水稲冷害研究チーム
2005年東北稲作動向
本情報は新聞記事等から得られる東北地域の稲作概況をお知らせするものです.
稲作の動向と冷害関連記事に注目して,概況を追跡します.
なお,記事の収集については東北農業研究センター情報資料課田中課長さんにご協力をいただいています.
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○8月1日(月) カメムシ防除徹底を 秋田県農業試験場
斑点米カメムシ類は登熟中のもみの汁を吸い、玄米に斑点状の着色を残す。発生が多くなると等級低下を引き起こすことから、最も防除の必要な害虫である。県内に広く分布し、最も大きな被害をもたらす「アカヒゲホソミドリカスミカメ」は、水田周辺のイネ科雑草で繁殖する。成虫は、イネが出穂し始めると水田に侵入し、イネに産卵するため、後に幼虫が発生、主に玄米の側部に斑点をつくる。今年は七月十四日付で注意報が発令され、被害の発生が懸念されていることから、次の方法により、必ず防除を実施してほしい。@防除効果が高いスタークル/アルバリン剤やダントツ剤は、出穂期十日ごろに一回散布する。Aこれら以外の薬剤の場合は、出穂期七−十日後と二十四日後ごろの二回散布が効果的。B粒剤で防除を行う場合は、三〜五センチの湛水(たんすい)状態とし、出穂期七〜十日後に散布する。カメムシの水田への侵入を促す恐れがあることから、出穂後は畦畔(けいはん)などの草刈りは行わないことが望ましい。やむを得ず行う場合、@、Aの薬剤散布直後に行う。Bの粒剤はアカヒゲホソミドリカスミカメの成虫に対する殺虫効果が劣るため、散布後でも草刈りは行わないようにする。今年の出穂期はやや早まる見込み。早めに薬剤を準備し、適期防除に努めてほしい。
(秋田魁新報)
○8月1日(月) 「つがるロマン」ようやく走り穂 青森・弘前市藤代地区
弘前市北部の水田地帯・藤代地区で、県産米主力の一つ「つがるロマン」の走り穂が出始めた。県がまとめた生育状況(七月二十日現在)によると、津軽地域の「つがるロマン」は低温の影響などで平年より三〜五日遅れており、農家からは好天に期待する声が上がっている。走り穂が出始めたのは、同市藤代一丁目の農家福士長五郎さんの水田。種まきは四月十三日、田植えは五月十八日だった。春先の低温による生育遅れは六月下旬の好天で回復したが「七月初めに気温が下がり、走り穂は去年より五日遅れてしまった」と、やや心配顔だ。藤代地区で本格的に水稲の穂が出そろうまでには一週間ほど掛かる見通し。福士さんは「天候も心配だが、いもち病もあちこちで出ているようだ。病害虫にも用心しなければ」と話していた。
(東奥日報)
○8月2日(火) 北日本7月は低温 太平洋側で顕著 気象庁まとめ
気象庁は1日、7月の天候を発表した。オホーツク海高気圧の影響と台風7号の通過後に寒気が流れ込んだため、北日本は低温となった。特に、北海道から東北地方の太平洋側では、月平均気温が平年を1度以上下回るところが多かった。東日本と西日本は月前半の平均気温は平年を下回ったが、後半に入って太平洋高気圧が強まり、気温が上昇。月平均では平年並みだった。降水量は、北日本から東日本にかけての太平洋側と西日本で多かった。南西諸島では地域差が大きく、鹿児島県沖永良部や沖縄県久米島では7月の降水量の最小値を更新。一方、沖縄県与那国島では月降水量が平年の300%以上となり、最大値を更新した。
(日本農業新聞)
○8月3日(水) こだわり米へ取り組み強化 宮城・角田地区生産組合協が総会
角田地区こだわり米生産組合協議会は7月28日、JAみやぎ仙南で、第1回の総会を開き、2005年度事業方針など2つの議案を審議し原案通り承認した。「健康で元気な土づくりを推進し、向上と農薬に頼らない農業を展開しよう」「消費者に求められる安全∞安心∞おいしい∞正直≠ネ取り組みを展開しよう」など4つのスローガンを採択。こだわり米への取り組み強化と一層の品質向上を誓った。総会後には他産地品種の米とこだわり米の食べ比べが行われた。赤、青、緑のシールを張った皿に品種名を伏せて同地区こだわり米を含む3品種のご飯を盛り、どれが自分たちの産地の米であるか、クイズ形式で検討が行われた。
(日本農業新聞)
○8月3日(水) 東北南部 既に真夏気分 で、梅雨明け まだなの?
夏祭りシーズンが最盛期を迎えたのに、東北地方で梅雨が一向に明けない。梅雨明けが特定できなかった年を除くと、八月までずれ込んだのは三度目。七月下旬以降、仙台の天気は既に梅雨明けした東京とほとんど変わらないが、気象台が台風や前線の影響を心配し、「宣言」に踏み切れなかったようだ。ただ、真夏を実感させる太平洋高気圧が勢力を増しており、待ち望んだ梅雨明けがようやく秒読み段階に入ったのは確かだ。関東や西日本が一気に梅雨明けした七月十八日以降の東北の天気は南部は前半こそぐずついたが、台風7号が通過した二十七日以降は晴れて暑い日が多い。東京や二十三日に梅雨明けした北陸の金沢とほぼ同じ空模様だ。仙台管区気象台によると、梅雨明けは@発表日が70%の地域で降水量が一ミリ未満A発表日から晴天が三日以上続くか、五日のうち四日間晴れることなどを目安に、総合的に判断して決める。管区気象台は関東と同時発表も検討したが、「低温が予想されたため回避した」(予報課)。七月下旬は台風7号が接近し、通過後は山形県の沿岸部に雨が残り、見送った。ここ数日は日差し、気温とも真夏到来を感じさせるが、日本海側にある前線の影響で湿った空気が入り込み、「梅雨明けにはふさわしくない」と判断したという。東北南部で最も梅雨明けが遅かったのは一九八七年の八月九日で、二番目は八二年の同七日だった。太平洋高気圧が張り出しており、「早ければ三日の発表もある」と予報課の担当者。
(河北新報)
○8月4日(木) やっと梅雨明け 観測史上3番目の遅さ 東北南部
気象庁は3日、東北地方南部が梅雨明けしたと発表した。平年に比べ11日遅く、1951年の観測開始以来、3番目に遅い梅雨明けとなった。一方、東北北部はサハリン付近に停滞した梅雨前線が雨を降らせているため、「北部の梅雨明けは早くても2、3日後」(同庁)とみている。東北南部は平年は7月23日、北部は同27日に梅雨明けする。東北で梅雨明けが遅れたのは、太平洋高気圧の勢力が弱く梅雨前線の停滞が長引いたため。7月下旬に台風7号が本州東側を通過し、東北を中心に大雨になったのも梅雨明けが遅れた原因となった。梅雨前線は現在、サハリン付近から日本海へと伸びており、前線南側に位置する北海道と東北北部に雨を降らせている。この前線の活動が弱まるか、太平洋高気圧が勢力を増して前線を北へ押し上げれば、東北北部も梅雨明けとなる。北海道と東北は、高気圧の勢力が弱かったため、北から寒気が入りやすく低温傾向が続いていた。同庁は「この先1カ月は高気圧の勢力が増すので、北日本の気温は平年並みか高めになる」と予測している。
(日本農業新聞)
○8月4日(木) 斑点米カメムシ 県内で多発傾向 青森県、防除を呼び掛け
