水稲冷害研究チーム

1998年東北稲作動向(新聞記事等から)


 本情報は新聞記事等から得られる東北地域の稲作概況をお知らせするものです.
 稲作の動向と冷害関連記事に注目して,概況を追跡します.
 なお,記事の収集については東北農業試験場情報資料課長下川さんにご協力をいただいています.


3月


 
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○3月1日(日) 秋田「あきたこまち」前年に続き一位
 東北農政局は1997年産水稲の産地品種別収穫量を発表した。秋田「あきたこまち」が昨年に続いて48万2400トン(東北に占める割合17.2%)と一位で全国でも三位を占めた。二位は青森「むつほまれ」(29万7100トン)、三位宮城「ひとめぼれ」(23万7600トン)と昨年と順位は変わらなかった。この上位3品種で東北全体の収穫量の36.3%を占める。四位は福島「コシヒカリ」、五位は山形「はえぬき」と前年と同じ順位だった。
(日本農業新聞)

○3月4日(水) 北海道除き記録的暖冬、12〜2月の気候統計値
 今冬は記録的な暖冬だった−。気象庁は3日、今冬の気候統計値を発表した。3か月の平均気温は全国的に平年を上回り、北海道を除いて暖冬となった。特に、九州南部と沖縄は平年より2度以上高く、東北で0.5度以上、関東以西で1度以上も高かった。同庁は「エルニーニョ現象も要因の一つ」と説明している。
(日本農業新聞)

○3月4日(水) 春の訪れ・・スキップ
 北海道を除き今年も暖冬が確定した。特に西日本の気温が記録的に高かったのが特徴で、暖冬により桜前線は平年より早く北上しそうだ。農作物も平年に比べかなり生育が早く、農家の管理作業も前倒しになっている。ただ、日照不足で軟弱気味に推移しているのが気がかりだ。茶や豆類、早期水稲などでは今後、晩霜対策が必要で、急ピッチな春の訪れでも、農家は息が抜けそうにない。
(日本農業新聞)

○3月6日(金) 「酒田米米どーむ」で田植え、山形・庄内
 真夏に新米を収穫して庄内米を全国にPRしよう−と、JA庄内みどりは昨年からエアードームによる水稲の早期栽培事業に着手しているが、その田植えが4日、酒田市のエアードーム「酒田米米どーむ」で行われた。通常よりも2か月も早い田植えで、九州の超早場米が収穫される前の7月中旬には新米を収穫する予定だ。
(日本農業新聞)

○3月6日(金) 一等米比率79.6%
 食糧庁は5日、1997年産米の検査結果(2月末現在)を発表した。一等米比率は前回と同じ79.6%。一等米比率は96年産同期を7.2ポイント、95年産同期を2.2ポイントそれぞれ下回った。
(日本農業新聞)

○3月7日(土) 青森県上十三広域農業情報システム
 青森県上北地域の13市町村・14JA管内をカバーし、全国でも例のない広域の情報ネットとして期待されている上十三広域農業情報システムは、1997年3月までにハード面の整備を終え、テスト段階から、いよいよ実働の段階に入った。やませへの対応をはじめとした気象情報だけでなく、生産物の販売や生活面など広範囲での活用が期待される中、情報システムはなにを目指そうとしているのか、その今後を探った。
(日本農業新聞)

 
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○3月11日(水) 水稲直播栽培に本腰、宮城県
 宮城県は来年度から水稲直播栽培の技術確立に本格的に取り組んでいく。1998年度当初予算案に水稲直播栽培技術確立・普及推進事業として2,880万円計上、良質米品種での栽培技術確立や栽培講習会、実証圃を設けるなどして普及を図る。3ヶ年事業で、直播面積を「千ヘクタールぐらいに伸ばしたい」としている。
(日本農業新聞)

○3月11日(水) エルニーニョ次第、暖候期予報
 気象庁が10日発表した暖候機予報では、6〜8月の気温は全国的に平年並み。だが、西日本に暖冬をもたらしたエルニーニョ現象は、少なくても5月頃まで続く見込みで、その後のエルニーニョの動向次第で夏の天候が大きく左右されるため、なお不透明な部分が残っている。
(日本農業新聞)

○3月12日(木) 早くも田植え、鹿児島
 鹿児島県金峰町で11日、田植えが始まった。島嶼部を除き県内トップ。同町の今年の早場米は約535ヘクタールで、うち超早場米はポット育苗が18ヘクタール。均播(きんぱ)が150ヘクタール。7月15日に収穫開始、25日までに出荷の予定。
(日本農業新聞)

○3月13日(金) 全農家の米食味検査、岩手・花巻市
 JAいわて花巻ではこのほど、花巻市内の全農家出荷米を対象に実施した97年産米の食味検査の結果をまとめた。全出荷米を対象とした検査は県内JAでは初めての試みで、土壌や各農家の肥培管理による食味値の傾向など、詳細なデータが明らかになった。
(日本農業新聞)

