水稲冷害研究チーム
1999年東北稲作動向(新聞記事等から)
本情報は新聞記事等から得られる東北地域の稲作概況をお知らせするものです.
稲作の動向と冷害関連記事に注目して,概況を追跡します.
なお,記事の収集については東北農業試験場情報資料森脇課長さんにご協力をいただいています.
6月
−−−−−−−−− 上旬 −−−−−−−−−
○6月1日(火) アイガモ農法で幻の米が復活、岩手・玉山村
戦前まで広く栽培されていた陸羽132号を無農薬アイガモ農法で栽培しようと市民団体と消費者らが5月31日、一緒に田植えをした。身土不二いわてが「賢治の米を作ろう」と呼び掛けて企画した。
(盛岡タイムス)
○6月1日(火) 農業用水施設でアンケート、東北農政局
東北農政局はこのほど、農業用水施設の管理のあり方で東北地域の非農家世帯にアンケートした結果を公表した。管理状況には49%の人が不十分だとした。ごみ投棄や水質汚濁などへの不満が強く、住民参加による管理体制の見直しを求める意見が芽生えている。
(日本農業新聞)
○6月1日(火) あぜみち通信 第1号
東北地方に米作りの季節が訪れた。田植え時期に気圧の谷の通過などで強風の影響を受けた地域もあるが、活着は順調なようだ。東北6県の農家の協力を得て、水稲の生育状況を現場から報告する。
○青森県木造町農家:「あきたこまち」「つがるロマン」を作付け。田植えは5月9〜14日で平年並みであった。強風が繰り返し吹き、作業できない日もあった。日照不足などもあり、生育に一時停滞が見られた。葉齢は5.5。今後は水管理の徹底が重要。
○岩手県金ヶ崎町農家:「亀の尾」「ササニシキ」「ひとめぼれ」を作付け。田植えは5月2日に開始で例年並み。活着は良い。最近は都市の人たちが当地を訪れるようになった。食味、安全性を消費者とともに考え、共に育てる稲作としたい。
○秋田県平鹿町農家:「あきたこまち」「美山錦」「おきにいり」を作付け。田植えは5月14〜24日で、葉齢4.2。田植え後、風の強い日が多く、葉先がすれたものもある。体感温度は低く感じるので、水管理に注意したい。
○宮城県矢本町農家:「ひとめぼれ」「ササニシキ」「まなむすめ」を作付け。田植えは5月1〜4日まで行った。生育は順調だが、施肥機調整のため肥料が予定より入らず、6月上旬に追肥を予定。稲作管理に万全を期したい。
○山形県寒河江市農家:「はえぬき」「コシヒカリ」「出羽燦々」を作付け。5月14日〜5日間にわたって田植えを行った。田植え後、風による生育の抑制が見られ、現在葉齢4.7、平年並みに推移。最近の好天で生育は回復、水管理に注意したい。
○福島県郡山市農家:「コシヒカリ」「ひとめぼれ」「こがめもち」を作付け。田植えは平年並みの5月13日〜25日。田植え後は比較的好天に恵まれ、5月30日現在の葉齢は4.0。本年の収量目標は570キロ、肥培管理に努めたい。
(日本農業新聞)
○6月2日(水) イネドロオイムシ全県的にやや多い、青森県
青森県は6月期の病害虫発生予報を発表した。水稲のイネドロオイムシは全県的にやや多いと予想している。
(日本農業新聞)
○6月2日(水) アイガモ4千羽水田20ヘクタールに放飼、青森・JA木造町
環境に優しい農業で、消費者の健康・安全志向にこたえよう−と、134人で組織する「JA木造町おいしいごはんを作る会」は、大規模なアイガモ農法を展開。4年目の今年は、3年間のノウハウを基に昨年の4倍の20ヘクタールの水田に、4千羽のアイガモを放飼する。
(日本農業新聞)
○6月3日(木) 九州南部梅雨入り
鹿児島地方気象台は2日、九州南部(宮崎県と奄美地方を除く鹿児島県)が同日ごろに梅雨入りしたとみられると発表した。平年並みで、昨年より5日遅い。
(日本農業新聞)
○6月3日(木) 水稲冷害警戒システム充実、東北農試
東北農業試験場は2日、インターネット上で情報提供している水稲冷害早期警戒システムに、今年からいもち病発生予察と生育予測を加えると発表した。葉いもちの発生予察は、アメダスの気象データを基に、東北地方の地図上に発生好適条件かどうかを6段階で表示する。10日過ぎからスタートする。