水稲の害虫である斑点米カメムシ(アカヒゲホソミドリカスミカメ)の発生量が、県内全域でやや多くなっている、県は、病害虫発生予察注意報を出し、穂ぞろい期とその七〜十日後の防除を徹底するよう呼び掛けている。県によると、黒石市にある県予察ほでの畦畔(けいはん)すくい取り調査では、すくい取り数が平年より多く、地区ほでも多めとなっている。七月下旬の巡回調査では、畦畔での発生地点率が平年より高かった。今後、雑草地などで増殖し、水田への飛来侵入量が多くなると予想されている。県は防除対策として@水田だけでなく畦畔上や水田周辺の雑草地にも薬剤散布するA出穂期間近の草刈りは、カメムシ類を水田に追い立てるので行わないなどを挙げている。
(東奥日報)
○8月5日(金) 05年産米作況 平年並み予想 民間調査会社
民間調査会社・米穀データバンクは4日、2005年産米の収穫予想(7月31日現在)を発表した。7月までの気象データを基に推測したもので、全国平均の作況指数は100と「平年並み」を予想した。全国の収穫予想量は889万トン(水稲・陸稲合計)で、作況が98だった前年産より16万トン増えるとみている。10アール当たり予想収量は02年産と同水準で過去4番目となる527キロ(前年産比2・5%増)、予想作付面積は168万8000ヘクタール(0・8%減)。低温や日照不足の影響で東北や鳥取以西の15県は作況指数95〜98の「やや不良」と見込んだ。作況指数が102〜105の「やや良」と予想するのが北海道や茨城など17都道府県。
(日本農業新聞)
○8月5日(金) 作物管理に注意を 青森・秋田に高温情報
東北各地で真夏日を記録した4日、青森、秋田、宮城、福島の各地方気象台は高温に関する気象情報を発表した。ここ数日は最高気温が35度前後となるほか、最低気温も平年より3〜4度高い状態になることから、熱中症に十分注意が必要。また、高温の影響を受けやすい農作物や家畜の温度管理にも注意するよう呼び掛けた。
(日本農業新聞)
○8月5日(金) 東北北部も梅雨明け
気象庁は4日、東北北部が梅雨明けしたと発表した。平年に比べ8日遅い。これで、すべての地域で梅雨明けした。気象庁によると、サハリン付近に停滞していた梅雨前線の活動が弱まったため、青森と岩手、秋田で梅雨明けとなった。東北北部は、太平洋高気圧に覆われ、青森市や盛岡市、秋田市などで最高気温が30度を超える真夏日となった。
(日本農業新聞)
○8月5日(金) 今年の梅雨 「南長北短」でした 東北地方
東北地方は四日、北部の梅雨明け宣言で、夏本番を迎えた。今年の梅雨は南部の五十日間に対し、北部は三十九日間と南北差がくっきり。降水量は平年を上回った所が多いが、南部の内陸部は平年を下回るなど、ばらつきが目立った。南部の梅雨入りは六月十五日(平年六月十日ごろ)。明けたのは八月三日(平年七月二十三日ごろ)で、平年に比べて五日間長い。梅雨入りが六月二十七日(平年六月十二日)にずれ込んだ北部は、明けたのも平年(七月二十七日ごろ)より八日遅れたが、期間としては七日間短かった。降水量は北部が全般的に平年を上回り、青森一四六・五ミリ(平年一二六・〇ミリ)秋田二六八・五ミリ(二一八・二ミリ)など。盛岡は三五一・五ミリと平年(二〇一・九ミリ)の約一・七倍に達した。南部は酒田三四九・〇ミリ(二八四・〇ミリ)仙台二八九・五ミリ(二六二・八ミリ)と沿岸部が多め。半面、内陸は山形一六七・五ミリ(二二二・八ミリ)福島一五六・〇ミリ(二三七・九ミリ)会津若松一五三・〇ミリ(二五四・七ミリ)で、少雨傾向だった。仙台管区気象台によると、北部で梅雨入りが遅れたのは、南部まで北上した梅雨前線がいったん南下したため。「太平洋高気圧の勢力が弱く、前線を十分押し上げられなかった。その前線も途切れ途切れで、降雨に地域差が生じた」という。
(河北新報)
○8月6日(土) 東北と北陸 高温対策呼び掛け
東北・北陸地方で高温が続き、水稲で品質低下、野菜で発芽不良が心配されている。このため各県の関係機関は、水田の水管理や畜舎の暑熱対策の徹底を呼び掛けている。気象庁によると東北は数日間、北陸では今後1週間、この状態が続く見込みだ。東北地方は7月が低温で、水稲などの生育遅れが懸念されていた。しかし、梅雨明け後は一転。福島市で5日、最高気温36・1度を観測するなど、平年より3度前後高い。生育遅れは解消したが、今後は高温障害への心配が出始めている。石川県は羽咋市で5日、最高気温35度と平年より5度以上も高くなった。県は、多めに水を入れることで水田の温度を下げ、根の活力を維持するよう呼び掛けている。気象庁は農作物や畜舎の温度管理のほか、「屋内作業でも熱中症になる恐れがある」と注意を促している。
(日本農業新聞)
○8月6日(土) 東北地方 出穂8〜10日ピーク 猛暑で水稲生育進む
東北地方の水稲は、ここ数日の猛暑で生育が進んでいる。岩手、宮城の出穂期は8〜10日がピークで、やや遅れを取り戻した。秋田は3日ごろ、山形は6日で平年並み。ただ、病害虫についてはカメムシ類の発生が平年より多いため、出穂の後の管理が重要だ。
■太平洋側で遅れ
岩手県は5日、「県全体で13%が出穂し、出穂始期に達している」と発表。平年に比べ1、2日の遅れでほぼ平年並みに戻った。宮城県が発表した5日現在の出穂状況も、県全体で13%。出穂ピークは8日とみる「ここ数日の暑さで出穂が早まった」(農産園芸課)。青森県では主力の「つがるロマン」が津軽地方で8〜10日を予想したが「この暑さで出穂は早まるだろう」(県農産園芸課)と話している。
■平年並みに推移
「平年より1、2日早まっている」は秋田。順調に生育し、3日には出穂したとみている。平年に比べ1日早い。山形は草丈・茎数とも平年並み。一時期低温だったが、その後回復した。出穂は、平坦部の「はえぬき」が6日で平年同様の予想。福島は低温の影響を受けた浜通りで草丈がやや短いものの、ほかは平年並みの生育。「コシヒカリ」の出穂は、生育が進んでいる会津が平年より3〜5日遅く16〜18日と予想している。
■カメムシに注意
カメムシ類の発生については宮城で7月26日に警報を発表、福島を除く各県が注意報を出し、岩手は2回出している。宮城県農産園芸課は「水田周辺の草刈りをすると水稲にカメムシが移るので、これからの草刈りはしないように」と注意を促す。岩手では出穂部分にカメムシが確認されており「穂が出そろったら防除の徹底を」と県は呼び掛けている。いもち病の発生は見られるものの、晴天が続いているため発生量は少ない(秋田、岩手)が、「早期発見と防除に努めてほしい」(青森)。一方、高温傾向について「出穂後に日中の気温が30度以上、夜間25度以上が連続すると品質低下につながる。根の活力を維持するためにかけ流しの徹底を」と宮城県では呼び掛ける。
(日本農業新聞)
○8月6日(土) 出穂おおむね順調 岩手県内水稲
県は五日、同日現在の県内水稲の出水状況を発表した。出水は県全体の水田の13%と平年より一、二日遅れだが、ここ数日の好天で、県は「平年並みまで回復するだろう」としている。各農業改良普及センターの調べでは、いわてっこなどの早生品種を作付けている北上川上流が27%、北部24%と進んでいる。そのほかは、東南部16%、下閉伊11%、北上川下流6%だった。県南を中心とする主力のひとめぼれは、来週から出穂期を迎えるとみられ、県全体でも来週半ばに出穂盛期(50%出穂)に達するとみられる。盛岡市内では、真夏の暑さの中で早くも稲の花が咲き始め、出穂を迎えている水田も見られた。減数分裂期に当たる七月中旬ごろの低温で生育が心配されたが、現時点で大きな影響は出ておらず、県農産園芸課は「最終的な収穫量もほぼ平年並みとなるのではないか」と期待している。
