水稲冷害研究チーム

2000年東北稲作動向(新聞記事等から)


 本情報は新聞記事等から得られる東北地域の稲作概況をお知らせするものです.
 稲作の動向と冷害関連記事に注目して,概況を追跡します.
 なお,記事の収集については東北農業試験場情報資料森脇課長さんにご協力をいただいています.


8月

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○8月1日(火) 水稲のカメムシ被害懸念、岩手県
 盛岡地方気象台は31日、高温に関する気象情報を出し農作物や家畜、水産養殖物の管理に注意するよう呼びかけた。県などの指導機関は、高温で増える水稲のカメムシ被害を防ぐため胆沢町で緊急調査を開始するなど対策を訴えている。
(岩手日報)

○8月1日(火) 乳白米発生に注意、秋田県
 連日の高温により、乳白米が昨年同様に大量発生する懸念が高まっているとして、秋田米再構築推進緊急対策本部は農家に水管理の徹底を呼びかけている。
(秋田さきがけ)

○8月1日(火) カメムシ多発で対策本部設置、山形県
 水稲の品質低下を招く斑点米カメムシが全県的に多発している問題で、県農協中央会と県農協農政対策本部は31日、行政とともに防除を徹底するため対策本部を設置した。
(山形新聞)

○8月1日(火) 農業情報インターネットで発信、福島県
 福島県農業経営指導課は7月31日、インターネットのホームページに「うつくしま農林水産情報ネット」を解説した。農業経営者や就農希望者に対する県の支援策や、生育・技術情報など発信、今後は地域の情報を充実させていく予定。
(日本農業新聞)

○8月1日(火) あぜ道通信第5号
○青森県木造町農家:「むつほまれ」は出穂50%、1,2日には穂揃い期になる。「つがるロマン」「あきたこまち」も走り穂が見え始め、昨年より2,3日、例年より1週間早い出穂を迎えている。高温すぎていもち病はない。しかしカメムシの生息密度が高くとても心配だ。
○岩手県金ヶ崎町農家:「ひとめぼれ」はほぼ穂が出揃った。7月中の穂揃いは珍しく、例年より5〜6日早い。いもちは見えないが、カメムシは多そう。
○秋田県平鹿町農家:葉いもちが見えるが、夏らしい天気になり、蔓延は避けられそうだ。生育が平年より5日ほど早く、昨年と同じような進み具合だ。「あきたこまち」は出穂期を迎えた。
○宮城県矢本町農家:「ひとめぼれ」「ササニシキ」「まなむすめ」が7月27日から一斉に出穂した。例年より5〜7日早い。水管理は昨年の経験から温度状況に応じて間断灌漑などきめ細かな管理に努めたい。
○山形県藤島町農家:30日当たりから「はえぬき」が出穂してきた。例年より4〜5日早い。いもち病の発生はほとんどなく、昨年大発生した紋枯病もない。多発が予想されるカメムシ対策も含め、30日殺虫剤散布を行った。
○福島県河東町農家:生育順調で平年より3〜5日進んでいる。カメムシの発生密度は平年より高いが、害を及ぼす程度ではない。高温が続いているので、水管理は掛け流しの状態。出穂は「ひとめぼれ」「ササニシキ」で間近。「コシヒカリ」は10日頃。
(日本農業新聞)

○8月2日(水) 白粒、胴割れ多発懸念、秋田県
 県農作物異常気象対策本部の指導班は2日、ここ数日の高温多照続きにより、白粒(乳白、腹白)や胴割れの多発が懸念されるとして、県内8か所の地方対策本部指導班に対して高温対策の徹底を指示した。
(秋田さきがけ)

○8月2日(水) 葉いもち北秋田で危険な状態
 秋田県病害虫防除所は1日、病害虫防除対策情報第3号を発表した。葉いもちが多発している北秋田地方では上位葉での発病が多く、危険な状態と指摘している。
(秋田さきがけ)

○8月2日(水) 高温対策徹底を、山形県
 県農産物等気象災害対策班は1日、連日の高温気象で農作物への影響が懸念されるとして技術指導を徹底するよう各市町村、関係団体に通知した。水稲では灌水、排水が速やかに行えるよう作溝や用水路の点検を行う。地域、集落の用水管理体制を再点検する。カメムシ類の防除を徹底する。紋枯病の被害防止に努める。
(日本農業新聞)

