水稲冷害研究チーム
2002年東北稲作動向
本情報は新聞記事等から得られる東北地域の稲作概況をお知らせするものです.
稲作の動向と冷害関連記事に注目して,概況を追跡します.
なお,記事の収集については東北農業研究センター情報資料濱田課長さんにご協力をいただいています.
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○10月2日(水) 小麦作付け1000f超へ
JAいわて中央管内の小麦「ナンブコムギ」の作付面積が本作化で年々増え、これから種まきに入る2003年産は1000fを超す見通しだ。連作地を除く九割が無農薬栽培で、風味も良く、実需者の評価が高い。生産体制は組織化が進み、コスト制限効果を発揮しながら麦作で経営が確立するまでになっている。
(日本農業新聞)
○10月2日(水) 関西のラジオ聴取者
大阪ABCラジオが企画した稲刈り体験ツアーが9月29日、胆沢町で行われ、募集した聴取者が稲刈りに挑戦。
(日本農業新聞)
○10月2日(水) 生協組合員家族等、青森県木造
稲が実り、わたしたちの口に入るまで、生産者が一生懸命育てていることを子どもたちに知ってもらい、生産者と消費者の交流で相互関係をより深めようと、JA木造町「おいしいごはんを作る会」と「コープ青森」は9月28日、稲刈り体験交流を行った。
(日本農業新聞)
○10月3日(木) 台風21号 各地で被害続出
強い台風21号で、東北では太平洋側や収穫を迎えた果樹地帯を中心に農作物と施設に被害が出た。JAあぶくま石川は同日現在リンゴ全体の約3割が被害を受ける深刻な状況で、JAいわき市では、収穫期を迎えたイチジクで一部落下、すれ果の被害が出ている。JA新ふくしまは全体では一割弱の被害予想。山形県内では「ラ・フランス」やリンゴの落下被害が出た。JA全農山形のまとめによると、国道13号東側の産地JAでは「ラ・フランス」の半数以上が落下、甚大なJA管内の推定被害割合は8割に上るという。
(日本農業新聞)
○10月4日(金) JA全農あきた 新米全国へ出発
JA全農あきたは、中央精米センターで、2002年産秋田米の初出荷セレモニーを行った。新米を積んだ大型トラック2台は関係者が見守るなか、全国の卸売会社に向けて出発。今年産米は、日照不足のため登熟が遅れ、前年より一週間ほど遅い初出荷となった。玄米の品質は粒ぞろい・粒張りなどは平年並みであり、精米は食味計による分析および炊飯テストの結果、食味評価は前年並みで良好だ。
(日本農業新聞)
○10月5日(土) つがるロマン全量一等に、JA十和田市
仙台食料事務所青森事務所十和田分室は2日、JA十和田市三本木支所で2002年産米の初検査を行い、箕輪博康さんの「つがるロマン」30袋(1袋30`)が全量一等に格付けされた。検査の結果、箕輪さんの「つがるロマン」は、整粒76%、被害粒等4%、未熟粒20%、水分14.8%。同分室の斉藤毅室長は「日照不足などで品質低下が心配されたが、整粒、光沢も良い。今後は着色が懸念されるので、適期刈り取りと乾燥、調製で一等米を目指してほしい」と講評。
(日本農業新聞)
○10月8日(火) あぜみち通信 11
○青森県木造町農家
収穫は6日で終わった。台風21号やその後の降雨で予定より少し遅れた。出荷は半分が済み、全量一等米になっている。収量は「つがるロマン」で10e当たり600`と、例年より一俵ぐらい少ない。出穂開花期の長雨や日照不足が影響したようだ。品質は例年よりくず米が若干多い。地域では、茶米になるおそれがある稲こうじ病の発生が例年より多かった。特に「むつほまれ」で目立つ。雨が多く防除しても効果が半減したのが影響したようだ。
○岩手県胆沢町農家
