水稲冷害研究チーム
2007年東北稲作動向
本情報は新聞記事等から得られる東北地域の稲作概況をお知らせするものです.
稲作の動向と冷害関連記事に注目して,概況を追跡します.
なお,記事の収集については東北農業研究センター情報資料課田中課長さんにご協力をいただいています.
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○11月1日(木) 脱穀に挑戦 岩手・北上市立和賀東小
北上市立和賀東小学校は10月29日、農業体験学習で稲の脱穀作業を行った。学校に隣接する5アールの実習田で約1カ月間天日乾燥した稲を、昔懐かしい農機具を使って脱穀した。体験学習は5年生と6年生110人で行われ、6年生は自走式のハーベスターを、5年生は千歯こきと足踏み脱穀機を使用した。児童たちは、ほにおから稲を6束ずつ外して両腕に抱え、脱穀機を使ってもみを落としていった。
(日本農業新聞)
○11月2日(金) 昔の道具使って 岩手・江刺 愛宕小
岩手県奥州市江刺区にある江刺愛宕小学校5年生47人は、学童農園の実習田で、10月31日、5月中旬に田植えをした「ひとめぼれ」の脱穀体験をした。9月27日には稲刈りを行っており、刈った稲束は棒がけにして乾燥させていた。実習田に、千歯脱穀機や足踏み脱穀機が用意され、地元生産者の指導を受けながら児童たちは一束ずつ脱穀していった。
(日本農業新聞)
○11月10日(土) 気象庁「気温平年並み」も… 「ラニーニャ」一段と
気象庁は9日、エルニーニョ監視速報で、10月の太平洋東部、赤道付近の海面水温が基準値よりも1・5度低く、ラニーニャ現象が続いていると発表した。前月よりもさらに低くなっており、同庁は「ラニーニャ現象はより顕著になった」と判断。2008年春まで続くとの見通しを示した。ラニーニャ現象による日本への影響は、秋は出にくく、冬は冷え込みやすい。今年も秋の天気への影響は小さく、冬の天気も地球温暖化の影響などと相殺されるため、同庁は「平年並みの寒さ」を予想している。
(日本農業新聞)
○11月10日(土) 東北181号予約完売=@1万800キロ、発送準備急ぐ 大崎・鳴子の米プロジェクト
地域ぐるみで地元農家を支援する大崎市の「鳴子の米プロジェクト」シンボル米「東北181号」の予約数量が、九日までに出荷量の約一万八百キロに達した。生産者らが同日、新米の袋詰め作業を開始、二十日ごろの発送に向けて準備を進めている。プロジェクトではことし、約一万八百キロの収穫を計画。三月に予約の受け付けを始め、今月八日に目標量に達した。予約数は三百六十八件で、地域ぐるみで地元農家を支えるプロジェクトの趣旨に賛同した地元の旅館や飲食店、住民に加え、北海道や沖縄県など全国から予約が集まった。東北181号は今年、鬼首、中山両地区の生産者二十二人が計三ヘクタールに作付け。減農薬、減化学肥料で栽培し、収穫した稲は天日干しでじっくり乾燥させた。袋詰め作業は、農協などが行うのが一般的だが、「食べる人との距離を少しでも縮めよう」と、プロジェクトのメンバーと生産者が計画。作業初日の九日は、大崎市のいわでやま農協鳴子支店に約二十人が集まり、新米の計量や、シールの貼り付けなどを手分けして行った。鳴子の米プロジェクトでは、本年産米の出荷を終え次第、来年産米の予約を開始する予定。
(河北新報)
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○11月13日(火) 小麦「ゆきちから」を焼酎に 「ちょいた」限定販売 福島・喜多方
