水稲冷害研究チーム
2002年東北稲作動向
本情報は新聞記事等から得られる東北地域の稲作概況をお知らせするものです.
稲作の動向と冷害関連記事に注目して,概況を追跡します.
なお,記事の収集については東北農業研究センター情報資料濱田課長さんにご協力をいただいています.
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○9月3日(火) 「夏」来なかった?8月、青森県
低温、大雨、日照不足。8月の県内は前線の停滞で上旬から中旬にかけ雨が続いたほか、オホーツク海高気圧の影響で東からの湿った風邪が入り込む「ヤマセ」のため、晴れ間が少なく気温の低い日が続いた。平均気温は軒並み平年を下回り、青森やむつでは最高気温30度以上の真夏日が一日だけ。どんよりとした日が多く各地の月間日照時間は平年の5、6割しかなく、農作物の生育にもマイナスの影響を与えた。
(東奥日報)
○9月10日(火) 稲刈り早く 山形県が緊急情報
山形県の21世紀米づくり日本一推進運動本部は9日までに、水稲の収穫準備を急ぐよう呼び掛ける緊急情報を出した。高温多照続き、当初予想した収穫適期か早まった。
(日本農業新聞)
○9月10日(火) あぜみち通信 9
○青森県木造町農家
8月末から連日、気温の高い好天に恵まれ、遅れ気味だった登熟が持ち直した。ばらつきはあるが、平年並みの収量は確保できそうだ。いもち病の発生も収量に響くほどではない。刈り取りは早生の「ゆめあかり」で20〜25日、中生の「つがるロマン」で25日から。登熟が緩慢だった一方、最近の天候が順調なので、品質低下につながる刈り遅れには十分気を付けたい。
○岩手県胆沢町農家
出穂後緩慢だった登熟もこのところの好天で順調だ。コンバインでの刈り取りは、28日から始めることにしてカントリーを予約した。棒掛けは2、3日早く刈り取る計画だ。出穂後の長雨と夜間の高温で、穂いもちが見られ、また全般に穂傷みがみられるが品質収量に影響がないと見ている。9月に入り田んぼの状況を見ながら落水をした。好天に恵まれ田んぼの条件がよくなっている。合間をみて作業機械の点検を始める。台風や長雨のない平穏な日々が続くことを祈る。
○秋田県平鹿町農家
なんとか平年並みの作柄になりそうだ。8月下旬までずっと日照不足で気温も低く、かなり心配していたが、この二週間は好天が続いた。むしろ高温が気になり、稲を涼しくするために先週まで水管理をしていた。品質面で、登熟の遅れをどれだけ取り戻せるか、気がかりが残る。偏った天候のため、あまり良い感触を受けていない。収穫は、平年と同じ時期の22、23日ごろ、「あきたこまち」から取りかかりたい。
○宮城県矢本町農家
あぜの草取りもやっと終わった。落水後、好天が続いたこともあり、田面も乾いた。この分だと、秋の収穫作業も楽だと思う。稲刈りは18日ごろから予定しており、「ひとめぼれ」「まなむすめ」「ササニシキ」の順に刈りたい。収量は、登熟も順調に進み、悪い要素はない。「平年並み」と思うが、そこまでいくか微妙でもある。
○山形県高畠町農家
8月の天候が不安だったが、9月に入って高温多照が続き登熟が急速に進んでいる。全般的穂が短く少ないようだ。風の影響か一部に穂傷みが見られた。10日に、JAや村山農業改良普及センターと一緒に適期刈り取りの巡回指導がある。庄内では刈り取りも始まった。「はえぬき」は村山地方では5日現在、80%程度で平年値を大きく超えている。刈り取りは早まりそうだ。自作を含め45f分の作業受託に備え、バインダーやコンバインなどの点検で出動に備えている。
○福島県河東町農家
