水稲冷害研究チーム

2005年東北稲作動向



 本情報は新聞記事等から得られる東北地域の稲作概況をお知らせするものです.
 稲作の動向と冷害関連記事に注目して,概況を追跡します.
 なお,記事の収集については東北農業研究センター情報資料課児玉課長さんにご協力をいただいています.


1月

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○1月5日(水) 記録ずくめ 酷暑、台風 気象庁が04年天候まとめ
 気象庁は4日、2004年の天候をまとめた。1年を通じて気温が高く、東日本では1946年の統計開始以来、最も暑い年となった。また、台風は10個上陸。全国25地点で年平均気温の最高値を更新したり集中豪雨が多く発生したりするなど、記録ずくめの年だった。6〜10月は太平洋高気圧が大きく北へ張り出して勢力が強かったため、全国的な酷暑となった。12月の平均気温も北海道を除いて全国的に平年を上回り、大阪、鹿児島など20地点で月平均気温の最高値を更新した。年平均気温も全国的に平年を大きく上回り、全地点の9割が過去最高か2位の記録に。年降水量は、北海道を除いて平年を上回った。愛媛・宇和島では平年比39%増(2305ミリ)、兵庫・洲本では同59%増(2323ミリ)の大雨が降った。年日照時間は北日本を除いて平年を上回った地点が多かった。
(日本農業新聞)

○1月6日(木) 季節限定の純米酒好評 山形
 搾りたての新酒をどうぞ―。季節限定の純米吟醸酒「稲露(いなつゆ)」が好評だ。みずみずしい芳醇(ほうじゅん)な甘口タイプで、贈答用としても人気を集めている。「稲露」は、山形県が独自で開発した減農薬減化学肥料栽培米の「出羽燦々(でわさんさん)」を50%まで精米、米こうじと水だけで造り上げた。仕込まれる原料米は1995年の発売以来、毎年JA金山の農家が栽培。「稲露」の価格は、720ミリリットル1本、1650円。JA全農山形県本部が企画。醸造元は天童市の出羽桜酒造梶B販売に関する問い合わせは、JA金山購買部生活課、(電)0233(52)2012。
(日本農業新聞)

○1月6日(木) 胴割れ米の発生 出穂後10日間の高温が強く影響 東北農研
 農業生物研究機構・東北農業研究センター(盛岡市)は、胴割れ米の発生が、出穂後10日間の日最高気温と密接な関係があることをあらためて確認した。特に開花後6〜10日の高温で胴割れが著しく増えた。水稲の胴割れは、かつては収穫期の高温の影響も考えられていたが、最近は登熟期の高温が大きな原因と考えられるようになってきた。米の品質低下を避けるため、近年では夏の高温期と登熟期がぶつからないように、田植えを遅らせるよう指導するところもある。同センターでは、「この時期に玄米の細胞の数、構成が決まるのではないか」とみている。温度が高いと玄米の細胞が大きく粗くなる傾向があり、これが胴割れの多発と関係すると推測している。
(日本農業新聞)

○1月7日(金) 米の在庫が減少 FAO食料需給見通し 穀物生産は史上最高
 国連食糧農業機関(FAO)は6日までに、2004/05年度の世界の食料需給見通しを発表した。穀物生産は史上最高の20億4000万トンとなり、過去20年で最低水準だった穀物在庫は5年ぶりに増加に転じる見込み。米は中国を中心に生産が増えるがタイ、インドなどの輸出大国が不作で、貿易量、在庫量ともに減少。輸出価格は2割高騰するとみている。トウモロコシなど粗粒穀物の生産量予測は10億1000万トンで、前年度比9%増える。米国でのトウモロコシの大豊作、中国での生産拡大などが理由。小麦は欧州での単収増などで11%増の6億2000万トンの見込み。米(精米)は5%増の4億トンが見込まれる。中国、ベトナム、フィリピンなどは豊作だが、タイやインド、バングラデシュ、ミャンマー、マレーシアなどは不作が見込まれる。穀物消費量は、飼料用の需要が6億2000万トンで4%増の大きな伸びとなる。このため、消費量全体では2%増の20億トンが見込まれる。穀物在庫は全体で、4億4000万トンで、3000万トン増える。小麦、粗粒穀物は増えるが、米は減少が続く。生産量に対する米在庫率は24%で、2000/01年度の37%と比べると激減する。
(日本農業新聞)

○1月7日(金) 乾田 直播 本格実用へ前進 宮城・JA古川
 稲作生産コストの削減と環境保全型稲作を目指し、乾田直播(ちょくは)栽培に取り組んでいるJA古川は、2004年産米の10アール収量が400キロ近い結果となり、05年は本格的な実用化に向けた作付面積の拡大を図る方向だ。同JAは、02年からJA全農と三菱農機が開発した不耕起直播機(MJS180−6型)を使い、乾田での直播栽培実験をスタート。04年は3カ所のモデル圃場(ほじょう)を設置し、異なった栽培体系で調査を行っている。冷害だった03年には、360キロと平均収量に近い結果となった。昨年末に同JA中央支店で開いた総合検討会には、栽培実験に取り組んだ生産者ら関係者32人が参加。04年の実験内容と今後の課題を検討した。実験を行った生産者らからは、直播直後のフラッシング(水管理)による湿害とスズメなどによる鳥害対策や施肥体系の再検討などが協議された。同JA担当者は「モデル圃場の収量は10アール当たり、400キロ程度と平年の移植栽培の収量に近い結果となっている。除草コストの課題が残るが、05年はさらに作付面積も増え、実用化に向け大きな弾みとなる」と期待を語った。
(日本農業新聞)

○1月8日(土) 「朝めし米」新発売 パールライス山形
 パールライス山形は8日から「朝めし米」を新発売する。「朝めし米」は、食味ランク「特A」を10年連続して受賞している「山形はえぬき」と「山形コシヒカリ」の双方の特徴を生かした。稲村和之同社長専務は、「社員や食品産業関係者の協力で、調合の割合を工夫して何回も炊飯、試食しながら、うまさと粘り、歯応えを追求して、山形はえぬき60%、山形コシヒカリ40%が最もおいしい組み合わせになった」などと話していた。米袋は、作家・嵐山光三郎さんのデザイン。雄大な山並みを背景に黄金色の稲穂に、どっかとあぐらを組んだ少年がご飯を食べる素朴な農村風景。「山形県は米作りに最適な気候風土、農家が心を込めて作った朝めし米にはパワフルなうまみがあり、食べれば活力が生まれる。朝めし米を食べて元気を出そう」とメッセージを寄せている。「朝めし米」は5キロ入り2500円。8日から県内のスーパーや生協、小売店、JAの店舗で販売する。
(日本農業新聞)


