水稲冷害研究チーム

1999年東北稲作動向(新聞記事等から)


 本情報は新聞記事等から得られる東北地域の稲作概況をお知らせするものです.
 稲作の動向と冷害関連記事に注目して,概況を追跡します.
 なお,記事の収集については東北農業試験場情報資料課長森脇さんにご協力をいただいています.


1月


 
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○1月1日(金) どうなる今年の天気:長期的には「変動期」
新しい年が始まり、最も気になるのが天候。昨年は北日本では梅雨明けがなく、西日本では暑い夏になるなど、泣かされた一年だったが、今年は冬らしい冬、夏らしい夏が期待でき、農作物にとってもまずまずの一年となりそうだ。しかし、気象の変動期であることは変わらないだけに、やはり油断は禁物といえよう。
○ 昨年の「寅」は不順な天候に泣かされたが、「卯」年はどうなるのか。過去70年余の卯年の気象データから予測すると、「冬寒く夏暑く、作柄は豊作」が期待できそう。
○ 農水省農業環境技術研究所の真木太一気象科長は「暑い夏になる可能性が高い」とみる。また「気象は変動期に入った。地球温暖化も加わって変動幅は大きくなっている。予測が非常に難しく、冷害と干ばつの両極端の対応が必要だ。」
○ 農水省農業環境技術研究所地球環境チームの山川主任研究官は、熱帯地方の太平洋東部で海面水温が低くなるラニーニャの影響から、「台風の発生が例年以上の恐れがある」と予測。西日本での干ばつとと暑夏への備えを促す。
○ 弘前大学ト蔵教授は、「18年終期でみると今年は雪が多い年に当たるが、変動が大きくて先が読めない。1〜2月の様子が今年の天候のかぎを握る。」
○ 気象庁湯田予報官は、「1年間の天候予測に耐えられる法則性を示すことは難しい。過去の推移をみる限り、近年は大きな波の中にあるといえる。最近10年は顕著な暖冬が続いた。しかし、その暖冬にも陰りが見え始め、一段落の兆しが伺える。今年は「冬らしい冬」になるとみられる。」

(日本農業新聞)

○1月3日(日) やませの特徴分析
 東北農業試験場気象評価制御研究室の菅野主任研究官は、高層気象データを使って、やませを7つのグループに分類し、東北地方に冷害をもたらすやませの特徴を突きとめた。気象庁が毎日出している向こう1週間の高層気象予報の精度が高まれば、どんなタイプのやませが出現し、どこの地方に冷たい風が吹くか予想でき、深水管理など事前対策が可能になると期待されている。
(日本農業新聞)

○1月5日(火) 「はえぬき」の玄米白度 積算気温1100度でピーク、山形県
 コメの白さを表す白度について、県が初めて実施した調査の結果がまとまった。「はえぬき」の玄米白度は、出穂からの積算気温が1100度でほぼピークに達し、たんぱく含有率が低いほど数値が上昇することが分かった。従来、「はえぬき」の刈り取り適期は積算気温で900-1050度(標準的な籾数)の時期に設定していたが、11年産米から1000-1250度に修正する方針で、おいしく、みばえのよいコメづくりを目指す。
(山形新聞)

○1月6日(水) 昨年は「最も暑かった」、平均気温
 気象庁が発表した昨年一年間の気候統計値によると、平均気温は全国で平年を上回った。西日本などでは2度以上高い地域もあり、全国149の観測地点のうち、95地点で観測開始以来の最高を記録した。
(日本農業新聞)

○1月6日(水) 北日本除き暖かく推移、12月の気候統計値
 気象庁は5日、12月の気候統計値を発表した。平均気温は北海道を除いて全国的に平年より1〜2度高かった。降水量は北海道の一部と東北の一部、関東、東海、南西諸島で平年を上回り、反対に晴天に恵まれた西日本を中心に日照時間が平年を上回った。北日本を中心に寒気が入り寒くなったため、「北並西暖」で推移した。
(日本農業新聞)

○1月7日(木) 注目の品種:低アミロース米
 粘りが強く、冷めてもおいしい米として、でんぷん成分の一つであるアミロース含量の低い水稲品種が注目されている。玄米のアミロース含量が10%前後で、従来のうるち米とアミロースを含まないもち米の中間タイプの品種だ。おにぎりや冷凍米飯などに向くとして、米穀店や加工業者からの引き合いが強い。
(日本農業新聞)

○1月7日(木) 最適な作業時期ピタリ、農業気象解析ソフト発売
 安価な温度記録計の計測データをもとに、稲作の最適な作業時期の判断、出荷予測、障害を発見する農業用気象解析ソフト「マイ栽培デザイン」が販売された。計測メーカーは「安い記録計とソフトさえあれば、作物生理データを栽培に活かすことができる」と話している。
(日本農業新聞)