喜多方市内の小麦生産農家有志でつくる農芸舎会津は喜多方産の小麦「ゆきちから」を使用した小麦焼酎「ちょいた」を開発。十一月から限定販売する。十、十一の両日、同市で開かれた「ふれあいきたかた農業まつり」で初お披露目され、試飲会が開かれた。「ちょいた」とは喜多方地方などの方言で「ひと休み」「いっぷく」などの意味だという。市の補助事業の認定を受け、佐藤代表ら三農家が郡山市の笹の川酒造に依頼し製造した。小麦特有の香り、風味が特徴でアルコール度数は三六度。七百二十ミリリットル入り二千三百円(税込み)で予約を受け付けている。問い合わせ、申し込みは農芸舎会津、電話0241(22)5498へ。
(福島民報)
○11月14日(水) 脱穀体験したよ 福島・南相馬市の児童
南相馬市の福浦小学校4年生と5年生の29人は9日、学校近くの学習田で脱穀作業を体験した。全校児童が10月に稲刈りし、天日干しされた「コシヒカリ」を、農家の志賀存さんから作業の仕方など、指導を受けながら、1束ずつ機械に入れ脱穀を行った。今回脱穀したもみは、17日に開かれる2年生の親子花ずしづくり体験教室で使われる。同校は県の食彩ふくしま食育推進事業「食の楽校(がっこう)」に指定されている。
(日本農業新聞)
○11月14日(水) 1等米91% 東北農政局 07年産検査
東北農政局は13日、10月末日現在の2007年産の米の検査結果を公表した。1等米比率は91%となった。県別では、山形が93・7%と最も高かった。検査数量は、東北6県で126万9086トン(うるち)。多い順に秋田が33万4802トン、山形22万7771トン、福島20万9046トン、宮城20万858トン、青森16万2132トン、岩手13万4478トン。各県の銘柄別の1等米比率は青森「つがるロマン」89・6%、「まっしぐら」74・2%、岩手「ひとめぼれ」92・5%、秋田「あきたこまち」93・6%、宮城「ひとめぼれ」91・6%、山形「はえぬき」95%、福島「ひとめぼれ」91%。
(日本農業新聞)
○11月17日(土) うどん「ねばりごし」好評 地元産小麦100%使用 青森・JAつがるにしきた管内の生産組合
青森県のAJつがるにしきた富萢支店管内の車力水田農業生産組合が製造する、地元産の小麦「ネバリゴシ」を100%使った、うどん「ねばりごし」が人気を集めている。同組合は、地元産小麦のおいしさをPRしようと、昨年、うどんを試作。試食会で好評だったことから、商品化を進め今年から販売を開始した。「ねばりごし」は、淡い象牙色で独特のこしの強さとつるつるとした食感が特徴。太めん、細めんの2種類があり、価格は1束(259グラム)230円。贈答用(化粧箱入り)3束750円。6束1500円で、JA、むらおこし拠点館「フラット」などで販売している。
(日本農業新聞)
○11月19日(月) ラニーニャ長期化、厳冬に? 大雨・豪雪の可能性 低気圧発達、頻繁に通過
異常気象をもたらすとされる海洋現象「ラニーニャ」が顕著なため、日本のこの冬は昨冬とはうって変わり寒い冬になる可能性が出てきた。一昨年の厳冬の再来もあり得るという。ただ、夏の猛暑の余波で日本近海の海面水温は高く、寒気の流れが弱まる可能性など不確定要因も。低気圧が発達しながら頻繁に通過し、大雨や大雪に見舞われる機会が多くなるとの見方もある。ラニーニャは赤道沿いの太平洋東部一帯の海面水温が低下する現象。大気との熱のやりとりを通して世界の気象に影響する。日本の場合、夏の暑さと冬の寒さが厳しくなることが多い。今春から始まり、夏以降は過去三十年間の平均水温に比べた海面水温の低さが徐々に際立ち、範囲も広がってきた。今夏の猛暑の一因ともみられている。気象庁は今月上旬、「ラニーニャは二〇〇八年春まで続く可能性が高い」との見通しを発表した。