 
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○1月11日(火) 県産ブレンド米普及へ 低価格で業務用拡大 宮城
 宮城県は来月から、同県産米を原料に独自開発したブレンド米の本格的な普及を進める。低価格志向に対応した商品で、一般家庭用と業務用の2種類。同県は米どころでありながら、他県産米も流通しており、値ごろ感のあるブレンド米を愛用してもらうことで失地回復≠目指す。県が県内産でブレンド米を開発・普及する例は全国的にも珍しい。統一名称は「みやぎっ娘(こ)」(商品登録申請中)。2月に試食会や説明会を開き県内の米卸、小売店、ホテル、旅館業者に利用を働き掛ける。昨年9月に開発した。「ひとめぼれ」「ササニシキ」という2大人気銘柄を持つ同県だが、「県産米の県内消費量は減少傾向で、特に低価格を求める業務用では他県産の流入が著しい」(農産園芸課)との問題意識から、味に加え価格面を重視した。ブレンド内容は、家庭用が「ひとめぼれ」(50%)と「まなむすめ」(50%)、業務用は「まなむすめ」(80%)と「たきたて」(20%)。27種の組み合わせから選び抜き、業務用に好まれる炊き増し効果や、「さめておいしい」特性も持たせたという。商品化に向け今月中にJA全農みやぎや県内米卸の協力で専用パッケージを作成。来月、県内米卸と米穀店、スーパー、約300社のホテルや旅館への説明会を開き利用を働き掛ける。モデル店を設けPRも支援する。プロ野球に新規参入した東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地・宮城球場での「みやぎっ娘」を使ったおにぎり・弁当販売も検討している。県は「地道な活動となるが、業務用で宮城米のシェアを広げるのがまずは主眼。ホテルや旅館に使ってもらえば宣伝にもなり、宮城の米のおいしさを観光客にもアピールできる」(農産園芸課)と期待している。
(日本農業新聞)

○1月11日(火) 今年は気象変化が多い まちの予報士′注ン 山形市の小林さん
 「酉(とり)年は天候不順、農作業には万全の注意を」と元JAマンで長年、気象予報を研究する山形市南館の小林義彦さんが今年の気象を予測した。小林さんの気象予測は、わが国の稲作を定着させた杉山善助氏の農法を父子2代にわたって受け継いだ理論。「気象は60年周期で繰り返す」というもので、これに山形気象台の100年のデータを参考に1年を6つの「気」に分け、2カ月ごとに気象の変化を予測している。今年の春は平年並みだが、遅いぼた雪がある。関東でも降雪がありそう。霜も多く「寒雷鎌(かま)いらず」のことわざがあり、天候不順の年となりそう。夏は入梅が早い。冷雨、炎天、雷雨などある。台風も早く襲来、警戒が必要。寒気、降雪は遅い。小春日和もあり、草木の花咲くニュースも多くなると予測する。いずれにしても気象変化の多い年なので、天気予報に注意して農作業に対応しなければならない―と指摘する。この予測は「農家行事と日誌」と題した日記風の冊子にまとめて印刷、発行した。小林さんの予測は77回目。70%台の的中率で、講演依頼などJAや生産団体から引っ張りだこ。問い合わせは、(電)023(644)5908の小林さんへ。
(日本農業新聞)

○1月11日(火) ササ生誕の地 こだわりの逸品 宮城県JA古川青年部
 自分たちの地酒を酌み交わし、農業を語ろう。JA古川青年部が「地産地消」運動の一環として取り組む地酒造りが軌道に乗った。3年目を迎えた今年は800本(1・8リットル入り)が完成。部員は、自らの手による美酒の味に酔いしれている。この地酒の名前は「美味(ほんもの)」。西古川支部の佐々木英史さんが栽培したJA古川特別栽培米の「ササニシキ」を使い、酒造メーカーの寒梅酒造に頼んで醸造してもらっている。同社の岩崎隆聡専務も同支部に所属しているため、原料から醸造まで青年部員がかかわるこだわりの逸品だ。今シーズンは昨年11月から部員らが蔵人≠ニなって仕込み作業をしたり、瓶のラベルを張ったりしてきた。製造資金は、部員と同JA組合員らを中心にオーナーを募って集めた。青年部の中森昭悦委員長は「一昨年の異常気象による凶作とは一転して豊作となり、ササニシキの出来も上々だ。今年も地酒の味は最高。ササニシキ誕生の地から生まれた地酒を飲みながら、これからの農業を語り合ってもらえればうれしい」と話している。
(日本農業新聞)

○1月11日(火) 去年の潮風害 県が事後対策班 中長期的な支援 検討
 県は、去年の台風15号で発生した潮風害の事後対策班を設置した。複数年にわたって生育への影響が懸念されている日本ナシなどの技術対策を検討する。特に庄内では、強風により飛散した海水中の塩分が原因の潮風害で、水稲の葉枯れや枝梗(しこう)枯れ、果樹の落葉、時季外れの開花など、本県農業がこれまで経験したことのない甚大な被害が出た。県は去年八月二十四日に「台風15号被害緊急対策班」を設置するとともに、被害を最小限に食い止めるため、農業団体などと協力して水稲・大豆と果樹についてそれぞれ対策プロジェクトチームを編成。早期刈り取りや、花芽の確保に留意した剪定(せんてい)などの技術指導をおこなってきたが、中長期的な被害軽減対策が不可欠なため、緊急対策班を事後対策班に切り替えた。石黒清秀農業技術課長が班長を務める。事後対策班が今後検討する事項は、コメについては▽台風通過後の塩分量の把握▽潮風害発生の予測技術開発▽防風林の有無によるシミュレーションとその効果。果樹に関しては▽春の花芽の状況把握とそれに応じた管理指導▽開花後の結実・品質確保に向けた栽培管理指導▽春先に枯死が多発した場合の苗木の補助事業▽日本ナシにおける翌年への影響と対策指導▽被害の再発防止対策など。
(山形新聞)

