水稲冷害研究チーム
1997年東北稲作動向(新聞記事等から)
1997年東北稲作動向(新聞記事等から)
本情報は新聞記事等から得られる東北地域の稲作概況をお知らせするものです.
稲作の動向と冷害関連記事に注目して,概況を追跡します.
なお,記事の収集については東北農業試験場情報資料課長下川さんにご協力をいただいています.
1月
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○1月 1日(水)予断許さぬ今年の天気
今年の夏の天気を左右する要因として,気象庁が最も重要視しているのが「大気の流れ」。中でも,直接日本に影響のあるのがペルー沖の東太平洋上とシベリア地方の大気だ。気象庁の一か月予報や3か月予報は,この付近の観測結果から予報を出している。年始めから今年の夏の天気を予測することは難しいが・・・・・・,大胆に予想する。一九九七年の天気はどうなるのかーー。
○ペルー沖「ラニーニャ」、海面水温に注意
<要因1>
ペルー沖の東太平洋上の大気に大きな影響を与えるのが,その付近の海面水温だ。
太平洋の赤道付近の熱帯域の海面水温は,平年はインドネシア近海がペルー沖より高くなっている。しかし,インドネシア付近の暖流がペルー沖に移動するとエルニーニョ現象となり,日本の天気に大きな影響を及ぼす。最近起きたエルニーニョ現象は九三年で,日本が大冷夏となったのは記憶に新しい。
過去,エルニーニョ現象は一九六〇年から九〇年までは二〜七年の間隔で起き,一定の周期があった。しかし,九〇年代に入ると,今まで考えられていた周期性が崩れ「予測は不可能」(気象庁エルニーニョ監視センター)となっている。
昨年一年間のエルニーニョ監視海域の月平均海面水温は,平年に比べマイナス〇・五〜〇・三度で,「エルニーニョの兆候はない。エルニーニョ現象とは逆のラニーニャ的な状態が九五年から続いている」(同)。
ラニーニャ的な状態になると,日本の天気はどうなるのか。
気象庁気象情報課は「過去三十年のデータをみると,日本の平均気温は平年並み,高い,低いのいずれの可能性も出ている」という。異常気象が起きないとはいえず,農作物管理に十分注意が必要だ。
エルニーニョ現象を研究している東大気候情報センターの新田教授は「海面水温は急激な変化は起こりにくいので,このままラニーニャ的状態が続くかもしれない」と,平年並みの夏を示唆する。
しかし,四月に海面水温が最も高くなり,低くならない可能性も否定できないため「エルニーニョ現象が起きないとはいえない」と,冷夏になる可能性も否定していない。
○オホーツク海高気圧、西シベリアの雪次第
<要因2>
日本の天気に影響を与えるのは南太平洋の温度変化だけではない。
もう一つの要因がオホーツク海高気圧の発達だ。九三年の東北地方の大冷夏に大きな影響を与えた。六月のオホーツク海高気圧の発達によって,やませ(偏東風)を引き起こし,米の生産に大きな影響を与えた。
気象庁は「四月の西シベリアの積雪面積が日本の天気に影響する」とみる。四月の西シベリアの積雪面積が平年より小さいと,六月のオホーツク海高気圧が平年より発達し,やませが起きる。逆に面積が大きければ平年並みの暑い夏や高温の夏になる。
過去五年をみると九一,九五年は積雪面積が少なく,東北地方ではやませが吹いたり,全国的にも梅雨が活発になり,冷夏傾向になった。逆に,九四年は積雪面積が大きく,全国的に空梅雨,記録的な高温になった。
今年の西シベリア付近の積雪はどうなるか。
科技庁防災科研の千葉長気候変動研究室長は「どうなるかは,今の時点では分からない」とした上で「今は世界の情報がリアルタイムで入るから,西シベリアなどの情報に気を配る必要がある」と,四月の積雪面積から目が離せないと注意を促す。
(日本農業新聞)
○1月 1日(水)うし年・・・米は豊作型
毎回作況「100」上回る・・・ね年
子だくさんから「ね年に不作なし」という言葉もある。戦後のね年の米の作況は,いずれも「100」を上回り,昨年は「105」。翌年の丑(うし)年の夏は「盛夏猛暑」型が多く,米は豊作型で平年作を下回ったことは一度もない。
一方,丑,ね年を除き,作況指数「106」以上の良となった年のえとはいぬ(四六年,指数111),とり(五七年,同107),いぬ(五八年,同108),いのしし(五九年,同109),ひつじ(六七年,同112),さる(六八年,同109),うさぎ(七五年,同107),うま(七八年,同108),いぬ(九四年,同109)の9回で,いぬ年の健闘が光る。
不良の「91」以下となった年は,へび(五三年,同84),さる(八〇年,同87),とり(九三年,同74)の三回だけだ。
さて,うし年の今年,作柄は?。
(日本農業新聞)
