水稲冷害研究チーム

1996年東北稲作動向(新聞記事等から)


1996年東北稲作動向(新聞記事等から)

 本情報は新聞記事等から得られる東北地域の稲作概況をお知らせするものです.
 稲作の動向と冷害関連記事に注目して,概況を追跡します.
 なお,記事の収集については東北農業試験場情報資料課長下川さんにご協力をいただいています.


12月


 
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○12月 1日(日)米輸出しめて44トン
 食糧法の施行とともに、各地で米の輸出が試みられている。JA全農関係だけで25トン、青森、岩手、山形、新潟、福岡の5県で計17トンを既に輸出した。山形県のJA庄内経済連も参画、米国向けの1.6トンが30日に横浜港から出港した。しめて44トンになった。いずれも日本人向けだが、現地人の購買もある。採算性の課題は残るものの、常設コーナーを設けるなど、継続輸出するところも相次いでいる。
(日本農業新聞)

○12月 1日(日)「一日移動農業試験場」岩手県農政部
 岩手県農政部は、農業技術の向上に役立てようと「一日移動農業試験場」を6日から、一関市など県内3会場で開く。各試験場が一同に会して研究成果を発表するのは今回が初めてで、農家やJAなど現場の指導関係者は、最新技術の総合的な公開に期待を寄せている。
(日本農業新聞)

○12月 3日(火)転作目標を県配分
 農水省は2日、9年度稲作の生産調整面積(ガイドライン)を都道府県に配分した。78万7千ヘクタール(水田営農活性化対策ベース)と8年度と同じだが、6百ヘクタールほど自主転作が見込める沖縄県を除いた78万6千5百30ヘクタールを46都道府県に配分。7年産が不作で8年度に転作面積を緩和された秋田県、山形県、新潟県はそれぞれ240ヘクタール、180ヘクタール、210ヘクタール増やして配分した。
(日本農業新聞)

○12月 3日(火)福島や魚沼コシ基準価格を上げ
 自主流通米価格形成センターは2日、運営委員会を開き、今月実施する第5回入札取引で新潟・魚沼「コシヒカリ」や福島・会津「コシヒカリ」、富山・全地区「コシヒカリ」など「コシヒカリ」5銘柄の基準価格を1.3〜1.8%引き上げることを決めた。全般に下げた11月の第4回入札取引で、5銘柄はストップ高と引き合いが一段と強まったため。
(日本農業新聞)

○12月 3日(火)東北全体で15万5340ヘクタール
 農水省は2日、生産調整(減反)面積を都道府県に配分したが、東北では15万5340ヘクタールと、昨年度に比べ0.3%増えた。秋田、山形両県の平成7年産不作による転作緩和分が加算されたため。
(日本農業新聞)

○12月 3日(火)農業粗生産額が前年比1割も減、米が1590億円占める
 東北農政局が発表した東北地方の平成7年度農業粗生産額と生産農業所得によると、農業全体での粗生産額は1兆7千5百9億円で、前年に比べ2千36億円減少していることが分かった。特に米での減少が大きく、千5百90億円にもなっている。
(日本農業新聞)

○12月 5日(木)米の消費減少続く
 米の消費減が依然として続いている。食糧庁が4日まとめた8年第3・四半期(7月〜9月)の米の1人1ヶ月当たり消費量(消費世帯)は、前年同期比1.4%減で、二期連続の減少となった。また、7年産米の供給年間(7年10月〜8年9月)の消費量は、6年産より1%減、米パニック前の4年産比だと4%減の水準まで落ち込んだ。消費減が、今後の需給計画に影響するのは必至だ。
(日本農業新聞)

○12月 7日(土)かけはし、1等米比率伸びず
 岩手県の水稲オリジナル品種「かけはし」の1等米比率が、他品種に比べて低率で推移している。盛岡食糧事務所が6日まとめた検査結果によると、61.4%で前回調査よりさらに低下した。原因は「春先の天候不順と登熟のばらつき」とみられる。ただ、1等米比率の高い農家も少なくなく、新しい品種に対する熟達度の差が出た可能性もある。
(日本農業新聞)

○12月10日(火)調整水田削減へ、岩手県転作田は団地化
 岩手県は、調整水田面積の約2割にまで達した”水張り水田(調整水田)”の削減方針を9日までに固めた。転作を促進し、水田の利用度を高めるのが狙い。県農政部は、12日に開くJA県中央会との連絡会で正式に提案する。
(日本農業新聞)
 