(岩手日報)
○8月7日(日) 東北を中心に今夏一の暑さ 群馬・館林で37・1度
猛暑続きの日本列島は六日も、太平洋高気圧に覆われて厳しい暑さとなり、群馬県館林市で三七・一度を記録したほか、東北を中心に今夏一番の暑さとなるところが相次いだ。気象庁の観測によると、伊勢崎(群馬)で三六・八度、喜多方(福島)で三六・六度、熊谷(埼玉)で三六・五度と、ほぼ体温と同じ程度まで気温が上がった。今夏で一番の暑さとなったのは、帯広(北海道)三五・四度、盛岡三五・五度、山形三六・四度、新庄(山形)三五・六度、若松(福島)三六・七度、金沢三五・〇度。七日も全国的に猛暑が続くという。
(日本経済新聞)
○8月9日(火) 水稲のカメムシ一斉調査 今週中に警報発表か 岩手
岩手県病害虫防除所は8日、紫波町で水稲の斑点米カメムシ類の一斉調査を行った。その結果、「警報」の恐れとなる数が確認され、穂ぞろい期にかけての徹底した薬剤防除を呼び掛けている。調査は9日も行われ、早ければ今週中に警報が発表される見通し。すくい取り調査は、網を1度に20回すくって行う。畦畔(けいはん)、出穂直後の本田、出穂1週間の本田の3条件で実施。本田でアカスジカスミカメ、アカヒゲホソミドリカスミカメが2〜4匹確認された。調査を行った飯村茂之病害虫防除課長は「出穂期になり、畦畔から本田への移動がみられる」とし「昨年より確実に増えている。薬剤防除は、発生が特に多い所は畦畔を含め、穂ぞろい期とその7〜10日後の2回必要」と徹底防除を呼び掛けた。また本田内にノビエ、イヌホタルイ、シズイなど新しい雑草が増え、カメムシの発生源となっていると、注意を促した。7月29日に発表した注意報では、発生圃場率は県内で67・4%と高く、胆江、花巻、盛岡地方で目立っている。
(日本農業新聞)
○8月10日(水) 売れるもち米作ろう 契約栽培など協議 岩手で初の全国会議
岩手県では初めての開催となる全国もち米主生産団地会議が5日、紫波町のJAいわてで開かれた。北海道から九州までのもち米団地の担当者ら40人が出席し、今後の契約栽培などについて方向性を協議した。会議は今年で5回目、昨年は北海道で開いた。長澤壽一JA組合長は「管内の水田ではちょうど今、ヒメノモチが出穂の最盛期を迎えている。皆さんからの意見をちょうだいし、今後の励みにしたい」と歓迎あいさつ。JAの担当者が、作付け開始から現在までの31年間の経過を報告した。出席者からは、もち米部会の取り組みなど具体的対策について質問が出され、活発な意見交換が行われた。意見交換後、JA紫波支所の農業倉庫や「ヒメノモチ」作付け発祥の地、紫波町赤石の水田を視察。「ヒメノモチ」と「もち美人」が隣り合わせに作付けされており、品種ごとの出穂時期の違いなど稲を触りながらじかに確認していた。JAでは1974年に売れる米生産のために米の作付けを始めた。80年に全農からもち米団体の指定を受け、現在は1655戸の農家が作付けしている。
(日本農業新聞)
○8月10日(水) 出穂始期2日遅れ 一部地域で盛期に 青森県内水稲
県「攻めの農林水産業」推進本部は九日、県内の水稲の出穂進ちょく状況を発表した。県全体の「出穂始期」(出穂期面積割合が5%に達した日)は今月五日で、平年(過去十カ年平均)に比べて、二日遅かった。既に一部地域では「出穂盛期」(出穂期面積割合が50%に達した日)日に到達しており、中南と西北が平年より一日遅い七日、上北が平年と同じ九日だった。県内の水稲の生育は、田植えの遅れや、低温が長引いた影響により平年より遅いペースで経過していたが、今月に入り、最高気温三〇度を超す猛暑が連日続いたことから生育が進んだ。同本部の担当者は「ようやく平年並みまで追い付いた」とホッとした表情を見せていた。地域別の始期は、早い順に中南が四日(平年比一日遅れ)、西北が五日(二日遅れ)、三八も五日(同)、上北が六日(一日遅れ)、東青が七日(二日遅れ)、下北も七日(三日遅れ)だった。県は十日、県内一斉の出穂状況調査を行って、各地域の出穂期面積割合を調べ、十一日に公表する。
(東奥日報)
○8月10日(水) ばか苗病で採種断念 他県に提供依頼へ 秋田県原種圃場
県が県産米の原種を生産している大潟村の圃場周辺で「ばか苗病」の発生が確認されたため、県は九日、原種圃の水稲にも感染している可能性があるとして、本年産の種子を原種として使用しない方針を決めた。県では、他県から原種を取り寄せることにし、近く交渉に入る。原種をめぐっては、昨年ひとめぼれに異品種が混入していたことが発覚し、他県から原種を提供してもらった経験があり、二年連続で原種を他県に頼ることになる。病害により、原種圃の採種を断念したのは初めて。県はきょう十日、「主要農作物種子法」に基づき、圃場審査を行う。
県は、県産米の原種のほぼすべてを、大潟村の約十三ヘクタールで生産。県農業公社に作業委託している。内訳は、あきたこまち七・六八ヘクタール、ひとめぼれ一・七一ヘクタール、めんこいな一・一四ヘクタールで、このほか、たかねみのり、キヨニシキ、きぬのはだ(もち米)なども生産している。県が原種圃近くの一般農家の圃場でばか苗病を確認したのは七月下旬。県秋田地域振興局の職員が定期巡回で発見した。県の水稲採種圃病害虫防除基準では、圃場周辺の半径五百メートル以内でばか苗病の病株が確認され、感染が防げないと判断した場合は採種圃の種子を使わないと定めている。県では、周辺圃場でのばか苗病の確認が出穂後だったことから、防除は不可能と判断。感染の可能性もあるとして、同基準に沿って、原種圃の種子の採種圃農家への提供を断念した。県水田総合利用課は「原種圃の水稲自体は順調に育っているだけに残念。しかし、感染の可能性のある種子を原種として使用することは、県産米の信用失墜にもつながる。農家に不安を与えないためにも、使用を断念した。採種する予定だった二十八トンについては、他県からの提供をお願いしていきたい」と話している。ただ、あきたこまち、ひとめぼれは他県でも広く栽培され、原種の生産は行われているが、本県が開発しためんこいなは、十三年から本格的な栽培が始まったばかりで、他県ではほとんど栽培されていないため、取り寄せは厳しいと予想される。
本県の水稲の種子生産は、県農業試験場の圃場(四十アール)で原原種を生産、これを基に翌年、大潟村の圃場で原種を一括生産。翌々年、県内の優良農家に委託した指定採種圃(十三カ所、約七百ヘクタール)で農家に提供する種子を栽培する。このため、今回の原種の採種断念により、農家に影響が出るのは再来年春となる。同課によると、ばか苗病はここ数年、県内圃場で増加傾向にある。背景には無農薬・減農薬などの有機米の栽培の広がりがある。有機米栽培農家では、種子の消毒に薬剤を使わず、温湯のみで行っているケースが目立つ。このため消毒が不十分なまま植え付けられ、病気を誘発する一因ともなっている。原種圃や採種圃周辺でばか苗病が確認された場合、感染を防ぐために、病気に侵された稲を抜き取らせてもらえるよう圃場の所有農家と交渉するが、病気のコメも主食として出荷することは可能なことから、減収を嫌がって拒絶する農家が多いという。
■ばか苗病 種子伝染性病害。病菌がもみの中に入って伝染する。感染した苗を移植することで、早いもので2週間、一般的には1カ月後に葉や茎が異常に成長する。穂ばらみ期には立ち枯れる。葉の表面に付着した病菌が飛散することで、周辺の水稲に伝染する。