○1月12日(水) 水稲の種子消毒 すべて温湯処理に 宮城・JA栗っこ
 JA栗っこは今年から、水稲の種子消毒をすべて温湯処理に切り替える。薬剤処理を廃止し減農薬栽培に弾みをつけると同時に、農家の労力や費用負担を減らす狙いだ。栗原郡内約1万ヘクタール分を供給するが、これだけ広域的な実施は、全国でも例がないという。7日に、栗原郡農作物防疫協議会から温湯浸漬(しんせき=消毒)機5台が、JAに引き渡された。農業倉庫を改装した作業場に、消毒用の水槽などの機材が設置され、運営はJAが行う。作業は播種組合に委託し、今月17日から温湯消毒処理作業が始まる。1日約8トンの消毒が可能、2カ月間で約400トンを処理する。
(日本農業新聞)

○1月12日(水) 給食のパン、うどんに 「秋田酒こまち」とアミノ酸「ギャバ」 秋田・湯沢
 湯沢市産の酒造好適米「秋田酒こまち」と、酒米の精米で生じるコメぬかから作り血圧降下や精神安定効果があるとされる「ギャバ」(アミノ酸の一種)を用いたパンと稲庭うどんが来月、同市内の全十三小中学校の給食に登場する。産学官が連携し開発、実現した。今回は試食という形だが、市学校給食センターでは子どもたちにアンケートを行い、本格導入を検討する。給食への導入は、ギャバの製造技術を開発した清酒「爛漫」の製造元・秋田銘醸、県総合食品研究所、東京農大、秋田酒こまちを清酒以外にも利用できないかと模索していた湯沢市酒米研究会が連携。さらに市と地元の製パン会社、稲川町の稲庭うどんメーカーが協力して実現した。課題は、米粉の原料価格と加工賃が小麦粉に比べて割高なこと。しかし、給食用小麦粉の三分の一程度と安い米ぬかを利用することで低コスト化を実現。パン、うどんともギャバを含んだギャバ水を使用するが、米ぬかの配合量を変えることでうどん特有の「こし」を作り出したほか、パンの膨らみにも問題がないことが分かった。昨年末に同研究会が開いた試食会には約三十人が参加。パン、稲庭うどんともに好評で、中でもパンは「もちもち感がいい」「歯ごたえがあっておいしい」など評価は高く、同研究会では「酒の原料米の販路拡大を目指しているが、こうした形で用途が広がれば、消費拡大にもつながる」としている。市学校給食センターでは、週一回のパン給食の際に試食してもらい、アンケート結果を来年度以降の参考にする予定。試食の日程は今後詰める。高橋平八同センター所長は「うどんは食べるまでの間に軟らかくなり過ぎるようだが、それを解消できれば、来月下旬ごろからでも、献立に組み込みたい」と話していた。
(秋田魁新報)

○1月14日(金) 県産1等米を安定供給 来年度から米飯給食支援で新方式 JA宮城中央会など
 良質な県産銘柄米を安定供給し、米飯学校給食の円滑な推進と支援に取り組む「みやぎ米飯学校給食支援方式」が2005年度から行われる。従来の方式を見直し、価格高騰時の掛かり増し経費の総額を抑えるなど、弾力的な対応ができるようにする。宮城県米飯学校給食普及拡大推進委員会でこのほど決まった。同県内の米飯給食は、県の指導のもと関係機関、団体が一体となり、県産自主流通米「ひとめぼれ」1等米を供給する「みやぎ自主流通米方式」が行われてきた。ただ、自主米制度が廃止されたことや、基準価格にしていた政府米価格が入札方式になったことに加え、掛かり増し経費の負担限度額が定められていなかったことが課題となっていた。米価が一時高騰した03年産は県、市町村、JAグループの経費が多額になった。新しい方式は、加入した市町村、JA、県学校給食会、JA宮城中央会、全農みやぎが連携して実施する。供給する米は県産「ひとめぼれ」1等米とし、各市町村に地元JAが供給する地産地消≠ェ原則。供給価格が基準価格を上回り、掛かり増し経費が5000万円の限度額を超えることが見込まれると判断した場合は、県産他銘柄米(他品種や2等米、ブレンド米など)を利用する対策などを検討する。「基本的な枠組みを維持しながら、ひとめぼれ1等米を供給する。万が一の場合でも、米飯給食の回数を減らすのではなく、弾力的な対応ができるようにする」。仙台市は、来年度から米飯給食の回数を増やすことを検討している。1週間あたり2・5回から3回に増やす予定だ。
(日本農業新聞)

○1月15日(土) 政府米売却 落札は532トン
 農水省は14日までに、今年初めての政府米一般入札結果をまとめた。6万トンの提示に対し、落札したのは532トン。今月から新たな年産を提示し、取引を週1回にするなど売却方法を変更したものの、昨年の出来秋以降、低調な取引が続いたままだ。落札が多かったのは1997年産米で310トン。同年産の落札価格は、60キロ当たり加重平均で8464円だった。
(日本農業新聞)

○1月15日(土) 米作りに自前衛星 品質、宇宙からパチリ 欲しい時に画像利用
 品質の高い米作りに利用するため、北海道で民間衛星の打ち上げ計画が進んでいる。質量50キロ程度の小型衛星で、宇宙から撮影した衛星画像を加工し、道内の農家が利用する予定だ。国内初の農業衛星≠ヘ道内の地名「大樹」と命名。2年後に打ち上げられる。「大樹」計画は、北海道工業大学や道内の企業が中心になって進めてきた。賛同者が出資して昨年末に組織した北海道衛星が小型衛星を製造・運用し、画像情報を農家に提供する。計画は、顧客となる農家やJAと話し合ってきた。北海道衛星の社長に就任した北海道工業大学の佐鳥新助教授は「衛星画像の利用で、より均質な米が生産できるようになる。用途別にたんぱく質の含有を整えれば、牛丼向けの米や酒造好適米を栽培する水田も可能だ」と話す。衛星の農業利用は北海道立中央農業試験場がすでに実用化。2000年に空知管内の水田で始まり、昨年は5万ヘクタール強に拡大した。岩手、茨城、新潟県の米産地も利用に乗り出している。ただし画像は現在、外国の地球観測衛星などから購入するため、データ入手には3週間程度かかり、利用に制限がある。自前の衛星を上げるメリットについて同試験場生産システム部の安積大治さんは「早ければ数時間後に画像データが入手でき、狙った時に確実に画像が取れる」と話す。搭載するセンサーが精密なので、病害虫や生育むらなどの詳しい情報が得られ、病害虫発生予報や被害調査にも迅速な対応が可能だ。米以外にも麦や草地に応用できるという。衛星利用の費用は1ヘクタール当たり160円程度。「ハンバーガー程度の価格に下がり、農家も買えそうになった」(安積さん)だけに、全国的な農業利用に弾みがつきそうだ。
衛星の農業利用
 衛星画像を搭載する近赤外センサーで、米のたんぱく質含有率が色分けされる。このデータと田んぼのデータを分析し、田んぼ一枚ごとの米のたんぱく質含有率を示す「マップ」を作成。含有率の高い田んぼに対し、施肥や栽培方法をアドバイスし、良質米に転換していく。北海道立中央農業試験場の実験では、ある地域の米のたんぱく質含有率が平均0・8%下がった。品質向上に役立ち、経済効果もあることが証明されている。
(日本農業新聞)