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○12月11日(水)米集荷580万トン程度、8年度見通し
 平成8年産の米集出荷は、最終的に580万トン程度となる見通しとなった。基準数量対比で95%。JAグループは、全国的な全量集荷運動を展開、最終局面では農家への仮渡し金引き上げなどで対応したが、食糧法に全面移行した厳しい集荷環境の中で、JAの取り組みの強弱が集荷率に大きく反映した。計画的な米販売を実現するためにも、今後、計画出荷米への経済的有利性の充実が問われる結果となった。
(日本農業新聞)

○12月11日(水)後期では高日射量、低温が登熟助ける
 東北農政局と東北農業試験場は9、10日の2日間、仙台市で、平成8年度東北地域稲作検討会と同水稲安定生産推進連絡協議会、同直播推進会議を開いた。稲作検討会では、今年度水稲の生育の特徴として、低温による初期生育の悪さと予想以上の登熟の良さが挙げられ、登熟期には日射量が十分に確保された一方で、気温が登熟の条件を満たす範囲で低温となって登熟期間を延ばし、内容の充実につながった−と、微妙な条件下での豊作だったことが指摘された。
(日本農業新聞)

○12月11日(水)熱心に一日移動農試、岩手県新品種や技術を紹介
 「一日移動農業試験場」がこのほど、一関市で開かれ、「コシヒカリ」級の有望品種の育成や、省力化技術など最近の研究成果を発表した。農家との意見交換も活発に行われ、最新の技術や今後の試験研究に理解を深めた。農家ら約120人が出席した。
(日本農業新聞)

○12月12日(木)直播栽培拡大へ、福島で連絡会議
 福島県の直播栽培の成果を総括するとともに来年の取り組みを決める直播栽培連絡会議が福島市で開かれた。同県では今年から、県や農業団体などが一体となって直播推進連絡会議を発足させ技術指導などを行ってきたが、収量や労働時間、生産費で一定のレベルに達していることが明らかになり、来年度以降も大規模水田を中心に取り組みを拡大していくことを決めた。
(日本農業新聞)

○12月12日(木)宮城県の米2新品種試食
 宮城県米消費拡大推進協議会は11日、仙台市で、消費者やマスコミ関係者などを招き、県の新品種「ゆめむすび」「おきにいり」の試食会を開いた。「ゆめむすび」は「ササニシキ」より一週間ほど出穂の遅い晩生種。「おきにいり」は冷害やいもち病に強い多収品種で、県ではどちらも「ササニシキ」「ひとめぼれ」に継ぐ主力品種としている。
(日本農業新聞)

○12月13日(金)魚沼コシ以外急落
 自主流通米価格形成センターは12日、大阪取引場で8年産第5回入札を行った。前回まで強かった米卸の手当て意欲が低下に転じ、相場はぼぼ全銘柄急落した。平均落札価格は2万36円(60キロ)で、前回より2.6ポイント下がった。米卸が年明け後の仕入れ量を抑えたことと、小売りの力が依然として強く、仕入れ値のアップ分を卸値に転嫁できなかったためと見られる。
(日本農業新聞)

○12月13日(金)消費者米価0.1%下げ
 農水大臣は12日、米価審議会を開き、8年産米の政府売り渡し価格(消費者米価)を60キロ1万8千101円(消費税込み)と、現行と比べ0.1%(22円)引き下げ、麦は据え置く諮問をした。消費者米価の引き下げは5年ぶり。
(日本農業新聞)

○12月19日(木)安値ムード広がり懸念
 「ライバルは政府米だ」−18日の自主米東京入札では底値張り付き銘柄が続出した。先週の消費者米価決定による、政府古米の値引き幅の拡大で、低価格帯銘柄は軒並み底値。人気コシヒカリも先週の大阪入札の急落のあおりをくって、値幅制限いっぱいまで下げた。米卸しに広がった安値ムードの広がりが心配だ。
(日本農業新聞)

○12月19日(木)水稲の栽培実証展示圃検討会、JA宮城経済連
 水稲の乳苗、無代かき、多収穫をテーマに、JA宮城経済連の栽培実証圃総合検討会が17日、行われた。乳苗では欠株が、無代かきでは収量不足に対して課題が提起されたが、総じて満足な結果が得られたとして、来年以降も引き続き実証圃を設け農家への技術普及を目指す。
(日本農業新聞)