(秋田魁新報)
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○8月11日(木) カメムシで警報 岩手
岩手県は10日、斑点米カメムシ類の発生が過去10年間でもっとも多いため、斑点米が多発する恐れがあると、警報を発令した。防除対策として、水田近くにイタリアングラスなど牧草地があったり、畦畔(けいはん)や農道にイネ科の雑草が生えていると、カスミカメムシ類の発生が多くなるため、穂ぞろい期と、その7〜10日後の2回の防除をする。水田内にノビエ、イヌホタルイ、シズなどが多発している場合も同様に行う。水稲が穂ぞろい期になった地域はただちに防除する。
(日本農業新聞)
○8月12日(金) 斑点米カメムシ警戒 防除徹底を 2県で警報
全国で斑点米カメムシ類の病害虫発生警報が11日時点で2件(2県)、注意報が21件(19府県)発令され、各産地は防除に全力を挙げている。発生の温床となる畦畔(けいはん)雑草の除草は有効な対策の一つだが適期を過ぎつつあり、本田の薬剤散布に主眼が移った。等級低下にじかにつながる害虫だけに、産地の指導機関は産米の高品質・安定供給につながる適切な防除を呼び掛けている。農水省は11日に発表した病害虫発生予報6号で、斑点米カメムシ類の発生が多めと予想し、あらためて適期の薬剤散布を産地に呼び掛けた。出穂期を迎えた地域では、畦畔の除草は害虫を水田に追い込むとして、避けるように注意を促した。警報は10日に岩手県で出され、7月下旬の宮城県と合わせ2県になった。岩手県では今月上旬の水田での発生が過去10年で最も多かった。宮城県では7月上旬から過去5年の平均を大きく上回った。ともに米主産県として、防除の徹底で質と量を確保する構えだ。全国の発生面積は1999年約53万ヘクタール、2000年に約63万ヘクタールとなってから、高水準が続く。全国的に生息密度が高まっているとみられる中で、昨年が猛暑で多発。今年は「4月以降の雨が少なく気温も高く、害虫が発生しやすい気象条件にある」(農水省植物防疫課)ことから、多発傾向につながっているもようだ。米どころの新潟県病害虫防除所は、農家に適切な防除を呼び掛けるのと併せて、線路脇などの雑草の刈り取りを関係機関に要請。「少しでも発生すると格落ちになる」と、高品質生産を目指す。
斑点米カメムシ類 稲穂の汁を吸って玄米に斑点を作り品質を落とす。越冬地となる森林や雑草地に接する水田で多発しやすい。イネ科植物の穂を吸うため、畦畔に生えるイネ科雑草や転作田に導入した牧草が温床となりやすい。
(日本農業新聞)
○8月12日(金) 多発するカメムシ 牧草地や休耕田 格好のすみかに 草刈りと防除を
斑点米カメムシ類の発生が増加傾向にある東北地方。宮城は2002年から多発し、岩手では今夏の発生数が過去10年で最も多い。両県とも2年連続で警報を出した。増えた理由とこれからの対策を探った。被害をもたらすのは、アカスジカスミカメやアカヒゲホソミドリカスミカメなどのカスミカメムシ類。増えた理由は明らかではないが、イタリアンライグラスなど転作で栽培する飼料作物と休耕田が増えたことが挙げられる。宮城県病害虫防除所の高野俊昭所長は「カスミカメムシ類はイネ科の植物を好むため、牧草や休耕田に生える雑草にすみ着いてじわじわと増えたのではないか」と考える。7月中旬、同防除所が雑草地や牧草地ですくい取り調査した結果、カスミカメムシ類は前年同期の1・6倍、過去5年平均の3・4倍に増えていた。
◇水田内も要注意
水田内に生えるノビエ、イヌホタルイ、シズイなどの雑草も要因の一つだ。手作業で取り除くため、完全な防除が難しい。岩手県病害虫防除所の菅広和さんは「先月下旬のすくい取り調査で持ち帰ったイヌホタルイからカメムシを確認した」と話す。イヌホタルイは従来の除草剤に対し耐性ができたため、水田で生き延びてカメムシ類の格好のすみかとなっている。
◇防除の徹底が肝心
カスミカメムシ類は水田の周辺に生息し、必要に応じて、水田に移るため、完全に撲滅することは難しいとされる。高野所長は「今の時期に多く発生する場所では、穂ぞろい期とその後7〜10日までの、合わせて2回の薬剤防除を行うことが大切」と強調する。防除は、出穂10日前までに行う草刈りと穂ぞろい期の防除を徹底して、乗り切ることが肝心だ。
(日本農業新聞)
○8月12日(金) 青森県全体で1日遅れ 下北まだ達せず 水稲出穂盛期
県「攻めの農林水産業」推進本部は十一日、県内の十日現在の水稲出穂状況を発表した。県全体の「出穂盛期」(出穂期面積割合が50%に達した日)は今月八日で、平年(過去十カ年平均)より一日遅かった。県全体の「出穂始期」(出穂期面積割合が5%に達した日)は五日で、平年より二日遅かったが、気温が高い日が続いたことから、盛期到達時点での平年差は一日縮まった。地域別の盛期は、中南が七日(平年比一日遅れ)、西北も七日(同)、上北が九日(平年と同じ)、三八も九日(二日遅れ)、東青は十日(一日遅れ)、上北は七月中旬の幼穂形成期到達日が平年より四−五日遅かったが、その後の好天続きで遅れを取り戻した。中南は平年より一日遅く十日に「出穂終期」(出穂期面積割合が95%に達した日)に到達した。県農産園芸課は、いもち病や斑点米カメムシなど病害虫の適期防除、根腐れを防ぐためきめ細かな水の入れ替えを呼び掛けている。
(東奥日報)
○8月13日(土) 秋田県原種ほ場 ばか苗病で採種断念 岩手など3県に提供依頼
秋田県は12日、県産米の種子を生産している大潟村の原種ほ場での採種を今年は断念し、他県に原種提供を仰いでいることを明らかにした。原種ほ場周辺の水田で、ばか苗病の発生が確認されたため。必要量28トンすべてを他県産でも賄えない見通しだ。県産米の原種は、ほぼすべてを大潟村の約13ヘクタールで生産。品種は「あきたこまち」「ひとめぼれ」「めんこいな」のほか、もち米など7品種で、県農業公社に作業委託している。県が原種ほ場近くの一般水田を巡回し、ばか苗病を確認したのは7月下旬。すでに立ち枯れている苗もあったという。農家に苗の抜き取りを依頼したが、4日には原種圃場が出穂時期を迎えた。県は、ばか苗病菌の飛散による感染が懸念されるとして約13ヘクタールすべてで今年度の採種を断念した。県水稲総合利用課は「原種ほ場の苗は順調に育っているが、ほ場から半径500メートル以内にばか苗病の発生水田がある。菌が飛散した恐れがあり、危険性をはらんでいる以上はやむを得ない」と話している。原種ほ場で生産した種もみは翌年、県内の指定採種ほに提供し一般農家に提供する種子を栽培する。今回の問題で2006年度の指定採種ほに原種を提供できなくなる。提供予定28トンのうち「あきたこまち」23トンは岩手県と福島県に、「ひとめぼれ」3トンは宮城県に提供してもらう予定だ。しかし県独自品種「めんこいな」は難しい。県は「他県も協力していただけると聞いているが、天候などでどうなるかまだ分からない。足りない品種は採種ほの優良種子を提供していく」と言う。
メ モ ばか苗病 菌糸の状態で種もみに入り種子伝染する。感染した苗を移植すると2週間から1カ月で草丈が大きくなり、枯死して胞子を飛散する。防除は種子消毒の徹底。
(日本農業新聞)
○8月13日(土) 水田の天敵 岩手県内カメムシ大量発生 徹底防除呼び掛け