○1月15日(土) コメ、高級銘柄が下落 消費者 高値を敬遠
 スーパーやコメ店の店頭で、魚沼産コシヒカリなど高級銘柄の値下がりが目立っている。消費者が高値を敬遠し、販売不振が続いているためだ。一方で北海道産米を扱う卸各社が投入した低価格ブレンド米は好調なスタートを切っており、消費者の低価格志向の根強さを示している。首都圏のスーパーの店頭では現在、魚沼産コシヒカリは五キロ三千四百〜三千九百円が中心で一カ月前に比べて約五%下がった。「販売量が例年に比べ一割程度減った」(食品スーパー)などの声が多く、販売意欲を刺激するため五百円以上の大幅値下げに踏み切る例も目立つ。新潟産の一般コシヒカリも中心価格帯が昨秋の五キロ二千八百円前後から現在は二千五百円前後に下がった。新潟産米は昨秋の台風被害の影響で価格が高止まりした反動が表れた格好。一方、豊作だった宮城県産ひとめぼれや関東産コシヒカリは昨秋以降五キロ千八百〜二千四百円で店頭に並び、割安感から人気を集めている。「今年は農家の直売品が安値で出回っていることもあり、有名銘柄でも高値のものは売りにくい」(大手卸)という。大手卸とホクレン農業協同組合が協力する北海道産米の販売組織「コメリンクス21」は昨年十一月、ともに北海道産の「あやひめ」と「ななつぼし」をブレンドした新銘柄「げんきぼし」を投入。店頭では五キロ千六百〜千九百円と最も安い価格帯で売られた例が多い。ホクレンでは「準備した三千トンの完売にメドがつき、追加供給を検討中」(販売本部)という。
(日本経済新聞)

○1月16日(日) 程よい甘さ、何杯でも…… 地場米どぶろく初飲み 岩手・遠野市の「遠野ふるさと村」
 国の構造改革特区を生かして、どぶろくの製造免許を取得した遠野市の南部曲がり家の里「遠野ふるさと村」は13日、園内の曲がり家で「どぶろく初飲み会」を開き、特区関係者らが、昨年末に仕込んだどぶろくの初蔵出しを祝った。同市がどぶろく特区の認定を受けたのは、2003年11月。農家民宿の経営者に続いて、ふるさと村が2件目。初飲み会には県や市、遠野ふるさと公社などの関係者約40人が出席。鏡開きで祝った後、同公社理事長の本田敏秋市長が「おもてなしの心を充実させようと、特区認定を受けてどぶろくの提供を始めた。観光の発展とともに、地域活性化の架け橋になってほしい」と期待を込めた。ふるさと村は、昨年12月3日に製造免許を取得、同31日から園内で仕込みを開始。米は免許取得の条件から、田んぼを借りて自前で栽培した「あきたこまち」を使用。米粒が残る程度に仕上げ、初飲み会では「程よい甘さで口当たりが良い」「何杯でも飲める」と大好評だった。今後は、年間で360リットルの製造を計画。園内のレストランや冬イベントの「どべっこ祭り」で提供する。価格は1杯(約130ミリリットル)350円。土産用の販売は行わない。また、市内観光地のたかむろ水光園や伝承園でも、2月1日から提供を予定している。
(日本農業新聞)

○1月19日(水) 豊作願い雪中田植え 青年部が行事継承 秋田・JA鷹巣町
 JA鷹巣町青年部は15日、小正月行事の雪中田植えを鷹巣町の「大太鼓の館」で行った。雪中田植えは、旧正月に稲作の豊凶を占う行事で、戦後途絶えたが、綴子地区の篤農家が1983年に復活させ、88年に当時の綴子農協(現在JA鷹巣町)青年部が再復活させた。現在はJA鷹巣町青年部が継承している。田植えは6尺(198センチ)四方の雪の田んぼを作り、稲わら、豆穀を束ねたものを苗に見立て、4条ずつ16束を、けら、すげがさ姿で植え、虫よけや田の目印となるすす払いのわらぼうきを逆さにして中心に立て、大根の煮しめ、なます、でんぶ、お神酒を供え大豊作を祈願する。2月1日に豊凶を占う稲刈りを行うが、その際稲が直立していれば実が入らない不稔(ふねん)、倒れていれば風水害による倒伏を意味し、たわわに実った稲穂のように適度に傾いていれば豊作とされている。
(日本農業新聞)

○1月19日(水) 売れる米でJAが方策 宮城・石巻地方事務所水田ビジョン研修会
 石巻地方振興事務所とJAいしのまきは17日、同JA農業情報センターで、地域水田農業ビジョン・集落営農推進研修会を開いた。同JAは売れる米づくりへの対応として@「JA米」100%への取り組みAたんぱく含量による区分仕分けへの取り組みB減農薬、減化学肥料栽培の推進など6項目の銘柄確立への推進方策を示した。研修会は「売れるいしのまき米」と「集落営農の展開」がサブタイトル。JA稲作部会、転作部会、JA、土地改良区、県市町関係者ら80人が出席した。JAの対応は「米穀事業と集落営農の今後の展開について」とし、各担当課長が説明した。売れる産地として、より「おいしく」、より「安全安心」、より「環境に優しい」をコンセプトに、2005年からの出荷契約米は100%「JA米」で販売する方針。特別栽培玄米については、生産面積拡大、種もみ消毒の温湯消毒処理への06年からの全面的切り替え、トレーサビリティー(生産・流通履歴を追跡する仕組み)の推進、地帯別・品種別作付け誘導の推進などを示した。集落営農では、JA管内のビジョン策定集落数39の現況と関連生産組織などを紹介、特別運動への取り組みを説明した。研修会では、「新しい集落営農の展開と売れる米づくり」と題し、東北大学大学院農学研究科の工藤昭彦教授が基調講演。JA宮城中央会からの課題提起、管内の集落営農推進母体関係者から2事例の報告があった。
(日本農業新聞)