東京大学の山形俊男教授は、独自のコンピューターモデルによる計算から「〇八年夏以降まで続くのではないか」と長期化を予想する。〇八年一月前後に、平均と比べた水温の低さが最も顕著になり、ラニーニャはピークを迎えるとみている。ラニーニャが発生すると、大気の大きな流れが変化して日本付近にシベリア大陸から冷たい季節風が吹き込みやすくなる。北極寒気の放出・蓄積を左右する「北極振動」の状態次第で寒気がまともに日本付近に流れ大雪が降る。〇五年一二月―〇六年一月の寒波と豪雪のもこのパターンだった。
海洋研究開発機構の立花義裕研究員によると、北極振動の状態には十年弱の周期がある。〇〇年ごろから寒気を放出しやすい持期に入っており、「まだしばらく続く公算が大きい」というラニーニャと北極振動の影響が重なれば、厳冬の可能性は高まる。ただ、一昨年と大きく異なるのが日本付近の海面水温。夏の猛暑の影響で、平均より高い状態がしばらく続きそう。呼応して日本の北東で大気の流れが変化し低気圧が弱められ、冬型の気圧配置が続きにくい暖冬パターンになる可能性もある。
海面水温が高いと上空に寒気が入った際に大きな温度差が生じ、対流活動が活発化しやすくなるとの見方もある。山形教授は「仮に一昨年のような強力な寒波が居座らなくても、対流活動によって各地で大雪など厳しい現象が引き起こされる恐れがある」と指摘する。
(日本経済新聞)
○11月20日(火) 飼料米が130ヘクタールに ブランド豚「こめ育ち豚」 山形・JA庄内みどり
山形県のJAしょうない管内で今年、飼料米の栽培面積が全国最大級の130ヘクタールに達した。稲作農家、JA、生協、養豚業者、行政らによる飼料米プロジェクトの4年目で一挙に拡大。飼料米を与えた「こめ育ち豚」は4万頭と昨年度の2倍に増頭する。生産コスト低減の課題を抱えつつ、米消費拡大対策へのヒントがありそうだ。
消費者に高評価
茶わんいっぱいによそったご飯を、茶目っ気たっぷりに見つめる豚のポスター。ブランド豚「こめ育ち豚」は東京を拠点にする生活クラブ生協の看板商品の一つ。JA管内にある平田牧場(酒田市)の年間出荷頭数約20万頭の1割を占める成長株だ。出荷80日前の仕上げの段階で、粉砕した玄米を配合飼料に10%混ぜ与える。発育や食い込みは通常の飼料と変わらない。トウモロコシを一部減らし、大麦などと合わせることで肉質が高まる。牧場などの調査では、コレステロールを下げる働きがあるオレイン酸が多く含まれていた。生協組合員に行った食味試験では見た目や香り、食感、風味の評価が高かった。価格は通常の豚肉より割高だが、産直品目として定着している。
加工米と同等価格
飼料米は今年、JA管内の遊佐町の農家230人と1特定非営利活動法人(NPO法人)が栽培した。収量は昨年の培の690トンを見込む。大豆の連作障害対策として定着したことに加え、生産調整で水稲と同じ技術と機械を使えることが後押しした。農家収入は60キロ当たり2400円。これに産地づくり交付金など10アール当たり5万5000円(昨年実績)が加わることで、JA営農企画部遊佐営農課の今野忠勝統括課長は「加工用米ぐらいの手取りになる」と言う。JAはさらに生産コストを減らそうと、多収品種の選定や栽培技術の確立と同時に、昨年から直播(ちょくは)栽培を進め始めた。
コストが課題に