米の品質低下を引き起こす「斑点米カメムシ」の発生率が過去最高を記録し、県内の水田では農家がお盆休み返上で防除作業を行っている。最近の好天続きで稲の生育は順調に推移しているが、高温が逆にカメムシの活動を活発化させている。わずかな斑点でも著しい品質低下に直結するだけに、関係機関は被害の発生前に、徹底した防除を呼び掛けている。カメムシの大量発生の原因は、幼虫から成虫になる六月ごろに高温が続き、増殖したためとみられている。出穂期を迎えカメムシが実際に害を加え始める今月に入ってからの高温も、カメムシをさらに増殖させ、活動の活発化を招いている。県が県内二百圃場で行った調査によると、カスミカメムシの発生圃場は49%と平年の21%を大きく上回り過去最高を記録。特に内陸部の米どころでの発生が目立っており十日付けで警報を出し、農薬防除を呼び掛けた。警報は二〇〇〇年と〇四年に次いで三度目となる。穂が出そろった各地の水田では十二日、あちらこちらで防除作業をする姿がみられた。県産米の一等米比率は以前は毎年90%以上を維持し全国でもトップクラスだったが、数年前から相次ぐカメムシ被害で90%を割り込んでいる。今年は発生率が高く、大幅な品質低下も懸念される。県内では減農薬・減化学肥料の特別栽培に取り組む地域が多い。通常はこの時期のカメムシ防除の農薬使用は一回だけだが、発生の程度に応じて追加防除が必要という。県農業普及技術課の中南博技術副主幹は「被害が大きい場合は、農協と調製して特別栽培から外してでも防除を徹底してほしい」とし、「最近の好天で生育も早まっており、適期防除が必要だ」と呼び掛ける。
■斑点米カメムシ 稲に害を与えるカメムシの総称。本県で発生しているのは主に体長4・5〜6ミリのカスミカメムシ類。雑草地などに隣接する水田で多発しやすい。実ったもみから養分を吸い取り、その後の玄米が斑点のように黒褐色になる。品質への影響は深刻で、等級検査では千粒に対し斑点米が2粒以上混入するだけで、1等から2等に落ちる。
(岩手日報)
○8月14日(日) 秋田県が水稲原種採種断念 問われる危機管理 対策徹底へ走る緊張感
秋田県が県産米の原種を生産している大潟村の圃場(ほじょう)周辺でばか苗病が発生し、原種圃場での採種を断念した問題で、東北各県に緊張感が走っている。周辺圃場も含めた管理の大切さをあらためて認識したもようだ。周辺で発病した場合の危機管理が問われている。宮城県は「周辺圃場での発生を防ぐことが一番大切」と考えている。育苗の段階から発病しない取り組みをしているかを周辺農家に確認することも想定する。ばか苗病は水田で枯れた苗から菌が飛散して、周辺の水稲に伝染する。秋田県は「原種圃場を完全隔離するのは難しい。出穂前に感染した苗を抜き取れば問題はないが…」とするが、周辺農家に協力を求めるにも限界感がある。県内4カ所で原種を栽培する福島県も事前に防ぐことが先決と考えるが、「原種圃に影響した場合は、1年間備蓄している原種を採種農家に提供することも想定している」(農林水産部)。県内すべての原種を栽培する岩手県農業研究センターでは、発病しないよう日ごろから栽培管理を徹底している。「育苗段階を含め、周辺農家の水田もきちんと観察している」と注意を払っている。今回の問題を受けて秋田県は「周辺農家には原種を栽培している圃場であることを理解してもらい、種子消毒の徹底と苗の抜き取りに協力を仰いでいきたい」(水田総合利用課)と話している。
(日本農業新聞)
○8月18日(木) カメムシを一斉防除 岩手・一関市の農家組合
10年連続「特A」を獲得し、優良米生産に励むJAいわて南管内の一関市真滝6区農家組合は17日、同市狐禅寺藤の沢地区の水田50ヘクタールで無人ヘリコプターによるカメムシの共同防除を行った。カメムシは等級低下につながる害虫で、個々の散布より一斉防除が効果的と判断、急きょ共同防除に踏み切った。岩手県は10日、カメムシ類の病害虫発生警報を出したが、過去10年間でもっとも多い発生だという。午前5時30分から組合のメンバーや関係者から約20人が、カメムシに効果的な「ダントツ水溶剤」散布の準備作業を行った。JA水稲部会協議会長で組合メンバーの千葉孝夫さんは「等級低下は農家にとっても産地にとってもマイナスだ。何としても食い止めたい。カメムシ防除は良質米の責任産地として当然のことだ」と話し防除に期待する。また、同市真滝12区農家組合でも地区内の水田47ヘクタールで共同防除を行った。同組合は共同防除の優位性に早くから着目し25年ほど前から年1回実施している。
(日本農業新聞)
○8月18日(木) 出穂終期 平年並み13日 好天続き推移順調 青森県内水稲
県「攻めの農林水産業」推進本部は十七日、県内の十五日現在の水稲出穂進ちょく状況を発表した。県全体の「出穂終期」(出穂期面積割合が95%に達した日)は平年(過去十カ年平均)と同じ今月十三日で、好天が続いたことから「出穂始期」(出穂期面積の5%到達日)から終期までに要した日数は九日間と、平年より二日短かった。同本部によると地域別の終期は、中南十日、西北十一日、東青と上北が十三日、三八が十四日。上北は平年より一日早く、東と中南と西北は一日遅く、三八は二日遅かった。下北は、まだ終期に達していない。下北の出穂盛期は平年より一日遅い十三日で、同本部は、平年の十六日よりやや遅い十七−十八日ごろには終期に達するとみている。同本部は「出穂・開花とも順調に推移し、下北を除けば、水稲が低温に弱い時期を脱した」としており、いもち病や斑点米カメムシ類など病害虫の防除徹底、台風など大雨の際に速やかに排水できるよう排水路の補強・整備を呼び掛けている。
(東奥日報)
○8月19日(金) 04年産新形質米 作付け8・7%増加 低アミロース米は25%の伸び
農産業振興奨励会は、都道府県や関係団体からの情報をもとに、昨年の新形質米の生産量をまとめた。新形質米は、粘り気の強い低アミロース米や、病院食に使われる低グルテリン米など、機能性を備えた米の総称。全体で作付面積は前年より8・7%増えた。昨年の新形質米の作付けは5345ヘクタール。ただ、台風や高温などで10アール当たり収量が減り、全国の収穫量は0・8%増え1万7344トンと、わずかな伸びにとどまった。種類別では、「ミルキークイーン」などの低アミロース米の作付けが東北地方を中心に増え、全体では前年比24・5%増の4986ヘクタール。「より売れる米を目指した表れ」と秋田県ではみる。収穫量は同12・2%増の1万5697トン。低グルテリン米は、面積が前年比59・1%減り115ヘクタール。収穫量は同40・8%減の511トン。巨大胚芽米は、青森県の中泊町内で新たに約70ヘクタールを作付け、面積が前年の6ヘクタールから89ヘクタールに大幅に拡大。このため収穫量も25トンから335トンに。赤米や黒米などの有色素米の面積は47・1%減り144ヘクタール。収穫量は16%減の768トン。香り米の作付けは前年の353ヘクタールから11ヘクタールと大幅に減少し、収穫量も1405トンから33トンになった。
(日本農業新聞)
○8月20日(土) 相次ぐミツバチ大量死 カメムシ防除の農薬散布直後 岩手県南地方