○1月20日(木) 雑穀生産部会を設立 生産力と経営基盤強化 JAいわて花巻
 雑穀生産日本一を目指すJAいわて花巻は、安定した生産力の確立と経営基盤の強化を図ろうと18日、花巻市の同JA総合営農指導拠点センターで同JA雑穀生産部会の設立総会を開いた。これまで地域や個人独自で取り組みを進めてきたが、部会を設立することで花巻地方の農家とJAが一体となり、さらなる生産と消費拡大に向けて期待が高まる。総会には、生産者や行政、JAの担当者ら約150人が参加。藤原徹JA組合長が「新しいアイデアが求められる時代に雑穀生産部会が立ち上がることを心強く思う。雑穀の人気が高まっている現在、産地として大きく羽ばたくことを期待する」と祝辞を述べた。議事では規約や事業計画、栽培方針など4つの議案を承認。役員の選出では、部会長に伊藤正男さん(石鳥谷町)が選ばれた。部会事務局は同JA営農推進部内に置き、JA管内の4市町に支部を設置する。新品種の導入や良質な雑穀生産、省力化などで生産基盤を築くことを基本に、地域特産ブランドの確立を目指して関係機関と生産部会が一体となって栽培履歴記帳や、生産情報の開示に取り組み、品質向上に努めるほか、契約販売の拡大や、加工食品の開発と販売支援にも力を入れる。
(日本農業新聞)

○1月20日(木) 1等米82・9% 04年産米検査結果
 東北農政局は19日までに、2004年産米の検査結果(04年12月末現在)を公表した。東北6県を合わせた水稲うるち玄米の検査数量は143万5195トンで、前年同期より37・1%(38万8093トン)多かった。同じく1等米比率は82・9%で、同3・9ポイント高い。各県の検査状況は表の通り。検査数量は、ほとんどの県が前年同期を上回っている。青森が2倍近いほか、宮城、岩手、福島、山形が91〜15%多い。秋田は前年並み。1等米比率は、青森が前年同期より30ポイント高いのをはじめ、宮城が20ポイント、福島が3ポイント、岩手が2ポイントそれぞれ高くなっている。一方、秋田は8ポイント、山形は1ポイント下回った。

2004年産米の検査状況(12月末日現在)
水稲うるち玄米(単位:t、%)
 検査数量1等2等3等
青森2004年184,65083.615.30.9
2003年94,53053.631.78.4
岩手2004年176,48088.49.81.5
2003年106,96286.310.42.4
宮城2004年257,83779.218.81.8
2003年134,39558.635.05.3
秋田2004年310,52576.915.45.4
2003年312,98785.112.71.4
山形2004年253,49884.112.22.7
2003年218,66085.212.81.3
福島2004年252,20488.610.50.7
2003年179,56885.212.41.6
(日本農業新聞)

 
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○1月21日(金) 水稲種子の温湯消毒開始 宮城・JA栗っこ
 JA栗っこの築館町照越倉庫で20日、水稲種子約400トンの温湯消毒が始まった。栗原郡内の生産者には21日から消毒済の水稲種子が順次配布される。この施設では1日約7トンを消毒し、郡内生産者への配布は3月初旬まで続けられる。異品種混入を防ぐため、品種が変われば、すべての機材を清掃する。また生産履歴を明確にするため生産者には、品種、消毒月日などが記載された納品伝票も届ける。「異品種混入時の調査にも、素早い対応が可能になる」と同JA営農部では話している。温湯消毒費用は種子1キロ当たり役38円。薬剤使用の食毒に比べ、費用は約半額になる。生産者のコスト低減と環境の保全にもつながる。同JA営農部では「温湯消毒済の種子配布は、今年が初めての取り組み。生産者へは病原菌感染を防ぐ保管方法を十分に指導する必要がある」と話している。種子配布時に、保管方法を記載した用紙も配る。
(日本農業新聞)

○1月21日(金) 「栄養機能食品」のコメ 全国から原料、来月発売 あきたこまち生産者協会
 コメ小売り最大手の大潟村あきたこまち生産者協会は二月から、新たな主力商品として鉄分やビタミンなどを加えたコメを売り出す。「栄養機能食品」の表示を付けて付加価値を高める。秋田県産米だけでなく、全国のコメを買い取り、加工・販売する。二〇〇四年九月期で六十五億円だった同社売上高を〇六年九月期に百五十億円に引き上げる。栄養機能食品は体の成長や健康維持に必要な成分を含む食品。栄養成分の含有率や使用上の注意を国の基準に基づいて表示すれば、許可や届け出なしに製造・販売できる。同社によると栄養機能食品の表示を付けたコメは、二年前に沖縄県内で現地業者などが発売した例があるだけという。無洗米のほか玄米、発芽玄米、はい芽米に鉄分、ビタミンB1、同B6などを吸収浸透や噴霧によって加えた。使用するコメはあきたこまちのほか、青森、岩手産のひとめぼれなど他産地とのブレンド米も用意した。コメと栄養素の組み合わせにより二十一種類あり、価格は二月二十日に発売する発芽玄米がベースのものが一キロ入り千円程度。他のコメは三月から、二キロ入り千八十−千二百八十円で販売する。おかゆや無菌パックなども順次追加する。同社の通販ルートに加え、スーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストア、病院向けなど約二千社への納入を目指す。さらに大潟村以外で生産したコメを同社で栄養機能米に加工し、生産地の農協など相手先ブランドで供給する。
(日本経済新聞)

○1月21日(金) 「手ごろに美酒」の願いコメ 山形酒86号 初の試験仕込み
 県工業技術センターは、県農業試験場庄内支場が開発した酒造好適米の新品種「山形酒86号」を使った初めての試験仕込みを二十日、山形市の同センターで始めた。86号は心白が大きく、白米にする際に削る部分が少なくて済むため、精米時間とコストが抑えられる。高い品質でありながら、低価格の商品づくりが可能な酒米として有望視されており、最適な製造法の確立を目指す。86号は、同庄内支場が県独自の酒造好適米「出羽燦々(さんさん)」と、山形錦系の酒米を組み合わせ、一九九四年から育成している。県のオリジナルブランドとして定着した出羽燦々を使った純米吟醸酒「DEWA33」は精米度50%クラスで千三百円から千五百円で、86号を使った酒は、これ以下の価格帯を想定。全国トップレベルを誇る高級酒に比べ、伸び悩んでいる低価格帯の市場を開拓する狙いだ。今季は試験栽培されたもののうち、六百キロ(精米)を同センターで仕込む。県内の蔵元でも玄米を確保して試験醸造を始めているところがあり、早ければ来年中の商品化が可能だという。県は奨励品種に採用し、将来的には百ヘクタールの作付けまで普及させる考えだ。この日は、仕込みの前工程で、アルコールを生成する酵母の栄養源となる麹(こうじ)造りが行われた。同センターの職員らが、精米され、蒸し上げられた86号に胞子を振りかけた。今後、仕込み、発酵を経て二月下旬に初搾りを迎える予定になっている。
(山形新聞)