○8月2日(水) カメムシ害事前にたたけ、青森市
 JAあすなろ管内の水田一帯では現在、青森市北部地域病害虫防除実施協議会によるヘリによる薬剤空中散布が行われている。今回の航空防除では、従来のいもち病、紋枯病、ウンカ類、コバネイナゴのほか、カメムシ類も対象に農薬を調合している。
(日本農業新聞)

○8月3日(木) 水稲はもう出穂盛期、岩手県
 県は1日付けで、高温対策を内容とした技術情報号外を発行した。特に水稲は1日現在で主要な水田地域で出穂盛期を迎えた。平年より10日近く早まっている。8月下旬に刈り取り適期を迎えると想定している。
(盛岡タイムス)

○8月3日(木) 猛暑出穂早まる、秋田県平坦部
 このところの高温続きで県内では稲の生育が進み、平野部の水田では一斉に出穂が始まっている。連日の猛暑で出穂が平年より4日以上早まっている。
(秋田さきがけ)

○8月3日(木) 出穂期は先月29日、宮城県
 宮城県が2日発表した水稲の出穂状況(1日現在)によると、県内の水稲は29日、出穂期に達した。県に統計記録が残る昭和28年以降では、42年と並んで最も早く、平年に比べて10日早い。
(河北新報)

○8月3日(木) 新形質米で農家組織が発足、秋田で全国交流会
 低アミロース米や健康食材米、色素米など新しい機能性が注目される「新形質米」の栽培技術研修や販売推進などを行う農家組織が誕生した。名称は「新形質米21」で、生産・販売が定着してきた低アミロース米「ミルキークイーン」や、巨大胚米「はいみのり」などを中心に情報交換を進める。
(日本農業新聞)

○8月3日(木) うだる列島被害じわり
 北陸地方の猛暑はやや緩和したものの、近畿以北ではうだるような暑さが続いた。水稲ではカメムシ被害の恐れがあるため、各県では高温に関する技術対策を出し、対策に手抜かりのないよう呼びかけている。
(日本農業新聞)

○8月4日(金) カメムシ退治陸から空から、秋田県羽後町
 昨年、斑点米カメムシ類が多発したにもかかわらず、9割近い一等米比率を維持した秋田県羽後町では今年も、行政とJA、千三農家らが一体となって稲生育を見極め、徹底防除を進めている。
(日本農業新聞)

○8月5日(土) 稲体の保護呼びかけ、福島県
 5月以降の高温続きで農作物に影響が出始めていることから福島県は4日、農業団体の関係者を集め高温条件下における技術対策会議を開き、水稲では水の掛け流しなどで稲体の保護に努めるなど注意を呼び掛けている。
(日本農業新聞)

○8月5日(土) カメムシ類注意呼びかけ、宮城県
 宮城県病害虫防除所は4日、注意報第3号を出し、カメムシ類の早急な防除を呼びかけている。今年の出穂期は平年より10日早く、カメムシルウ委の侵入が早まっている。このため、発生が多い地点や雑草地、牧草地などの隣接圃場では、直ちに防除する必要がある。
(日本農業新聞)

○8月9日(水) 全銘柄、前年下回る
 自主流通米価格形成センターは8日、2000年第1回入札を行った。60kg当たりの加重平均価格は1万5千301円で、前年の第1回に比べ千301円、7.5%下げた。全銘柄が1万7千円を割り込む厳しいスタートとなった。
(日本農業新聞)

○8月10日(木) 粘土ひもで複粒化種子、東北農試
 水稲の種子数粒を団子状に固めた複粒化種子を使い、点播で湛水直播栽培を検討している東北農試は、粘土を活用してきれいに造粒する方法を開発した。従来のコーティングマシンを使ってカルパーで固める造粒法よりも粒揃いが良く、歩留まりが上がる。
(日本農業新聞)

 
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○8月11日(金) カメムシ類発生量多い、山形県
 山形県病害虫防除所は9日、発生予報第8号を出し、稲の穂いもちの発生量は平年並みだが、斑点米カメムシ類の発生量は多い予想と発表した。
(日本農業新聞)

