2007年仙台管区気象台発表予報

2月22日発表暖候期予報


 本情報は仙台管区気象台発表の暖候期予報内容をお知らせします.


○2月22日発表 東北地方暖候期予報(3月から8月までの天候見通し)
<予想される夏(6月から8月)の天候>
夏(6月から8月)の出現の可能性が最も大きい天候は以下のとおりです。
 6月から7月は、平年と同様に梅雨前線やオホーツク海高気圧の影響で曇りや雨の日が多いでしょう。その後太平洋高気圧に覆われて晴れの日が多いですが、前線や寒気の影響で曇りや雷雨となり、一時天気がぐずつく見込みです。
 この期間の平均気温は平年並、降水量は平年並か多いでしょう。梅雨の時期(6月から7月)の降水量は平年並か多いでしょう。
 なお、5月までの予報については最新の3か月予報等をご覧ください。

<夏(6月から8月)の気温、降水量の各階級の確率(%)>
【気  温】東北地方
【降 水 量】東北地方
凡例:低い(少ない)平年並高い(多い)
<梅雨の時期(6月から7月)の降水量の各階級の確率(%)>
【降 水 量】東北地方
凡例:少ない平年並多い

1.長期的な傾向
(1)最近の夏(6〜8 月)の天候
 東北地方の夏(6〜8 月)の平均気温は、70 年代後半からは年々の変動が大きくなっている。最近は高温の年が多いが、1998 年や2003 年は冷夏となっており、極端な天候が現れている。
 なお、5 年移動平均値の経年変化からは夏(6〜8 月)以外の季節の平均気温に顕著に現れる昇温傾向など長期的な傾向は見られない。

東北地方の夏(6〜8月)の平均気温平年差の推移

 東北地方の6〜7 月の2 か月間降水量(概ね梅雨の時期の降水量に相当)は、1960 年代後半から年々の変動が大きくなっている。しかし、1990 年代後半からは平年並か多雨が続いている。

東北地方の6〜7月の2か月間降水量(概ね梅雨期間の降水量に相当)平年比の推移


2001年以降の東北地方の夏(6〜8月)の天候の特徴
平均気温
平年差℃
降水量
平年比%
日照時間
平年比%
夏の特徴
20010.2(0)101(0)95(0)7 月高温8 月低温 東北北部は梅雨明け特定しない
20020.2(0)136(+)92(-)多雨寡照 7 月記録的大雨 台風第6 号・第7 号上陸
2003-1.3(--)118(+)65(--)記録的な冷夏 東北南部・東北北部とも梅雨明け特定しない
20040.9(+)96(0)115(+)高温多照 梅雨末期の豪雨(平成16 年新潟・福島豪雨など) 台風6 個上陸
20050.7(+)100(0)90(-)高温寡照 7 月低温 遅い梅雨入り・梅雨明け
20060.3(0)94(0)86(-)7 月低温8 月高温 7 月記録的な寡照 遅い梅雨明け 東北北部少雨

++:かなり高い(多い) +:高い(多い) 0:平年並 -:低い(少ない) --:かなり低い(少ない)

(2)最近の夏(6〜8 月)の大気の流れ
@オホーツク海高気圧
 オホーツク海高気圧指数はオホーツク海高気圧の強さを示し、高指数の場合はオホーツク海高気圧が現れやすく、東北太平洋側を中心に低温やぐずついた天候となりやすい。
 この指数の夏(6〜8 月)平均の経年変化を見ると、1980 年代後半からは高指数となることが多い。

A極東中緯度高度
 極東中緯度高度指数は、日本付近の高度場の高低を示す指数で、高指数の場合は寒気が南下しにくく、高温となりやすい。
 この指数の夏(6〜8 月)平均の経年変化を見ると、上昇傾向が見られ、1994 年以降は高指数で経過している。

 最近は、オホーツク海高気圧指数や極東中緯度高度指数共に高指数の傾向を示しており、オホーツク海高気圧や太平洋高気圧の張り出しの有無や時期によって、東北地方では気温の変動が大きくなっていると考えられる。

