2006年仙台管区気象台発表予報

2月23日発表暖候期予報


 本情報は仙台管区気象台発表の暖候期予報内容をお知らせします.


○2月23日発表 東北地方暖候期予報(3月から8月までの天候見通し)
<予想される夏(6月から8月)の天候>
夏(6月から8月)の出現の可能性が最も大きい天候は以下のとおりです。
 6月から7月は、平年と同様に梅雨前線やオホーツク海高気圧の影響で曇りや雨の日が多いでしょう。その後太平洋高気圧に覆われて晴れの日が多いですが、前線や寒気の影響で曇りや雷雨となり、一時天気がぐずつく見込みです。
 この期間の平均気温は平年並、降水量は平年並か多いでしょう。梅雨の時期(6月から7月)の降水量は平年並か多いでしょう。
 なお、5月までの予報については最新の3か月予報等をご覧ください。

夏(6月から8月)の気温、降水量の各階級の確率(%)

1.長期的な傾向
(1)最近の夏(6〜8 月)の天候
 東北地方の夏(6〜8 月)の平均気温は、1950 年代後半から70 年代前半は年々の変動が小さかったが、70 年代後半からは年々の変動が大きくなっている。2000 年代に入っても、2000 年は暑夏、03 年は記録的な冷夏、04 年、05 年は暑夏と極端な天候が現れている。
 なお、5 年移動平均値の経年変化からは夏(6〜8 月)以外の季節の平均気温に顕著に現れる昇温傾向など長期的な傾向は見られない。

東北地方の夏(6〜8月)の平均気温平年差の推移
東北地方の6〜7月の2か月間降水量(概ね梅雨期間の降水量に相当)平年比の推移

 東北地方の6〜7 月の2 か月間降水量(概ね梅雨の時期の降水量に相当)は、1960 年代後半から年々の変動が大きくなっている。しかし、1990 年代後半からは平年並か多雨が続いている。

 下表は、2001 年以降の東北地方の夏(6〜8 月)の天候である。


2001年以降の東北地方の夏(6〜8月)の天候の特徴
20010.2(0)101(0)95(0)7 月高温8 月低温 東北北部は梅雨明け特定しない
20020.2(0)136(+)92(-)多雨寡照 7 月記録的大雨 台風第6 号・第7 号上陸
2003-1.3(--)118(+)65(--)記録的な冷夏 東北南部・東北北部とも梅雨明け特定しない
20040.9(+)96(0)115(+)高温多照 梅雨末期の豪雨(平成16 年新潟・福島豪雨など) 台風6 個上陸
20050.7(+)100(0)90(-)高温寡照 7 月低温 遅い梅雨入り・梅雨明け

++:かなり高い(多い) +:高い(多い) 0:平年並 -:低い(少ない) --:かなり低い(少ない)

(2)最近の夏(6〜8 月)の大気の流れ
@オホーツク海高気圧
 オホーツク海高気圧指数はオホーツク海高気圧の強さを示し、高指数の場合はオホーツク海高気圧が現れやすく、東北太平洋側を中心に低温やぐずついた天候となりやすい。
 この指数の夏(6〜8 月)平均の経年変化を見ると、1980 年代後半からは高指数となることが多い。

A極東中緯度高度
 極東中緯度高度指数は、日本付近の高度場の高低を示す指数で、高指数の場合は寒気が南下しにくく、高温となりやすい。
 この指数の夏(6〜8 月)平均の経年変化を見ると、上昇傾向が見られ、1994 年以降は高指数で経過している。

 最近は、オホーツク海高気圧指数や極東中緯度高度指数共に高指数の傾向を示しており、オホーツク海高気圧や太平洋高気圧の張り出しの有無や時期によって、東北地方では気温の変動が大きくなっていると考えられる。

2.熱帯の大気・海洋と日本の天候
(1)夏のアジアモンスーンの活動(SAMOI(A))
 SAMOI(A)は、夏のアジアモンスーンの活動度を示す指数で、右図の四角で囲んだベンガル湾付近からフィリピン付近にかけての領域で平均した対流活動の強さを示す。
 この指数と北日本の気温は、正の相関関係があるが、この夏(6 月〜8 月)は平年並程度が予想されている。

(2)エルニーニョ/ラニーニャ
 エルニーニョ監視海域(北緯4 度〜南緯4 度、西経150 度〜西経90 度)の海面水温の基準値(1961〜90 年の30 年平均値)との差の経年変化を見ると、エルニーニョ現象が2003 年2 月に終息した後は、2003 年秋頃から基準値を上回る状況が続いていた。しかし、2005 年秋頃から基準値を下回り、現在はラニーニャ現象が発生している可能性が大きい。
 ラニーニャ現象は、この後春までは続くとみられるが、その後次第に基準値に近い値となり、この夏は基準値に近い値で推移する可能性が大きい。このため、エルニーニョ/ラニーニャ現象発生時の天候の特徴は予報の根拠としない。
 なお東北地方の夏(6 月〜8 月)平均気温は、ラニーニャ現象発生時は平年並〜高い傾向がみられ、エルニーニョ現象発生時は平年並〜低い傾向がある。

3.数値予報(アンサンブル予報)による大気の流れの予想
 夏(6〜8 月)平均の500hPa 高度の予想図では、極付近が負偏差(寒気に対応)だが、中緯度帯は広く正偏差(暖気に対応)に覆われる。
 夏(6〜8 月)平均の地上気圧の予想図は、オホーツク海付近で平年に比べ気圧が高い。この高気圧は、太平洋高気圧と一体となって北日本に高温をもたらす可能性と、オホーツク海高気圧として低温をもたらす可能性がある。

4.まとめ
 東北地方の夏(6〜8 月)の平均気温に長期的な傾向は見られない。
 最近のオホーツク海高気圧指数、極東中緯度高度指数は高指数で経過しており、東北地方で気温の年々変動が大きくなっている。
 エルニーニョ監視海域の海面水温は、この夏は基準値に近い値が予想される。
 アジアモンスーンの活動は、この夏は平年と同程度とみられる。
 数値予報資料では、オホーツク海高気圧付近の気圧が高いが、この高気圧は太平洋高気圧と一体となって北日本に高温をもたらす可能性と、オホーツク海高気圧として低温をもたらす可能性がある。

 北日本の天候と関係が深いアジアモンスーンの活動などは平年に近い予想であることから、気温の予報は平年並が最大確率(40%)だが、不確実な要素もあり、低温、高温の確率もそれぞれ30%見込まれる。
 東北地方の夏(6〜8 月)の降水量や梅雨の時期(6〜7 月)の降水量は、近年多雨傾向があることや統計資料から、平年並か多い可能性が大きい。

 なお、今後も太平洋赤道域の大気・海洋や北半球循環場の推移等を注意深く監視し、3 月及び4月の3か月予報(毎月25 日頃発表)に合わせて暖候期予報の内容を再検討し、変更がある場合には修正して発表することにしている。
 
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