9月20日から棒がけの刈り取りを始めた。コンバイン刈りは28日からの予定が、雨のため30日からとなった。前年に比べてもみの量が少ないような感じがする。早く刈り取った人によると、青未熟粒も見られたと聞いた。登熟期の天候が影響したようだ。台風21号の強風による倒伏はあまりなかったものの、棒掛けが倒され手直しに手間がかり、近所でも苦労したようだ。7日にも雨が降った。受け入れカントリーとの関係もあるが、晴れ間を見て刈り取りを急ぎたい。
○秋田県平鹿町農家
稲刈りは、雨の影響で4、5日遅れている。周囲はほとんど終わったが、コンバインの故障もあって、「あきたこまち」50e、「ササニシキ」1f、「美山錦」30eを残している。あと3、4日かかるだろう。収量は9俵くらい。作況指数97は妥当。手応えのある収穫ではない。くず米は昨年よりは少ない。一穂当たりの粒数が少ない分、一粒の充実は良い。稲刈りをしていて、しいなが目に付く。8月上中旬の長雨で受粉しなかった分だろう。
○宮城県矢本町農家
稲刈りは若干を残すだけとなった。「ひとめぼれ」「ササニシキ」と順次、収穫作業を進め、10e収量は540`から570`というところだ。JAにはこれまで、約500袋(1袋30`)を出荷し、全量一等米となっている。米質は、光沢・粒ぞろいなども良く、近年にないくらい評価が高い。病害虫が少なく、出穂後の天気が良かったこともあり、登熟も順調に進んだことが、高品質になったようだ。
○山形県高畠町農家
「はえぬき」の収穫は10日に終了予定、「コシヒカリ」は作業を急いでいるが、台風21号と降雨の影響で他が軟弱となり、14日ごろまでかかりそうだ。フレコンでの出荷分は9月27日と今月1日に米検査を受け、全量1等米だった。10e収量は580`から600`。カメムシ被害はなく、土づくりと追肥を控えるなど、食味を重視した栽培を励行したため予想通りの出来だった。今後JAと一緒に首都圏などの出向き、消費者と交流して、おいしさと安全な米を売り込んでいく。
○福島県河東町農家
「ひとめぼれ」が先月の23日、「コシヒカリ」は27日までに収穫した。好天に恵まれ倒伏やぬかるみのほ場もなく、作業は順調だった。くず米や被害粒は少なく「ひとめぼれ」は全量一等米となった。「コシヒカリ」は8日に出荷するが、全量一等米を期待している。10e収量は「ひとめぼれ」が560`、「コシヒカリ」580`、ミネラル有機栽培の「コシヒカリ」は560`だった。会津全体の収穫は6、7割。台風によるほ場のぬかるみが心配だ。
(日本農業新聞)
○10月9日(水) 「ふくみらい」デビュー、福島県
待望の県産オリジナル新品種米「ふくみらい」の誕生発表会が8日、郡山市のホテルで行われた。参加した300人が初お目見えの「ふくみらい」の味を堪能した。「ふくみらい」は、寒さや病気などに強く倒れにくく、いもち病にも強く、収穫性も高い品種でさっぱりとした食感が持ち味。
(日本農業新聞)
○10月9日(水) 1位は「ひとめぼれ」
仙台食糧事務所は8日までに東北6県の2002年産水稲の品種別作付面積を発表した。各県とも1位の品種は前年と変わらなかったが、シェアは宮城「ひとめぼれ」と福島「コシヒカリ」を除いてわずかに落とし、一極集中の品種構成を見直す機運が出ている。
(日本農業新聞)
○10月9日(水) ハイブリット水稲「みつひかり」広がる
三井化学が今年から種子の本格販売を始めた、国内初のハイブリッド(F1)水稲「みつひかり」の栽培が全国的に広がっている。茨城県JA稲敷管内では25fで栽培。稲刈りを前にこのほど開かれた作見会では、登熟具合や粒数などを調査。台風21号の通過直後にもかかわらず、ほとんどがしっかり立ち、倒伏にも強いことを確認した。国内で初のF1の商業利用となったのは、「みつひかり2003」と「みつひかり2005」の2品種。F1だけに両品種とも収量が上がるのが特徴。このほか、「2003」は倒伏に強く、「2005」は食味が良いなどの特色を持つ。「今年から種子の販売を始めたが、同社では「種子量から推定して700から800fほどの面積」とみており、関東や九州を中心に普及している。ハイブリット水稲は、遠縁の品種・系統を掛け合わせるとその雑種第一代(F1)が両親よりも優れた形質を現す「雑種強勢」を利用してつくる。種子は毎年更新しなければならない。