○12月20日(金)水稲の最終作況105、1ポイント上昇
 平成8年産水稲の最終作況指数は105と、10月15日現在調査よりさらに1ポイント上昇し、収穫量は1千32万トンになることが19日、明らかになった。初期生育が悪かった北海道と東北、北陸が出穂以降天候に恵まれ回復、台風被害を受けた沖縄を除き全国的な豊作が確定した。
(日本農業新聞)

○12月20日(金)寒暖差大きい冬、3ヶ月予報
 気象庁は19日、来年1月から3月までの三ヶ月予報を発表した。この期間、全国的に平均気温は平年並みで、気温の変動が大きい見込みだ。日本海側の降雪量は平年並みだが、東日本の日本海側では平年より降水量が多く、雪が多いとしている。
(日本農業新聞)
 
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○12月21日(土)最終作況「105」米在庫370万トンに
 農水大臣は20日の閣議に、平成8年産水稲の最終作況と収穫量を報告した。全国の作況指数は10月15日より1ポイント上昇し「105」の「やや良」で、3年連続の豊作となった。これで来年10月末の繰り越し在庫は国産だけで300万トン強、販売不振の輸入米を加えると360〜370万トンになる見込み。海外援助や需要拡大など政府の効果的な過剰米対策が迫られることになった。
(日本農業新聞)

○12月21日(土)作況103変わらず
 東北農政局は平成8年産水陸稲収穫量を発表した。水稲の作況は前回と変わらず、作況指数103の「やや良」。10アール当たり収量は558キロで平年より15キロ多くなった。県別でも前回と変わらず青森、秋田、山形が102の「やや良」、岩手が101の「平年並み」、宮城が103の「やや良」、福島が106の「良」。
(日本農業新聞)

○12月22日(日)豪州で「コシ」増産、600ヘクタール全量日本向け
 オーストラリアでは、1997年産の種まきがほぼ終わった。「コシヒカリ」の作付面積は、本年産の1.4倍の約600ヘクタールに拡大され、収穫量も5千トン(籾ベース)程度になる。これは、本年産の約2倍だ。種子を残し、ほぼ全量を日本に輸出する。「コシヒカリ」で、日本の米主食市場に本格参入する方針だ。
(日本農業新聞)

○12月24日(火)農業の公益機能4兆1000億円
 景観や環境保全など農業・農村の公益的機能を、国民は4兆1000億円の価値があると評価していることが、野村総合研究所が行った調査で明らかになった。これは米の総産出額に匹敵する。1世帯当たりの公益的機能への評価額は、年10万円になり、国民の農業・農村への評価がかなり高いことを裏付けている。
(日本農業新聞)

○12月25日(水)食糧安保を明確化
 政府は来年から新農業基本法の本格検討に着手するが、その土台となる農林水産省の検討項目案が24日、明らかになった。事実上、新基本法の骨格につながるもので、食料供給、国内農業、農村地域政策の3分野が柱となっている。具体的な検討項目は、(1)国内生産の維持・拡大を基本に輸入と備蓄を組み合わせた食糧安全保障方針の明確化、(2)農業への担い手参入促進と多様な経営体の育成、(3)農産物価格政策の再編と経営安定化対策、(4)条件不利地に対する新たなる政策、(5)総合的な土地利用−など。
(日本農業新聞)

○12月26日(木)7年農業粗生産額、東北・北陸で大幅減
 農水省は25日、平成7年度農業粗生産額と生産農家所得を発表した。農業粗生産額は、鶏は卵価格の上昇で増加したが、米は大豊作だった前年に比べ生産量が減ったことに加えて自主米価格が低下、野菜では葉茎菜類を中心に価格下げで減少したため、沖縄を除く各地で6年より減り、東北や北陸ではかなりの減少となった。このため生産農業所得も沖縄を除き減少した。
(日本農業新聞)

○12月26日(木)情報化へ「連携」必要、東北農政局が農業情勢報告
 東北農政局は25日、「平成7年度東北農業情勢報告」を発表した。第2部で「東北農業・農村における情報化の状況」を特集、現状や特徴を挙げた上、地域間、都市と農村、情報化施策実施者の「連携」が必要−としている。
(日本農業新聞)

○12月27日(金)「有機」表示を明確化、農水省無・減農薬と区別
 農水省は26日、有機農産物の表示ガイドラインを一部改正し、JAなど関係団体に通知した。表示は農薬や化学肥料を使わない「有機農産物」と無・減農薬農産物などの「特別栽培農産物」の2つに分けた。併せてガイドラインをチェックする確認責任者の機能を明確化した。
(日本農業新聞)