○1月 5日(日)ラニーニャに注目、気象予報士島津尚子さん
今年の天気は予報士から見るとどうでしょう。
「専門の方はひとつの指標としてラニーニャに注目しています。エルニーニョとは反対に西大平洋の赤道海面水温が高くなったのは平成7年の秋からです。これは長くても1年か1年半しか続いたことがありませんから、そろそろ変わり目にさしかかると思われます。」
(日本農業新聞)
○1月 6日(月)期待の宮城米続々登場
昨年8月に名前が決まった米の県奨励品種「ゆめむすび」と「おきにいり」が今年秋に市場にデビューする。県古川農業試験場で育成している「東北152号」が2月にも県奨励品種に採用される可能性もあり、今年の宮城米は話題が豊富。
(河北新報)
○1月 7日(火)青森県水稲新品種・青系115号命名「つがるロマン」
9年にデビューする青森県の良食味水稲新品種・青系115号の名称が公募により「つがるロマン」と決まり、6日、発表された。津軽を発祥の地とし、全国有数の銘柄となるよう稲作生産者の願い、夢、ロマンの込められた米となることを名前に託した。キャラクターは22日、命名者とともに発表される。
(東奥日報)
○1月 9日(木)夏場もうまい米「さわのはな」
消費者の志向の多様化に合わせた米づくりの中で、山形県独自の奨励品種として、最盛期には1万6千ヘクタールで栽培された「さわのはな」を復活させようとする動きが各地で盛り上がっている。滅びかかった品種で、栽培法も難しいが、有機質肥料と減農薬の安全な米づくりにはうってつけ。正しい栽培法を普及しようと「さわのはな」の育種に携わった元県立農業大学校長の鈴木多賀さんがその生い立ちと歩みを本にまとめて出版した。
(日本農業新聞)
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○1月11日(土)1等米が86.7%に
食糧庁は10日、平成8年産米の昨年末現在における検査結果を発表した。水稲うるち米の検査数量は520万トンと前年より9%少なかった。転作強化で作付面積が減ったのが主因だが、8年産の収穫量は7年産より4%減にとどまっただけに、前年より計画外に多く流れたと見られる。一方、1等米の比率は86.7%と平成に入って過去最高となった。
(日本農業新聞)
○1月12日(日)食は日本型97%
総理府は11日、「食料・農業・農村の役割に関する世論調査」の結果を発表した。米食を中心とする「日本型食生活」維持派が96.9%に上った半面、約7割の人が異常気象や地球環境問題の深刻化などを理由に、食料供給の先行きに不安を感じていることが明らかになった。
(日本農業新聞)
○1月14日(火)新農基法への要望,農政局長会議
農水省は13日午後、同省内で地方農政局会議を開いた。2日間の日程で、14日に各地方農政局長が新農業基本法制定に向けた管内の意識を主体に報告する。地域の地方自治体や農業団体、経済界などが新たな農基法の方向付けをどのように考えているかを集約するものとして注目される。
(日本農業新聞)
○1月14日(火)鳥害を防げ、水稲直播き栽培
省力、低コスト稲作として急速に普及している直播き栽培。苗立ち率の確保と鳥害対策が大きな課題になっているが、山形県内で初めて鳥害対策を中心にフォーラムが10日、先進地の藤島町で開かれた。藤島農業改良普及センターが主催。害鳥の追放に決め手はないが、種まき量の増加や地域の環境、被害の実態に合わせて、より効果的な対策を進めていくこととした。
(日本農業新聞)
○1月14日(火)2年連続で高品質米生産、岩手県胆江地方
岩手県胆江地方の平成8年米は1等米比率が前年並みの95%で、連続して高品質となった。収量もよかった。盛岡食糧事務所水沢支所によると、昨年12月末現在の同地方6市町村の検査数量は、うるちが約92万2100俵、もちが約7600俵となっている。品種別の1等米比率は、「ひとめぼれ」が97.0%、「あきたこまち」95.1%、「ササニシキ」94.6%、「ゆめさんさ」73.8%、「かけはし」56.8%の順。「ゆめさんさ」「かけはし」は粒の腹白や胴割れなどが等級落ちの主な原因となった。
(日本農業新聞)
○1月14日(火)米収量減少も10アール収量は上位、宮城・石巻地方
東北農政局石巻統計情報出張所は10日、石巻地域の平成8年度水稲収穫量を発表した。収量は541キロで、作況指数は102の「やや良」となった。また、市町村別収量は、桃生町の558キロを最高に河南町557キロ、矢本町541キロの順。
(日本農業新聞)
○1月15日(水)地域農業重視が大勢、農政局長会議