○8月15日(火) あぜ道通信第6号
○青森県木造町農家:生育は例年より1週間ほど早い。朝の気温は18度ぐらいに涼しくなり、風も吹き出した。腹白対策には良い。昼は相変わらず25〜30度で気温差が大きくなり、登熟は早まるだろう。落水時期は20日頃に決めたい。
○岩手県金ヶ崎町農家:最近、朝夕がぐっと涼しくなった。昨年は夜も暑くて、実入りや品質に影響がでたが、今年は品質、収量ともに期待できそうだ。収穫は9月15日前に始まる。
○秋田県平鹿町農家:「あきたこまち」は頭が垂れてきた。朝晩涼しく、今のところ登熟は順調だ。草丈は倒伏するかしないか、ぎりぎりの長さだ。これから強い雨が来なければ良いが。間断灌漑しており、暑い日には掛け流しをしている。
○宮城県矢本町農家:生育は順調に推移している。連日、高温が続いており、水管理では間断灌漑をしているが、一部の水田には掛け流しをしている。
○山形県藤島町農家:乳熟期に入り穂が傾いてきた。心配していたカメムシや穂いもちはみられない。これから登熟期に向かうが、高温や台風の影響を最小限に抑えるために、根に活力が保たれるように天候にあわせた間断灌漑を継続していきたい。
○福島県河東町農家:穂数は昨年並み。茎数は昨年より多く、登熟させるため水管理に万全を期す。高温多湿の日が続き、いもち病が心配だ。今のところ豊作型とみているが台風が心配。
(日本農業新聞)

○8月16日(水) 1等米比率62.8%
 食糧庁は15日、8月10日現在の検査結果を発表した。1等米比率は62.8%で、前旬より1.8ポイント下がったが、前年同期を3.0ポイント上回り、同庁は「過去5年でみると、若干高い水準」と話している。
(日本農業新聞)

○8月19日(土) 水田に熱風稲枯れる、山形・立川町
 田圃の稲穂が白穂化し、枯れる被害が立川町を中心に、松山、藤島、余目の各町に広がっている。去る12日夕方から翌日にかけ、高温で乾燥した南東の風が吹き込んだ影響とみられ、一晩のうちに被害が発生。豊作を期待していた農家はがっくりと肩を落としている。
(山形新聞)

○8月19日(土) カメムシ類依然として多い、青森県
 青森県の津軽、南部の両防除所は18日、県内全域にカメムシ類が依然として多く発生しているとして注意報第8号を発行した。斑点米カメムシ類の加害はこれからが本格的な時期を迎え、穂揃い期散布から7〜10日後の2回目の防除をしていない場合は直ちに行うよう呼びかけている。
(日本農業新聞)

 
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○8月24日(木) 低アミロース米「東北172号」
 JA全農みやぎは23日、古川市の古川農業試験場が育成し来春にも品種登録される低アミロース米「東北172号」の現地説明会を開いた。県内外の米卸や加工メーカーの代表者ら140人を招き、粘りが強く冷めても硬くならない食味の良さや、「ひとめぼれ」より倒伏しにくく耐病性が強い特性を説明。
(日本農業新聞)

○8月25日(金) 稲刈り高温で早まる、東北
 連日高温が続く東北地方では、水稲の収穫適期が「過去に例をみない早さ」で進み、岩手県の早い地域で平年より19日、宮城県の平坦部でも半月ほど前倒しになる見通しだ。昨年に続き乳白粒などの心配もあり、品質確保に受けた技術対策を最後まで徹底するよう呼びかけている。東北各県では23日に山形県が、24日に岩手県が対策会議を相次いで開いた。
(日本農業新聞)

○8月26日(土) 天候順調で水稲「やや良」
 東北農政局は25日、水稲の作柄概況(15日現在)を公表した。天候が順調に推移したことから、東北全体の作柄は、作況指数102〜105の「やや良」。籾数はほぼ平年並みで、登熟が平年を上回ると見込んだ。
(日本農業新聞)

