水稲冷害研究チーム

1998年東北稲作動向(新聞記事等から)


 本情報は新聞記事等から得られる東北地域の稲作概況をお知らせするものです.
 稲作の動向と冷害関連記事に注目して,概況を追跡します.
 なお,記事の収集については東北農業試験場情報資料課長森脇さんにご協力をいただいています.


12月


 
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○12月1日(火) 私の稲作この一年、あぜみち通信
 青森県木造町農家:今年の収量は平年より60キロ少なかったが、7〜8月の日照不足を考えると、よくできたと思う。登熟もうまく進み、全量1等となり、例年20俵に1俵でるくず米も、50俵に1俵と少なかった。7月20日頃から8月9日まで、日中気温が上がった時期があり、生育は救われた。対策としては中干しを早めにやめ深水にするなど水管理に努め、追肥を減数分裂期なで伸ばすなどした。
 岩手県金ヶ崎町農家:作況は97だったが、収量は540キロで平年並みだった。台風による倒伏も少なく、くず米も例年の3分の1ほど。全量1等だった。天候への心配は合ったが、93年の大冷害の記憶がまだ新しく、梅雨明けがない分出穂、登熟が長引くと判断。追肥1回分を3回に分けて行った。北の高気圧の強弱による梅雨明けの形が、作柄の分岐点と考えている。
(日本農業新聞)

○12月1日(火) 稲作所得418億円減、日銀支店が試算
 日銀仙台支店は30日、管内の岩手、宮城、山形3県の1998年度の稲作所得の総額は天候不順などの影響で、前年度に比べて418億円減少するという農業所得の試算を発表した。
(日本農業新聞)

○12月1日(火) 「山間地の担い手に公的支援を、農水省が意向調査
 農水省は30日、農業者と流通加工業者、消費者を対象にした食料・農業・農村に関する意向アンケートの結果を発表した。担い手問題では、山間地域の農業機能で最も多かったのは、農業者と流通加工業者が「食料の安定的供給」を挙げたが、消費者は「安全な食料供給」で、消費者の安全志向の強さが表れた。
(日本農業新聞)

○12月1日(火) 「アグリネット」始動、JAグループ長野
 JAグループ長野が整備を進めている情報ネットワーク「県域アグリネット」が1日、県内のトップを切ってJA諏訪みどりで始まる。農業情報を県段階で一元化、JAを通じて農家に発信する。加入農家はパソコンで、市況をはじめ営農雨、生活に役立つ情報を引き出せる。
(日本農業新聞)

○12月2日(水) 私の稲作この1年、あぜみち通信(中)
 秋田県平鹿町農家:収量は「あきたこまち」で9.5俵、「おきにいり」11.3俵のほかは直播の「あきたこまち」で7.2俵となり、どれも1等。「あきたこまち」と「美山錦」に穂発芽がみられたが、等級には影響がなかった。今年のような日照不足の天候を考えると、収量、等級とも上々ではないか。危険な天候状態はなかったが、生育中期まで草丈が長く倒伏の心配があり、穂肥ができるか迷った。その後、平年並みの草丈に近づいたので迷わず予定量の施肥をした。これが収量確保に役立ったようだ。
 宮城県矢本町農家:作況通りの収量となったが、品質は思ったよりよかった。99%が1等米だった。「栗の花が大量に咲くと不作になる」といわれているが、今年は確かにあたった。7月10日から15日にかけて、「ひとめぼれ」では肥料を入れても稲自体が食ってくれない状態だった。深水管理にも努めた。苗づくりでは、緑化段階から換気して徒長しないように心がけている。
(日本農業新聞)

○12月3日(木) 私の稲作この1年、あぜみち通信(下)
 山形県山形市農家:収量は「はえぬき」662キロ、「ササニシキ」648キロ、「コシヒカリ」630キロで、品質は全量1等米。6月上旬の分げつ期から低温傾向に。7月には日照不足になるなど条件はよくなかった。危険と感じる一歩手前でとどまったので、特に対策はとらなかった。稲体には貧弱な感じがあり、9月に入り高温、多照となってからは、落水時期の決定や水管理に気を使った。
 福島県郡山市農家:収量は平年の20%は減っている。品質面でも千粒重がなく、整粒がグレーダーの下に落ちたのが目立った。また乳白、腹白も平年より多かった。選別に気をつけて全量1等となった。7月14日頃からの低温と日照不足で、危険と判断。深水管理といもち病対策を徹底。8月に入り出穂期になっても天気が回復せず、葉いもちから穂いもち、穂首いもちに移行する危険が感じられたので、さらに予防、防除に万全を期した。
(日本農業新聞)