(日本農業新聞)
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○10月12日(土) 一等米85.7%に 進度は遅れ気味 東北6県の検査状況
仙台食糧事務所は11日、東北6県の2002年産米の検査状況(9月末現在)を発表した。うるちの一等比は東北平均が85.7%で、全国平均の65.8%を大きく上回る高い品質。日照不足を引きずった北東北が前年同期と比べやや落としているが、各県とも一等比率は90%台前半〜80%台半ばに集まり、大きなばらつきはない。検査の進度は山形と福島を除いて全般的に遅れ気味で、出穂の遅れや8月上中旬の長雨・日照不足などの天候が理由。
(日本農業新聞)
○10月12日(土) 町挙げ「げんげん米」支援、山形県平田町
山形県平田町の農業者グループが12日から、JA庄内みどり経由で減農薬・減化学肥料栽培米「げんげん米」を、東京都内のスーパーマーケットで売り出す。町や農業改良普及センターか販路開拓や技術指導で後押ししており、町ぐるみによる安全で安心できる、おいしい米づくりの輪が広がっている。
(日本農業新聞)
○10月13日(日) 岩手の水稲新品種「もち美人」に決定
岩手県が育成した水稲品種「岩南糯19号」の名前が、「もち美人」に決まった。栽培適地は紫波・矢巾町以南の北上川流域の標高250b以下の地域だ。
(日本農業新聞)
○10月20日(日) 「ネバリゴシ」でうどん 東北農研センターが16000食分を配布
東北農業研究センター(盛岡市)は、早生・多収で栽培しやすく、製めん適正が優れる小麦新品種「ネバリゴシ」を使ったうどん(乾めん)を製品化した。こしが強く、独特の食感とのどごしを持ったうどんに仕上がり、約1万6千食分の試供品を関係者に配布。かわいい愛称も付け、東北地方での栽培普及や需要拡大に弾みをつけたいと期待する。
(日本農業新聞)
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○10月23日(水) 「ササニシキ」復活に自信
「今年産の『ササニシキ』はかつてないくらいの良質米に仕上がった。これを追い風として、消費者に見直してもらいたい」と話すのは・宮城JA古川の竹中莞爾専務。8月に少し曇って日照不足があったが、同JA管内では田植えを遅らせる「晩期栽培」が功を奏した。
(日本農業新聞)
○10月23日(水) ふれあい祭りで農業体験など発表 石巻市立蛇田小
収穫祭を地域住民と一緒に――と、石巻市立蛇田小学校は20日、同校の特設会場で「蛇小ふれあい祭り」を開いた。同校は、学童農園「へび田んぼ」(20e)と「みんなの畑(10e)を設け、全校児童(542人)が米と野菜づくりの農業体験に取り組んできた。農作業体験学習の報告では、3年生から6年生がテーマを設け、栽培した野菜などについて、来歴や料理など、さまざまな角度から学習した成果を発表した。
(日本農業新聞)
○10月23日(水) うっすら白まとう岩手山に初冠雪
盛岡地方気象台は22日午前、岩手山(2,038b)の初冠雪を観測した。平年より9日遅く、観測史上最も遅かった昨年に比べると13日早い
(岩手日報)
○10月24日(木) 岩木山でも初冠雪発表、青森気象台
