水稲冷害研究チーム
1999年東北稲作動向(新聞記事等から)
本情報は新聞記事等から得られる東北地域の稲作概況をお知らせするものです.
稲作の動向と冷害関連記事に注目して,概況を追跡します.
なお,記事の収集については東北農業試験場情報資料森脇課長さんにご協力をいただいています.
8月
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○8月4日(水) 名称「吟ぎんが」、酒造好適米「岩南酒13号」
岩手県は3日、県オリジナル酒造好適米「岩南酒13号」の名称を「吟ぎんが」に決定。発表会を開き「美山錦」に変わる県産酒米として期待している。
(日本農業新聞)
○8月5日(木) カメムシで注意報、青森県
青森県の病害虫防除所は4日、県内全域でカメムシ類のアカヒゲホソミドリガメが多く発生していることから、防除を呼び掛ける注意報を出した。穂揃い期から7〜10日おきの防除対策が有効で、「乳熟期以降に被害が心配される。カメムシに絞った地上防除をしてほしい」と呼び掛けている。
(日本農業新聞)
○8月5日(木) 早場米大幅出遅れ、7月末現在
食糧庁は、本年産米の検査結果を公表した。米の検査数量は約7千トンとなった。前年に比べ2万7千トン少なくなった。7月中旬から下旬にかけての降雨により刈り取りが遅れた。1等米比率は57.9%で平年並み。
(日本農業新聞)
○8月7日(土) 週間気象情報
太平洋高気圧の勢力は今後急速に衰えてくる。南海上からの熱帯性擾乱が日本付近に北上しやすくなり、東日本などでも不安定な天気になりやすい。局地的な強い雨には注意が必要。一方、北海道方面は北からの高気圧が南下してくる。次第に北から秋の気配を感じるようになる。
(日本農業新聞)
○8月7日(土) カメムシ類に注意、岩手県
岩手県病害虫防除所は6日、カメムシ類が水田に目立っているとし、防除ミニ情報を出し、蒸発地帯では直ちに防除を行うよう呼び掛けている。
(日本農業新聞)
○8月7日(土) 先安感で7%安、自主米第1回入札
自主流通米価格形成センターは6日、自主米第1回入札を行った。60キロ当たり平均価格は1万7千2百85円と、前年第1回入札より1328円、7%下げた。豊作予想で先安感が広まっており、米卸の買い意欲の低さが影響したとみられる。
(日本農業新聞)
○8月10日(火) あぜみち通信第6号
・青森県木造町農家:「つがるロマン」は出穂が5日(例年より5日早い)、穂は例年より1,2センチ長い理想的な形だ。今後は紋枯病に注意したい。
・岩手県金ヶ崎町農家:「ひとめぼれ」は平年より1週間早く、5日頃穂が揃った。傾穂を始めている。穂が大きい感じ。直播も予想より2週間早く穂がでて安心だ。高水温で根ぐされの恐れがあり、間断灌漑で、根の活性を保つよう注意している。
・秋田県平鹿町農家:「あきたこまち」「美山錦」「おきにいり」はすべて開花終了となった。「あきたこまち」は例年より1週間前後早く、ほかの2品種もかなり早まった。雨も2週間以上降っていないので、水不足が心配だ。カメムシが多いようだ。予防も含め防除を心がけたい。
・宮城県矢本町農家:「ひとめぼれ」「ササニシキ」の出穂盛期は3〜5日と平年より6日ほど早い。高温の日が続き、心配なのが、湛水による根ぐされ。掛け流しの水管理で対処している。
・山形県寒河江市農家:高温・多照の日が続き、「はえぬき」の生育はぐんぐん進み、出穂は平年より4日早い8月4日となった。現在のところ、病害虫の発生はごく少ない。これからは根の傷みによる枯れ上がりが心配。間断灌漑を継続したい。
・福島県郡山市農家:天候自体は豊作型で、いもちの発生も少ない。「コシヒカリ」の出穂は15日前を予想している。「ひとめぼれ」は現在穂揃い期に入っている。今後は9月の台風と長雨がないことを祈る。
(日本農業新聞)
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○8月11日(水) 平年より出穂6日早く、青森県
農業生産対策推進本部が10日まとめた水稲の出穂状況によると、県全体の出穂終わりは8日で、高温が続いたことから、平年より6日早いペースだった。今後の水田管理で注意すべき点として、「酸素不足による根の老化を防ぐため、定期的に水を入れ替える」と呼び掛けている。
(東奥日報)
○8月12日(木) 農作物に猛暑被害、山形・鶴岡市