県南地方でミツバチの大量死が続いている。今月中旬に稲のカメムシ防除の農薬が散布された直後から急激に死亡するハチが増えたという。今のところ原因は不明だが、養蜂(ようほう)家は「今月から使用する農薬を変更したことは原因ではないか」と指摘する。群(一群は三〜五万匹)が全滅状態のところも多く、被害額は千八百万円を超えた。相次ぐ被害に、養蜂家は「このままでは越冬できず、再生できないかもしれない」と頭を抱えている。県養蜂組合県南支部の調査によると、被害が出ているのは一関市、水沢市、前沢町、江刺市、金ヶ崎町の五百五十群。今月十二日ごろから、巣箱の前で死亡するハチが目立ち始め、ひどい所ではハチの死骸が山のように重なった状態になる。巣箱の中の幼虫も死んでいる。例年、カメムシ防除の時期にハチが死亡することはあったが、今年は異常に多く、佐藤支部長は「今年から使用した農薬が原因ではないか。農薬を含む水を吸ったハチが巣に帰り死んだ」と推測し、「松くい虫防除の薬剤散布では、事前に連絡があり場所を移すことができるが、広い水田が対象となるカメムシ防除はどうしようもない。ミツバチは環境に敏感で、農薬の種類や散布法などに細心の注意を払うべきだ」と指摘する。水沢市と胆沢郡をエリアとする岩手ふるさと農協によると、昨年までは有機リン系の農薬を使用していたが、残留農薬の懸念から米販売業者に敬遠されるため、今年からネオニコチノイド系の薬剤に変更するよう農家を指導。十五日ごろから集中的に防除している。使用した薬剤は、県の病害虫防除所基準で使用が認められており、毒性も有機リン剤とほとんど変わらないという。同農協米穀課の菅原良行課長補佐は「適切な農薬を適切に使用しており、因果関係が分からない」と困惑する。岩手大農学部の鈴木幸一教授は「ハチが大量死するのは、伝染病や農薬が考えられるが、簡単には特定できない」という。佐藤支部長は近く、ハチや幼虫の死骸を鈴木教授に送り、分析を依頼することにしている。県内では今年はカメムシが大発生し、農家は防除に頭を痛めている。一方、ハチの大量死は他地区でも起こりかねず、原因の特定が待たれている。
■ネオニコチノイド系殺虫剤 神経を興奮させ続けることで効果を発揮する。有機リン系殺虫剤などへの感受性が低下した害虫にも高い効果があり、長期間効果が持続するなどの特徴を持つ。
(岩手日報)
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○8月21日(日) 農家がCE自主運営 地域挙げ特栽米 岩手・花巻市
岩手県花巻市で今年から、地域を挙げて約500ヘクタールで特別栽培米の生産を始めた地区がある。最新鋭のカントリーエレベーター(CE)を農家が自主運営し、さらに栽培方法にもこだわる。米集出荷の一元化や均質化を進め、実需者の顔が見える販売につなげる構えだ。同市宮野目地区にある「花巻東部カントリーエレベーター」は、農家出資の農事組合法人(組合員約320人)が自主運営する、全国的に珍しい施設。総事業費は約8億円。施設の利用、運営を法人が行い、米の販売、生産指導はJAいわて花巻が担う。施設の収容能力は乾燥もみ約3000トン、乾燥麦約375トン。生もみのまま品質分析し自動で食味仕分けができ、異品種の混入を防止する設備や全自動の自主検定装置などを完備。コンピューターでデータを集め、瓶ごとのトレーサビリティー(生産・流通履歴を追跡する仕組み)にも対応できる。JAは今年から、農薬使用成分回数を慣行の半分(8回)に抑える「限定純情米」を管内全域で取り組む。宮野目地区では一歩進んで、減化学肥料を加えた特別米をほぼ全域約500ヘクタールで着手した。管内では東和地域に続く取り組み。
(日本農業新聞)
○8月21日(日) 無人ヘリで試験散布 航空防除の代替策 宮城・JA南三陸
JA南三陸津山営農センターは、登米市津山町横山新中田地区の水田で17日、管内で初めての無人ヘリコプターによるカメムシ防除の散布実演を行った。市では、来年度有人航空防除が廃止される見込みで、JAはその代替策を検討していた。今回、無人ヘリ請負防除を取り扱っている小泉商事鰍フ協力で試験散布が行われた。無人ヘリによるカメムシ防除剤が試験散布されたのは、新中田地区の組合員13人の水田2・6ヘクタール。見学には、組合員や関係者20人が集まり、「有人の航空防除には、コストの面では劣るが、機体の小回りが利き、低空飛行で稲の株元まで薬剤が届くため防除効果が高い」と小泉商事鰍フ佐々木哲スカイ事業部次長が説明した。関係者が見守る中、防除散布の実演は、15分程で終わり、無人ヘリの性能の高さを体感した。後藤宗明津山営農センター長代理は「有人航空防除の代替策として無人ヘリは、期待できる。またこの実演が、組合員の集落営農への意識が高まるきっかけとなれば」と話していた。
(日本農業新聞)
○8月21日(日) 冷害に強いイネ開発 遺伝子組み換えで成功 北海道農業研究センター
低温下でも花粉を作り、コメを実らせることができる冷害に強い遺伝子組み換えイネの開発に、独立行政法人北海道農業研究センター(札幌市)の佐藤裕部長らのグループが成功、二十一日につくば市で開かれる日本育種学会で発表する。イネの冷害には生育が遅れる遅延型とコメが実らなくなる障害型がある。低温に強いイネの開発は交配などで進められてきたが、大冷害にも耐えられるイネはなかった。佐藤部長らは、コムギが寒さに備えるためにつくるフルクタンという糖の一種、オリゴ糖に着目。フルクタン合成する酵素の遺伝子をコムギから取り出し、イネの染色体に組み込んだ。一定期間十二度の低温下に置いたところ、遺伝子組み換えをしていないイネは収穫量が七割も減ったのに対し、開発したイネは三割減に抑えることができた。フルクタンは、細胞内でタンパク質や膜を寒さから保護する役割があると考えられている。
(東奥日報)
○8月24日(水) 環境に優しい農法を導入 「ワーコム米」好調 山形・JA真室川町
JA真室川町のブランド米「真室川ワーコム米」の売れ行きが好調だ。前年比25%増の2万5000俵(1俵60キロ)の販売予約を確保するなど、安全・安心でおいしい米として評価されている。「ワーコム米」は、同庁の栗田幸太郎さんが開発した堆肥(たいひ)発酵促進剤を田んぼに散布して土づくりをし、ブナ腐葉土やわら、米ぬか、木炭などが土壌の微生物を活性化させ、病害虫や冷害に強い丈夫な稲からできた米。土壌改良材として特許を取得している。1農家が独自で開発した土壌改良材だが、町とJAも、農薬や化学肥料を抑えた環境に優しい農法と奨励、生産者と一体となった米作りを展開している。このワーコム米に注目したのが木徳神糧(東京)や大和産業(名古屋)など大手米卸。首都圏や名古屋のデパートやスーパーで売られるようになった。JAによると今年産の米は約8万俵の販売予約を確保。このうち2万5000俵がワーコム米。前年比5000俵増と好調だ。町や商工会でも、ワーコム利用の農畜産物のおいしさを、地元町民に知ってもらおうと米のほか地酒、うどん、真室川牛肉を試食する「食ブランド・ワーコム」フェアを開くなど、「売れる米」「安全・安心な産地」づくりに一体となって取り組んでいる。
(日本農業新聞)
○8月26日(金) 8月15日現在水稲作柄概況/「平年並み」以上/過剰米対策が不可欠