○12月4日(金) はえぬき種子15トン購入、秋田経済連
 県内の主力品種「はえぬき」の普及を検討している秋田県経済連が、庄内・山形両経済連に対し、来年の試験栽培用として15トンの種子購入を申し出ていることが3日、明らかになった。将来は秋田県内の水田面積のうち5%程度に栽培し、エースの「あきたこまち」を補完する品種に育てる意向という。
(山形新聞)

○12月4日(金) 1等米比率、はえぬき91%保つ、山形県
 山形食糧事務所は3日、県内の10年度産米の検査結果を公表した。1等米比率は81.4%で、前回と同じ。倒伏が目立った「ササニシキ」はさらに0.3ポイント低下し、49.4%となった。主力品種の「はえぬき」は、引き続き安定した1等米比率で推移、前回と同じ91.1%だった。
(山形新聞)

○12月4日(金) はえぬきの挑戦
 山形県のオリジナル品種「はえぬき」の市場デビュー(生成4年秋)から6年。国内の有力銘柄の中では最も後発ながら高品質・良食味を合い言葉に、着実に確固たる地位を築きつつある。10年度産米は天候不順に左右されることなく、十分に品種特性を発揮した。
(山形新聞)

○12月5日(土) 米の食味鑑定士誕生
 民間機関の米・食味鑑定士協会はこのほど、滋賀県立大学で初の講習会と鑑定士試験を開き、官能実技と筆記試験を勝ち抜いた55業者が食味鑑定士の称号を受けた。
(日本農業新聞)

○12月5日(土) 異常気象いつまで
 日本列島は今年、記録的な暖冬で始まり、なかなか台風が来ないと思ったら今度は豪雨、そして少雨の秋・・と、異常な天候に見舞われた。目を海外に転じても異変が相次いでおり、その主因とされるのが今世紀最大級のエルニーニョ現象。しかし、同現象が終息した後も地球の平均気温は過去最高を更新し続けており、「地球温暖化の影響では」との疑いも出ている。
(讀賣新聞)

○12月5日(土) 国民の7割が「自給率向上」
 国民の9割が農業問題に関心を持ち、7割が自給率の向上を望み、6割が輸入食品の安全性を心配していることが、全国改良普及職員協議会の「食と農に関するアンケート調査で4日、明らかになった。十万人を目標に、8万人以上の声を聞いた。これだけ大規模な調査は例がなく、同協議会は「国民の意向を十分に把握できた。農業のあり方を考える上で大きな参考になる。」とみている。
(日本農業新聞)

○12月6日(日) 増加する認定農業者、秋田県
 県内の認定農業者が、10年度に入って伸びている。10月末現在の増加数は、全国で2番目という高さ。総認定数は東北では山形県を抜いてトップに、全国では4位にランクされる。「メリットが少ない」という声も多く、伸び悩んをみせていたが、県の新規事業が功を奏した格好だ。
(秋田さきがけ)

○12月6日(日) 1等米比率71%、福島
 福島食糧事務所は3日、先月末現在の米の検査結果を発表した。うるち玄米の1等米比率は71.1%で前回に比べ0.1ポイント下がった。主要品種別1等米比率は、コシヒカリ74.7%、ササニシキ81.9%、初星47.2%、ひとめぼれ75.4%となっている。
(福島民報)

○12月6日(日) 記録ずくめ今秋の気象
 異常な高温、連続した台風、ドカ雪−。青森地方気象台は5日までに、今秋の県内の気象経過をまとめた。9月から11月前半までは太平洋高気圧の勢力が強く、南から暖かい空気が入りやすかったため、各地で高温を更新した。台風は9月が5個、10月が2個、11月は3個と集中的に発生して本県にも接近、各地に風水害をもたらした。11月後半からは強い寒波が襲来。記録ずくめの3か月だった。
(東奥日報)

○12月6日(日) もち米団地日本一へ、JA岩手しわ町
 日本一のもち米団地へ−。JA岩手しわ町の今年産もち米の総集荷量は約35万俵(1俵30キロ)と、計画通りの収量を確保することができ、来年のJA合併による日本一のもち米団地誕生へ弾みをつけた。
(日本農業新聞)

○12月6日(日) ベンチャー農業に低利資金、農水省
 農水省は、インターネット産直などベンチャー農業に挑戦する農家を支援する農業経営革新円滑化総合融資対策事業を行う。農業近代化資金や農地等取得資金、低利運転資金を利用するが、JAに申請窓口を一本化して手続きを簡素化する。
(日本農業新聞)

○12月7日(月) 集荷80万トン減の見通し、今年産米
 今年産米の集荷量は、最終的に前年より80万トン減の470万トン程度にとどまる見通しが強まった。生産調整の拡大に不作が加わったためだ。計画外米の出回り量も減る見込みで、新米の需給は生産者側にとって好転しそうだ。
(日本農業新聞)