飼料米は平田牧場が全量買い上げる。価格は昨年実績で1トン当たり4万円。高騰しているトウモロコシ価格でも1トン約3万円。消費者の高い評価を背景に「いずれは全頭に与えたい」(牧場)と意気込むものの、生産コストのハードルは高い。課題はまだある。飼料米を拡大すれば種子が多く必要になり、集荷施設も今年産の生産量で限界に近い。町の産業振興課は「皆で協力し合って乗り越えてきた。これからも大丈夫」とプロジェクトの意義を強調する。これまで、飼料米の買い取り価格、飼料米の保管流通、豚肉の価格などプロジェクトで決めてきた。鍵は「それぞれが平等にコストを負担する」原則だ。
(日本農業新聞)
○11月20日(火) おにぎりに山形米 県内で「はえぬき」使用 ファミマ
ファミリーマートは二十日から山形県内の七十一店舗のおにぎり(約二十アイテム)の使用米を山形県産の「はえぬき」に切り替えて販売する。パッケージにも「山形県産はえぬき使用」と表示する。県の農産物シンボルマーク「ぺロリン」も印刷し、山形色を打ち出すことにした。はえぬきは山形県の米の六七%を占める主力米だが、知名度が低くブランド力が乏しいのが弱点。実際には全国チェーンのコンビニでおにぎりに大量に使われているが、外面に表示されないため、山形県内の消費者も知らずに食べているケースが多い。
(日本経済新聞)
○11月20日(火) 無農薬、地球にも優しく 4年連続日本一 専業農家、石井稔さん
全国から一千品以上が集まる新米の食味コンクールで四年連続最高賞。そんな輝かしい実績を持つ専業農家が東北にいる。周囲の反対を押し切り、早くから無農薬有機農法を採用。試行錯誤を重ねて現在、日本で最も高い値の付く米作りを確立している。
「無農薬栽培に飛び込んだのは二十代前半。もう四十年以上前になる。日本中が米不足の時代で、味や安全性より量が問われ、あらゆる農薬が使われていた。散布作業で大量に吸引し、夕方家に帰ると猛烈な吐き気や頭痛に襲われ、このままでは絶対早死にする、こんなものが体にいいわけはないという確信があった」「全量を無農薬に切り替えたが農協は買い取らず、その年から安定収入がなくなった。販路は自分で開拓するしかなく、最初は親類を通じて細々と売った。幸い口コミで少しずつ広がったが、『誰も見ていないときに農薬を散布しているんだろう』と中傷されたり、兄弟が批判の的にされたり、嫌がらせも受けた」
今でこそ無農薬生産組合組合長や農業生産法人ヒーロー(宮城県大崎市)取締役(栽培技術統括責任者)として独自農法の普及に努めるが、最初から自信があったわけではない。「当初は虫や病気がものすごく心配だったが、むしろ農薬や化学肥料が虫や病気の発生につながるとわかった。虫は田で発生するメタンガスに集まるが、これは土中に残っていた前年の稲の切り株が水田で腐って生じる。本来なら土壌中の微生物がこれを分解するが、農薬や化学肥料が微生物を殺している。ガスが発生すると新しく植えた苗の根も腐り、病気にもなる」「その悪循環を絶つにはメタンガスを発生させない土作りが必要となる。そこで納豆菌や乳酸菌など様々な微生物を培養し、土に混ぜて最適な組み合わせを何年もかけて検証した。堆肥(たいひ)も未完熟なものは中に残っているわらが腐るため、完熟堆肥を使う」
おいしい食味に挑戦するため、さらに試行錯誤を繰り返した。「果実同様、米の甘みを引き出すには、デンプンが糖に変わる寒さが必要だ。一日セ氏十度以上の寒暖差を長く経験させればよい。普通の稲だと霜が出る前に枯れてしまうため、種もみの段階から強い稲作りのための管理をしている」「例えば苗の段階で葉先をわざと傷つけ、治癒力をつけるなど過保護にしない。種まきの時期を一カ月ほど遅らせ収穫期をずらし、稲が生きたまま霜に何度か当たるようにしむける」こうして育てた有機米は日本一うまいと認められ、卸値は高いもので一俵(約六〇キログラム)十万円。末端価格でキロ千五百円以上と全国で最も高い値がつく。