2005年産米の8月15日現在の作柄概況が25日、明らかになった。北海道、東北、北陸など早場地帯19道県の作柄は「平年並み」または「やや良」の見通し。西日本中心の遅場地帯27都府県も「平年並み」か「やや良」だった。梅雨明け以降、天候に恵まれ、現時点で平年作以上が見込まれている。今後、豊作による価格下落を防ぐため、過剰米対策(集荷円滑化対策)の準備が不可欠となった。農政省は26日に調査結果と併せて、同日の水稲作況委員会で出た意見を公表する。早場地帯は「やや良」が5道県、「平年並み」が14県。全もみ数は北海道で多かったほか、他の県でも平年並み〜やや多い結果が出た。遅場地帯は「やや良」が9県、「平年並み」が18都府県。一部で低温・日照不足の影響があったが、梅雨明け以降の天候で回復した。収穫がほぼ終わった四国・九州の早場米地帯の作況は、徳島が104、高地103、宮崎、鹿児島が105、沖縄が86となる見通しだ。
(日本農業新聞)
○8月26日(金) 05年産米の第1回入札 最安値スタート
全国米穀取引・価格形成センターは25日、22日と24日に行った2005年産米の第1回入札取引結果を発表した。千葉産など上場された6銘柄の60キロ当たりの平均価格は、前年同期比3・7%(557円)安の1万4664円で、1万5000円台を初めて割り、過去最安値となった。上場量は6700トンで、落札残が200トンあった。千葉「コシヒカリ」が1万5169円で5・2%安、三重「コシヒカリ」が1万5491円で3・2%安と軒並み下げた。千葉「コシヒカリ」は、6月末の04年産最終入札から2カ月間で1500円値を下げた。05年産米の取引にとって厳しいスタートとなった。
(日本農業新聞)
○8月26日(金) 秋田県内稲作農家の所得低迷 台風被害に農機具更新も集中 コスト低減策が急務
東北農政局秋田統計・情報センターがこのほど発表した農業経営統計調査結果によると、十六年産米の県内農家の十アール当たり所得は三万三千五百九十二円で、過去十年間で最低となった。農機具費や賃借費などのコメ生産費(十アール当たり)も八年ぶりに増加するなど、昨年は県内稲作農家の台所事情が厳しい年であったことが明らかになった。十六年産米の十アール当たり所得は、前年比六万千六十六円(64・5%)の大幅減。全国的な冷害で米価が高騰した十五年産米から一転して価格が低迷したのに加え、台風被害による減収が重なったことが響いた。十五年産米は品薄感から価格が高騰。県産「あきたこまち」は、十五年十二月入札で六十キロ当たり二万五千百十四円と史上最高値を記録するなど、年産平均二万七百八十八円だったが、十六年産の県産こまちは平均で一万五千六百四十六円と低迷した。十六年産米は六、七月の日照不足に加え、八月下旬以降に相次いで台風が襲来し、未曾有の塩害が発生した中央部の作況指数は「六九」。全県の作況指数は「八五」にとどまり、平成五年に次ぐ過去二番目の低水準となった。コメ生産費は十三万五千七百五円で、前年から千七百九十二円(1・3%)増加した。十五年産米の価格高騰による所得増を受け、農機具を買い換えた農家が増加。台風などの気象被害が多かったことから労働費もコメ生産費の増加を後押しした。県は担い手育成の視点からも集落営農化を推進しているほか、移植栽培により省力化の可能な直播栽培の導入拡大を図り、育苗作業が省ける分を野菜や花き栽培などにシフトする複合化を奨励。病害虫防除の効率化による減農薬栽培技術などの確立を目指したプロジェクトも実施している。
(秋田魁新報)
8月27日(土) 全国的に平年以上 15日現在水稲作柄概況
農水省は26日、2005年産米の作柄概況(15日現在)を公表した。おおむね好天に恵まれたことから、早場・遅場地帯とも「平年並み」か「やや良」と判断した。03・04年産と不作が続いたが、気象災害がなければ3年ぶりに平年以上になりそうだ。東日本中心の早場地帯で「やや良」の作柄が見込まれるのは北海道、青森、石川、長野、滋賀の5道県。その他14県は「平年並み」の見通し。9月の概況で作況指数が確定する。西日本中心の遅場地帯で「やや良」となったのは岡山、広島、四国の全県、福岡、佐賀、大分の9県。その他の18都府県は「平年並み」の見込み。同日の水稲作況委員会は、8月中旬以降の気温が平年を上回り、日照時間がやや下回っていると指摘。今後の気温は平年より高く、降水量と日照時間は平年並みと予想した。
(日本農業新聞)
○8月27日(土) 青森は「やや良」 15日現在の水稲作柄概況 東北農政局東北農政局
東北農政局は26日、2005年産水稲の作柄概況(8月15日現在)を発表した。青森県が「やや良」(作況指数102〜105)となり、ほか5県「平年並み」(同99〜101)。「青森県は、田植え最盛期が平年より5日遅れたが、6〜7月に吹く『やませ』の影響が平年より少なかったため、やや良となった」(農政局)。茎数は、5月中下旬の低温・少照で初期分げつが抑制された宮城県と岩手県で平年を下回ったが、ほかの県は平年並みだった。出穂最盛期は、各県ともおおむね平年並み。幼穂形成期以降、気温が平年を下回る時期があったが、好天となり、幼穂の伸長が順調に進んだ。登熟は、出穂、開花期の天候に恵まれたことから、宮城県以外は平年並みを見込む。宮城県は、1穂当たり籾(もみ)数が多いことによる補償作用(負の作用)が予想されることなどから、登熟の良否は「やや不良」が見込まれる。農政局では「出穂後の日照量が平年より若干少ない、この状態が続く場合には、等熟低下につながることもあるので、今後の状況を見極めることが大切だ」(生産流通消費統計課)と注意を促している。
(日本農業新聞)
○8月27日(土) 水稲4ヘクタールが冠水 台風の影響で宮城・仙南蔵王地区
台風11号の影響で26日、蔵王町宮から白石市福岡深谷にかけて、国道4号沿いの約4ヘクタールの田んぼが冠水した。被害状況は現在調査中だが、これまでの稲の生育状況はおおむね順調だったため、生産者に大きなダメージを与えることが予想される。JAみやぎ仙南蔵王地区本部営農経済の日下昌宜統括は「蔵王町では、16日に発生した宮城県沖を震源とする地震で梨が落果する被害が、そして今回の台風による大雨の被害と、災害が相次いでいる。被害状況の調査に全力を挙げていきたい」としている。
(日本農業新聞)
○8月28日(日) ギャバ入り3種販売へ コメ消費拡大に期待 秋田・湯沢市の佐藤製パン
血圧上昇抑制作用や精神安定効果があるとされる「ギャバ」(アミノ酸)の入った三種類の米粉パンが、来月から湯沢市、羽後町、東成瀬村の三市町村で販売される。地元産の米を利用した「発芽玄米ギャバパン」「酒米ギャバパン」「黒ごま入りの酒米ギャバパン」の三種類で、同市の佐藤製パンが製造、JAこまちが販売する。同社では「健康的な安全安心のパン。コメの消費拡大につながれば」と話している。ギャバ入りのパンは、ギャバの製造技術を開発した秋田銘醸、県総合食品研究所、東京農大、湯沢市酒米研究会が連携して開発。このうち酒米ギャバパンは、今年二月から同市の学校給食に導入されている。今回、酒米ギャバパンに黒ごまを入れたパンと、同JA提供の発芽玄米を利用したものを製品化。発芽玄米は、100%湯沢市産のあきたこまちをもみの状態から自然発芽させたもので、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富。三種類とも一斤(二百八十グラム、税込み三百五十円)にギャバが四十ミリグラム入っている。同JAでは、週三回、契約世帯(千二百世帯)に食材を届ける「ふれあい食材」の宅配サービスで注文を受け付け、来月中旬から提供する。今月初めの七夕絵どうろうまつりの際、観光客百人を対象に実施した試食会では、「もちもち感がいい。おいしい」との評価を受けており、将来的には一般販売も視野に入れている。ギャバパンの問い合わせはJAこまち生活部生活課(電話)0183・78・2244
