水稲冷害研究チーム

1999年東北稲作動向(新聞記事等から)


 本情報は新聞記事等から得られる東北地域の稲作概況をお知らせするものです.
 稲作の動向と冷害関連記事に注目して,概況を追跡します.
 なお,記事の収集については東北農業試験場情報資料森脇課長さんにご協力をいただいています.


12月

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○12月3日(金) カメムシ「蓮田方式」で防げ、青森
 本年産米にカメムシ被害が急増したため、青森県は2日、関係者による緊急検討会を開き、防除で成果を上げた蓮田村の取り組みを参考にした来年度の防除方針を決めた。県は関係機関による「県水稲カメムシ防除対策会議」を近く発足させ、生産者の防除意識の啓蒙に努める。蓮田村は、9年頃からカメムシ被害が深刻化していたため、今年4月から村を挙げて防除対策に取り組み、1)出穂期前に畦畔、農道、転作田の除草を徹底、2)出穂後はヘリによる薬剤散布でカメムシを駆除する。−などの方法で、食害による落等割合を44.1%から22.3%まで減少させた。
(東奥日報)

○12月4日(土) 一等米比率78.1%、岩手県
 盛岡食糧事務所は3日、11月末日の米の検査結果を発表した。うるち米の一等米比率は前回より0.2ポイント落ち、78.1%となった。昨年同期に比べ2ポイントの低下となっている。
(岩手日報)

○12月7日(火) 私の稲作この1年(上)
○青森県木造町農家:今年の収量は、例年なら600kgの「つがるロマン」は630kg、例年500kgの「あきたこまち」は600kgと上々で、品質もすべて一等だった。6月下旬から気温が連日高かったため、生育が早まると予想し、草丈の伸びすぎを防ぐため浅水管理した。幼穂形成期が早まったため、1回目の追肥は早め、中干しは途中で止めて浅水間断潅水した。
○岩手県金ヶ崎町農家:北上川下流地域の作況指数は104だったが、収量は選別1.9mmで500kgと平年作だった。「ひとめぼれ」は全量一等だったが、「ササニシキ」は胴割れ米で二等が増え、全体の一等米比率は99.6%だった。稲の生育期間で、特に6月下旬から7月下旬の減数分裂期まで、いもち病を始め病害虫の発生状況、葉色、茎数などを総合的に判断しながら肥培管理した。出穂頃から下葉の黄色が目立ち、高温障害の兆しをみた。根ぐされ対策として田に水をためないような水管理に努めた。これまでの稲作では、冷害を克服することに気遣ってきた。高温多照で推移することは喜んできたが、今後は高温障害に対する技術の普及に期待したい。

(日本農業新聞)

○12月8日(水) 来年度の指導指針、青森県
 県農政部の生産部門各課と試験研究機関代表が8日、来年度の指導指針を協議し、水稲のカメムシ食害対策、ゆめあかりの作付拡大などに重点を置き、生産者に利用しやすい指導情報を提供していくことを確認した。
(東奥日報)

○12月8日(水) 私の稲作この1年(中)
○秋田県平鹿町農家:かけながし水量も収穫量を左右
 収量は「あきたこまち」で589kg、「おきにいり」673kg、「美山錦」650kg。全体に予想したより少なかった。「あきたこまち」の一等は94%、「おきにいり」は二等、「美山錦」は全量一等だった。特に、水管理が不十分だった場所や倒伏したところで等級を落とした。夏の暑さ対策は、掛け流ししかなかったため、十分に水がかかったところでは収量は上がった。
○山形県寒河江市農家:高温と雨続きで稲の疲労たまる
 収量は450-500kgと期待した収量には至らなかった。今年の稲は、7月24日の梅雨明け以降10月上旬の刈り取りまで、ほぼ一貫して高温の中で生育してきた。これに加え、収穫直前から断続的な降雨を受け、予想以上にくたびれていた。「雪化粧」で胴割れ粒、「出羽燦々」では発芽粒、「はえぬき」では腹白・心白粒、「コシヒカリ」では背白・乳白粒の発生をみた。今年の改善点を整理して、来年に向けて頑張りたい。
(日本農業新聞)

○12月9日(木) パソコン農家も活用を、岩手県・西根町
 西根町認定農業者協議会は6日、平舘高校でパソコン基礎講座を開講した。農業分野に活用が広がるパソコンの基礎を5日間にわたって集中講義する。
(岩手日報)

○12月9日(木) 私の稲作この1年(下)
○宮城県矢本町農家:多肥で穂数多く、屑米が多量に
 今年の稲は圃場によって多少の違いはあったが、乳白粒が多く、品質低下が目だった。減収とはならなかったが、「ササニシキ」は未熟粒が多く、収量は減った。栽培中に異常を感じたのは出穂期の頃だった。昼夜ともに気温が高く、特に夜温の高さが気になった。冷水の掛け流しを試みたが十分ではなかった。施肥は例年通り、基肥、穂肥の方式、結果として多肥だったように思う。そのため、穂数が多く、屑米が多量にでた。穂肥の時期には、長期に高温が続くとは予想できなかった。振り返ってみると、基肥だけで栽培した方が高品質だったと思う。
○福島県郡山市農家:こまめに水管理、すべて一等米に
 収量は「ひとめぼれ」が約540kg、「コシヒカリ」が546kgだった。品質は異常なく、等級もすべて一等だった。地域では「初星」に腹白が多いようだ。稲の生育に特に異常を感じたことはなかったが、夏場の猛暑で水管理とこまめな肥培管理を励行した。特に、秋の共同作業に支障ないようにと、倒伏させないように心掛けた。
(日本農業新聞)