○1月8日(金) 一等米比率低下、山形県
 山形食糧事務所は7日、昨年12月末の米の検査結果をまとめた。うるち玄米の1等米比率は81.0%で、前回から0.4ポイント低下した。主力品種「はえぬき」の1等米比率が0.3%ダウンの90.8%にとどまり、全体の数字を引き下げた。その他の品種の1等米比率は、「ひとめぼれ」が78.6%、「コシヒカリ」85.8%、「あきたこまち」81.2%、「どまんなか」83.7%、「はなの舞い」63.2%。
(山形新聞)

○1月8日(金) 一等米比率全国3位を維持、岩手県
 盛岡食糧事務所は7日、昨年12月末の米の検査結果をまとめた。うるち玄米の1等米比率は88.5%で、全国3位を維持している。検査は終盤で89%前後に落ち着きそうだ。品種別の1等米比率は、「あきたこまち」93.9%、「ひとめぼれ」92.6%、「ゆめさんさ」84.0%、「ササニシキ」76.2%、「かけはし」55.6%。
(岩手日報)

○1月8日(金) 検査数量落ち込む、東北
 東北各県の食糧事務所は12月末現在の米の検査結果を発表した。検査数量は秋田、山形以外で前年比8割を切り、1等米比率も最高が岩手88.5%に留まった。品種でみると、「つがるロマン」が95.7%、「青系125号」が98.5%と圧倒的な成績となった。
(日本農業新聞)

○1月8日(金) 1等米比率78.1%、12月末現在
 食糧庁は7日、米の検査結果を発表した。1等米比率は前回より0.5ポイント下がり、78.1%。1等米比率は北海道94.3%、長野92.6%、茨城89.5%などが上位だった。
(日本農業新聞)

○1月9日(土) 水稲単収トップ2年連続中山町、山形県
 東北農政局山形統計情報事務所は8日、市町村別収穫量を発表した。単収は県平均で583キロ。県内の水稲作付面積の約4割を占める庄内地方の作況指数が100をきった影響を受け、前年を12キロ下回った。市町村別のトップは前年に続き中山町で、647キロだった。
(山形新聞)

○1月9日(土) 10年度水稲の収穫量、福島県
 東北農政局福島統計情報事務所は8日、市町村別収穫量を発表した。県内の水稲、陸稲をあわせた収穫量は39万3900トンで前年に比べ15.3%減少した。
(福島民報)

○1月10日(日) 水稲は「並作」、JA岩手ふるさと
 JA岩手ふるさとの副組合長は、年頭に水稲の豊凶を占って久しいが「今年は並作」と卦(け)をおき、8日の新年交賀会で披露した。
(日本農業新聞)

○1月10日(日) 全県で2日連続の真冬日
 東北各県で9日、最高気温が氷点下となり、全県で2日連続の真冬日となった。強い冬型の気圧配置は11日まで続く見込みで、日本海側と山沿い中心に大雪の恐れ、また全域で風が強く、特に日本海側では強風となり海も大荒れとなるため、各気象台では注意を呼びかけている。
(日本農業新聞)

 
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○1月11日(月) コメ作り、村・農協・生産者一体で、青森・相馬村
 コメ余りによる安値や生産調整、4月からのコメ輸入の関税化−。コメ作りが将来に不安材料を抱える中、リンゴと稲作が基幹産業の相馬村で、県内はもちろん、東北でも初めてという村ぐるみのコメ作り組織が3月にスタートする。名称は相馬村稲作生産組織「ライスロマンクラブ」。育苗から収穫までの作業を村、農協、生産者が一体となった生産組織で行い、村ぐるみで一貫した生産体制を築く画期的な挑戦だ。
(東奥日報)

○1月12日(火) 収量湯沢市トップ、秋田県
 東北農政局秋田統計情報事務所は11日、本県の水稲の市町村別収穫量を発表した。収量が最も多かったのは湯沢市(604キロ)。上位には例年通り県南の市町村が名を連ねた。作況指数は県北100、県中央99、県南が98で、地域間の収穫量差は縮まった。
(秋田さきがけ)

○1月12日(火) 8.5%元の493キロ、岩手県
 東北農政局岩手統計情報事務所は11日、本県の水稲の市町村別収穫量を発表した。夏場の低温、日照不足の影響があったが、秋以降の高温と徹底した管理で持ち直した。3年ぶりの不作だったが、収量は493キロとまずまずの作柄となった。
(岩手日報)

