう。
     気温、降水量共に平年並でしょう。

     なお、3か月降水量は平年並の見込みです。

  2. 前回(4月22日)発表3か月予報からの変更点
     なし

  3. 暖候期の天候見通し(6〜8月)
     3月から5月前半の天候経過をふまえ暖候期の天候について検討しましたが、3月11日に発表した暖候期予報の内容に変更はありません。
    夏(6〜8月)の気温の各階級の確率(%)

  4. 最近の天候経過
     5月上旬:天気は概ね周期的に変化した。ただし、東北北部は高気圧に覆われ晴れる日が多かったが、東北南部は後半前線や低気圧の影響を受けやすく、曇りや雨の日が多くなった。3日は晴れて南から暖かい空気が流れ込み、東北地方は夏日のところがあった。
     平均気温平年差は、東北北部で+1.1℃と高く、東北南部で+0.8℃と平年並だった。降水量平年比は、東北北部で71%と少なく、東北南部で124%と多かった。日照時間平年比は、東北北部で119%と多く、東北南部で91%と平年並だった。

     5月中旬(11〜19日):期間の中頃高気圧に覆われ晴れる日もあったが、前線や低気圧の影響を受けやすく、曇りや雨の日が多かった。また、冷たく湿った東よりの風の影響もあって、東北太平洋側を中心に低温となった。なお、5月13日には「低温に関する東北地方気象情報第1号」を発表した。
     平均気温平年差は、東北日本海側で-0.8℃と平年を下回り、東北太平洋側では-2.1℃と平年を大きく下回った。降水量平年比は、東北北部で127%、東北南部で186%と共に平年を上回った。日照時間平年比は、東北地方で64%と平年を下回った。

  5. 循環場の特徴
    5月(19日まで):500hPa高度場では、極東域で平年より高度の高い状態が1月以降持続しているが、5月上旬後半からは正偏差の中心が50°N帯の高緯度に偏在するようになった。このため、日本付近では高緯度に気圧の尾根(地上のオホーツク海高気圧に対応)、中緯度は気圧の谷(地上の低気圧や前線に対応)となる逆位相パターンが続いた。
     東北地方は初め高気圧に覆われ晴れたが、上旬後半からは前線や低気圧の影響を受けやすくなった。特に、東北太平洋側ではオホーツク海高気圧や中心が北に偏った高気圧からの冷たい東よりの風の影響で天気がぐずつき、気温も平年を下回るようになった。

  6. 太平洋赤道域の状況
     エルニーニョ監視海域(北緯4度〜南緯4度、西経150度〜西経90度)の4月の海面水温の基準値(1961〜1990年の30年平均値)との差は+0.4℃だった。
     4月の太平洋赤道域の海面水温は、東経130度から東経145度、東経160度から西経145度、西経100度から西経85度で平年より0.5℃以上高く、東経170度から日付変更線付近と西経90度付近では+1℃以上の正偏差が見られた。一方、西経120度から西経110度にかけては負偏差が見られた(下図)。
     4月の南方振動指数は-0.1だった。(南方振動指数は貿易風の強さの目安であり、正(負)の値は貿易風が強(弱)いことを示す。)
     太平洋の赤道に沿った表層(海面から深度数百mまでの領域)水温は、東経155度から西経170度および西経165度から西経140度の深度100m付近と西経100度以東の深度50m付近で平年より1℃以上高かったが、+2℃以上の正偏差は見られなくなった。太平洋の赤道に沿った海面から深度260mまでの平均水温平年偏差の経度-時間断面図(図略)では、4月中、東経160度から西経140度と西経90度以東で+0.5℃以上の正偏差が分布していたものの、+1℃以上の正偏差は見られなくなり、西経110度から西経95度にかけて負偏差が現れた。

  7. エルニーニョ現象等の今後の見通し(2002年5月〜2002年11月)
     エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値(1961〜1990年の30年平均値)との差は今後次第に大きくなり、夏以降、エルニーニョ現象が発生する可能性が高いと予測される。
    【解説】
     4月の監視海域の海面水温の基準値からの差は+0.4℃と、今年になって増大する傾向が続いている。また、太平洋赤道域の海面水温は、負偏差域が著しく縮小し、東部のみならず日付変更線付近にも+1℃以上の正偏差が現れた(前頁図)。一方、赤道に沿った表層水温では、+1℃以上の正偏差域はやや縮小し、+2℃以上の正偏差域は見られなくなった。南方振動指数も-0.1で、貿易風の強さはまだ平年に近い状態にある。
     エルニーニョ予測モデルは、監視海域の海面水温の基準値との差が5月から8月にかけて次第に増大し、その後も海面水温が基準値より高い状態が持続すると予測している(右図)。
     以上のことから、監視海域の海面水温の基準値との差は、今後次第に大きくなり、夏以降、エルニーニョ現象が発生する可能性が高いと予測されるが、貿易風の強さはまだ平年並であることや、表層水温の正偏差も一時的に弱まったことなど、エルニーニョ現象の発生を遅らせる要因も見られることから、今後の推移を注意深く監視する必要がある。

    エルニーニョ監視海域の海面水温偏差予測
    エルニーニョ予測モデルによるエルニーニョ監視海域の海面水温偏差予測
     この図は、エルニーニョ監視海域の海面水温(基準値との差)の先月までの推移(折れ線グラフ)とエルニーニョ予測モデルから得られた今後の予測(ボックス)を示している。各月のボックスは、海面水温の基準値との差が70%の確率で入る範囲を示す。(基準値は1961〜1990年の30年平均値)

  8. 参考資料



 
GotoHome Prev Next Return Opinion
reigai@ml.affrc.go.jp