(秋田魁新報)
○8月30日(火) 地元消費者が生産現場見学 宮城・本吉町
昨秋に本格販売された地元ブランド米「南三陸米ひとめぼれ」の消費拡大を目的に、南三陸米生産現場見学会が24日、本吉町小泉地区の展示圃(ほ)などで開かれた=写真。参加した地元消費者30人は、生産者やブランド化を進める関係者の説明を受け、地産地消をメーンとした「南三陸米ひとめぼれ」の取り組みに理解を深めた。JA南三陸や気仙沼米穀商業組合などで組織する南三陸米地産地消推進協議会が主催。見学会は、本吉町小泉地区と気仙沼市階上地区の展示圃で行われ、生産者や県本吉農業改良普及センター職員が説明した。その後、階上支店で「南三陸米ひとめぼれ」と地元食材が入った「こだわり弁当」の会食と意見交換会を行った。
(日本農業新聞)
○8月30日(火) 水稲、適期刈り取りを 登熟はおおむね順調 秋田県作況ニュース第7号
県農林水産部はこのほど、作況ニュース第七号を発行した。水稲の出穂期は八月四日と平年並みで、高温と多照により登熟はおおむね順調。登熟を促す水管理と適期刈り取りなどを行うよう呼び掛けている。八月十九日現在のあきたこまちの生育状況は▽一平方メートル当たり穂数=四百四十九本(平年比99%)▽一穂着粒数=七五・九粒(同105%)▽一平方メートル当たりもみ数=三三・七千粒(同104%)となっている。当面の技術対策では▽間断かん水を徹底し、落水時期は出穂後三十日をめどとする▽刈り取り適期の判断は、出穂後の積算気温(あきたこまちで九五〇−一〇五〇度)を目安とし、最終的に各圃場のもみの黄化程度90%を適期とするなどを挙げている。
(秋田魁新報)
○8月30日(火) 温暖化進むと 日本は集中豪雨 中国、米国渇水も 国立環境研究所が解析
地球温暖化が進むと、豪雨は全体的に激しくなる一方、年間降水量の変化は地域差があり、北米や中国などで渇水と水害の危険性が同時に高まる地域もあることが29日、国立環境研究所の江守正多室長の研究で分かった。日本は年間降水量が10%、豪雨の強度は20%も増加すると予測され、集中豪雨による水害の危険性が高まる。江守室長は、日米英の3カ国で行われたコンピューターによる気象モデル計算6種類の結果を分析。二酸化炭素の濃度が現在の2倍になり、地球温暖化が進んだ場合、「大気中の水蒸気が増える」「低気圧の頻度や大きさが変わる」の二つの効果で、雨の降り方がどう変化するかを解析した。降水量は日本を含む中。高緯度地域と熱帯の一部で増え、亜熱帯で減る一方、大気中の水蒸気が増えることで豪雨は広い地域で激しさを増すことが分かった。降水量に比べ豪雨強度の変化が特に大きい北米の中、南部や中国南部、地中海周辺などは、一時的に雨が集中するため、水害とともに渇水の危険も高まる。江守室長は「地球温暖化が、水害や水資源にどのような影響を与えるか、詳しく解析していきたい」と話している。
(読売新聞)
○8月31日(水) 来年から大豆密植栽培 収穫増えコスト減 宮城・JA古川
JA古川が実験を進めている「大豆密植栽培」に、普及のめどが付いた。収量増と生産費の低減、作業の省力化が図られることから、JAは「来年から栽培方法の普及推進を図りたい」と期待している。JA管内2カ所にある展示圃場(ほじょう)などでこのほど現地検討会を開き、順調な生育状況を確認した。三本木町の蒜袋高度土地利用組合が生産する150アールの「タンレイ」の大豆畑には生産者ら12人が参加した。JA管内の大豆の生育は、7〜8月にかけて平年並みの気温で推移したことから、「タンレイ」が8月2日ごろ、「ミヤギシロメ」が10日ごろから開花を迎え、順調に育っている。JAは生産性の向上を図るため、2003年から「大豆密植栽培」の実験に取り組んでいる。04年産大豆は収穫時の長雨で著しい品質低下を招き減収となったことから、本格的な普及が求められていた。密植栽培は通常の約2倍の種をまく方法で、収量のアップが期待されるほか、茎や葉の生育により雑草が抑制でき、培土作業が省けるなどのメリットがある、JAの展示圃では、種まき前の雑草処理や畝間の茎葉除草処理などの実験も行い、上々の成果を挙げている。JAの担当者は「栽培方法はおおむね確立できた。生育データや今年の収穫量などがはっきりした段階で、普及拡大の検討を進めていきたい」と話している。
(日本農業新聞)
○8月31日(水) 台風発生相次ぐ 北からの渦が原因? 8月後半
台風の発生が8月後半に入り急増している。前半の1個に比べ後半は4個も発生、東日本を直撃した強い台風もあった。ただし西日本は高気圧に覆われているため、気象庁は「台風が発生しても接近しづらい状況が今後も続く」という。フィリピン沖の対流活動が今年は弱いため、8月前半の台風は1個にとどまった。後半も同じ傾向が続いているが、台風11、12号が20、21日に、13、14号が27、29日に連続して発生した。気象庁は11、12号の発生緯度が20度と、通常より10〜5度も高いことに注目。「北からの大気の渦が原因となった可能性もある」とみている。
(日本農業新聞)
○8月31日(水) 「ゆきちから」売り出せ 寒さに強い小麦新品種 ラーメンやパン「地産地消」狙う
東北各県で寒さや雪に強い小麦の新品種「ゆきちから」を原料にした製品を売り出そうという動きが目立ってきた。激化する産地間競争や食の安全に対する関心が高まるなか、「地産地消」をキーワードにラーメンやパンで地域おこしにつなげるのが狙い。転作を迫られている農家の生産意欲も高く、当面は需要増に支えられて「ゆきちから」の栽培面積は増えていく見通しだ。「ゆきちから」は東北農業研究センター(盛岡市)が二〇〇二年に開発して命名登録した。粒が硬く耐寒雪性が強いのが特徴で、百十日間雪の下にあってもほとんど被害が出ないという。このため東北での栽培に適しているとされ、岩手、宮城、福島で県の奨励品種に指定されたほか、山形でも昨年から試験栽培が始まっている。山形では六−七月に四トンが初めて収穫され、県内のメーカーが製粉・製めんして地元のラーメン店が調理した「ゆきちからラーメン」の試食会が三十日に山形市内で開かれた。参加者の評判も「コシがある」「香りがいい」と上々で、今後はより多くの契約農家を募ったうえでラーメンの味向上に努め、来年七月から店頭でのメニューに加える予定だ。ラーメン産地として東北最強のブランド力を持つ福島県喜多方市の取り組みはさらに強い。「喜多方の水と小麦でつくったラーメンを」という白井英男市町の大号令のもと昨年二月には初の試食会を開催。今年二月の「蔵のまち喜多方冬まつり」では喜多方老麺会が「ゆきちからラーメン」を観光客にふるまった。宮城ではJAみどりの(小牛田町)が生産しており、栽培面積は〇五年度の二百ヘクタールから〇六年度は三百六十ヘクタールへ広がりそうだ。今年から県内全域の小中学校用給食のパンに使用され「従来のパンより、もちもち感があっておいしい」と好評という。
(日本経済新聞)
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