2006年仙台管区気象台発表予報

2月23日発表3ヶ月予報



 本情報は仙台管区気象台発表の3ヶ月予報内容をお知らせします.

○2月23日発表 3ヶ月予報(3月から5月までの天候見通し)

    <予想される向こう3か月の天候>
     向こう3か月の出現の可能性が最も大きい天候は以下のとおりです。
     この期間の平均気温は平年並か高い、降水量は平年並でしょう。なお、東北地方では今冬は記録的な積雪状態となっている所がありますので、なだれや融雪災害などに注意して下さい。
    3月 天気は数日の周期で変わるでしょう。東北日本海側では平年と同様に曇りや雨または雪の日が多く、東北太平洋側では平年に比べ曇りや雨または雪の日が多いでしょう。
     気温は平年並か高い、降水量は東北日本海側では平年並、東北太平洋側では平年並か多いでしょう。

    4月 天気は数日の周期で変わるでしょう。東北地方は平年と同様に晴れの日が多いでしょう。
     気温は平年並、降水量は平年並でしょう。

    5月 天気は数日の周期で変わるでしょう。東北地方は平年と同様に晴れの日が多いでしょう。
     気温は平年並、降水量は平年並でしょう。

    <向こう3か月の気温、降水量の各階級の確率(%)>
    向こう3か月の気温、降水量の各階級の確率(%)

  1. 数値予報(アンサンブル予報)による大気の流れの予報
    3 か月平均の500hPa 高度と偏差の予想図:
     予想図では日本付近は寒気に対応する負偏差域に覆われる。ただし、最新の1か月予報資料の3月中旬までの予想(図略)は、3か月予報資料の3 月(図略)に比べて寒気の程度が弱く高温傾向が予想されている。このため、3か月平均予想図の負偏差域も弱めて考え、予報期間は寒気の影響は一時的で、3か月平均気温は平年並か高い見込み。
     なお、今冬は各地で記録的な積雪となっており、なだれや雨の日の融雪によるがけ崩れなどに注意が必要(4項参照)。また、4 月、5 月は、晴れた日は放射冷却で冷え込むことがあるため、おそ霜に注意が必要。

    月別の地上気圧と偏差の予想図
    3 月:本州の南岸沿いには等圧線のくびれが見られ、東北太平洋側では低気圧や前線の影響を受けやすく、平年に比べ曇りや雨の日が多い見込み。
    4 月:西日本を中心に高気圧に覆われやすいが、東北地方は、気圧の谷や寒気の影響を数日の周期で受ける見込み。天気は数日の周期で変化するが、高気圧に覆われ晴れる日が多い見込み。
    5 月:等圧線の間隔が広く、低気圧と高気圧が交互に通過する見込み。東北地方では、天気は数日の周期で変化するが、高気圧に覆われ晴れる日が多い見込み。

  2. 循環場の特徴
    2 月(予想値を含む):500hPa 高度では、極付近正偏差(暖気に対応)で寒気放出パターンだが、日本付近の負偏差域(寒気に対応)は北海道以北。東北以南は中緯度帯を東西に広がる強い正偏差域(暖気に対応)に入っている。このため、東北地方は、2 月上旬は低温になったものの、中旬以降は高温となっている。

  3. 最近の天候経過
    2月上旬:1日と7日は本州の南岸沿いを低気圧が北東進したため、東北太平洋側を中心に雪や雨となり、大雪となったところもあった。その他の日は冬型の気圧配置となり、一時強い寒気が南下した。東北日本海側では雪の日が多く、大雪となる日もあり、秋田県ではなだれが発生し、建物の一部を損壊するなどの災害が発生した。東北太平洋側では晴れの日が多かった。
     平均気温は低い。降水量は東北北部で多く、東北南部でかなり多い。日照時間はかなり少ない。

    2月中旬:はじめ冬型の気圧配置となり、日本海側では雪で大雪となった所もあった。13〜15日は、日本の北に低気圧、日本の南に高気圧の気圧配置となり、東北太平洋側では晴れたが、東北日本海側では曇りや雨となった。また日本の南の高気圧から暖かい空気が入ったため気温が上昇し、山形県ではなだれが発生し国道が一時通行止めとなった。16日以降は天気は数日の周期で変化した。
     平均気温は高い。降水量は東北日本海側で多く、東北太平洋側で平年並。日照時間は東北北部で少なく、東北南部で平年並。