落水は「ひとめぼれ」を3日に済ませた「コシヒカリ」は10日にする。JAが10日、適期刈り取り指導会を開くが、適期刈り取りは例年より3、4日早く「ひとめぼれ」が20日、「コシヒカリ」が30日前後と予想される。会津地方のトップを切って「ひとめぼれ」を出荷した人は全量一等米となった。私の所も作柄は良く、粒数も平年より多く期待している。しかし、高温が長く続いたためにもみ殻が厚いのではないかと心配する。
(日本農業新聞)
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○9月11日(水) 暖冬になりそう エルニーニョ現象強まる
気象庁は10日、エルニーニョ現象が本格化したと発表した。同庁「少なくてもエルニーニョは今冬いっぱい続く」としている。
(日本農業新聞)
○9月15日(日) 水稲刈り遅れ防げ、山形県
山形県内では8月下旬から9月上旬の高温と多日照で、水稲の登熟が急激に進み、平年を上回る登熟歩合となっている。刈り遅れがないよう関係機関では適期収穫を呼び掛ける。万が一刈り遅れると、胴割れ粒や着色粒などの発生が懸念され、品質低下の恐れがある。庄内地方では出穂の比較的早い地帯ですでに成熟期に達しており、刈り取りを急いでいる。
(日本農業新聞)
○9月15日(日) 「ヒメノモチ」全量一等
岩手県内のトップを切り今年産米の初検査が13日、JAいわて中央赤石支所農業倉庫で行われ、農家が持ち込んだ「ヒメノモチ」42トン全量が一等米に格付け。幸先の良いスタートに検査を見守る農家や関係者はほっとした表情を見せた。
(日本農業新聞)
○9月15日(日) 冷たい雨 街は長袖、山形県
16日の県内は前線を伴った低気圧が日本海を北東に進んだことから、各地とも小雨が断続的に降った。この影響で、日中になっても気温は全般に上がらず、山形や米沢は10月下旬のような気候で経過した。山形地方気象台によると、この日の最高気温は山形17.4度、酒田19.3度、新庄17.8度、米沢16.1度、尾花沢18.7度。平年と比べて、山形や米沢では7−8度も低く、庄内や最上も10月中旬の肌寒さだった。
(山形新聞)
○9月20日(金) 米個袋でも民間検査、宮城・JA加美よつば
2002年産米の民間による初検査が、宮城県内のトップを切って19日にJA加美よつば大村倉庫で行われた。同県では前年までカントリーエレベーターでの民間検査で、施設で均等化されてからの検査だったが、今回から生産者が個々に調調製する個袋も対象にし、民間検査が本格化した。
(日本農業新聞)
○9月20日(金) カドミウム対策強化
農水省は2003年度、収穫した米から有害物質のカドミウムが多く検出された水田を水管理などで稲がカドミウムを吸収しにくい状態に変え、安全な米を生産する栽培管理技術の普及に乗り出す。従来、主流だったカドミウムに汚染されていない土を客土する対策方法に比べて費用もかからず、広い範囲への普及が見込まれる。
(日本農業新聞)
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○9月21日(土) 1ヶ月予報 平均気温は平年並み
仙台管区気象台が20日に発表した東北地方の向こう1ヶ月の予報によると、期間中の天気はおおむね周期的に変化する見込み。平均気温、降水量、日照時間は平年並みの予想。(日本農業新聞)
○9月23日(月) 秋空の下収穫に汗、秋田県
22日の県内は各地で青空が広がり、稲刈りに精を出す農家の姿が見られた。既に本荘由利地区では収穫作業が本格化しており、秋田市でもこの3連休を収穫期ととらえた農家が、黄金色の田んぼで稲刈り機の音を響かせた。県水田総合利用推進課などによると、県内のことしの稲作は、夏場には日照不足にたたられたものの、8月後半の好天で徐々に登熟が進んだ。収穫時期は県内各地でばらついており、全体のピークは10月上旬と見込まれている。作柄は平年並みのところが多そうだという。
