水稲冷害研究チーム
2002年東北稲作動向
本情報は新聞記事等から得られる東北地域の稲作概況をお知らせするものです.
稲作の動向と冷害関連記事に注目して,概況を追跡します.
なお,記事の収集については東北農業研究センター情報資料濱田課長さんにご協力をいただいています.
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○11月2日(土) 秋田で種苗交換会が開幕
第125回秋田県種苗交換会は「豊かな大地を次世代へ」がテーマ。地産地消や食の安全を通じて、農業の大切さを生産者と消費者が相互理解するという視点を強く打ち出し、一週間にわたる同県最大の農業イベントが一日、横手市で開幕した。
(日本農業新聞)
○11月5日(火) 盛岡で初氷、初霜を観測
4日朝の県内は、上空の寒気と放射冷却現象の影響で冷え込み、盛岡の最低気温は氷点下0.6度(平年比3.6度低)と今秋初めて氷点下を記録。盛岡地方気象台は盛岡の初氷と初霜を観測した。初氷は平年より11日、昨年より16日遅い。初霜は平年より17日、昨年より16日遅く、同気象台の観測史上最も遅い初霜となった。
(岩手日報)
○11月6日(水) 県都も初雪、史上7番目の早さ、山形県
5日の県内は、冬型の気圧配置が続いたことから、内陸では12月中、下旬並みの寒さで経過した。山形市内では午後零時半に初雪か観測された。山形地方気象台によると、平年に比べると11日、去年より22日早く、1890(明治23年)の観測開始からの統計でも7番目に早い記録。
(山形新聞)
○11月6日(水) パン用小麦「ハルイブキ」に期待
東北農業研究センターが育成し、2001年に命名登録したパン用小麦の新品種「ハルイブキ」の栽培が広がりそうだ。これまで国内産小麦はうどん用が主力だったが、最近は学校給食や地域興しにと、国内産小麦を使ったパン作りが盛んだ。同センターは「製パン適性の高い新品種の登場で小麦の普及に弾みをつけたい」と「ハルイブキ」に期待する。同品種でパンを作る場合、単一品種で使うより「ネバリゴシ」など他品種とブレンドすると、さらにおいしいパンができると同センターはアドバイスをしている。
(日本農業新聞)
○11月7日(木) 立冬県内寒〜い朝、山形で初霜・初氷
7日は立冬。暦の上では冬の始まりとされる。朝の県内は上空の寒気と、晴れて地表の熱が奪われる放射冷却現象で強い冷え込みとなった。山形と米沢は今シーズン初の氷点下となり、山形では初霜と初氷も観測された。
(山形新聞)
○11月8日(金) ぶるっ!立冬 福島で初氷・初霜
「立冬」の7日、県内は放射冷却の影響で、朝方にかけて冷え込み、福島市といわき市小名浜で初氷、福島市で初霜を観測した。福島地方気象台によると、いわき市小名浜の初氷は昨年よりも21日、平年より12日早い。福島市の初氷は平年より4日早く、初霜は平年より1日遅い。
(福島民報)
○11月10日(日) 仙台でも初雪観測 平年より13日早く、宮城県
東北地方は9日、冬型の気圧配置が強まり、仙台や福島、八戸各地などで初雪を観測した。仙台市の初雪は平年より13日、昨年より18日早く、仙台管区気象台が1926年に観測を開始して以降、95年と81年の8日に次ぐ3番目の早さだった。
(河北新報)
○11月10日(日) 県内真冬並み 八戸でも初雪、青森県
9日の県内は、上空に強い寒気が入り込み真冬並みの寒さとなった。各地で雪となり、八戸市で平年より2日早く初雪を観測したほか階上岳で初冠雪を観測した。
(東奥日報)
○11月10日(日) 福島、小名浜で初雪
福島地方気象台によると、9日の最高気温は福島市10.0度など各地とも11月下旬から12月中旬並の肌寒い一日となった。初雪は福島市で平年より15日、昨年より27日早い。
(福島民報)
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○11月14日(木) 一等米84%、東北6県、10月末現在
仙台食糧事務所は13日、東北6県の2002年産米の検査状況(10月31日現在)を発表した。うるちの一等比率は6県平均で84.0%。前回(10月15日現在)に比べると1.2%下回ったものの、依然として全国平均(71.4%)を大きく上回り、高品質を保っている。