 
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○12月15日(火) オゾンホール回復最も遅れる
 今年9月、面積などで過去最大に発達した南極上空のオゾンホールは12月中旬も観測され、これまで回復が遅かった1995年の12月10日の記録を更新したことが14日、気象庁などの解析で分かった。
(日本農業新聞)

○12月15日(火) 北陸、東北にも拡大、水稲育苗箱用殺虫殺菌剤
 いもち病殺菌剤と殺虫剤を混合した水稲育苗箱施用の殺虫殺菌剤の普及が進んでいる。いもち病に対して効果が長く持続する新剤が登場。箱処理剤が普及していなかった北陸、東北地域にも広まり、マーケットが拡大した。省力化と環境負荷の軽減につながるなど、時代に合った薬剤として各社が開発を進めており、新剤が続々と登場しそうだ。
(日本農業新聞)

○12月16日(水) 「ゆめあかり」奨励品種に、青森県
 青森県は14日、主力水稲品種「むつほまれ」の後継として、「青系125号」を本県の奨励品種に指定することを決めた。知事が指定を決定、「ゆめあかり」と命名した。むつほまれやまいひめに比べいもち病抵抗性や収量性の面では劣るが、食味や耐冷性、登熟性の面で優れている。来年度の作付は1700ヘクタールが見込まれる。
(東奥日報)

○12月17日(木) 水稲作況「94」不良確定、福島県
 県内の水稲の収穫量は39万3700トンとなった。この十年間では大冷害だった平成5年に次いで2番目に低い。最終的な作況指数は94の「不良」。天候不順で穂数が少なく登熟が平年を下回る状態が発生し、いもち病の多発や8月末の豪雨被害、9月の台風が追い打ちをかけた。
(福島民報)

○12月17日(木) 水稲作況「96」5年以来の不作確定、青森県
 青森統計情報事務所は16日、本県の作況指数を発表した。作況指数は96の「やや不良」、収量は554キロで、作況指数28だった平成5年以来、5年ぶりの不作が確定した。
(東奥日報)

○12月17日(木) 作況指数96「やや不良」冷害に減反が響く、岩手県
 岩手統計事務所は16日、平成10年の本県水稲の収穫量を発表した。作況指数は96のやや不良、総収穫量は31万4500トン。豊作だった前年と比べて6万2300トン減少した。今年の水稲は日照不足と冷害など気象被害を多く受け、減反面積の大幅増も加わり収穫量を大きく減らした。
(盛岡タイムス)

○12月17日(木) 97の「やや不良」水稲最終作況
 東北の今年産水稲の作況指数は、最終的に97の「やや不良」で確定した。東北農政局が16日発表した。収量は526キロで、東北全体の収穫量は241万5千トン。作況指数の値は前回10月15日現在のものと変化しなかった。
(日本農業新聞)

○12月19日(土) 自主米1.6%上げ、第6回入札
 続落していた自主米相場が下げ止まった。自主流通米価格形成センターが18日開いた第6回入札の60キロ当たり平均落札価格は、1万8千372円で前回を1.6%上回った。卸が相対取引で十分に銘柄米を確保できず、入札での手当意欲を高めたためだが、10月相場の水準までは戻らなかった。
(日本農業新聞)

 
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○12月22日(火) いもち病防除庭払いで反省、岩手・金ヶ崎町
 金ヶ崎町高度稲作経営研究会恒例の庭払い(稲作作業の打ち上げを祝う昔からの行事)が開かれた。同研究会は、町内の稲作技術、経営を先導している大規模農家の組織。今年の稲作を反省し来年に備えようと、毎年庭払いを行っている。今年の反省で特に問題となったのは、いもち病の防除。
(日本農業新聞)

○12月22日(火) 谷藤県農業試験場長、技術功労者を受賞
 山形県立農業試験場長の谷藤雄二氏が本年度の農業技術協会の「農業技術功労者」表彰を受賞した。同賞は農業技術・経営の研究発展に顕著な成績を挙げた個人に贈られる最高の栄誉。
(日本農業新聞)

○12月23日(水) 小資源稲作探る、都内で交流会
 農薬を使わずに、雑草を抑え病害虫を防除する方法はないか−。第1回小資源・環境保全型稲作技術全国交流集会が19,20日の両日、東京都内で開かれた。270人が集まり、農薬や化学肥料に頼らず、環境への負荷を少なくするために、投入資材を減らした”小資源”の稲作技術のあり方を探った。特に雑草防除や病害虫防除方法に関心が集まった。
(日本農業新聞)


 

 

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