「政府は大規模化による集落農業を推し進めようとしているが、米価がネックとなってうまくいかないだろう。米栽培にかかる経費は普通、労賃を除いて十アールあたり年間十三万円といわれるが、収穫は八、九俵がやっとで売値は一俵一万円台。土地を任せる方も任される方もやっていけない。有機農法に変えたくても、すぐ個人で売れるものではないだけに、多くの農家は手を出せない事情もある」「それでもこれから米作りを始める方には、ぜひ挑戦してほしい。田園風景は美しいというが、広大な田んぼから発生するメタンガスは地球温暖化の原因にもなる。価格の面だけでなく環境問題という観点からも取り組みが必要だろう」
いしい・みのる 1941年、農家の長男として宮城県に誕生。57年登米中学校卒、農業の道に入る。96年、無農薬生産組合組合長。2001年から4年連続で全国米・食味分析鑑定コンクール(米食味鑑定士協会主催)金賞。2006年には創設したばかりの「ダイヤモンド褒章」を受賞した。
(日本経済新聞)
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○11月21日(水) 昔ながらの脱穀体験 福島・沢石小
昔の農機具を使って脱穀作業を体験してもらおうと、JAたむら農青連とJAたむらはこのほど、沢石小学校4年生18人と一緒に、足漕(こ)ぎ機を使い稲の脱穀作業を行った。足漕ぎ機は昭和初期に使われていた農機具。児童たちに、昔ながらの作業を体験させることで、農業の大変さと、食べ物の大切さを教えるのが狙い。足漕ぎ機での脱穀作業や稲穂の選別作業など、児童たちが自然と作業分担を決め、効率よく作業を進めた。稲は児童たちが春から育ててきた。
(日本農業新聞)
○11月22日(木) 飼料の一部、コメで代替 減反の休耕田を活用 養豚のポークランド
養豚業のポークランドグループ(秋田県小坂町)は、飼料の主原料である輸入トウモロコシの一部をコメに替えた飼料を開発、給餌への利用を始めた。来年一〜三月、首都圏の生協などに新飼料で育てた二千〜三千頭分の豚肉を出荷する。休耕田の活用と飼料の自給率向上を目指した試み。飼料米はJAかづの(秋田県鹿角市)とJA北いわて(岩手県二戸市)が減反対策の休耕田などを利用して生産した。豚の飼料の半分はトウモロコシだが、全体の一割程度をコメに替える。豚の飼育には半年かかるが、コメを加えた飼料は出荷の二カ月前から豚に与える。販売先は首都圏の生協などで組織するパルシステム生活協同組合連合会(総組合員数百五万人)。同連合会は豚肉の三〜四割をポークランドから仕入れている。飼料米の価格は輸入トウモロコシの十倍を越え、新飼料を使った豚肉の販売価格は五%程度高くなるが、「生産者と組んで日本の食、農業を守る方針と合致する」(同連合会)として新飼料の豚肉を受け入れた。ポークランドグループはトウモロコシの価格上昇を受け、輸入依存度を下げる方法を模索。今年五月、加工米を使って添加率や給餌期間などを変えた実験を実施したところ、肉が白っぽくなるほか、添加率が高いと肉質がやわらかくなるなどの結果が出た。現時点ではコスト高だが、JAかづのは多収量米の栽培を実験しており、来年以降は顧客の反応や仕入れ価格を見ながら、新しい飼料を使った豚肉の出荷量を決める考え。ポークランドグループは一九九五年創業。ポークランド、十和田湖高原ファーム、ファームランドの三農場のほか、ふん尿を堆肥(たいひ)化する小阪クリーンセンターの四社で構成する。特定の病原菌を持たないSPF豚を年七万五千頭出荷している。
(日本経済新聞)
○11月23日(金) 価格と銘柄逆転現象 青森「つがるロマン」、入札取引で異例の高騰