○12月27日(金)1等米比率86.8%に、20日現在
 食糧庁は26日、8年産米の12月20日現在の検査結果を発表した。水稲の検査数量は518万トンと前年同期比91%、1等米比率は86.8%だった。1等米比率は7年産を4.8%上回っている。
(日本農業新聞)

○12月27日(金)東北初の早期栽培、エアドーム工事に着手
 米の産地間競争が激化している中、米の主産地として生き残りを図り、米卸しや消費者から指名される産地を形成しようと、JA庄内みどりは冬場に田植えができるエアドームを設置し、水稲の早期栽培事業に取り組む。今月下旬からは、ドームを設置する酒田市鳥海地区で土盛りや基礎工事に着手。7月下旬から8月上旬に収穫。米卸や小売店への宣伝サンプルとして使うほか、庄内みどり産米を全国にPRしていく。
(日本農業新聞)

○12月27日(金)水稲直播は一定の成果、JA郡山市実績検討会
 平成8年度から郡山市内で取り組んでいる水稲直播で一定の成果を挙げたことが、このほど直播栽培検討会で明らかになり、今後積極的に面積拡大を推進することになった。
(日本農業新聞)

○12月29日(日)米を使ったライスパン、入浴剤、化粧品・・用途開発支援
 食糧庁は米の過剰処理対策の一環として新規需要・用途開発に本格的に乗り出す。販売不振のミニマム・アクセス(最低輸入量)米と、国産米を使った商品の販売を促進するため、平成9年度に業者に値引き販売を実施。学識経験者、関連企業の関係者で専門委員会をつくり、検討も始めた。
(日本農業新聞)

○12月29日(日)世界の人口、59億に迫る、米国の研究所
 米国の有力民間研究機関、人口研究所は27日、世界の人口が1996年中に58億人を突破して59億人に迫っており、人口増加の95%は開発途上国・地域に集中している、との調査結果を明らかにした。
(日本農業新聞)

○12月29日(日)直播栽培面積400ヘクタールに、山形県
 山形県内の今年の水稲直播栽培面積は、前年より一挙に約80%増え、約400ヘクタールに達したことが県のアンケートなどで明らかになった。労力不足解消の新技術導入に、生産調整が呼び水になり、天候に恵まれて収量も移植田の約85%以上を確保した。苗立ちの不安定、鳥害など課題も残るが、県農業試験場などでは栽培技術確立のピッチを上げている。
(日本農業新聞)

○12月29日(日)農業生産指数が前年比8.9%低下
 東北農政局はこのほど、平成7年の農業生産指数(平成2年=100)を発表した。耕種総合が91.7、畜産総合が92.7と前年を9.7%、6.0%下回ったため、農業総合は91.4%で前年を8.9%下回った。耕種総合は花卉類の生産指数が144.2と前年を6.2%上回ったが、米の生産指数が前年を13.1%下回る95.5となるなど、花卉類と豆類以外の品目がすべて前年を下回ったため91.7と前年を9.7%下回った。
(日本農業新聞)

○12月31日(火)暖冬に終止符、農作物は豊作
 平成8年の天候は、9年続いた暖冬(北海道を除く)に終止符が打たれた。春は全国的に低温。夏は北日本では冷夏、西日本は暑夏と対照的で、特に関東地方では少雨の状態が続き、渇水になった。農作物は春、初夏の低温・日照不足の影響が心配されたが、梅雨明け以降、全国的に天気が持ち直し、水稲の作況が105の「やや良」に。野菜なども一部の地域では「やや不良」の地域はあったが、全般的には「豊作」の年(農水省野菜振興課)だった。
(日本農業新聞)

○12月31日(火)異常気象による世界の主な災害
 1〜2月:アメリカの東部や中西部が寒波、大雪に見舞われた。
 2〜5月:モンゴルでは少雨傾向が続き、原野火災が頻発。
 3月:中国北部の小麦地帯を中心に少雨傾向が続き、黄河では断流現象も。
 6〜8月:中国、インド、東南アジア一帯でモンスーンが多発、大雨による記録的な洪水被害が頻発。
 8月:フランスで少雨傾向が続き、ドーバー海峡に面したノルマンディはここ50年来の干ばつとなった。
 10〜11月:アメリカ東部やカリブ海周辺をハリケーンが襲い大被害。
(日本農業新聞)

 
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