  4. 防災事項
     今冬は、東北地方では記録的に多い積雪量となっている。これまでにも各地でなだれの災害が発生しているが、春にかけてもなだれや融雪によるがけ崩れ、洪水などが発生するおそれがある。
     なお、昨年も平年に比べて積雪が多い年であり、昨年の春に発生したなだれや融雪による主な災害を下表に掲載する。

    2006 年2 月の最深積雪を更新したアメダス地点の観測値と起日
    鷹巣(秋田県)123cm( 8 日)
    五城目(秋田県)112cm(12 日)
    阿仁合(秋田県)179cm(12 日)
    岩手松尾(岩手県)62cm( 8 日)
    雫石(岩手県)113cm(10 日)
    北上(岩手県)58cm( 8 日)
    区界(岩手県)111cm(11 日)
    狩川(山形県)162cm(12 日)
    向町(山形県)205cm( 6 日)

    昨年(2005 年)春に発生した融雪、なだれによる主な災害
    災害発生日 災害名災害の概要備考
    3月12 日山形県なだれJR 米坂線で大規模ななだれが発生し、鉄橋や線路が損壊した 
    3月12 日福島県融雪によるがけ崩れJR 只見線で融雪によりがけ崩れが発生し、普通列車が土砂や雪にのりあげた平成15 年10 月の新潟中越地震の影響で地盤が緩んでいた影響の可能性もある。
    4 月7 日青森県融雪によるがけ崩れ、浸水気温の上昇と雨の影響で融雪が進み、用水路があふれて市道が冠水したり、各地で地すべり、がけ崩れが発生した。 
    4 月27 日青森県なだれ八甲田山中で道路除雪作業現場になだれが発生した。 

  5. 太平洋赤道域の海水温等の状況、及びエルニーニョ現象等の今後の見通し
    エルニーニョ監視速報(No.161)より抜粋(http://www.jma.go.jp/
     太平洋赤道域の海面水温は、中部から東部の広い範囲で平年より低かった。海洋表層(海面から深度数百mまでの領域)の水温は、東部で負偏差、西部で正偏差が明瞭だった。大気下層では中・西部で東風偏差が卓越した。
     現在の太平洋赤道域の中・東部で海面水温が平年より低い状態は、ラニーニャ現象である可能性が高い。この状態は春まで続くとみられる。

    【解説】
     1 月の太平洋赤道域の海面水温は、12 月に引続き中部から東部の広い範囲で平年より低かった。1 月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差は.0.6℃で、11 月の5 か月移動平均値は.0.5℃だった。海洋表層の水温は、東部で負偏差、西部で正偏差となり、東西のコントラストが明瞭だった。対流活動は東経160 度以西で平年より活発、日付変更線付近で平年より不活発で、大気下層では中・西部で東風偏差が卓越した。このように、現在の太平洋赤道域の大気と海洋の状況は、ラニーニャ現象時の特徴を呈している。また、大気と海洋が双方の偏差を相互に強めあう状態にあることから、中・東部における海面水温の負偏差傾向は当面持続すると考えられる。
     一方、海洋表層では西部で暖水の蓄積が認められるものの、暖水の東方への拡大など、東部の海面水温偏差を今後大きく正に転じさせる要因は見られない。
     エルニーニョ予測モデルは、監視海域の海面水温が、春にかけて基準値に近づき、夏は基準値よりやや高い値で推移すると予測している。しかしながら、最新の実況を重視すると、モデルの予測よりも若干低めに推移し、東部で海面水温が平年より低い状態は春まで持続すると考えられる。
     以上のことから、現在の太平洋赤道域の中・東部で海面水温が平年より低い状態は、ラニーニャ現象である可能性が高く、この状態は春まで続くとみられる。

    (参考)
     ラニーニャ現象発生時の東北地方の春(3〜5月)平均気温は、平年並〜低い傾向が見られる。

 
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