2010年仙台管区気象台発表予報

9月22日発表寒候期予報


 本情報は仙台管区気象台発表の暖候期予報内容をお知らせします.


○9月22日発表 東北地方寒候期予報(10月から2月までの天候見通し)
<予想される冬(12月から2月)の天候>
 冬(12月から2月)の出現の可能性が最も大きい天候と、特徴のある気温、降水量等の確率は以下のとおりです。
 東北日本海側は平年に比べ雪の日が少なく、東北太平洋側は平年と同様に晴れの日が多いでしょう。
 この期間の日本海側の降雪量は、平年並または少ない確率ともに40%です。
 なお、12月までの各月の予報については最新の3か月予報等をご覧ください。

<冬(12月から2月)の気温、降水量、降雪量の各階級の確率(%)>
【気  温】東北地方
【降 水 量】東北日本海側
【降 水 量】東北太平洋側
【降 雪 量】東北日本海側
凡例:低い(少ない)平年並高い(多い)

1.冬(12月から2月)の予報
 この期間の平均気温は、各階級の確率の偏りは小さい。降水量は、各階級の確率の偏りは小さい。東北日本海側の降雪量は、平年並または少ない確率ともに40%です。

2.予報の根拠
(1)数値予報(アンサンブル予報)による海洋と大気の流れの予想
@熱帯域の海洋の予想
 大気海洋結合モデルによる冬平均海面水温の予想によると東部から中部太平洋赤道域の海面水温は平年より低く、この夏に発生したと見られるラニーニャ現象は、冬までは持続すると見られる。ラニーニャ現象を反映して、アジア域では南シナ海からフィリピン付近にかけての領域において対流活動(積乱雲の発生・発達など)が活発で、その結果、華南から華中付近で偏西風の流れを北に蛇行させ、その下流に位置する日本付近では逆に偏西風の流れが南に蛇行して高度・温度場が負偏差になるという循環が生ずると考えられる。

A大気の予想
 500hPa 高度は、ラニーニャ現象を反映して西日本や沖縄・奄美を中心に負偏差が予想されている。現在は対流圏の気温がエルニーニョ現象終了後に全球的に上昇して高い状態が続いており、さらに北半球中緯度ではラニーニャ現象の発生に伴う高温も加わっている。北半球中緯度の気温は、この夏の非常に高い状態から次第に下がっていくものの、高い状態はこれから迎える冬まで持続すると予想されている。一方、極東中緯度帯は帯状に負偏差となっており、西回りで寒気が流れ込みやすい時期があると見込まれる。
 海面気圧の予想図(下左図)ではシベリア高気圧は平年より強く、日本付近は東海上を中心に平年より気圧が低いと予想されている。低気圧がこの方面に進むことが多いと見込まれる。

(2)北極振動〔寒気の動向〕
 冬(12〜2 月)の北半球循環場において最も卓越するパターンは極地方に大きな振幅と、中緯度のヨーロッパ、北米東部、極東域から太平洋北部に反対符号の大きな振幅を持っており、北極振動(北極圏と中緯度帯の間の気圧場の南北振動のことで、北極の寒気が蓄積と放出を交互に繰り返す変動を示す)と呼ばれるパターンに類似している。この指数が正(負)の値の場合、日本など中緯度の高度は正(負)偏差となり、寒気が南下しにくい(しやすい)。このため、このパターンの変動と西日本以北の冬平均気温には正の相関関係がある。大気海洋結合モデルによるこの冬の予想は、アンサンブルのメンバー間でのバラツキが大きく、正/負のどちらかを明瞭に予測するシグナルは認められない。
 この指数は十数年程度の時間スケールで変動している。1980 年代後半から1990 年代前半は極端な暖冬が続き、1990 年代後半以降も並冬〜暖冬傾向が続いているが、近年北日本では寒冬がやや現れやすくなっている。

(3)まとめ
東北地方のこの冬(12〜2 月)の気温
 大気海洋結合モデルによる数値予報は、海洋ではラニーニャ現象の継続を予想しており、大気についてもラニーニャ現象時に現れやすい循環場を予想している。日本付近では西日本や沖縄・奄美を中心に500hPa 高度・850hPa 気温の負偏差が予想されているが、北半球規模では中緯度の気温が高い状態が予想されており、北日本では500hPa 高度は負偏差だが偏差は小さく、850hPa気温は正偏差が予想されている。北極振動については、アンサンブルメンバー間のばらつきが大きく不確定性が大きいことから、予報確率の偏りを小さく考えた。東北地方では「低い」確率30%、「平年並」30%、「高い」40%と予報した。

東北地方の冬(12〜2 月)の降水量
 降水量は、数値予報資料で少雨/多雨いずれかに大きく偏った傾向は見られないことから、平年からの偏りが小さい予報とした。

東北日本海側の冬(12〜2 月)の降雪量
 西回りで寒気が流れ込みやすい時期が見込まれ、東北地方では季節風の影響は平年より弱くやや気温が高い傾向。日本海側の降雪量は、近年の傾向を勘案し、「平年並」と「少ない」の確率をともに40%と予報した。
なお、冬の天候に少なからぬ影響を与える北極振動の動向については、現時点では明瞭でない。北極振動の寒気放出期となった場合には寒気の影響を強く受ける可能性もある。今後も北極振動については注意深く監視し、10 月25 日あるいは11 月25 日に発表する3か月予報に反映していく。

3.最近の冬(12〜2 月)の天候
最近の東北地方の冬(12〜2 月)の天候の特徴
東北地方平均気温
平年差(℃)
東北日本海側降雪量
平年比(%)
東北地方の冬(12〜2 月)の天候の特徴
2000/01-1.0( -)117( +)寒冬、 1月に東北各地で記録的な大雪
02 0.5( +)92( 0)暖冬(12月低温、1月・2月高温)
03-0.2( 0)88( -)  12月低温、2月高温 東北日本海側少雪(前半多雪後半少雪)
04 1.3(++) 74( -)暖冬、少雪
05 0.3( 0) 99( 0)  12月高温、2月低温、東北太平洋側多雪
06 -0.9( -)100( 0)寒冬(前半低温・後半気温変動大)、平成18年豪雪
07 1.7(++) 30(--)暖冬(記録的)、少雪
08 0.0( 0) 70(--)  少雪、寡照
09 1.3(++) 59(--)暖冬、少雪(但し、降水量は多い)
100.5( +) 71( -)暖冬、気温の変動が大きい、東北太平洋側寡照、少雪
平年差と平年比の()内は階級で、かなり高いとかなり多いを(++)、高いと多いを( +)、平年並を( 0)、低
いと少ないを( -)、かなり低いとかなり少ないを(--)で表す。
 東北地方の冬(12〜2 月)平均気温は、1980 年代中頃までは平年を下回ることが多かった。1980年代終わりから90 年代前半にかけては平年を大きく上回ったが、その後は次第に下がり、2000/01年以降は、年々の変動が大きくなっている。
東北地方の冬(12〜2 月)平均気温平年差の推移
 東北日本海側の冬(12〜2 月)の降雪量は、1970 年代から80 年代は平年並から多い傾向だが年々の変動が大きかった。90 年代以降は平年に近い値で推移していたが、2006/07 は記録的な少雪となり、昨年まで少雪が続いた。
東北日本海側の冬(12〜2 月)の降雪量平年比の推移
 
GotoHome Prev Next Return Opinion
 

reigai@ml.affrc.go.jp