○1月24日(月) 最古のもみ殻中国で発見
 中国の国営通信、新華社は二十二日、中国の長江(揚子江)下流の新石器時代の上山遺跡(浙江省浦江)から、約一万年前の世界最古の栽培稲のもみ殻が見つかった、と伝えた。新華社電によると、これまで最古の栽培稲は長江中流の遺跡などで見つかった八千年前のものとされていた。同省の考古学研究所などが調査した結果、上山遺跡で約一万年前の土器とともに大量の稲のもみ殻が出土。調べたところ、野生種より長さが短く、幅は逆に太い栽培稲の特徴が確認できたという。専門家は今回の結果について「長江下流が稲作の発祥地の一つであることを裏付けた」との見方を示した。中国では一九九〇年代に長江中流域の玉蟾岩(ぎょくせんがん)遺跡(湖南省)などで一万年以前とされるもみ殻も見つかっているが、栽培種か野生種か明確でなく、稲作の起源とはされていない。
(日本経済新聞)

○1月24日(月) 収穫に手応え PRなお課題 江刺の減化学肥料、減農薬米
 県内農協で唯一、全域で化学肥料、農薬とも従来(慣行栽培)より50%以上減らすコメづくりに取り組んだ江刺市農協は昨年、収量はほぼ平年並みを確保した。収穫したコメは国の「特別栽培農産物」として安全安心を前面に打ち出して販売できるが、コメ余りとなる中、販売面ではその優位性を発揮しきれていないのが現状だ。江刺市は昨年、県から配分された生産目標数量に減収分を想定した5%を上乗せして作付けをした。江刺市農協の調査によると、市内の昨年のコメの平均収量は10アール当たり537キロで不作だった〇三年産を除く過去五年の平均収量543キロより少なかったが、ほぼ目標を達成した。同農協は減農薬栽培を一九九七年から管内全域で実施しているが、減化学肥料栽培は初めて。化学肥料を従来の8キロから4キロ以上減らし、代わりに魚かすや米ぬか、鶏ふんなどを混ぜた有機入り肥料を投入した。同農協稲作部会の小泉部会長は「懸念されていた収量に大差はなく、食味もよかった。江刺金札米の産地として消費者の求めるコメづくりに弾みがついた」と手応えを語る。減化学肥料、減農薬栽培は本年度から農林水産省のガイドラインによって「特別栽培農産物」と表示でき、安全安心がより強調される。しかし、販売面ではそれが生かし切れていない。〇三年産の不作による高値で消費者のコメ離れが加速し、卸業者が流通在庫を多く抱える中、〇四年産米は安さが最優先され、安全安心がなかなか重視されないのが現状とみられる。全農県本部米穀部の高橋部長は「安全安心が消費者の購買動機にあまりつながっていない。特別栽培農産物が何か知られていないのも原因のようだ」と指摘する。江刺市農協は特別栽培農産物としての付加価値分を価格に上乗せして卸業者に出荷し、作付面積の増大や有機入り肥料の購入費などを補てんする。今後も特別栽培農産物として生産を続けることには完売が条件で、厳しい状況となっている。同農協の菊池営農部長は「減化学肥料のノウハウを蓄積して安定供給を図るとともに、特別栽培農産物は安全安心と消費者にPRするのが今後の課題」としている。
(岩手日報)

○1月24日(月) 地元産米使用、高い栄養価 給食に発芽玄米ご飯 秋田・横手市が導入
 食物繊維やビタミン、ミネラルに富む発芽玄米が入ったご飯が「全国学校給食週間」初日の二十四日、横手市の学校給食にお目見えする。発芽玄米を使った商品開発や販売の事業支援を行っている同市の第三セクター「株式会社・横手産業支援センター」が市給食センターに導入を提案し実現した。発芽玄米は玄米を〇・五〜一ミリほど発芽させた状態のもので、高血圧や動脈硬化、皮膚の老化防止などに効果のあるγアミノ酪酸を含み、健康志向商品として人気が高い。同産業支援センターは昨年秋に設立。地元産米から発芽玄米を製造、販売する会社の販路拡大支援として学校給食に着目。市給食センターへ発芽玄米の使用を持ちかけた。これを受けて給食センターでは冬休み中に、職員や栄養士が配合率(10−30%)をかえた発芽玄米入りご飯を試食し、食感に違和感のない10%の配合が適当と判断した。総量(小中学校計三千六百食分)の10%に当たる約三十キロを使用する計算で、白米のみに比べ一食当たり一〜二円割高となるものの、一人当たりの一日の給食費(小学二百四十五円、中学二百七十五円)の中で調整可能な範囲として導入を決めた。給食センターでは「栄養価が高くコスト面でもクリアできる」と話しており、今後、月一、二回程度の提供を考えているという。また、同産業支援センターは今後、発芽玄米を粉状にしたものをパンやスープなどに使えないかなど、検討していくという。
(秋田魁新報)

○1月25日(火) 特区認定受けどぶろく提供 岩手・遠野どべっこ祭り
 「どぶろく特区」に認定された岩手県遠野市の「遠野どべっこ祭り」で、どぶろくの提供が始まった。「どべっこ」とはどぶろくのことだが、これまでは酒造会社が製造した濁り酒しか出せなかった。祭りの会場である「遠野ふるさと村」がどぶろく製造免許を昨年取得し、「昔ながらの味」が楽しめるようになった。どぶろくは一杯三百五十円で販売。このほか濁り酒や郷土料理のメニューもある。祭りは二月十三日までの土曜、日曜だが、終了後も夏季を除き「ふるさと村」の食堂でどぶろくを提供する。
(日本経済新聞)

