2004年仙台管区気象台発表予報

9月22日発表寒候期予報


 本情報は仙台管区気象台発表の寒候期予報内容をお知らせします.


○9月22日発表 東北地方寒候期予報(10月から2月までの天候見通し)
<予想される冬(12月から2月)の天候>
 冬(12月から2月)の出現の可能性が最も大きい天候は以下のとおりです。
 冬型の気圧配置が続き、時々強い寒気が南下しますが長続きしないでしょう。平年と同様に、東北日本海側では曇りや雪または雨の日が多く、東北太平洋側では晴れる日が多いでしょう。
 この期間の平均気温は平年並か高い、降水量、東北日本海側の降雪量共に平年並でしょう。
 なお、11月までの予報については、最新の3か月予報等をご覧下さい。

冬(12月から2月)の気温、降水量、降雪量の各階級の確率(%)

1.長期的な傾向
 東北地方の冬(12〜2 月)平均気温は、5 年移動平均で見ると10 年程度の周期で変動しており、1980 年代半ばまでは低温が現われやすかった。1980 年代終わりから90 年代前半にかけては顕著な高温が続いたが、その後は概ね平年並で経過している。
最近は、1999/00 年は高温、2000/01 年は1985/86 年以来15 年ぶりの低温、2001/02 年は再び高温、一昨年は平年並、昨年は高温と年々の変動が激しい。

東北地方の冬(12〜2 月)の平均気温平年差の推移

 東北地方の冬(12〜2 月)の降水量は、5 年移動平均で見ると1970 年代前半までは多雨傾向だったが、70 年代後半からは平年並から少雨傾向となっている。
 1990 年代は年々の変動が大きかったが、最近は平年並から多雨傾向が続いている。
東北地方の冬(12〜2 月)の降水量平年比の推移
 東北日本海側の冬(12〜2 月)の降雪量は、5 年移動平均で見ると1950 年代や70 年代前半は少ない傾向だったが、60 年代や70 年代後半から80 年代半ばにかけては多い傾向が続いた。1980 年代終わりから90 年代前半にかけて平年を大きく下回ったが、最近は平年並に戻る傾向が見られる。
 1970 年代から80 年代は年々の変動が大きかったが、90 年代以降は平年並から少ない傾向が続いている。ただし、2000/01 年は1 月に記録的な大雪となって1987/88 年の冬以来13 年ぶりに多雪となった。
東北地方の冬(12〜2 月)の降雪量平年比の推移
最近の東北地方の冬(12〜2 月)の天候

2.層厚換算温度
 850hPa と300hPa の高度差(層厚)を温度に換算した量(層厚換算温度)は、おおよそ対流圏の平均温度と見なすことができる。この層厚換算温度と日本の気温には正の相関関係がある。2000 年後半の負偏差以降はほぼ正偏差が持続しているが、6、7 月と負偏差になった。8 月には0℃に戻り、今後は平年並か平年よりやや高い状態で推移する可能性が高い。

3.極の寒気の動向
 冬(12〜2 月)の北半球循環場の卓越パターン(冬の北半球500hPa 高度場の年々変動を主成分分析した結果の第1 主成分の変動パターン)は、極地方に大きな振幅と、中緯度のヨーロッパ、北米東部、極東域〜太平洋北部に反対符号の大きな振幅を持っている。この卓越パターンの強さを示す指数が正(負)の場合、北極付近など高緯度側で高度が負(正)偏差、日本付近など中緯度の高度は正(負)偏差となる傾向があり、日本に寒気が入りにくい(やすい)。この様に、卓越パターンの変動と日本の冬(12〜2 月)平均気温には正の相関関係があり、この傾向は特に東北地方を含む北日本ほど明瞭である。
 1990 年前後の極端な暖冬が続いた時期は指数が大きな正の値だったが、その後はゼロ付近で小さな変動が続き、15 年ぶりの寒冬となった2000/01 年は大きな負の値となった。昨年も大きな負の値となり、西日本には強い寒気が南下した。
 予想は平年並だが、アンサンブルメンバーにより高指数、低指数に大きくばらついており、北日本を中心に時々強い寒気の影響を受ける可能性がある。

4.太平洋赤道域の状況(エルニーニョ監視速報No.144 参照)
 2004 年8 月の太平洋赤道域の海面水温は、中部で正偏差、東部で負偏差が持続し、西部では負偏差が現れた。このため、中部で対流活動が活発となり、大気下層では西風偏差が持続しやすい状況にある。中部での対流活動の活発化を契機にエルニーニョ現象の発生に至る事も考えられるが、エルニーニョ監視海域(北緯4 度〜南緯4 度、西経150 度〜西経90 度)の海面水温は秋から冬にかけて基準値(1961〜1990 年の30 年平均値)よりやや高い値で推移する可能性が大きい。海面水温平年偏差の分布からは、平年に比べ西部太平洋赤道域での対流活動が弱く、中部太平洋赤道域での対流活動が活発と見込まれる。このような場合には、日本の冬(12〜2 月)平均気温は高くなることが多いが、北日本では寒気の南下の影響も考慮する必要がある。

5.数値予報(アンサンブル予報)による大気の流れの予想
 冬(12〜2 月)平均の500hPa 高度の予想図は、日本付近は東西に広く正偏差に覆われるが、カムチャツカ半島からアリューシャン列島付近にかけ負偏差となる。アンサンブル予報の各メンバーも低緯度を中心に正偏差側に偏った予想で、日本付近は南ほど気温の高い確率が大きい予想となっているが、北日本では時々強い寒気の影響を受ける見込み。
 冬(12〜2 月)平均の地上気圧の予想図は、大陸の高気圧は正偏差で、高圧部の中心は例年より南東に位置する。また、アリューシャン列島付近は負偏差で、低気圧が発達することを示している。しかし、日本付近の等圧線の間隔は平年とあまり変わらず、時々強い寒気が南下して冬型の気圧配置が強まる程度と考える。

6.まとめ
 層厚換算温度は、今年の冬(12〜2 月)は平年並か平年を上回る程度で推移すると考えられる。冬の北半球循環場の卓越パターンからは、北日本を中心に時々強い寒気の影響を受ける可能性がある。海況からは、今年の冬にエルニーニョ現象になるかどうかはともかく、西部で負偏差、中部(〜東部)で正偏差となり、このパターンから日本の冬(12〜2 月)平均気温は平年並〜高温となる可能性が大きい。統計資料も海面水温分布の特徴を反映し、平年並〜高温と予想している。このため、東北地方では時々強い寒気の南下はあるものの、長続きすることはないと考えらる。
 東北地方の冬(12〜2 月)平均気温は平年並か高いとなる可能性が大きく、冬(12〜2 月)の降水量や東北日本海側の降雪量は数値予報資料や各種統計資料から平年並となる可能性が大きいと考える。

 なお、今後も太平洋赤道域の大気・海洋や北半球循環場の推移等を注意深く監視し、10 月の3か月予報(毎月25 日頃発表)に合わせて寒候期予報の内容を再検討し、変更がある場合には修正して発表することにしています。

 
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