2012年仙台管区気象台発表予報

2月23日発表暖候期予報


 本情報は仙台管区気象台発表の暖候期予報内容をお知らせします.


○2月23日発表 東北地方暖候期予報(3月から8月までの天候見通し)
<予想される夏(6月から8月)の天候>
 夏(6月から8月)の出現の可能性が最も大きい天候と、特徴のある気温、降水量等の確率は以下のとおりです。
 6月から7月は平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょう。その後は、平年と同様に晴れの日が多い見込みです。
 なお、5月までの予報については、最新の3か月予報等をご覧下さい。

<夏(6月から8月)の気温、降水量の各階級の確率(%)>
【気  温】東北地方
【降 水 量】東北地方
凡例:低い(少ない)平年並高い(多い)
<梅雨の時期(6月から7月)の降水量の各階級の確率(%)>
【降 水 量】東北地方
凡例:少ない平年並多い

1.夏(6月から8月)の予報
 6月から7月は平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょう。その後は、平年と同様に晴れの日が多い見込みです。
 なお、5月までの予報については、最新の3か月予報等をご覧ください。
 暖候期予報については、3月と4月の3か月予報[毎月25日頃発表]に合わせて予報内容を再検討し、変更がある場合には修正発表します。また、5月の3か月予報発表以降、夏の予報については、最新の3か月予報等をご利用下さい。

2.予報の根拠
2.1 数値予報による海洋と大気の流れの予想
(1)熱帯域の海洋の予想
 秋に発生したラニーニャ現象は、春の間に終息する可能性が高い。夏平均海面水温は、中・東部太平洋赤道域で正偏差となる予想だが、春にラニーニャ現象が終息に向かうときの夏の同海域の海面水温の予測は高温を予想しやすい傾向があり特に不確定性が大きいため、「夏にはエルニーニョ現象が発生する可能性もあるが、平年程度となる可能性が最も高い」と見込む。
 また、春に海面水温が低下するインド洋からインドネシア付近には負偏差が残るが、これについても平年程度を見込む。

(2)大気の予想
 数値予報では、海面水温偏差に対応してインド洋からインドネシア付近で対流活動が平年より弱い影響で、ベンガル湾からフィリピン付近で対流活動が平年より活発になっている。このため500hPa 高度は、南シナ海に負偏差域、この北側の日本付近に正偏差域が形成される。これを弱めて考え、日本付近への太平洋高気圧の張り出しを平年程度に見込む。また、チベット高気圧やオホーツク海高気圧の影響についても平年程度に見込む。なお、500hPa 高度は地球温暖化等を反映して北半球全体で正偏差となっている。
 海面気圧は、エルニーニョ現象発生時や、ベンガル湾からフィリピン付近の対流活動が活発な状態であることに対応した特徴として、日本の南から東にかけて負偏差域が見られる。これは弱めて考え、日本付近への太平洋高気圧の張り出しを平年程度と見込む。また、オホーツク海高気圧は夏を通して平年程度出現し、東北太平洋側では低温となる時期があるものと見込む。

2.2 熱帯の大気・海洋と日本の天候〔フィリピン付近の対流活動〕
 夏のアジアモンスーンのうち、東南アジアのモンスーンの活動度を監視するため、フィリピン付近からフィリピンの東海上にかけての領域(右上図)の対流活動の強さを指数化(以下CI2 と略記)している。CI2 は正のときフィリピン付近で対流活動が活発であり、負のとき不活発であることを意味する。フィリピン付近の対流活動と日本付近の太平洋高気圧の強まりとは相関があり、対流活動が活発なときは、日本付近で太平洋高気圧が強まる傾向がある。
 CI2 は北日本から西日本にかけての夏平均気温と有意な正の相関がある。右下図は、夏平均CI2 と北日本の夏平均気温の経年変化で、両者とも同じような変動をしている。ただし、2010 年はCI2 がゼロ程度で北日本は顕著な高温になった。(CI2 は夏の前半は低指数だったが、北日本は顕著な高温だった。)CI2 は熱帯域の海面水温変動と関連して変動しており、インド洋熱帯域の海面水温が高いときにCI2 は負の値(対流活動は不活発)となる傾向がある。
 この夏、数値予報では高指数傾向であるが弱めて考え、日本付近の太平洋高気圧の強まりは平年程度と見込む。
夏平均CI2 と北日本の夏平均気温