○1月26日(水) 春の訪れは早め 3カ月予報 気象庁
 気象庁は25日、2月からの3カ月予報を発表した。2月の気温は平年並みに推移するが、3、4月は平年より高くなる見込み。同庁は「春の訪れは早まる」(予報課)とみている。3月は、東日本太平洋側と西日本で、平年に比べ曇りや雨、雪の日が多くなりそう。北日本の降水量は平年並み。同庁は「全国的に気温の変動が大きくなる。寒気が入り寒くなる時期もある」と予測。降水量は東日本太平洋側と西日本でやや多い見込み。3月は、降水量は平年並み。天気は数日の周期で変わる。4月は平年に比べ晴れる日が多くなる見通し。降水量は平年よりやや少ない見込み。
(日本農業新聞)

○1月26日(水) 田んぼの価値再認識 宮城・迫町でシンポ
 「うちの田んぼは宝もの!田んぼと環境を考えるシンポジウム」が25日、宮城県迫町で開かれた。環境と共生する農業など田んぼの価値を再認識し、冬期湛水(たんすい)水田などの広がりや国民全体の世論形成などに期待が集まった。県迫地方振興事務所、伊豆沼土地改良区などが主催し、農業者や行政関係者ら約160人が出席した。民間非営利活動法人(NPO法人)「農と自然の研究所」代表理事の宇根豊さんが、水田の持つ多面的機能や環境直接支払いなどについて基調講演した。これまで生産に重きが置かれてきた「田んぼの価値」に、田んぼに生息するメダカや虫、飛来する鳥の重要性など「お金にならない価値」を訴えることで、田んぼの大切さや農家・農業の役割の再認識につながるとし、「最大の自然保護は、地元で取れた物を食べること。町内で取れた物を食べる住民は、農家だけでなく、田んぼの生き物を支えることになる」と述べた。パネル討論で、迫町の伊豆沼冬水田んぼ倶楽部代表の佐々木寛さんが、冬期湛水水田の事例を紹介した。2・6ヘクタールの水田で冬期間貯水した後、不耕起栽培を実施。温湯消毒、プール育苗、疎植で順調に生育し、登熟も良かった。環境教育にも力を入れる。「取り組みを通して良い米を作りながら、消費者との連携を強めたい」と話した。
(日本農業新聞)

○1月26日(水) 野生酵母でコメ粉100%パン 小麦・卵・乳製品使わず サラ秋田白神、ネットでも販売
 サラ秋田白神(秋田市大塚節子社長)は野生の酵母菌である「白神こだま酵母」を使ったコメ粉100%のパン=写真=を開発した。小麦や卵、乳製品を使用せず、コメ本来の味わいを引き出した。小麦アレルギーの人に加え、和食派にも売り込む。二十七日から店頭とネット上で販売する。「白神 米(まい)ベイク」はコメ粉、てん菜糖、天然塩、酵母が原料。これまでコメ粉パンは粘りを出すため、小麦粉が原料のグルテンを加える必要があった。同社は秋田県総合食料研究所と協力し、コメのでんぷんだけで粘りやコシを出すことに成功した。白神こだま酵母を使ったことで冷凍しても味が変わりにくいという。もっちりした食感が特徴で、プレーンのほか、紫芋、カボチャ、小松菜の粉末を加えたタイプがある。価格は一斤五百グラムで七百円。一個八十グラムで二百三十〜二百七十円。JA秋田駅ビル内と東京・渋谷の同社店舗などで販売。一日当たり十万円の売り上げを見込む。
(日本経済新聞)

○1月27日(木) 米の担い手経営安定対策見直し 災害の異常年に配慮 農水省05年産から
 農水省は26日、米価下落時に収入補てんする担い手経営安定対策を2005年産米から運用改善する方針を固めた。担経の発動基準を「直近3年の平均収入」とした現行ルールを弾力化し、@台風被害が深刻な県は04年産を除く過去2年で算定できるA作況指数が全国平均より10ポイント以上下がった年が2回以上ある場合、それらを除いた直近の3年で算定できるが柱。04年産で北海道が担経の補てんを受けられないことなどを考慮し、発動基準を平年作ベースに近づける。稲作所得基盤確保対策も同じ扱いにする。今後、関係団体と最終調整して決める。担経は、大規模農家などを対象にした収入補てん策。加入者数が最も多い北海道で発動されないことがほぼ確定し、農家から「補てん制度が機能しない」との不満の声が高まっていた。その原因は発動基準が大幅に下がったことだ。直近3年のうち、02年産(作況指数91)、03年産(同73)はいずれも大不作。そのあおりで基準収入は10アール当たり11万9420円。これを米60キロ当たりに換算すると、1万1000円程度となる。同省の試算では、北海道の05年産はさらに発動基準が下がり、米価が同9500円程度まで下がらなければ、補てんを受けられない見通しだ。こうしたケースは相次ぐ台風被害で04年産の作況が悪かった熊本(77)、や佐賀(80)、秋田(85)などの場合も発生する。現行ルールで05年産の基準収入を算定すると、米価が同1万3000円程度まで下がらなければ発動しない。このため同省は、災害による異常年を除いた2年(02年産、03年産)で算定できるように担経の運用を改善。この見直しで、都道府県では米価が1万5000〜1万6000円程度なら発動する。2度の大不作年を抱える北海度の場合は、都道府県と同じ運用見直しではまだ発動が難しいため。2年とも算定から外す特例を講じる。これで同1万4000円低に発動基準が引き上げられる見込みだ。
(日本農業新聞)

○1月27日(木) 0.9%安の1万5443円 落札率は上昇 04年産米入札
 全国米穀取引・価格形成センターが26日に行った2004年産米の入札取引は、全銘柄の平均落札価格が、前回(昨年12月)に比べ0・9%安の1万5443円となった。例年、1月は販売が鈍る時期だが、同時期の取引としては過去最安値。流通業者の在庫問題や新米の販売不振などの弱材料が加わり、値下がり傾向に歯止めがかからなかった。全国から70銘柄、3万9000トンが上場。緩和基調の需給情勢をにらんで、売り手側は上場量を、前年同期の半分まで絞ったが、不落札が3200トン出た。しかし、落札率は前回の79%から92%に上がった。値上がり銘柄は新潟・岩船「コシヒカリ」や福岡「夢つくし」など少数で、ほぼ半分が前回並みの価格を付け、残り半分が値下がりした。岩手「あきたこまち」が前回比900円安、栃木「コシヒカリ」が707円安などとなった。入札に初登場した埼玉「コシヒカリ」は1万4300円の初値を付けた。今回の価格は、不作だった03年産と比べると30%安、02年産と比べると2・1%安。
(日本農業新聞)