○1月12日(火) 柏、5年連続の県一、青森県
 東北農政局青森統計情報事務所は11日、本県の水稲の市町村別収穫量を発表した。収量が最も多かったのは柏村の657キロで、5年連続で県一位となった。二位も5年連続で鶴田町、三位は五所川原市、四位は森田村で、上位4市町村は全国順位でも1〜4位を独占する可能性が高い。
(東奥日報)

○1月12日(火) 「ラニーニャ現象」確認
 気象庁が11日発表したエルニーニョ監視速報によると、昨年12月の太平洋赤道域の平均海面水温は23.8度と、平年を1.1度下回った。海面水温は昨年8月以来平年を下回っており、同海域では事実上ラニーニャ現象が発生している。同現象が起こると、エルニーニョ現象ほど明確な気象異変をわが国にもたらさないが、11月ごろの気温が低くなり、梅雨入りが早くなる傾向がある。
(日本農業新聞)

○1月13日(水) 雑穀入りブレンド米、岩手・大迫町
 雑穀の生産振興を図ろうと大迫町雑穀研究会が平成8年に発足。当初、会員数30人弱からのスタートだったが、10年までの3年間に約70人に増え、栽培面積は約7ヘクタールに拡大している。雑穀をPRするために、農協が雑穀入りブレンド米「権現米」を開発・販売している。
(全国共済新聞)

○1月13日(水) 地球の表面温度が過去最高に、昨年
 米国海洋大気局(NOAA)は11日、昨年一年間の地球の平均表面温度が14.46度を記録し、1880年の観測開始以来最高になったと、発表した。米国航空宇宙局(NASA)研究員は地球温暖化の影響とみている。
(日本農業新聞)

○1月13日(水) 岩手県産米「かけはし」で泡盛
 岩手県農政部は12日までに、県産米「かけはし」を使い沖縄県で造った泡盛の名前が純情泡盛「南雪」(みなみゆき)に決まったことを明らかにした。「かけはし」は平成5年大冷害で種籾が不足、沖縄県石垣島で緊急増殖を行った経緯がある。
(日本農業新聞)

○1月14日(木) 伝説のコメ「さわのはな」、山形県
 山形の伝説のコメ「さわのはな」の栽培技術や市場開拓の動向を探る「さわのはなネットワーク」が31日、山形市で開かれる。ネットワークは、さわのはなの種子確保と原〃種の保存に取り組んでいる「さわのはな倶楽部」が主催。
(山形新聞)

○1月14日(木) 直播推進へ意見交換、山形
 「水稲直播研修会」が12日、山形市の県農業試験場で開かれ、直播実践者や市町村、JAグループの担当者が出席、直播推進に向けた熱のこもった意見交換が行われた。
(日本農業新聞)

○1月15日(金) 加工米栽培の強化を確認、山形・JA金山稲作検討会
 農業構造の変化に対応し、安定した稲作りを目指す金山町の「稲作検討会」がこのほど、JA金山で開かれた。1998年度の実績を踏まえ、99年度は、加工米である酒米・もち米・減農薬米の3契約栽培を一層強化することを確認した。
(日本農業新聞)

○1月15日(金) 雪中田植え再現、山形県舟形町
 農村の冬の伝統行事「雪中田植え」がこのほど、50年ぶりに舟形町で再現された。雪中田植えは、新年の小正月に農家が雪に埋まった庭や田んぼの一角に、苗に見立てたわらや豆がらを雪に植え、田んぼの神を招き、新年の五穀豊穣を祈る戦前戦後農村の伝統行事だった。
(日本農業新聞)

○1月16日(土) 雪中田植え、秋田・鷹巣町
 豊作を祈願する伝統行事の雪中田植えが15日、鷹巣町の「大太鼓の館」前で行われた。かって、正月に農家の庭先で行われていた風習を後世に伝えようと、昭和58年に農家が復活させた。
(秋田さきがけ)

○1月19日(火) よみがえる田園風景、宮城・田尻町
 冬の田んぼに水鳥を呼ぶ試みが、宮城県田尻町で始まっている。冬の乾田を湿田状態にすることで、水鳥たちの楽園を復活させようというユニークな取り組みだ。
(日本農業新聞)

 
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○1月22日(金) 幻の米で純米酒、山形・川西
 幻の酒米「酒の華」を使った純米酒が誕生した。酒の華は、稲の品種改良家工藤吉郎兵衛が開発し、昭和初期に好まれた酒造米。川西町の酒造会社が県農業試験場庄内支場に残っていた種子を取り寄せて、大切に育てて新商品を実現した。
(山形新聞)