(秋田魁新報)
○9月24日(火) あぜみち通信 10
○青森県木造町農家
22日から稲刈りを始めた。ほぼ平年と同じ時期だ。8月後半から雨の少ない日が続いて地盤が良いので、コンバインの操作も順調。作業がはかどる。残暑の影響で稲の茎は柔らかく、いまのところは倒伏はないが、今後、雨が降ったらなびくかもしれない。登熟はもう十分。周囲も間もなく一斉に刈り取りに入るだろう。刈り遅れだけはないように気を付けたい。
○岩手県胆沢町農家
JA地域センターによると、19日からカントリーエレベーターを稼働している。わが家では棒がけの刈り取りを23日から始めた。コンバインによる刈り取りは28日から行う。カントリーの受け入れ調整や、天候による遅れも考えられるが、10日前後には終了したいと思う。倒伏も見られず、このところ平穏な日が続いて、ほ場の条件も良い。前年に比べ、一般に穂いもち、紋枯病が目立つ。今年の反省点だ。ほ場ごとの登熟具合を見ながら適期刈り取りを進める。
○秋田県平鹿町農家
20日に、カントリーエレベーターに搬入する受託分から刈り取りを始めた。8月が日照不足だったので、積算気温だけでなく、積算日照も考慮した。枝梗(しこう)の枯れ上がりが早くなく、もみの水分は27%とやや高めだ。周囲の状況を見ても、登熟は良く、くず米は少なめ。収量は平年並みかやや少ないくらいだろう。先週の雨で少しだけ倒伏している。天候が順調にいけば、あと10日ほどで収穫を終える。
○宮城県矢本町農家
稲刈りは19日から始めた。現在のところ全体の4割近くまで作業が進んだ。「ひとめぼれ」と「まなむすめ」は10e当たり収量で540`を超えている。米質は、乳白米はなく、今までになく良いようだ。24日の検査日に合わせ「ひとめぼれ」100袋(1袋30`)を出荷をする。「ササニシキ」の刈り取りに入った。雨に当てないよう、刈り取り作業を急ぎたい。
○山形県高畠町農家
「はえぬき」の刈り取りは17日から開始、平年より2日遅れ。9月に入って高温多照が続き登熟が急速に進んだ。県やJAでは、刈り遅れによる品質低下がみられる__早期刈り入れを呼び掛けている。207日ごろまでに終わらせたい。全般的に稲穂が短く分けつも少ない。収量は10e当たり600`前後。やや少ない。質的には中間が少なく上と下米が多い。食味を重視して肥料散布を抑制した効果が現れたのだろう。27日に1回目の検査を予定している。
○福島県河東町農家
JAの適期刈り取り指導会で、私の所の「ひとめぼれ」は22〜24日が適期と診断されたが、1日早い21日に刈り取りを始めた。適期刈り取り診断では、地域の中でも1週間から10日の開きがあり、先に刈り取りをした人によると、好天が続いたためか胴割れが、立ち毛状態での発生が散見されたというが、地区の初検査は全量一等米、胴割れは等級に影響するほどではないようだ。収量は平年並みで、くず米は少ない。
(日本農業新聞)
○9月28日(土) 水稲作況101の「平年並み」
東北農政局は27日に今年産水稲の作況指数(9月15日現在)を発表した。東北全体では101の「平年並み」となったが、北東北は8月中の日照不足が影響した。青森、秋田はともに98の「やや不良」となり、8月15日現在の「平年並み」の見通しよりも作柄が悪くなった。山形・最上も、前回の「やや良」から「平年並み」に下がった。
(日本農業新聞)
○9月28日(土)1ヶ月予報 平均気温は平年並み
仙台管区気象台が27日に発表した予報によると、東北地方の向こう1ヶ月の天気はおおむね周期的に変化する。平均気温は平年並み。降水量、日照時間も平年並み。
(日本農業新聞)
reigai@ml.affrc.go.jp