2004年仙台管区気象台発表予報
9月22日発表3ヶ月予報
本情報は仙台管区気象台発表の3ヶ月予報内容をお知らせします.
○9月22日発表 3ヶ月予報(10月,11月, 12月)
<予想される向こう3か月の天候>
向こう3か月の出現の可能性が最も大きい天候は以下のとおりです。
この期間の平均気温、降水量共に平年並でしょう。
10月
天気は数日の周期で変わり、晴れの日が多いでしょう。
気温は平年並か高い、降水量は平年並でしょう。
11月
天気は数日の周期で変わりますが、一時強い寒気が南下して冬型の気圧配置となるでしょう。平年と同様に、東北日本海側では曇りや雨の日が多く、東北太平洋側では晴れの日が多い見込みです。
気温、降水量共に平年並でしょう。
12月
冬型の気圧配置となる日が多く、一時強い寒気が南下するでしょう。平年と同様に、東北日本海側では曇りや雪または雨の日が多く、東北太平洋側では晴れの日が多い見込みです。
気温、降水量共に平年並でしょう。
<向こう3か月の気温、降水量の各階級の確率(%)>
数値予報(アンサンブル予報)による大気の流れの予報
3 か月平均の500hPa 高度と偏差の予想図:
予想図は、北半球全体が概ね正偏差となり、日本付近も正偏差に覆われる。しかし、日本付近の正偏差は弱く、中緯度の大西洋や黒海付近は負偏差で寒気放出パターンとなっており、北日本中心に強い寒気が南下することも考慮する必要がある。
偏西風の流れは順調で、天気は数日の周期で変わる見込み。
月別の地上気圧と偏差の予想図:
10 月
:日本付近は東西にのびる高圧部。天気は数日の周期で変わり、高気圧に覆われ晴れの日が多い。
11 月
:大陸の高気圧、アリューシャンの低気圧共に平年より強いが、日本の東も強い正偏差となる。強い寒気が南下して冬型の気圧配置となるのは一時的で、天気は数日の周期で変わる。
12 月
:大陸の高気圧、アリューシャンの低気圧共に平年より強いが、日本付近も強い正偏差となる。平年と同様に冬型の気圧配置が続く。
循環場の特徴
9 月1〜20 日
:500hPa 高度では、高緯度には負偏差が広がったが、日本の南の亜熱帯高気圧は平年に比べ北へ強く張り出し、日本付近は広く正偏差に覆われた。
偏西風の流れは、渤海湾付近が気圧の谷となって(西谷)、前線や低気圧の影響で天気のぐずつく時期があった。また、台風第18 号が亜熱帯高気圧の縁を回って7 日に九州に上陸し、8 日にかけて日本海を北上した。
上旬は、亜熱帯高気圧が日本の東海上で強く、朝鮮半島付近が深い気圧の谷となって、中国東北区から東シナ海にかけ負偏差が広がった。このため、東北地方は前線や低気圧の影響を受けやすく、天気がぐずついた。中旬は、亜熱帯高気圧が東北南部まで張り出し、高気圧に覆われ晴れの日が多かった。また、南から暖かい風が吹き込み、残暑となる日もあった。
最近の天候経過
9月上旬
:高気圧に覆われ晴れる日もあったが、前線が東北地方に停滞しやすく、曇りや雨の日が多かった。特に、7〜8日は台風第18号が強い勢力を維持したまま日本海を北東に進んで東北地方に接近したため、各地で暴風により農作物等に大きな被害が発生した。
平均気温は東北地方で平年並。降水量は東北北部でかなり少なく、東北南部で少ない。日照時間は東北日本海側で少なく、東北太平洋側で平年並。
9月中旬
:気圧の谷や寒冷前線の通過により曇りや雨の日もあったが、東北南部を中心に高気圧に覆われ晴れの日が多かった。ただし、11〜12日は北偏した高気圧からの湿った東よりの風の影響で東北太平洋側の南部で曇りの所があった。なお、13〜14日や18日は低気圧に向かって南から暖かい風が吹いたため、東北南部で真夏日となる所があった。
平均気温は東北北部で平年並、東北南部で高い。降水量は東北日本海側で平年並、東北太平洋側で少ない。日照時間は東北北部で多く、東北南部でかなり多い。
エルニーニョ現象等の今後の見通し
エルニーニョ監視速報(No.144)より抜粋(
http://www.jma.go.jp/
)
海面水温は中部を中心に7月に引き続き平年より高かったものの、中部の対流活動は平年並だった。赤道季節内振動が太平洋を通過したことに伴う東西風の変化に対応して、海洋表層(海面から深度数百mまでの領域)では、7月に続き8月半ばに西部で新たな正偏差が現れた。
エルニーニョ監視海域の海面水温は、秋から冬にかけて基準値(1961〜1990年の30年平均値)よりやや高い値で推移するとみられる。予測期間中にエルニーニョ現象が発生する可能性は現時点では高くないものの、今後の推移によってはエルニーニョ現象の発生に至ることも考えられる。
【解説】
8月の太平洋赤道域の海面水温は、中部で正偏差、東部で負偏差が持続し、西部では負偏差が現れた。大気下層では、季節内振動の通過に伴って、8月前半に中部から東部で東風偏差、西部で西風偏差が強まり、8月後半には中部から東部にかけて西風偏差が卓越した。これに対応して、海洋表層では7月に中部を東進していた水温の正偏差が弱まりながら東部に達し、その結果、この海域の負偏差はほぼ消滅した。8月半ばには西部で新たな正偏差が現れ、中部を東進しつつある。
表層水温のこの正偏差は、今後強まりながらさらに東進し、東部の海面水温偏差を増大させる可能性が高い。しかし、季節的に東部の海面水温が低いことから、大気との相互作用は起きにくいと考えられる。また大気の状況に関しては、中部の対流活動が活発ではなく、表層水温の正偏差をさらに強める平均的な貿易風の弱まりが顕著ではない。したがって、東部の海面水温偏差の増大がそのまま持続する可能性は低い。
エルニーニョ予測モデルは、エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差が、秋から冬にかけて次第に増加し、その後やや減少する傾向を示している(図略)。しかし、予測モデルは海面水温をここ数か月実際より高めに予測する傾向があることを考慮する。
以上のことから、監視海域の海面水温は秋から冬にかけて基準値よりやや高い値で推移するとみられるものの、現時点では予測期間中にエルニーニョ現象が発生する可能性は高くないと判断される。ただし、太平洋赤道域の海面水温は中部で依然として平年より高く、西部の負偏差が明瞭になっていることから、中部で対流活動が活発となり、西風偏差が持続しやすい状況にある。中部での対流活動の活発化を契機に、エルニーニョ現象の発生に至ることも考えられるので、今後の大気・海洋の状況には十分注意を要する。
reigai@ml.affrc.go.jp