○1月22日(金) 水稲直播で省力・低コストの実現を、宮城・迫町
 水稲の直播栽培を取り入れ、春作業の省力化とコスト低減の可能性を引き出そうと、宮城県迫町農林振興事務所などは20日、水稲直播栽培研修会を開いた。直播実践農家や、これから直播栽培を始めようと考えている農家、管内各市町、農業団体の関係者ら約100人が集まった。
(日本農業新聞)

○1月23日(土) 飼料用米の生産拡大、山形県
 穀物の自給率向上と水田機能の維持を図るため庄内で取り組んでいる飼料米をテーマにシンポジウムが22日、酒田市で開かれ、その意義を確認するとともに、課題について意見交換した。
(山形新聞)

○1月26日(火) 今年は豊作の予感、福島・作見井戸
 福島県飯舘村深谷にある「作見の井戸」の水量が昨秋から次第に増え始め、周辺の農家の希望の水となっている。井戸は深さ3.6mで、わき水がたまるようになっている。毎年寒の入り後に水位を計り、その年の稲作の作況を占ってきた。
(福島民報)

○1月26日(火) 米「さわのはな」守ろう、山形県
 「おいしいお米」の評価を受けながら、栽培が難しく量が取れないため栽培者がいなくなりつつある「さわのはな」を守ろう−という「さわのはな栽培技術交換会」が31日、山形市で開かれ、希望者に種子の提供も行われる。「さわのはな」は山形が生んだおいしい米のルーツ「亀の尾」の血を受け継いだ品種。1960年に県の奨励品種としてデビューした。

(日本農業新聞)

○1月27日(水) 品薄感で平均1.6%高
 自主流通米の第7回入札が26日、東京都内と大阪市内の価格形成センターで実施された。青森県産米は「むつほまれ」が前回より1.6%高かったが、「つがるロマン」と「むつかおり」はいずれも0.1%高と小幅の伸びにとどまった。
(東奥日報)

○1月27日(水) 西日本で初の黄砂
 大阪から福岡、那覇にかけての西日本一帯で26日、中国大陸からの黄砂が一斉に観測された。気象庁によると、例年は3から5月に観測され、1月に黄砂がみられることは時々あるが、今年のように広い範囲で一斉に観測されるのは珍しいという。
(日本農業新聞)

○1月27日(水) 第7回自主米入札、全銘柄が上昇
 自主流通米価格形成センターは26日、第7回入札を行った。価格は、全銘柄が前回を上回り、60キロ当たり平均1万8668円で前回より296円上げた。期別相対で不足だった銘柄を中心に高値取引が目立ち、相場は昨年10月入札の水準に回復した。
(日本農業新聞)

○1月28日(木) 限定純情米で検討会、岩手県
 いわて純情米推進協議会は27日、花巻市で限定純情米検討会を開き、本年度の限定純情米の栽培経過や減農薬の表示方法改善などを協議した。限定純情米は特別表示米精度に代わる新たな戦略として1998年度に導入したが、減農薬栽培であることがわかりにくい表示になっていることなどを民間団体「環境保全型農産物生産加工流通認証協議会」と「命とともに歩む会」から指摘を受けており、関係JAや県、農業改良普及センターの担当者らが集まり改善策を検討した。

(日本農業新聞)

○1月29日(金) 「天恵米あきたこまち」販売へ、秋田
 JAあきた経済連などが一昨年設立したコメ卸会社「パールライス秋田」は、来月2日から厳選した県内産あきたこまちを使った新商品「天恵米あきたこまち」を販売する。整粒歩合や食味にこだわり、調整段階で付加価値を持たせた高品質米。

(秋田さきがけ)

○1月29日(金) ラニーニャ現象弱まる
 米国航空宇宙局は27日、赤道域太平洋の海水温が下がり、世界的な異常気象の原因となるラニーニャ現象が弱まり始めたと発表した。しかし、米国中西部の大雪を伴う寒波など、気象への影響はまだ続きそうだ。
(日本農業新聞)

○1月30日(土) 有機栽培米など6種類、11年度から認証対象、山形県
 県が導入する有機農産物と特別栽培農産物の認証制度の内容が固まり、農林水産部が20日、県議会農林水産常任委員競技会に報告した。認証するのは、農水省のガイドラインで最高の「有機栽培米」など6種類。県と関係団体で構成する審査機関を設置し、4月から生産者と販売者の申請を受け付ける。
(山形新聞)

○1月31日(日) 農業農村戦略情報システム、農家に着々と浸透、秋田・協和町
 農業情報の収集や経営診断をパソコンで行う協和町の農業農村戦略情報システムが、稼働から約2年を経て町内の農家に浸透している。昨夏には町がプロバイダー業務を開始、パソコンネットワーク自体の魅力もアップした。


(秋田さきがけ)


 

 

reigai@tnaes.affrc.go.jp