○1月28日(金) 「売れる米」に総力 福島で改革実践強化推進大会
 水田農業構造改革実践強化推進大会が27日、福島市で開かれた。環境に優しい「売れる米づくり」の推進、集落営農組織の育成と法人化の促進などを申し合わせ、本県水田農業の再構築のため関係者が総力を挙げて取り組むことを確認した。JA福島中央会水田農業産地づくり対策など推進会議などの主催。「ビジョン実践強化運動の実践」「水田農業改革アクションプログラムの推進強化」取り組み情勢を報告した。「売れる米づくり戦略と環境保全米運動の取組み」と題して、JAみやぎ登米の阿部長壽組合長が講演。環境保全米運動の展開を通じて、売り切れる米づくり産地の取り組みなど先進事例を学んだ。水田農業改革アクションプログラムの推進として、@環境に優しい「売れる米づくり」A水稲直播(ちょくは)栽培B米飯給食の導入拡大C認定農業者数の5割アップ。地域水田農業ビジョンの実践として@ビジョンの点検・見直しA集落営農組織の育成と法人化の促進B「ふくしま米」のブランド確立などを申し合わせた。
(日本農業新聞)

○1月28日(金) すっきりした味に磨き 新もちモチ酒発売 JAいわて中央
 JAいわて中央はこのほど、2004年産もち米を使った新もちモチ酒の販売を開始した。甘みのあるすっきり感ともち米独特の香りの良さが生かされ、より味に磨きがかかっていると好評だ。日本一のもち米生産量を誇る同JAでは、特徴ある商品の開発ともち米の消費拡大のため、紫波町の造り酒屋、月の輪酒造店に醸造を委託。もち米を使って日本酒を造るのは、もち米特有の粘りがあるため現在の工程では難しく、蒸したもち米を冷ましたり、酒を搾る作業などは昔ながらの手作業で行われた。販売を開始した新もちモチ酒は、昨年11月中旬に仕込み作業を行った。使われたもち米は、同町産の減農薬栽培された「ヒメノモチ」と減農薬・減化学肥料栽培の特別栽培米「もち美人」。横沢大造店主は「少量をおいしく飲みたい方や女性にもお勧めしたい」と太鼓判だ。新もちモチ酒は、透明な辛口と濁り酒の甘口の2タイプ。販売は、JAいわて中央のサン・フレッシュ都南店、飯岡駅前店、羽場店、盛岡大通店の各店で、それそれ720ミリリットル入り1本1575円で限定販売する。問い合わせは同JA生活店舗課、(電)019(637)6801。
(日本農業新聞)

○1月29日(土) 品薄感広がり続伸 大豆入札1万5253円、最高値更新
 日本特産農産物協会は28日、2004年産大豆の1月入札取引の結果を発表した。落札平均価格は12月の入札に比べ9%高の60キロ1万5253円(税込み、前年同期比76%高)で、最高値を更新した。品薄感が広がっており、引き続き数量確保のための動きが強かったとみられる。ほぼ予定通りの9355トンが上場されたが、価格の安定にはつながらなかった。1月の入札は12日と26日の2回行われた。普通大豆の入札数量は6576トンで全量落札された。落札価格(以下税別)は菓子など特殊用途の北海道・大粒「音更大袖振」が2万1598円(前回上場なし)と全銘柄中の最高値となった。このほか、同・中粒「音更大袖振」、岡山・大粒「サチユタカ」も2万円台となった。03年産で一時高騰した、納豆用の北海道「スズマル」は小粒、極小粒とも1万5000円台の比較的落ち着いた価格に収まった。主要銘柄では宮城・大粒「タンレイ」が前年比20%高の1万3791円、茨城・大粒「タチナガハ」が同6%高の1万3779円、新潟・大粒「エンレイ」が同10%高の1万4982円、福岡・中粒「フクユタカ」が同19%高の1万6586円など、ほとんどが前月の価格を上回った。売り手のJA全農・全集連は1万トン近い大量上場で、価格の安定を狙ったが、相場はさらに高騰した。上場数量に対する平均の入札倍率は12倍近くになっているもよう。ある問屋は「品薄感が広がっている。国産を使い続けているメーカーのために各社とも数量確保に、懸命なのではないか」とみる。2月2日には大豆情報委員会が開かれ、全農・全集連の集荷見込み数量が発表される予定。
(日本農業新聞)

○1月29日(土) 「限定純情米」へ全力 生産強化で方策協議 岩手・JAいわい東
 JAいわい東はこのほど、「いわい東米」の販売経過や2005年産米の販売方策を協議するため、大東町で稲作代表者会議を開いた。会議には稲作生産組織代表や県、JA全農いわてなど27人が出席した。「限定純情米」の生産に向け、生産者と関係機関が一体となって取り組んでいくことを確認した。04年産米の取り組み実績は、買い入れ検査実績23万6378袋(1袋30キロ)となり105・5%、1等比率は94・4%。使用農薬成分を11成分以内とした「いわい東米」は、「特別栽培米」「限定純情米」と合わせ、全体の83・3%となった。販売面では、「いわい東米」の取り組みが消費地で評価され、「12月末で約7割の米の結び付きがされている」と全農いわての菊池勝集荷推進課長が報告した。05年産「いわい東米」栽培に向けた取り組みでは、使用農薬成分を10成分以内とした「限定純情米」への栽培暦が提示され、関係者が一丸となって取り組むとした。
(日本農業新聞)

○1月30日(日) 最古の栽培米発見 稲作起源に手掛かり 中国
 中国湖南省考古研究所はこのほど、同省道県の玉蟾岩遺跡から発見された炭化した米粒が、1万2000年前に稲作栽培が行われていた際のものであると明らかにした。同研究所の袁家栄所長は「世界最古の稲作栽培の標本で、農業起源研究の重要な手掛かりだ」と指摘した。国営新華社通信が28日伝えた。玉蟾岩遺跡では1993年と95年、発掘調査が行われ、稲のもみ殻が発見されたが、栽培種か野生種か明確でなかった。今回新たに出土した米粒が稲作栽培によるものと認定されたことで、日本に伝わったとみられる稲作の起源が同遺跡を含めた長江中流域に存在する可能性が強まった。同遺跡では昨年11月、炭化した米粒6つと陶器片が出土、米粒は陶器片よりも下側の地層から見つかり、地面から約1メートル以上の深さに埋まっていた。旧石器時代から新石器時代に移行する過渡期の栽培稲で、1万2000年前よりもさらに古いものの可能性もあるとしている。今回の調査には同研究所のほか、北京大、米ハーバード大人類学系なども加わった。90年代の調査では、このほか、石器や動物の骨なども発見されている。
(日本農業新聞)


 
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