(日本農業新聞)
○6月3日(木) 一升瓶でカモ防除、岩手・胆沢町
カモは田植え直後から水田に入り、苗を踏みつけて補植が必要なこともある。被害は夜間が多く追い払うのもやっかいだ。胆沢町の農家は、一升瓶を水田に立ててカモの害を防いでいる。
(日本農業新聞)
○6月4日(金) 気象予報に風速も、盛岡地方気象台
盛岡地方気象台は今月から、従来の予報内容に風速などを追加して、予報期間を延長した新しいデータの提供を始めた。
(読売新聞)
○6月4日(金) いもち病に注意、農水省
農水省は5月20日、向こう1か月の病害虫の発生予報を発表した。いもち病は、昨年多発した地帯を中心に伝染源が豊富であることから、今後の気象状況の推移によっては、移植後初期からの発生が懸念される。イネミズゾウムシは、防除薬剤の育苗箱施用をしなかった地域では、本田での発生動向に注意すること。
(全国農業新聞)
○6月4日(金) 初審査27件すべて合格、青森県
県有機産物認証制度の第1回審査委員会が3日、開かれた。生産者側が認証取得に向け申請した野菜やコメなどの生産物17件、精米10件のすべてが審査に合格した。
(東奥日報)
○6月4日(金) 関東以西で梅雨入り
気象庁は3日、関東甲信、東海、近畿、中国、四国、九州北部が梅雨入りしたとみられると発表した。昨年より1〜2日遅く、平年に比べると3〜6日早い。梅雨入りしていないのはこれで北陸、東北地方だけとなった。
(日本農業新聞)
○6月5日(土) 農業就職希望60%、岩手・胆江地区
胆江地区の農業高校や大学校3校の生徒の4人に1人が「将来、農業をやりたい」と思っていることが、東北農政局岩手統計事務所水沢出張所の意識アンケートで分かった。高校生は低率だが、大学校生は60%と目的意識の違いも出た。
(岩手日報)
○6月5日(土) 週間気象情報−東北地方に強い雨
南海上の梅雨前線は、この期間の初めと終わりに北上し、本州付近の広い範囲で雨を降らせる。特に終わりのころは、前線上の低気圧が東北地方に向かい発達する。東北地方では強い雨に注意が必要。また梅雨入りした地方では前線が北上や南下を繰り返し、天気と気温の変動が激しくなる。
(日本農業新聞)
○6月5日(土) 基肥の苗箱施用で省力、岩手・金ヶ崎町
金ヶ崎の農家は、基肥を苗箱施用する育苗で、箱にシートを敷いて床土を入れ、生育むらのない健苗育苗法を工夫。水稲栽培の省力化に効果をあげている。
(日本農業新聞)
○6月6日(日) 米国へ「ササ」輸出、山形経済連
JA山形経済連は、山形産「ササニシキ」3.2トンを米国に輸出する。山形市のパールライス山形で5日、「山形米アメリカ輸出」出発式が行われた。
(日本農業新聞)
○6月7日(月) 予約登録米が増加、首都圏コープ
大冷害を契機に始まった首都圏コープ事業連合の予約登録米「ゆびきりげん米(まん)」が順調に取引をのばしている。産地JAと提携し、田植え時期に予約を募集、良質米を安定的に供給する仕組みで、1999年産米は6日までに、昨年産の3割増に当たる2000トンの予約になっている。
(日本農業新聞)
○6月8日(火) 東北、北陸梅雨入り
気象庁は7日、北陸と東北地方が梅雨入りしたとみられると発表した。これで全国的に梅雨入りした。東北は南部・北部とも昨年より4日遅く、平年より南部が5日、北部は7日早い。
(日本農業新聞)
○6月9日(水) 経営管理の日、山形県置賜普及センター
簿記記帳やパソコン利用の農業・農家経営が関心を集めているが、置賜農業改良普及センターは、毎月第2水曜日を「経営管理の日」に指定。経営管理に関する講座の解説で、指導相談に応じる。第1回目は9日同センターで夫婦セミナーと合同で開かれる。
(日本農業新聞)
−−−−−−−−− 中旬 −−−−−−−−−
○6月11日(金) 「ささろまん」伸び悩み、宮城県
県産米の次代を担う減農薬栽培の新品種として、平成7年産から栽培された「ササニシキBL」(愛称:ささろまん)の作付け面積が落ち込んでいる。全国農協連合会県本部がまとめた県内の11年度産米の作付け面積では、ピーク時(9年度)から7割減の1600ヘクタールにまで減少した。市場でのササニシキ系統の人気低下や栽培の難しさなどが原因している。