 
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○12月11日(土) ラ・ニーニャ今冬も続く、気象庁
 気象庁は10日、エルニーニョ監視速報を発表した。11月の太平洋赤道域の海面水温は平年より1.4度低かった。事実上のラ・ニーニャ現象となっており、同庁は「海面水温の低い状態は今冬いっぱい続く」と予想している。同現象になっても、日本への顕著な影響はでないとされる。
(日本農業新聞)

○12月12日(日) ササニシキ復興へ道開け、宮城
 全農県本部と県は、宮城米の代名詞と言われながら作付が急激に減っている「ササニシキ」の復興に乗り出した。本年度の作柄悪化で、生産者の「ササ離れ」に拍車がかかる恐れがあるためだ。「ササニシキBL(ささろまん)」を含めて20%を切った作付面積のシェアを、3年後には25%に戻す計画で、「ササの灯を消すな」を合い言葉に、生産者への作付誘導を強めていく方針だ。
(河北新報)

○12月16日(木) 「ゆめあかり」品種特性徹底を、青森県
 JA青森県経済連は青森市で「1999年度稲作総合技術研修会」を行った。県産米の主力品種「むつほまれ」に代わる新品種「ゆめあかり」の栽培指導方法や、県産米の販売環境など多岐にわたって討議した。
(日本農業新聞)

○12月16日(木) ブレンド米「んめ!」販売
 JA岩手県経済連と株式会社パールライスあおもりは15日、盛岡市のホテルで両県産米「ひとめぼれ」「つがるロマン」をブレンドした「みちのくうまい米です「んめ!」」を岩手県は17日、青森県は18日から販売することを発表した。
(日本農業新聞)

○12月17日(金) 暑い1年でした、気象庁
 気象庁は16日、1999年の世界と日本の年平均地上気温速報を発表した。日本の年平均地上気温は、平年と比べ1.03度高く、統計を取り始めた1898年以降、過去3番目(94年とタイ記録)となる見通し。
(日本農業新聞)

○12月17日(金) 水稲作況103確定、東北
 東北農政局は16日、1999年度水陸稲収穫量の最終値を発表した。水稲の収穫量は257万7千トンで、収量は564キロ、作況指数は103の「やや良」となった。冷害、風水害、病害が平年に比べて少なく、被害率は平年に比べ6.5ポイント低い5.0%だったものの、カメムシなど虫害の被害率は平年に比べ0.4ポイント上回った。
(日本農業新聞)

○12月17日(金) 本年度産米最終作況101の「平年並み」
 農水省は16日、1999年度産水稲の最終作況と収穫量を発表した。9月下旬の台風18号被害などで九州は「著しい不良」だったが、近畿より東の地域は天候に恵まれたため、全国の作柄は前回と同じ101の「平年並み」だった。
(日本農業新聞)

 
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○12月21日(火) 稲「かぐや姫」コーナー好評、宮城・矢本町
 矢本町立図書館は、町内の農家が1993年の大冷害の中で突然変異の稲を発見し、今年の3月に農水省の品種登録を受けた「かぐや姫」を広く町民に知ってもらおうと、館内に「いま話題、かぐや姫」のコーナーを設け、新品種に伴う登録証や官報、写真や株稲を展示。来館者に好評だ。
(日本農業新聞)

○12月23日(木) 1等米低下、カメムシ被害も一因
 カメムシ類の吸汁による着色粒が多発し、全国的に米の品質が落ちている。食糧庁の調査によると、水稲うるち玄米の一等米比率は11月末日現在63.0%で、過去5年間の同時期と比べても最も低い。最大の原因は、乳白・腹白粒の発生や粒張りの悪さなど形質の低下が4割を超すが、カメムシ被害による着色粒もその理由の26%を占める。産地では本年度産米の品質維持対策と、カメムシ被害を防ぐ技術指針の検討を急ピッチで進めている。
(日本農業新聞)

○12月25日(土) 一等米62.9%、20日現在
 農水省は24日、本年産水稲の検査結果を発表した。一等米比率は62.9%で前回と比べ0.1ポイント下がった。また、前年同期比では15.3ポイントも低く、過去5か年で最も低い水準となった。
(日本農業新聞)

○12月26日(日) 乳白米、土づくり肥料で抑制、秋田
 乳白米の発生は、丹念な土づくりでかなり抑えられるのでは−。今年は東日本を中心に乳白米が多発し、品質低下の最大の原因となった。夏の異常高温で、でんぷんの蓄積がうまく進まなかったためだ。しかし、秋田県内全域にわたる調査では、土づくり専用の肥料を多く施用した地域ほど、乳白粒が発生しなかったことがわかった。これまでは主に冷害対策を念頭に土づくりの重要性がいわれてきたが、高温時の対策としても検討する必要があるようだ。
(日本農業新聞)

○12月28日(火) 天気予報1年先まで、気象庁
 1年先の気候を予知する「夢の天気予報」が、数年後にも実現しそうだ。気象庁は2000年度から、日米を中心に各国と連携した高度海洋監視システム(アルゴ計画)の構築に着手。地球規模の海洋データの収集、分析に乗り出す。同庁は「海中の情報を的確に分析することで、1年という長期の気候予知の精度が高まる」(海洋課)とみる。「1年予報」が実現すれば、気候変動に応じた品種選定や作付が可能となるなど、農業へのメリットが期待できる。
(日本農業新聞)

○12月29日(水) 「ササ」健在、堅調相場
 低迷する1999年産米自主米相場にあって、根強い人気に支えられた「ササニシキ」が健闘している。宮城産をみると、98年産入札の通年平均は、同県産「ひとめぼれ」より60キロ当たり700円以上安かったが、99年産米は10月入札から12月入札まで連続3回上回った。「高い知名度で、量販店や生協に一定の需要を確保している」(米卸)強みを発揮した形だ。
(日本農業新聞)


 
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