○3月13日(金) 100万トン超す援助必要、北朝鮮
 国連食糧農業機関日本事務所が12日公表したFAO予測によると、深刻な食料不足が続く北朝鮮では、米などの穀物在庫が4月末にも底をつく。昨年は6月に在庫が枯渇したが、今年はさらに1か月以上も早い。
(日本農業新聞)

○3月13日(金) 米支援100万トン視野に、インドネシア
 政府・与党は12日、インドネシアからの米支援要請に100万トン規模を視野に本格調整に入った。政府備蓄米による現物支援と、インドネシアが国際市場から調達するための資金援助を組み合わせ、数回に分割して行なう。政府はさらに、食料不足が深刻な朝鮮民主主義人民共和国への対応が必要になると判案。米を主食とするアジア地域を対象に、食料危機に備える「フードバンク」(日本版食料支援機関)を早急に政府内に創設する方向で検討に入った。
(日本農業新聞)

○3月14日(土) 姿見せない台風1号
 気象衛星「ひまわり」の12日正午の画像のポイントは2つ。1つはタイ付近だ。この付近には雲一つない地域が広がっている。例年なら雲に覆われている時期だが、今年は雲がなく、タイでは2月に平年より1か月ほど早く乾季に入ったという宣言が出された。もう1つはフィリッピン付近の雲。小さな雲はあるが、熱帯低気圧や台風の雲がない。例年なら1〜2個は発生しているが、今年はまだ台風1号が発生していない。
(日本農業新聞)

○3月14日(土) 良質・良食味が5割、稲作意向調査
 将来、米の作付規模を縮小する考えの農家は8%に上り、そのうち24%が「価格の低迷」を理由に挙げていることが、農水省が13日発表した「1998年産水稲に関する農家意向調査」で分かった。また、品種を選ぶ理由は、「良質・良食味である」が5割を超え、「価格が高い」も3割に上った。
(日本農業新聞)

○3月15日(日) 関東、近畿で「春一番」
 関東地方と近畿地方で14日、「春一番」が吹いた。気象庁によると、関東地方は昨年より21日遅く、大阪管区気象台によると、近畿地方は同22日遅かった。
(日本農業新聞)

○3月17日(火) 有力品種に絞り込み、今年産水稲作付
 政府米の買い入れ数量制限や生産調整の拡大で、今年産米の作付は、政府米向けの品種から「ひとめぼれ」や「あきたこまち」など有力品種へのシフトが進んでいる。類別ランクが下がった産地銘柄を減らして作付品種を絞り込んでおり、自主米として売れる米づくりを目指す動きが強まっている。
(日本農業新聞)

○3月18日(水) 山形米「21世紀日本一」大作戦
 JA山形経済連では、新たな米政策の中で米主産地「山形」の地位確立を目指し、新年度から3年計画で「山形米”21世紀日本一”大作戦」を展開する。日本一の米主産地を目指して総合的な土づくりによる高品位米の生産など5つの柱を掲げ、全産米の食味調査の実施などで地域ぐるみの安定した米作りを推進する。
(日本農業新聞)

○3月19日(木) 引き合い強まる、福島コシに人気
 日本コメ市場は17日、6回目の計画外米立会取引会を開いた。95産地銘柄、4830トンが落札した。計画外米への引き合いが強まり、東京、大阪会場の同時入札が落札数量を伸ばした。中でも値ごろ感のある福島県産銘柄に人気が集まり「コシヒカリ」が60キロ当たり17650円、「ひとめぼれ」が同16338円で落札した。
(日本農業新聞)

○3月20日(金) 桜の開花予想、日本海側、本州内陸と瀬戸内で早い
 気象庁は19日、今年2回目の「桜の開花予想」(東北から九州地方)を発表した。桜「ソメイヨシノ」の開花は、日本海側や本州内陸部と瀬戸内地方で平年よりやや早いほかは、ほぼ平年並の見込み。3月中の気温が前回予報よりも低くなったため、やや遅くなったところもある。
(日本農業新聞)

 
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○3月21日(土) 東北・北海道低温で推移、一か月予報
 気象庁は20日、向こう一か月の予報を発表した。平均気温は東北・北海道で平年より低くなる一方、南西諸島は高く、そのほかの地域は平年並の見込み。西日本は降水量が多く、日照時間も少なくなりそうだ。(詳しくは仙台管区気象台発表一か月予報を参照)
(日本農業新聞)

