2004年仙台管区気象台発表予報
12月22日発表3ヶ月予報
本情報は仙台管区気象台発表の3ヶ月予報内容をお知らせします.
○12月22日発表 3ヶ月予報(1月,2月, 3月)
<予想される向こう3か月の天候>
向こう3か月の出現の可能性が最も大きい天候は以下のとおりです。
この期間の平均気温、降水量、東北日本海側の降雪量共に平年並でしょう。
1月
冬型の気圧配置が続き、強い寒気が南下する時期もあるでしょう。平年と同様に、東北日本海側は曇りや雪の日が多く、東北太平洋側は晴れの日が多い見込みです。
気温、降水量共に平年並でしょう。
2月
冬型の気圧配置は長続きせず、強い寒気の南下は一時的でしょう。東北日本海側は平年に比べ曇りや雪または雨の日が少なく、東北太平洋側は平年と同様に晴れの日が多い見込みです。
気温は平年並か高く、降水量は東北日本海側で平年並か少なく、東北太平洋側で平年並でしょう。
3月
天気は数日の周期で変わりますが、低気圧の通過後に一時寒気が南下して冬型の気圧配置となるでしょう。
気温、降水量共に平年並でしょう。
<向こう3か月の気温、降水量の各階級の確率(%)>
数値予報(アンサンブル予報)による大気の流れの予報
3 か月平均の500hPa 高度と偏差の予想図:
予想図は、日本付近を見ると北海道を中心に負偏差に覆われるが、本州以西は正偏差となる。このため、東北地方では寒気の影響を受ける時期もあるが、低温となることは考えにくい。
偏西風の流れは順調で、低気圧は数日の周期で通過する。
月別の地上気圧と偏差の予想図:
1 月
:アリューシャン低気圧は平年より強いが、北海道の東は正偏差となる。大陸の高気圧は日本付近に張り出しており、平年と同様の冬型の気圧配置となる見込み。
2 月
:大陸の高気圧の張り出し弱く、冬型の気圧配置は長続きしない見込み。
3 月
:日本付近は冬型の気圧配置だが、大陸の高気圧の張り出し弱く、等圧線の間隔も広い。天気は数日の周期で変わり、低気圧の通過後一時冬型の気圧配置となる程度。
循環場の特徴
12 月1〜20 日:
500hPa 高度では、寒冷低気圧がバイカル湖の北東にあって高緯度に負偏差が広がり、南シナ海も負偏差となった。一方、日本付近は強い正偏差に覆われ、日本の南の亜熱帯高気圧も強かった。
偏西風の流れは順調で、低気圧は数日の周期で通過した。通過後に冬型の気圧配置となったが、寒気の南下は弱く、長続きしなかった。また、南シナ海が気圧の谷となり(西谷)、日本付近は低気圧や前線の影響を受け易かった。特に、4〜5 日は台風第27 号からの暖湿な空気が流れ込んで低気圧が急速に発達しながら本州を縦断したため、東北地方は大雨や暴風となった。
東北地方では、寒気の南下が弱く、冬型の気圧配置が長続きしなかったため、平年に比べ気温はかなり高く、東北日本海側の日照時間もかなり多かった。
最近の天候経過
12月上旬
:低気圧や寒冷前線が数日の周期で通過し、通過後は冬型の気圧配置となったが、寒気の南下は弱く長続きしなかった。東北日本海側は曇りや雨の日が多く、東北太平洋側は晴れの日が多かった。しかし、冬型の気圧配置は長続きせず、東北地方は平年に比べ晴れの日が多かった。
なお、4〜5日にかけては急速に発達した低気圧が本州を縦断したため、東北地方は大雨や暴風により被害が発生したが、南から暖かい空気が流れ込み、小名浜で日最高気温が夏日となる25.4℃を記録するなど東北南部を中心に記録的な高温となった。
平均気温は東北地方でかなり高い。降水量は東北日本海側で多く、東北太平洋側でかなり多い。日照時間は東北日本海側でかなり多く、東北太平洋側で多い。
12月中旬
:低気圧や寒冷前線が短い周期で通過し、通過後は冬型の気圧配置となったが、寒気の南下は弱く長続きしなかった。東北日本海側は曇りや雨または雪の日が多く、東北太平洋側は晴れの日が多かった。しかし、東北日本海側では平年に比べ晴れの日が多かった。なお、16〜17日は寒冷前線の通過後冬型の気圧配置が強まって東北南部で暴風となり、交通機関に乱れが生じた。
平均気温は東北地方でかなり高い。降水量は東北日本海側で平年並、東北太平洋側で少ない。日照時間は東北日本海側でかなり多く、東北太平洋側で平年並。
太平洋赤道域の海水温等の状況、及びエルニーニョ現象等の今後の見通し
エルニーニョ監視速報(No.147)より抜粋(
http://www.jma.go.jp/
)
太平洋赤道域の海面水温は、+0.5℃以上の正偏差域が東部に拡がった。しかし、貿易風の状態や中部の対流活動は依然として平年並であった。
エルニーニョ監視海域の海面水温は、基準値(1961〜1990 年の30 年平均値)より高い現在の値から次第に低下し、春には基準値よりやや高い値に落ち着くとみられる。予測期間中にエルニーニョ現象が発生する可能性は現時点では高くないものの、今後の推移によってはこのままエルニーニョ現象の発生に至ることも否定できない。
【解説】
太平洋赤道域の海面水温や表層水温は、9 月以降ほぼ全域で正偏差となっている。中部を中心に見られていた+0.5℃以上の海面水温の正偏差域が、11 月に入って東部に拡がった。その結果、エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差は、10 月の+0.5℃から+0.9℃に増加し、9 月の5 か月移動平均値は+0.5℃になった。大気については、6 月以降インドネシア付近で平年より対流活動の不活発な状態が続き、11 月は東経165 度付近で対流活動が平年より活発となった。しかし、貿易風の状態や中部の対流活動は依然として平年並であった。
東部の海面水温偏差の急激な増大は、下旬に到達した表層水温の正偏差の影響もあるが、上旬に東部で見られた西風偏差が主因だと考えられる。しかし、この局地的な西風偏差は下旬にはすでに弱まっており、表層水温の正偏差の影響がわずかに残るものの、東部の海面水温偏差の増大は次第に収まると予測される。また、11 月に活発化した東経165 度付近の対流活動が、高い海面水温の大気への応答として持続するものかどうかは、今後さらに見極める必要がある。
エルニーニョ予測モデルは、監視海域の海面水温の基準値との差が、冬の間+1℃前後で推移し、春以降は更に増加すると予測している。しかし、予測モデルは海面水温をここ数か月間実際より高めに予測する傾向があることを考慮する。
以上のことから、監視海域の海面水温は基準値よりも高い現在の値から次第に低下して、春には基準値よりやや高い値に落ち着くとみられる。東部の海面水温偏差が増大したにもかかわらずこれに対応する明瞭な変化が大気に認められないことから、予測期間中にエルニーニョ現象が発生する可能性は現時点では高くないと判断される。ただし、潜在的に中部の対流活動が活発になり貿易風が弱まりやすい状態は依然続いており、今後の推移によってはこのままエルニーニョ現象の発生に至ることも否定できないので、大気・海洋の状況を引き続き注意深く監視していく。
reigai@ml.affrc.go.jp