2.3 最近の夏(6〜8 月)の天候
 東北地方の最近10 年の天候の特徴を下表に示す。

東北地方
平均気温
平年差℃
東北地方
降水量
平年比%
東北地方
日照時間
平年比%
夏の特徴
20020.1( 0)133(++)96( 0)多雨 7 月大雨 台風第6 号・第7 号上陸
2003-1.4(--)115( +)68(--)低温寡照 東北南部・東北北部とも梅雨明け不明瞭
20040.7( +)93( 0)120(++)高温多照 梅雨末期の豪雨(平成16 年新潟・福島豪雨など) 台風6 個上陸
20050.6( +)97( 0)94( 0)高温 7 月低温 遅い梅雨入り・梅雨明け
20060.1( 0)91( -)89( -) 7 月低温8 月高温 7 月寡照 遅い梅雨明け 東北北部少雨
20070.4( +)95( 0)111( 0)高温 7 月低温 6 月8 月高温 遅い梅雨入り・梅雨明け
2008-0.2( 0)114( +)93( -) 7 月高温 8 月低温 平成20 年8 月末豪雨 遅い梅雨入り・梅雨明け
2009-0.3( 0)111( +)81( -) 8 月低温 早い梅雨入り・東北南部・東北北部とも梅雨明け不明瞭
20102.1(++)95( 0)112( +)高温 早い梅雨明け
20101.1( +)86( -)106( 0)高温 遅い梅雨入り・早い梅雨明け
平年差と平年比の()内は階級で、かなり高いとかなり多いを(++)、高いと多いを( +)、平年並を( 0)、低いと
少ないを( -)、かなり低いとかなり少ないを(--)で表す。平年値は1981〜2010 年の30 年平均値。

2.4 夏(6〜8 月)の気温と降水量の経年変化
 東北地方の夏(6〜8 月)の平均気温は、1970 年代後半以降、年々の変動が大きい。最近10 年間程度は平年並か高温の年が多いが、2003 年の冷夏、2010 年の暑夏など極端な天候が現れている。

東北地方の夏(6〜8月)の平均気温平年差の推移

 東北地方の6〜7 月の2 か月間降水量(概ね梅雨の時期の降水量に相当)は、1990 年代後半からは変動が小さく、平年並か多雨の年が多い。しかし、東北北部では2006 年、2007 年、2011 年に少雨、東北南部では2008 年に少雨となっている。

東北地方の6〜7月の2か月間降水量(概ね梅雨期間の降水量に相当)平年比の推移

3.まとめ
 数値予報では、海面水温が中・東部太平洋赤道域で平年を上回る予想で、夏にはエルニーニョ現象が発生する可能性もあるが、不確定性が大きいことを考慮し、海面水温は平年程度となる可能性が最も高いとみる。
 数値予報における大気の予想は、太平洋高気圧の勢力が日本の南から東で平年より弱いなどエルニーニョ現象時の特徴が現れているが、熱帯の海面水温の予測に不確定性が大きいことから、大気の予測に現れている特徴については全体的に弱めて考える。
 夏の天候を支配する太平洋高気圧の日本付近への張り出しはほぼ平年程度、チベット高気圧の勢力も平年程度を考える。また、オホーツク海高気圧についても平年程度の発生を見込み、平年と同様に、東北太平洋側を中心に低温となる時期もあると予想している。

3.1 東北地方のこの夏(6〜8 月)の気温
 近年の高温傾向を考慮すると高温傾向が見込まれるが、エルニーニョ現象による低温の可能性も多少考慮し、平年並の確率を40%とし、予報確率の偏りを小さくした。

3.2 東北地方の夏(6〜8 月)の降水量と梅雨の時期(6〜7 月)の降水量
 日本付近への太平洋高気圧の張り出しなどを平年程度と見込み、平年並の確率を40%とした。降水量の多少について数値予報には明瞭なシグナルがなく、予報確率の偏りを小さくした。

 
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