(河北新報)
○6月11日(金) ラ・ニーニャ発生を確認、気象庁
東太平洋海域で海面水温が低くなるラ・ニーニャ現象が発生していることが10日、気象庁「エルニーニョ監視速報」で明らかになった。同現象は十年ぶりで、1949年以来10回目。同現象が出現すると、日本では秋の平均気温が低くなったり、梅雨入り・梅雨明けが早まるなどの影響があるとされるが、冷夏・暖冬をもたらすエルニーニョ現象ほど大きな気象変化はない。
(日本農業新聞)
○6月12日(土) 新たな水田農業創造、山形・庄内
庄内地域を拠点に水田に関する研究を積み重ね、水田農業の将来像を提言していく「庄内水田農業推進機構(仮称)」が今月28日に設立される。山形大学農学部を中心に、鶴岡市、県農業試験場庄内支場、鶴岡田川農業改良普及センター、庄内経済連、鶴岡市農協、地元農業者などで構成し、生産技術と学術研究の両面から庄内を水田農業の中心地域としていく計画だ。
(山形新聞)
○6月12日(土) 水稲順調に生育、青森県
県農業生産対策推進本部は11日、第1回目の水稲生育調査結果をとりまとめた。県内全域で平年を上回る生育ぶり、最も早い下北地域の「かけはし」は平年より5日早いペースとなっている。
(東奥日報)
○6月12日(土) 梅雨空は来週後半に、週間気象情報
南海上の梅雨前線は、期間の後半にかけてようやく北上する。このため東・西日本は太平洋側を中心に梅雨空が戻る。西日本の太平洋側は強い雨に注意。北日本は、北海道の北を低気圧が通過するため一時天気が崩れるが、ほかは晴れて気温は高め。
(日本農業新聞)
○6月15日(火) 梅雨なのに・・好天
日本列島は順調に梅雨入りしたのに、九州と四国を除いてさわやかな好天が続いている。気象庁は「太平洋高気圧の張り出しが弱く、梅雨前線を押し上げてこない」と説明する。病害虫の発生も少なく、例年は長雨に泣かされる麦農家も「雨のない梅雨」は大歓迎。各地で快調に麦刈りが進んでいる。
(日本農業新聞)
○6月15日(火) あぜみち通信 第2号
○青森県木造町農家:「つがるロマン」葉齢7.5で平年より0.5〜1.0前進、葉色も濃く、ごく順調な生育。イネミズゾウムシやイネドロオイムシも見あたらない。
○岩手県金ヶ崎町農家:このところ急速に茎数が増え、抑制しようと深水にしている。隣町で補植用苗に、いもち病発生の情報があるが、当方では病害虫の発生なし。
○秋田県平鹿町農家:葉齢7.5,平年を上回る生育。茎数の8割程度を確保できているので、水を落としてガス抜きと分げつ抑制をしている。
○宮城県矢本町農家:分げつは平年より1割ほど多い。今後はむしろ過繁茂になるのが心配だ。
○山形県寒河江市農家:葉齢6.6で平年を上回っている。有効茎数を460本程度においているので、天候がこのまま推移すれば、20日頃確保できる見込み。
○福島県郡山市農家:葉齢5.4で、生育はやや遅れ気味だが、平年並みに回復している。
(日本農業新聞)
○6月15日(火) 水稲の生育順調、10日現在
水稲の生育状況は、10日現在の調査で、各県とも順調に進んでいる。
・青森県:生育が平年に比べ1〜5日早い。
・岩手県:茎数はやや多く、草丈、葉数も平年を上回っている。
・宮城県:生育が3〜4日早い。
・秋田県:草丈、葉数はやや多めで、茎数も多い。
・山形県:生育が2〜3日早い。
・福島県:生育は平年並み〜5日早い。
今後の管理について、気温が高く推移していることから、各県とも葉いもち防除の徹底を呼び掛ける。補植用苗も多く残っており、まずこれらの早期処分をと念押ししている。
(日本農業新聞)
○6月16日(水) 生育はおおむね順調、秋田県
県農産園芸課と東北農政局秋田統計情報事務所は15日、作況ニュース第4号を発表した。水稲はやや高めの気温、多照により、田植え後の活着が全県的に概ね良好。生育は平年より4日早く、茎数も多めとなっている。
(秋田さきがけ)
○6月17日(木) 減農薬でうまい米、山形県遊佐町