鶴岡市は11日、気象災害対策本部を設置した。被害は枝豆、トルコギキョウ、ミョウガなどを中心に被害面積44.6ヘクタール。今後も高温で雨が降らなければ被害の拡大が懸念される。
(山形新聞)
○8月12日(木) 福島で真夏日連続21日、福島県
11日の県内は、太平洋高気圧に覆われ会津地方では青空が広がり、中通りや浜通りは気圧の谷の影響で曇りのところが多かった。福島市では21日連続真夏日となり、平成6年とならび平成に入ってから最長となった。
(福島民報)
○8月12日(木) 県内異例の暑さずくめ、秋田県
県内全域で連日、猛暑が続いている。秋田市では11日で、連続17日の真夏日を記録するなど、異例の暑さが続いている。日射病や熱射病の患者が出たほか、農畜産物の被害も相次いでいる。
(秋田さきがけ)
○8月12日(木) 干ばつ対策会議、福島・郡山市
郡山市農作物生産対策協議会は10日、干ばつ対策会議を開いた。水稲、野菜果樹などで渇水状態が続き被害が出始めている。今後、技術資料を各農家へ配布し、被害を最小限に止めるよう各関係機関に申し合わせた。
(日本農業新聞)
○8月12日(木) 生育良く、病害虫少なめ、東北各県出穂状況
東北各県の出穂状況が11日までに出そろった。各県とも平年より2〜7日早く生育は順調で病害虫も少なめ。ただし秋田や山形などで一部水不足の心配が出ている。出穂期は宮城、秋田県の1日、青森、山形、岩手県が4日、福島県が5日と平年より2〜7日早い。水不足は山形県新庄の山間部を中心に出始めているほか、秋田でも一部心配がでており、11日には水不足などで対策会議が開かれる。
(日本農業新聞)
○8月12日(木) 猛暑の影響じわじわ、東北各県
山形と福島で21日連続の真夏日となるなど猛暑が続き、家畜が熱死したり、果物の着色が進まず出荷減となるなど影響が出ている。
(日本農業新聞)
○8月12日(木) 環境保全型稲作で初の経営調査、農水省
農水省は11日、環境保全型農業に取り組んでいる稲作農家を対象にした初の経営分析調査を発表した。10アール当たりの所得は、慣行より15.9%高かった。労働時間は22.8%多く、収量も低いが、米の販売価格が消費者への直接販売などで28.8%高くなっている。
(日本農業新聞)
○8月13日(金) 水稲98%が出穂、岩手県
県農業改良普及センターは10日現在の出穂状況をまとめた。県内の水田の98%で既に出穂期に達していた。出穂盛期は県全体で4日で、平年に比べ6日早かった。
(盛岡タイムス)
○8月14日(土) 週間気象情報:北日本では秋の気配
太平洋高気圧が後退し、北から冷涼な高気圧に覆われることが多くなる。北日本方面では比較的涼しい日が多く、早くも秋の気配が感じられるようになる。一方、東日本から西日本にかけては、まだ蒸し暑い日が続き、大気の不安定な状態が続く。
(日本農業新聞)
○8月14日(土) 渇水対策本部を設置、JA秋田しんせい
農畜産物への猛暑の影響を懸念し、今後の管理に万全を期そうとJA秋田しんせいは10日、異常渇水対策本部を設置、11日に異常渇水対策会議を開いた。営農生活センターごとに技術資料を農家に配布し、水の再利用、節水を呼び掛けることにした。
(日本農業新聞)
○8月14日(土) 作物毎に対策指導、郡山市
JA郡山市、郡山市、郡山地域農業改良普及センターなどでつくる農作物生産対策協議会は、今後も気温が高く、雨の少ない状態が続くと予想されることから、農作物の適切な管理に努めるよう呼び掛けている。水稲は水量の確保ができる地域では、灌水して稲体の温度を下げ根ぐされ、下葉枯れを防ぐ。
(日本農業新聞)
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○8月21日(土) 週間気象情報
太平洋高気圧の張り出しにより、夏空が広がって残暑の厳しい日が続く。ただ西日本では、不安定な大気によるにわか雨や雷雨がありそう。また、北日本は期間の前半、北から南下した前線の影響で天気の崩れるところもある。暦の上では秋に変わったが、気圧配置は北からゆっくりと変化が見られる程度。まだ夏の気圧配置が続きそう。
(日本農業新聞)
○8月21日(土) 刈り取り適期を予想、岩手・水沢普及センター
刈り取りは10日以上も早まりそう−水沢農業改良普及センターはこのほど、稲の収穫適期予想をまとめた。予想期日はファクシミリサービスをしており、活用を呼び掛けている。