○8月29日(火) 水稲適期刈り取り必要、青森・三戸
 三戸地域農業改良普及センターは28日、町内公民館で三戸地域農業改良普及推進協議会を開き、管内の主要農作物の生育状況や今後の対策技術を話し合った。好天の影響で水稲の登熟が進み、刈り取り適期が大幅に早まることから、同センターは注意を呼び掛けた。
(東奥日報)

○8月29日(火) 異例8月に稲刈り、山形・金山町
 夏場の高温の影響で、生育が進んでいる水稲の刈り取りが、金山町で始まった。28日に本格化した作業は県内で最も早く、8月の稲刈りは極めて異例。県によると、平年より1週間から10日程度早まっており、「8月中の刈り取りは記憶にない」(農業技術課)という。
(山形新聞)

○8月29日(火) あぜみち通信第7号
・青森県木造町農家:25日の農業改良普及センターのすくい取り調査で、カメムシ類は見当たらない。コンバイン作業に備えて20日落水した。「あきたこまち」「つがるロマン」の刈り取りは平年より7〜10日早い9月15日頃から始まる見込みだ。
・岩手県金ヶ崎町農家:刈り取り開始は9月10日前後になりそうだ。例年よりは2週間、昨年比でも5日早い。登熟が早足進行なので、籾割れや胴割れの懸念が出てきた。
・秋田県平鹿町農家:高温多照で登熟がかなり早まり、出穂後の積算温度で刈り取り適期に入るのが9月10日頃。実際に刈り取りに取りかかれるのは16日頃になりそうだ。
・宮城県矢本町農家:生育は相当進んでおり、早いものは来月2日頃から刈り取りに入れると思う。どの稲も穂の傷みもなく一様に見え、順調に稲刈りを迎えられそうだ。
・山形県藤島町農家:今月中旬のフェーン現象の影響で「コシヒカリ」が一部、白穂になる被害を受けた。初めての経験だ。「はえぬき」は登熟が急速に進んでいる。収量的には心配ないが、籾皮が厚く、どういう品質になるか心配だ。
・福島県河東町農家:「ひとめぼれ」「コシヒカリ」ともに稲穂がなびき始め、登熟を待つばかりとなった。高温が続いているため水管理に十分気をつける。落水は「ひとめぼれ」が9月10日、「コシヒカリ」は9月10日前後になる見込み。
(日本農業新聞)

○8月29日(火) 異例の8月稲刈り、宮城県角田市
 JAみやぎ仙南管内の角田市内の農家が28日、2000年産米の稲刈りを行った。刈り取り適期を見極め、昨年より1週間程度早く作業した農家は、平年並みの収量と見ている。適切な水管理が奏功し、乳白米はほとんどなく、9月初旬に予定されている米初検査での全量1等を期待している。
(日本農業新聞)

○8月29日(火) 東北で稲から早まる
 宮城県内で28日、昨年より1週間早く稲刈りが始まった。東北地方では連日の高温で水稲の生育が1〜2週間と過去に例を見ない早さで進んでいる。このため、新米の出回りが関東の早期米と重なる部分が出てきており、新米相場への影響を懸念する声が出始めている。
(日本農業新聞)

○8月30日(水) 籾殻取り除き無病化種子開発、秋田県立大学
 水稲のいもち病など種子伝染性病害の新たな防除対策として、秋田県立大学内藤教授は、種籾から伝染源の籾殻を取り除いた「無病化種子」を開発。同県内で行われた実証試験では、発芽率が若干落ちるものの、本田に移植後、種子伝染性病害の発生は少ない結果がでている。
(農業共済新聞)

○8月31日(木) 稲生育ハイペース、山形県
 8月も残すところあと1日、そろそろ涼しくなってもいいころだが、県内は残暑が厳しい。一部地域では水稲の刈り取りが早々とスタートし、関係者が「8月中の刈り取りは記憶にない」と驚く。現在のところ深刻な被害はないが、このままの天候が続けば白粒の発生が懸念される。
(山形新聞)

○8月31日(木) 水稲適期刈り取りを、宮城県
 本年度産の水稲の出穂が過去、最も早かったのに加え、その後の成熟も大幅に早まっているため、県は30日、「水稲の適期刈り取り推進緊急会議」を開き、農家に対する働きかけの強化を申し合わせた。
(河北新報)


 
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