JA庄内みどり遊佐開発米部会は、除草剤を使わない減農薬栽培方法として、コイと紙マルチを使用した水稲栽培に取り組んでいる。同部会は、生活クラブ生協と交流関係がある関係から、病害虫防除の薬剤散布回数を通常の半分に減らした減農薬栽培を、約500人の会員が900ヘクタールほどで実践している。
(日本農業新聞)
○6月18日(金) 好天で生育順調、岩手県
県は17日、県内33カ所の水稲生育診断予察圃場で15日現在で行った今年初めての一斉調査結果を公表した。好天に恵まれ、生育は各地とも順調で、県全体で平年より3−4日進んでいる。
(岩手日報)
○6月19日(土) 週間気象情報
梅雨前線は一時南下するが後半は再び北上。このため期間の前半は、北日本は晴れるが、西・東日本は梅雨前線の影響でぐずつく。後半は梅雨前線が北上して東北も梅雨空。
(日本農業新聞)
−−−−−−−−− 下旬 −−−−−−−−−
○6月21日(月) 普及進むインターネットだが
21世紀村づくり塾は20日までに、農業・農村でのインターネットの活用状況をまとめた。農村でも地域やJAの活動をPRする情報発信手段として注目、普及が進んでいる。産直やグリ−ンツーリズムでは追い風として期待が広がっているが効果は今ひとつ、というのが現実。栽培管理をはじめ、農業経営に役立つようにするには、一層の条件整備が問われている。
(日本農業新聞)
○6月21日(月) 直播水稲、土壌を硬く締め倒伏防止
直播水稲の倒伏は、落水管理で土壌を硬く締めれば防げる−。東北農試水田利用部は、水稲湛水直播栽培の倒伏予防策として、中干し後にも1〜2回の落水期間を設ける反復落水管理の実施を勧めている。落水を繰り返すと、倒伏発生時期の登熟期に土壌表面が硬くなる。その結果、株の支持力が強まり、倒伏しにくくなる。
(日本農業新聞)
○6月24日(木) 水稲生育「やや良」、東北農政局
東北農政局は23日、15日現在の水稲生育情報を発表した。田植期以降、天候に恵まれたことから、生育状況は「やや良」となった。苗の活着、初期生育も順調で、草丈はやや長く、係数もやや多くなった。
(日本農業新聞)
○6月26日(土) 週間気象情報
梅雨前線が停滞している西日本では局地的に雨足の強まる恐れがあり、大雨に注意。東日本は、期間の前半は雲が多いが、後半は晴れ間が戻る。北日本は高気圧に覆われ、晴れて気温の高い日が多い。
(日本農業新聞)
○6月28日(月) 高値銘柄が加速、99年産水稲品種別作付け
水稲主産地の品種別作付けは、高値銘柄の「コシヒカリ」や「ひとめぼれ」への集中が一層進んだとみられる。新潟の「コシヒカリ」のほか「ひとめぼれ」も東北各県で作付けが増えている。若手有力品種の「ほしのゆめ」「つがるロマン」も伸びそうだ。
(日本農業新聞)
○6月29日(火) あぜみち通信第3号
○青森県木造町農家:この2週間は連日27〜30度の気温で、生育は平年より1週間から10日早い。葉齢は平年より確実に1枚多い。いもち病もほどんどない。
○岩手県金ヶ崎町農家:順調すぎる生育だ。葉齢進度は平年並みだが、稲の姿は一回り大きい。過繁茂気味で、深水管理で抑制中。病害虫の発生はない。
○秋田県平鹿町農家:茎数は平年の2割増となっている。葉色も落ち始めている。落水は21日から始め28日で終了。例年より4〜5日早い。
○宮城県矢本町農家:生育は若干分げつが多いものの順調だ。6月27日〜7月5日まで中干し。アメリカアゼナの発生が部分的に多い。グラスジンMの散布を考えている。
○山形県寒河江市農家:生育は順調。葉色も濃く、葉数の進み具合は平年より2,3日早い。これから作溝・中干しを始める。出穂前25日の幼穂形成期には、予定通り穂肥をやれる稲の姿にしあげたい。
○福島県郡山市農家:冷涼な日が続き生育は停滞気味。田植えの早かった「ひとめぼれ」は茎数が確保され次第、中干しと作溝の作業にはいる。「コシヒカリ」は田植えの遅い分、生育が遅れており、肥培管理に努めたい。いもち病の予防剤を7月初めに散布の予定。
(日本農業新聞)
reigai@tnaes.affrc.go.jp