(日本農業新聞)
○8月21日(土) 高温の影響で乳白粒多発も
全国的な高温続きの影響で、水稲の品質低下が懸念されている。特に近畿以北の東日本は米粒が肥大する登熟期を迎えており、高温で乳白粒が多発しやすいためだ。関係機関は、登熟期間中は用水の掛け流しなどで田面を冷やし、圃場の乾燥を確実に防ぐよう、水管理の徹底を呼び掛けている。
(日本農業新聞)
○8月24日(火) あぜみち通信第7号
○青森県木造町農家:順調に傾穂期を迎えている。ただし高温続きで一部根腐れが出ており、毎日水を入れ替えて対処している。早生品種は特に障害が心配なようだ。落水準備は9月5日頃。
○秋田県平鹿町農家:これでほぼめどが付いた。排水の悪いところは畦畔を切り、他の圃場も今週末落水の予定。稲刈りは例年なら9月20日過ぎだが、今年は積算温度でいくと10日頃にできそう。実際は作業の流れで15日前後になりそうだ。
○岩手県金ヶ崎町農家:刈り取りは9月15日頃からの予定。例年より10日ほど早い。心配な点も2〜3ある。最近、葉が異常に黄変してきた圃場がある。高温による根腐れが原因では。夜温が高いのも気がかり。実入りを悪くする。期待したほどの作柄にはならないのでは。収穫適期を見据えて作業を段取りしている。
○山形県寒河江市農家:8月10日の穂揃い期調査によると、穂数、1穂当たり籾数はいずれも平年より少ない。「はえぬき」の生育指標である3万粒は確保されている。収穫時期は9月17日から18日までと予想されている。平年に比べて7日ほど早い。刈り遅れによる品質・食味の低下を来さないように、直ちに収穫作業機などの整備点検を行う。
○宮城県矢本町農家:稲刈りは9月15日頃に早まるのではないか。このところ夜温が高いので、登熟は進んではいるものの、予想通りとれるかどうか懸念される。
○福島県郡山市農家:晴天が続き、暑さ対策の水管理に努めている。全般に出穂が3〜5日早まる。「コシヒカリ」は穂揃いとなり、「ひとめぼれ」は穂が傾いてきており、夜温が高めで推移しており、登熟に影響がなければと思っている。いもち病の発生はほとんどない。
(日本農業新聞)
○8月27日(金) 水稲作況「103」−2年ぶり豊作確実
99年産水稲の作柄(8月15日現在)は、全国平均で作況指数103の「やや良」であることが26日、明らかになった。東日本を中心に全般的に好天に恵まれ、順調に生育している。農水省が27日に発表する。2年ぶりの豊作は確実で、作況を踏まえた来年度からの米の在庫対策が焦点になってくる。
(日本農業新聞)
○8月28日(土) 週間気象情報−残暑厳しい太平洋側
この期間、前線は日本海に位置することが多く、東北や北陸は雨が降りやすい。太平洋側の関東や東海、近畿などは太平洋高気圧の勢力範囲に入り、晴れて残暑が厳しくなる。北日本は移動性高気圧と低気圧が交互に現れ、天気は周期的に変化する。上空には冷たい空気が入り、朝晩の冷え込みが一層強まる。
(日本農業新聞)
○8月28日(土) 作況105の「やや良」−東北水稲
東北農政局は27日、作況指数(15日現在)を105の「やや良」と発表した。各県とも100を上回り、特に太平洋側で「良」となった。「異例な好天にしては、105にとどまった」との見方もあるが、1穂当たり籾数が少ないため。登熟は平年並みを上回ると見込んでいるが、夜温の高い日が続き乳白など品質の低下に心配も残している。
(日本農業新聞)
○8月31日(火) 高品質「コシ」出荷へ、福島
県、JAグループ福島、県米穀協会は1999年産米から、集荷した「コシヒカリ」の1等米を整粒歩合80%を基準に仕分けする方針を固めた。2000年産米までを試行期間としてデータを集め、結果を見極めて本仕分けに移行する考え。産地間競争の生き残りをかけ、良質米生産に総力を挙げる。
(日本農業新聞)
○8月31日(火) 水稲適期刈り取り呼び掛け、山形県
山形県農林水産部は30,31日の両日、水稲の適期刈り取り推進のパトロールを県内30か所で一斉に実施している。圃場の状況、共同乾燥施設の稼働準備状況を調査・パトロールし、適期刈り取りの啓発を図る。刈り取り適期は、一般に出穂後の積算気温1000度と考えられているが、今年は登熟期間が高温で経過したため、刈り取り時期が早まる(950度)圃場があると思われるので、時期を見極めて欲しい−と呼び掛けている。
(日本農業新聞)
reigai@tnaes.affrc.go.jp