(日本農業新聞)
○11月15日(金) 転作ヒエ栽培に手応え、岩手県
紫波町片寄の片寄生産組合(組合員13人)では、今年から転作田を利用し雑穀のヒエ栽培に挑戦。刈り取り作業がこのほど終了した。10e収量は、予想の300`を上回り、まずまずの出来にひと安心だ。
(日本農業新聞)
○11月17日(金) 大豆の収穫大被害
10月下旬以降の天候不順で収穫が遅れていた大豆にも、深刻な影響がでてきる。本来なら収穫終期を迎えていなければならない時期だったが、刈り取りの進ちょく状況は、全県平均で39%(13日現在、県水田総合利用推進課)。さらに遅れそうだ。
(秋田魁新報)
○11月20日(水) 雪で大豆収穫できず、秋田県
秋田県内では、11月に入っての大雪が農作物に大きな被害を及ぼしている。中でも大豆は県内6割近くの収穫未了の畑が、今も雪に埋もれている状況だ。このため、JA秋田中央会と秋田県農協農政対策本部は19日、収穫不能ほ場への転作確認要件の特例措置を県に要請した。農業共済にも適切な損害評価を要請した。
(日本農業新聞)
○11月20日(水) 東北農業研究センターが大豆新2品種を紹介 「青丸くん」「ふくいぶき」
「青丸くん」は子葉が緑の「赤青D165」を母に、倒伏抵抗性が強い「タチユタカ」を父とし、人工交配して選抜した。安定多収で機械化向き。「ふくいぶき」はダイズシストセンチュウ抵抗性で極大粒の「東北96号」を母に、ダイズモザイクウィルス抵抗性の「デワムスメ」を父に人工交配し選抜した。
(日本農業新聞)
○11月20日(水) あぜみち通信 私の稲作この1年
○青森県木造町農家
収量は一般栽培の「つがるロマン」で10e630`など、平年よりわるかった。全量一等で品質はまあまあ。くず米は18俵当たり一俵でた。本県の作況指数は98だが、全般にはそれ以下だったと思われる。8月上旬から同月15日まで雲雨天に見舞われ心配したが、9月の好天で登熟が進み、晩生の「あきたこまち」などは救われた感じ。早生、中生で2、3品種を作付けて危険分散をしたい。今年は新たに稲こうじ病が多発した。長雨で防除効果が半減したようだ。無理な肥培管理を避けるのが基本だと思う。消費者が要望す有機栽培やアイガモ栽培は来年も続ける。生産コストを低減するため、直まき栽培を検討している。米対策の改革をはじめ、農業従事者の高齢化や地下の値下がりなど農業問題は山積みしているが、農家の苦労が報われる農政をお願いしたい。農家が最後まで責任を持って農産物を売るなど、消費者との結びつきも重要だ。
○岩手県胆沢町農家
8月中旬から長雨となり、早めに出穂した稲は登熟に日数がかかり、首いもち病が発生した。生育期後半の天気は特に良く、やや遅れていた稲の生育が回復した。「ひとめぼれ」の減農薬栽培では今年、特にカメムシ防除に力を入れた。けい畔や水路、農道の草刈りを重点的に行った。収量は10e500`(網目1.8_)〜480`(同1.9_)。検査等級は平年並みだが、くず米が多く、調製に苦労した。作況指数が100ほどでは、実際の収量に期待できないと感じた。作況指数が100ほどでは、実際の収量に期待できないと感じた。栽植密度は来年以降、坪当たり70株〜60株に減らして株間を広くしようと思う。風通しを良くして、分けつの度合いを上げるためだ。生産調整は集団組織で対応しており、大規模ほ場整備事業の推進が今後とも望まれる。農業は天候に左右されるが、減農薬栽培で普通栽培に近い収量を上げる研究を今後とも継続しなければと考えている。
(日本農業新聞)
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○11月21日(木) あぜみち通信 私の稲作この1年
○秋田県平鹿町農家
梅雨明け以降、低温と日照不足で登熟が緩慢になり、出穂開花期の多雨で受粉に影響があった。カメムシは転作地を中心に後半多く発生した。収量は平年並みで「あきたこまち」の慣行栽培が562`。一等米比率は「あきたこまち」が92.5%。登熟のばらつきがかなり見られ、品質はいま一つだが、変化の激しい気象条件の中で、実を得られたことには満足している。穂肥を多めにすれば良かった。種子消毒の温湯侵法を今年から始めた。県の認定を受ける「ササニシキ」の減農薬栽培はめどがついた。苗箱まかせは今まで床土に混合して使っていたが、来年から層状にして使うつもりだ。売れる米づくりということで多種多様な栽培が少しずつ広がっている。消費者に軸足を置いた政策に転換していくことが明確なので、消費者との対話を一層図りたい。互いの理解を深め、もっと距離を縮め、米の消費拡大を進めて、量的にも価格的にも安定したものになるよう努力するべきだ。