かつてない低米価で混乱が続く今年産米市場に異常自体が起こった。全国米穀取引・価格形成センターが21日に行った第13回入札取引で、これまで低価格帯米の代表格だった青森県「つがるロマン」が、他の東北県産米の大半を価格で上回る逆転現象≠ニなったのだ。この日の入札に上場した東北の11銘柄中「つがるロマン」より価格が上回ったのは2つだけ。「つがるロマン」には上場数量の実に6・6倍もの注文入札が殺到し、価格は前年同月をも4・4%上回った。背景には、米卸が「安い米の確保」に必死な現状がある。「つがるロマン」は低価格な上に、1万2900トンの政府買い入れが決まっている。元々それほど多くない出回り量がさらに少なくなることが予想され、今回、注文が相次いだとみられる。ただ、この高騰は「人気過剰」という見方も強い。一方、東北の他県産米の価格は下げ止まったものの以前として低調。政府の大量買い入れが決まっている秋田「あきたこまち」や山形「はえぬき」の価格も前年同月比で1000円前後安い。
(日本農業新聞)
○11月23日(金) 異常低温・猛暑を予報 熱中症予防などに一役 来年3月から
豪雪や猛暑などの異常気象が頻発しているのを受け、気象庁は二十二日、平年値との気温の高低差が大きい期間を一〜二週間程度前に予報する「異常天候早期警戒情報」の発表を来年三月から始める方針を決めた。農作物の管理や電力の需要計算のほか、熱中症などの健康被害の予防にも役立ててもらう。同情報は、全国十一の地方気象台などが算出した各地方の七日間平均気温が三〇%以上の確率で「かなり高い」(平年比プラス一・七度以上)か、「かなり低い」(同一・五度以下)と予想される場合に、同庁ホームページなどを通じて発表する。予報の対象期間は七日間で、原則週二回のペースで更新する。例えば七月に極端に気温が下がる天候が予想された場合、事前に農業関係者に知らせることで冷害を防ぐ効果が期待できる。そのほか冬場は強い寒波が流れ込んで極端に気温が下がる日を事前に周知することで、豪雪などの被害軽減につながる可能性もあるという。作物の種まきや、電力会社による発電計画の策定など農産業分野への貢献が主目的だが、今年の夏のように記録的な酷暑で熱中症で死亡する高齢者らが相次ぐ事例も出いることから、同庁は健康被害の防止にも活用できるとみている。予報精度の関係から当面は極端な気温変動の予報にとどまる見通しだが、同庁地球環境・海洋部は「将来的には降水や降雪も予報対象に加え、豪雨や豪雪の予想につなげたい」としている。
(日本経済新聞)
○11月24日(土) 予報、世界一緻密に 気象庁、数値モデル更新
気象庁は二十三日までに、スーパーコンピューターを使い予報を出すプログラム「全球数値予報モデル」を更新した。地球全体の大気を水平方向二十キロ四方、垂直方向は高度五十―六十キロまでを六十層の格子状に区切って観測データを計算し、将来値を出す。水平方向二十キロの格子は、世界で最も緻密(ちみつ)だという。日々の予報や警報・注意報の精度向上が期待できる。新しいスパコン導入で精密化が可能になった。旧モデルは水平方向六十キロ、垂直方向は四十層だった。気象庁によると、欧州各国の予報を担当する「ヨーロッパ中期予報センター」は水平方向二十五キロ、英国気象局は四十キロ、米国環境予測センターは三十五キロ四方の区切りを使っている。数値予報モデルは、大気を格子状に区切り、風や気温、水蒸気量などの観測データを入力してコンピューターで計算、将来値を出して気象状況を予測する。
(日本経済新聞)
○11月25日(日) 大粒75%超す 過去5年で最高 07年産米・農水省