青森地方気象台は24日午前、青森で初霜を、岩木山で初冠雪を観測したと発表した。岩木山の初冠雪は平年(10月15日)より9日遅く昨年(11月5日)より12日早い。
(東奥日報)
○10月26日(土) 一等米比率は80.8%
仙台食糧事務所秋田事務所は25日、本県の14年産米検査結果(15日現在)を発表した。水稲うるち玄米の検査数量23万676トンのうち、1等米比率は80.8%で、前年同期に比べて7ポイント低かった。2等米は17.6%、3等米は1%。2等以下の格付け理由のうち、最も多いのがカメムシによる着色粒で33.9%。以下、充実不足22.9%・青未熟粒13.5%・乳白粒10.5%――など。
(秋田魁新報)
○10月27日(日) 一等米85.2%に 青森は前回より6.8ポイント下げ
仙台食料事務所は26日までに、2002年産米の東北6県の検査結果(15日現在)を発表した。うるちの一等米比率は6県平均で85.2%となり、半月前の結果よりわずかに0.5ポイント下がった。全国平均の71.2%に対して、東北産米は高品質を維持している。
(日本農業新聞)
○10月29日(火) イチゴ夏秋どり栽培普及
国産イチゴが品薄になる7〜10月に集中的にイチゴを収穫する、東北農研センター野菜花き部の「夏秋どり栽培技術」が生産現場に普及してきた。現在、岩手県内の四戸で栽培が始まり、10月には1`3千円と、輸入物の倍となる高値を付けた。輸入イチゴと比べ、品質が良く、糖度は12度ある。同センターは「夏が冷涼であれば、東北地方より南の山間・高冷地でも栽培できる」として、広範な普及を目指している。品種は全国的に普及している「女峰」「さちのか」などが活用できる。夏秋どりイチゴは、低温処理に加え、短日処理で花芽分化を促進させる必要がある。東北地方のように夏期が冷涼な産地は、低温処理が必要ないのがメリット。苗を短日処理するだけで、夏秋栽培が可能になる。育苗は、遮光ができるトンネルハウスで6月の上旬から始め、その後30日間は、遮光フィルムで日照を調節し、一日8時間の短日処理を行う。遮光は、育苗用のハウスの表面に、遮光率100%のフィルムを張る。10e当たり、5000〜8000株植え、収量は10e当たり約2.8トン。
(日本農業新聞)
○10月29日(火) 盛岡で初雪観測、昨年より16日早く
28日の県内は、上空に強い寒気が入り込み内陸の山沿いを中心に雪となり、盛岡地方気象台は平年より11日、昨年より16日早く初雪を観測した。各地の最高気温は平年5―10度ほど下回り、11月下旬から12月上旬並みの寒い一日となった。
(岩手日報)
○10月31日(水)水稲作況101「平年並み」
東北農政局は30日、今年産水稲の作況指数と予想収穫量(10月15日現在)を発表した。東北全体の作況指数101の「平年並み」は前月発表と同じ、10e当たり平均収量は557`。県別の作況指数も変わりないが、地帯別には変化があった。青森県の青森と南部・下北は1ポイント下がった。稲こうじ病やいもちの被害を受け、検査で規格外になった米を収穫量から除外したため。岩手県の東南部、宮城県の中部、山形県の最上と置賜、福島県の浜通り会津はそれぞれ1ポイント上がった。登熟後半が良かったため。北東北の「やや不良」だった地帯は、もみ数が少なかったことが影響している。登熟は後半回復し、むしろ充実はよい傾向だ。
(日本農業新聞)
○10月31日(水) やまがたアグリネット今日稼働
山形県は、農業情報サイト「やまがたアグリネット」(愛称・あぐりん)を31日から稼働させる。インターネットのホームページにパソコンのほか携帯電話からも接続できるようにして、病害虫などの情報提供のほか、農業者からの営農相談も受け付ける。アドレスは「http://www.agrin.jp/」。
(日本農業新聞)
reigai@ml.affrc.go.jp