2.熱帯の大気・海洋と日本の天候
(1)夏のアジアモンスーンの活動(SAMOI(A))
 SAMOI(A)は、夏のアジアモンスーンの活動度を示す指数で、ベンガル湾付近とフィリピン付近の領域で平均した対流活動の強さを示す。
 この指数と北日本の気温は、正の相関関係があり、偏西風の北上(チベット高気圧の張り出し)に影響すると考えられている。
 数値予報資料によれば、この夏(6 月〜8 月)の指数は平年をやや下回ると予想されている。このため、偏西風の北上が弱く低温になる可能性もあるが、近年は指数が平年並程度でも気温は平年を上回っていることや太平洋高気圧の北への張り出しと関係の強いフィリピン付近の対流活動はやや活発な予想となっており、高温となる可能性もある。

(2)エルニーニョ/ラニーニャ
 エルニーニョ監視海域(※1)の海面水温の基準値(※2)との差の経年変化を見ると、2002 年以降ほぼ正偏差が続いていたが、ラニーニャ現象に伴い、2005 年後半から2006 年前半に負偏差となった。2006 年後半からは正偏差となり、現在はエルニーニョ現象が発生している。
 エルニーニョ現象は、この春に終息するとみられ、この夏は基準値に近い値で推移する可能性が大きい。このため、エルニーニョ/ラニーニャ現象発生時の天候の特徴は予報の根拠としない。
※1 エルニーニョ監視海域:北緯5 度〜南緯5 度、西経150 度〜西経90 度
※2 基準値:その前年までの30 年間の各月の平均値

3.数値予報(アンサンブル予報)による大気の流れの予想
 夏(6〜8 月)平均の500hPa 高度の予想図では、極付近が負偏差(寒気に対応)だが、中緯度帯は広く正偏差(暖気に対応)に覆われる。
 夏(6〜8 月)平均の地上気圧の予想図は、偏差は小さいが、日本の南海上が低圧部で、本州付近やその北では気圧が高い。太平洋高気圧に覆われ晴れて高温の時期もある見込みだが、オホーツク海付近も正偏差であることから、オホーツク海高気圧が現れ低温になる時期もある見込み。

4.まとめ
 東北地方の夏(6〜8 月)の平均気温に長期的な変化傾向は見られない。
 最近のオホーツク海高気圧指数、極東中緯度高度指数はともに高指数で経過しており、東北地方で気温の年々変動が大きくなっている。
 エルニーニョ監視海域の海面水温は、この夏は基準値に近い値が予想され、エルニーニョ現象発生時の天候は考慮しない。
 偏西風の北上(チベット高気圧の張り出し)に関係の強いアジアモンスーンの活動は、この夏はやや弱いと予想される。ただし、太平洋高気圧の北への張り出しに関係の強い、フィリピン付近の対流活動はやや活発な予想。
 数値予報資料では、北半球は広く高温ベースだが、オホーツク海付近の気圧も高く、オホーツク海高気圧が現れることもある見込み。

東北地方のこの夏(6〜8 月)の気温
 現段階では高温を示す資料と低温を示す資料があり、高温の可能性と低温の可能性に大きな差はない。北半球全体が高温ベースであることや太平洋高気圧が平年並からやや強めであることを評価し、「高い」を最大確率(40%)とするが、低温を示唆する資料もあり、「低い」の確率も30%ある。
 またアジアモンスーンの活動の予想や数値予報による大気の流れの予想などから、太平洋高気圧が北に張り出す影響で気温の高い時期と寒気やオホーツク海高気圧の影響で気温の低い時期がある見込み。

東北地方の夏(6〜8 月)の降水量や梅雨の時期(6〜7 月)の降水量
 近年平年並か多雨の傾向があることや統計資料などから、「平年並」と「多い」の可能性をそれぞれ40%とする。

 なお、今後も太平洋赤道域の大気・海洋や北半球循環場の推移等を注意深く監視し、3 月及び4月の3か月予報(毎月25 日頃発表)に合わせて暖候期予報の内容を再検討し、変更がある場合には修正して発表することにしている。
 
GotoHome Prev Next Return Opinion
 

reigai@ml.affrc.go.jp