今年の米は前年産に続き粒が大きめだ。2007年産米の粒の大きさを調べた農水省の調査結果によると、選別のふるい目幅で2ミリ以上の大粒の割合が全国平均で75%を超えた。今年は過去5年で最も高い割合となった。同省は、飯米として提供できる米の基準を、選別機のふるい目幅で1・7ミリ以上として調査。それによると、最も大きな2ミリ以上の米は全国で75・7%となり、大粒だった前年産を2・8ポイント、過去5年の平均を7・3ポイント上回った。大粒が多い理由について、同省は「07年産は7月の低温で全般的にもみ数が少なく、その分栄養が粒に行きわたった」(消費統計課)としている。地域別でみると、北海道、近畿、中国は、2ミリ以上が8割を超えた。東北、北陸、関東・東山、東海は7割台。九州、四国は6割台だった。
(日本農業新聞)
○11月25日(日) 転作10年、記念のそば焼酎 「味わいまろやか」2700本限定 秋田・羽後の農家製造
秋田県羽後町のコメ農家でつくる「そば栽培研究会」が転作作物として栽培したソバで製造した焼酎「羽後の郷(さと)」を発表した。研究会の設立十年目を記念した焼酎で、羽後町内の酒販店でしか販売されないという限定品。コメ農家がそばづくりに活路を見いだし、試行錯誤を重ねた努力の結晶は「まろやかな味」に仕上がった。研究会が育てたソバ、羽後町産のあきたこまちの米こうじ、同町西馬音地区の名水「若返り」を原材料に二千七百本を製造した。「羽後の郷」は七百二十ミリリットル入り、千三百六十五円(税込み)。連絡先は、猪岡会長のそば店「彦三」0183(62)1520。
(河北新報)
○11月25日(日) 「ゆきちから」ラーメン発売 10万食完売まで継続 喜多方・地元小麦使用
喜多方産の小麦「ゆきちから」で作っためんを使ったラーメンが二十三日、喜多方市内の三十一店で発売された。十万食を完売するまで続ける。二十二日は同市の丸見食堂で試食会が開かれた。ゆきちからは雪国での栽培に適し、ゆきちからを使用しためんは独特のコシともちもちとした食感が特徴。今年は喜多方市の製めん業者三社がめんを生産している。ポスター、のぼりのほか、ゆきちからのめんを出す店を示したガイドマップも製作した。試食会には臼井英男市長ら関係者約四十人が出席し、地産地消のラーメンを味わった。価格はそれぞれの店で設定してある。ゆきちからのラーメンを出す店は次の通り。赤れんが、朝昼夜、本家大みなと味平、伊藤食堂、一平、美味しんぼ、中華料理家園、北方屋、喜多屋、蔵々亭、蔵前、ラーメンSHOPくるくる軒、源来軒、佐久山食堂、春月食堂、大安食堂、たんぽぽ亭、中央食堂、チャイナ・スターズ、生江食堂、はせ川、浜町食堂、福島屋、ふるさと亭喜多方店、ぽんぽこ、まるいや、ラーメン百福亭、吉本屋、来夢本店
(福島民報)
○11月26日(月) 品質、世界が評価 ワイン専用品種導入 岩手県花巻市
岩手県花巻市で製造する、ワインが注目を集めている。オーストリアの国際コンクールで今年、2年連続入賞した。国内のコンクールでは開催以来、毎年入賞し、今年は最優秀賞に輝いた。約60年前の生食ブドウ栽培から始まり、ワイン専用品種の導入やエコファーマーの取得を進めるなどして、世界に通用する品質になるまでに成長した。
1947年、48年に同市は台風に襲われて多くの作物が壊滅状態となった。当時、県知事だった国分謙吉氏が「斜面が多く寒暖の差が激しい気候風土が、フランスのボルドー地方に似ている」と、導入を提案したことがきっかけで、ブドウ栽培が始まったという。稲作適地でなかったこともあり、一気に生産が広がった。当時は生食用の「キャンベル」を栽培し、ワインは規格外品利用で製造してきた。しかし「せっかくなら世界に通用する品質に高めたい」との機運が高まった。市や農協の出資で酒造会社エーデルワインを設立し、ワイン品質重視の生産体制を整えた。