農水省は14日、2日目の地方農政局長会議を開いた。各農政局長が新農業基本法の方向付けで集約した「地域の反応」を報告。地方では行政、農業団体に限らず経済界も「地域農業の維持」を重視する意見が大勢を占めた。農業縮小の歯止めとして、食料自給率や農地面積の目標値を明示すべきだとの要望が強いこともわかった。中山間地域などへの直接所得補償の導入を求める声も目立った。
(日本農業新聞)
○1月15日(水)「日高見国のホームページ」インターネットに開設
岩手県胆江農業管理センターは、インターネットにホームページを開設、同地方の風土やJA情報などを発信している。同ホームページは身近なニュースを毎日発信しているのが特徴。(http://www.isop.or.jp/atrui/)
(日本農業新聞)
○1月16日(木)1等米比率は90.9%、山形
山形食糧事務所はこのほど、県内の平成8年産米の検査結果(12月31日現在)を発表した。水稲うるちの1等米比率は90.9%。品種銘柄別は、「はえぬき」95.7%、「コシヒカリ」92.3%、「ひとめぼれ」92.2%、「ササニシキ」90.4%、「どまんなか」88.9%、「あきたこまち」88.8%、「はなの舞」80.1%となっている。
(日本農業新聞)
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○1月21日(火)春の訪れ遅そう、3ヶ月予報
気象庁は20日、2〜4月までの3ヶ月予報を発表した。平均気温、降水量ともに平年並みで、日本海側の降雪量は平年並みの見込み。「3月を中心に低温の時期がある」としており、春の訪れは遅れそうだ。
(日本農業新聞)
○1月21日(火)豊作占い”雪中田植え”秋田鷹巣
JA鷹巣町青年部はこのほど、雪中田植えを行い、豊作を願って稲わらと豆殻を束ねてイネに見立て丁寧に植え付けた。雪中田植えは、農家に伝わる「庭田植え」行事で、小正月に豊凶を占うもの。青年部では2月1日に雪中稲刈りを行い今年の作柄を占うことにしている。イネが真っ直ぐ立っていると不稔、倒れていれば倒伏を意味し、凶作。程良く傾いていれば実りの稲穂を表す豊作となる。
(日本農業新聞)
○1月23日(木)政府米売却に本腰
食糧庁は、政府米の売却不振対策として、今年も値引き入札を実施することになった。対象は6年産米で、実施時期は未定だが、早ければ来月にも行われる見込みだ。さらに、食糧事務所単位だった銘柄別のメニュー提示を、全国単位までに拡大するほか、各食糧事務所に売却目標数量を設定するなど、政府米売却に本腰を入れる方針だ。政府米の値引き入札によって、米相場全体の低落が心配される。
(日本農業新聞)
○1月23日(木)青森県産米の新エース命名「つがるロマン」
青森県新銘柄確立対策協議会と青森県産米需要拡大推進本部は22日、県産米の次代を担うエースとして生産者らの期待を集めている、Aランク食味水稲新品種「青系115号」の名称を「つがるロマン」とすることを決め、消費宣伝用のキャラクターと併せて発表した。同品種は「あきたこまち」を父、「ふ系141号」を母として、黒石の農業試験場で育成された。食味と品質は「あきたこまち」級、収量性・耐病性・いもち病抵抗性は「つがるおとめ」と同程度となっている。
(日本農業新聞)
○1月26日(日)「かけはし」復調の兆し、岩手県
岩手県のオリジナル品種「かけはし」の今年産の作付け面積が、ようやく復調の兆しをみせてきた。県農産物改良種苗センターがまとめた種子の更新状況で明らかになったもので、平成9年産は2400ヘクタールと前年を2割以上上回る。また、減り続ける「ササニシキ」は6000ヘクタールを割り込むことが確実で、減少に歯止めがかからない。
平成9年産の主要品種の作付け状況(推定)は次の通り。
ひとめぼれ 31、707ヘクタール
あきたこまち 19、024ヘクタール
ササニシキ 5、928ヘクタール
たかねみのり 3、213ヘクタール
ゆめさんさ 2、887ヘクタール
かけはし 2、486ヘクタール
(日本農業新聞)
○1月31日(金)平成7年度食料自給率42%に
わが国の平成7年度の食料自給率は、前年よりカロリーベースで4ポイントも落ち込み、42%まで低下したことが30日、農水省の7年度「食料需給表」で明らかになった。大冷害の5年度を除けば、過去最悪となった。穀物自給率は30%(前年度比3ポイント減)、主食用穀物自給率も64%(同10ポイント減)といずれも下げた。カロリー自給率は過去10年間で52%から10ポイントも下がったことになる。21世紀の世界的な食料危機が懸念される中で、国内農業の弱体化と海外への異常な依存ぶりを一層浮き彫りにした。今後、新農業基本法の論議に大きな影響を与えるのは必至。
(日本農業新聞)
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