○宮城県矢本町農家
「ひとめぼれ」「まなむすめ」の収量は10e600〜585`、「ササニシキ」は同570`。1等米比率は100%(加工米除く)だったが、収量は昨年を若干下回った。整粒と未熟粒がはっきり判別できるほど登熟が良かった。肥料の窒素成分を減らしたことで高品質米につながったようだ。収穫・調製に苦労はなかった。2回の台風で一部地域で生育、品質低下に影響した。冠水した地域では収量が10e350`に終わったところもあるなど、作況のばらつきが小範囲に見られた。病害虫の発生は特になかったが、一部でカメムシの食害があった。毎年だが、紋枯病の発生が一部見られた。当地域は基盤整備されていないので、転作、青刈り、休耕、加工米で生産調整に対応している。30年間も生産調整をわれわれに強いてきて、ここに来て責任の所在を生産団体にむけることは許せない。生産現場の声を時間をかけて検討すべきだ。
(日本農業新聞)
○11月22日(金) あぜみち通信 私の稲作この1年
○山形県高畠町農家
土壌改良材散布による土作りと、元肥を窒素で2`減らすなど減肥を進め、食味の向上を狙った。今年産の収量は「はえぬき」で10e620`(平年比50`減)、「コシヒカリ」で同580`(20`減)。食味重視の米作りを心掛けたため、収量が減ったと思う。登熟は特に問題はなかった。5月10日ごろから寒さがあり、初期成育が進まず、分けつが足らなかったように思う。カメムシ防除では来年から、230fの全面無人ヘリ散布を計画している。生産調整のソバや大豆栽培は、地域内で大規模団地化が進む。来年からは「コシヒカリ」一本に絞り、おにぎりの試食・販売なども取り入れて、消費者に顔の見える販売方法を目指したい。米は日本の重要な主食であり、減反は国の責任で行うことが必要。生産者は、米価が安くなれば多収を目指すが、これからは収量を「コシヒカリ」で10e8、9俵に抑えて、おいしい米、消費者に好かれる米作りをすべきだと思う。
○福島県河東町農家
ミネラル有機低農薬栽培「コシヒカリ」の収量10e560`で平年より30`ほど多く、全量一等米となった。登熟が良く、くず米は全体的に少なかったが、胴割れが多少見られた。年間を通して好天に恵まれた。8月上旬に低温期があったが、「コシヒカリ」の出穂には影響しなかった。それ以降は高温が続いた。JAでも農薬の適正使用を呼び掛けている。これまでは病害虫防除を箱処理していたが、今年は行わず、本田防除もしなかった。来年以降は有機米や低農薬米など付加価値生産に努めたい。生産調整は飼料作物の作付けと加工米で対応。来年は大豆なども検討したい。米政策の見直しでは、改革の内容や方向性が一般の農家や組合員に浸透していない。JAグループ米事業の改革も合わせて、組合員に広く意見を聞く機会を設けるべきだし、短時間で結論を出そうとせず、国民から理解が得られる長期的政策をつくるべきではないか。
(日本農業新聞)
○11月30日(金) 12月の気温低めに修正、3ヶ月予報で気象庁
気象庁は29日、3ヶ月予報の一部を修正すると発表した。12月中旬に再び強い寒気が日本付近に南下するため、12月の気温は北日本で低く、東日本や西日本で平年並みと予報。「12月は平年並みの北日本を除いて高め」との予報を、各地域とも低めに見直した。
(日本農業新聞)
○11月30日(土) 転作大豆を初検査、天候不順響く成績、青森県JAいたやなぎ
JAいたやなぎは27日、2002年産転作大豆の初検査を行った。雨や雪などの天候不順のため、刈取が思うようにできず、平年より二週間ほど遅れての初検査となった。この日は、舘野転作組合・萢子転作組合の「おおすず」大粒・中粒合わせて1943袋(一袋30`)が受検し、しわ、汚粒が見られ、3等級中心の格付けの結果となった。
(日本農業新聞)
reigai@ml.affrc.go.jp