○3月21日(土) 宮城「ササニシキ」今年産作付け大幅減
 今年産の宮城「ササニシキ」の作付け面積が、急減する見通しとなった。JA宮城経済連のまとめによると、JA系の作付け見通しは2万3千ヘクタールで、前年産より4割も減る見込みだ。増加する転作面積の消化と「ひとめぼれ」への転換が重なるためとみられている。「ササニシキ」は4年前に「ひとめぼれ」にトップの座を譲ったものの、2年前からは再び増加に転じていたが、今年産は全国の主要銘柄から消えることになりそうだ。
(日本農業新聞)

○3月22日(日) 循環農業へ地域一体
 転作田で飼料米を作り、その米で養鶏農家が卵を生産、生協が購入する。そのような連係プレーの事業が千葉県旭市で始まる。生産者、JA、消費者団体、行政の4者が、「水田の生産能力を生かしながら地域内循環農業を確立する」との思いで一致。米の生産調整ともからめて取り組む。初年度の飼料米の契約数量は180トン。米の凶作時には、飼料米を主食用として生協に提供するのも特徴だ。
(日本農業新聞)

○3月23日(月) レーザー工法で簡易基盤整備、秋田県
 秋田県と秋田地域農業改良普及センターは作業効率の悪い小さな圃場群をレーザー工法による簡易基盤整備で一枚の圃場にまとめ、省力的な無代かき移植栽培を行う水稲の作業体系を提案している。
(日本農業新聞)

○3月24日(火) 「あきたこまち」強含み
 全国米穀協会自主流通情報センターは23日までに、1997年産自主米の卸間取引の3月上半期価格をまとめた。新潟・魚沼「コシヒカリ」が大きく値を下げた一方、2月入札の影響から「あきたこまち」などが強含みとなった。
(日本農業新聞)

○3月24日(火) 「奥羽344号」冷凍食品にもってこい
 東北農業試験場水田利用部稲育種研究室が育種を続けてきた低アミロース米「奥羽344号」が、冷凍食品やコンビニ弁当などをターゲットとした特殊用途米として注目されている。「奥羽344号」のアミロース含量は、9.0%と非常に低く、収量は564キロ。千粒重は24.7gと大粒。
(日本農業新聞)

○3月25日(水) エルニーニョの影響さまざま
 エルニーニョ現象が、動植物の季節現象のほか、漁獲高や健康などにも影響を及ぼしていることが24日、気象庁で開かれた講演会で報告された。
 ・法政大学大学院の河合隆繁氏:桜の開花日、アブラゼミの初鳴きなどの関東地方での観測結果がエルニーニョ現象と関係が深い。
 ・愛知大学の吉野正敏氏:サンマやサバ、マイワシはエルニーニョ年と翌年が豊漁となるが、遠洋漁業の場合は減少する。
 ・龍谷大学の甲斐啓子氏:同現象が長期的に発生している1990年以降、アジアなどが発生源とみられるコレラや赤痢感染者が増えている。
(日本農業新聞)

○3月26日(木) 凍らせてリンゴの冷害予防、ドイツ
 ドイツのケルン南方20キロのリンゴ園。前日の気象予報で気温が零下になると予想されたため、リンゴの花を守るため夜のうちに果樹園に水がまかれた。外気が零下になってもこの枝についた薄い氷の層で、リンゴの花が常に約2度の温度で保たれる。
(日本農業新聞)

○3月27日(金) むら風土記、豊作国分けして見立て、佐賀県北茂安町
 神殿で冬を過ごした粥に、ぽつぽつと花のようなカビが浮かぶ。春先、その生え具合で一年の豊凶を占う。佐賀県北茂安町の千栗八幡宮に伝わる粥占いの神事は、1300年近い歴史を刻む。毎年3月15日のお粥祭りには、近在、近県の農家が訪れ、ご託宣に一喜一憂する。「肥後はよかごたる」「こっちは黒が多かけん悪かばい」。米に宿る農の神は、今も人々の心のよすがとなっている。
 四方に国分けして、カビの色、濃淡、乾燥の具合で占う。「試し人」の判定は、豊作期待できず。事故、地震、流行病も「大いに見ゆ」。
(日本農業新聞)

○3月28日(土) 関東以西気温高め
 気象庁は27日、向こう一か月予報を発表した。平均気温は、北海道、東北地方は平年並、そのほかの地方は高め。日照時間は、関東甲信、北陸、東海地方で多く、そのほかは平年並。降水量は全国的に平年並。(仙台管区気象台発表一か月予報参照)
(日本農業新聞参照)

○3月31日(火) 地球温暖化、害虫が大発生
 平均気温が2度上がると畑ではアブラムシ、水田ではウンカの増加が懸念される。地球温暖化が関心を集める中で、農業環境技術研究所の桐谷名誉研究員は、気温上昇が害虫に与える影響を研究、昆虫の発育と温度の関係を基に、田畑での発生量を予測した。「食害とともに、ウイルス病が広がるおそれがある。害虫と同時に増える天敵を利用した防除体系の確立が急務」としている。
(日本農業新聞)


 

 

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