品種も専用種を検討した。産地にとって幸運だったのは、サントリーが開発した「リースリング・リオン」の栽培に土壌が適していたことだ。日本品種の「三尺」とドイツ品種「リースリング」を交配した白ワイン専用種で、同社が「全国各地のどこよりも花巻市の気候に合っている」と太鼓判を押したという。80年代には本格的に導入、生産者で研究会をつくり、糖度や収量などの栽培技術を確立してきた。現在、生産者は162人で栽培面積は55ヘクタール。うち、ワイン用は14ヘクタールだ。2002年には生産者全員がエコファーマーを取得した。品質に加えて安全・安心面もアピールする。世界で2番目に大きいというオーストリアのウィーンで開かれたコンクールでは今年、「リースリング・リオン」100%使用の白ワインが2年連続の銀賞を受賞した。国内のコンクールでは同ワインが最優秀賞となったほか5商品が入賞を果たした。
(日本農業新聞)
○11月26日(月) 「ダイポール」予測成功 細部の変化を分析 海洋機構
海洋研究開発機構などのチームが、インド洋で海水面温度の高い領域が西へ移る「ダイポールモード(IOD)現象」が、二〇〇六、〇七年に連続発生することを予測し、見事的中を果たした。連続発生は観測史上初めてといい、予測精度の高さが示された。この現象が一因とされる世界の異常気象への対策づくりに応用が期待される。
アジアで干ばつ
空に浮かぶ雲の大半は海の上で生まれる。雲を生む海水の蒸発量は水面温度が高いほど多く、その変動が気象に与える影響は大きい。赤道近くの海水面の温度は通常、太平洋とインド洋に挟まれたインドネシアなど東南アジア付近が最も高く、そこから東西に離れるほど低くなる。東南アジアは最も温度の高い海水に東西から挟まれる格好で多くの雲ができ、雨も多い地域だ。しかし、インド用で普段吹く西風が何らかの理由で弱まり、東風の勢力が強まると、水面温度の高い海域は西に移動する。これがIODだ。雲の発生地域が西に移ることで、東南アジアでは干ばつを、アフリカでは洪水を引き起こす。
520万のブロック
研究チームは、地球をブロック状に分割した上で、小さな地域の変化を予測して積み重ねていった。海面を約五十キロ四方に線引きし、深さも海面から約五千メートルまでを十〜五百メートルごとに区切った。同様に大気は百キロ四方、高度三十キロまでを二百メートル〜数キロごとに分けた。こうして地球全体を約五百二十万個のブロックに分割。ある時点での気温、水温のデータを入力し、ブロックごとに熱や大気、水などがどのように出入りするかを同機構のスーパーコンピューター「地球シュミレータ」に計算させた。
2年連続で的中
その結果、〇五年十一月に翌〇六年九月のIOD発生を予測。普段と比べ太平洋の海水面温度がペルー沖で高くなり、アジア付近で低くなる「エルニーニョ」が同時発生することも言い当てた。このエルニーニョでは、相乗効果でオーストラリアなどに深刻な干ばつが起こったという。ことし四月には、九月にIODと、太平洋で東西の海水面温度の差が激しくなる「ラニーニャ」が同時発生することも正しく予測した。IODの二年連続発生も史上初だが、ラニーニャとの同時発生は一九六七年以来四十年も起こっていない珍しい現象。ただし、計算に使える実際の観測データは、二基の人工衛星で収集した十五万地点分の海水面温度だけで、ほかは推定値。推定方法によっては、計算開始時の誤差が大きくなる恐れもある。チームは海水面温度の変動を一年分蓄積。隣接する大気や海面下の水温が水面温度とどう連動しているのかを見極める方法を採用。予測精度の向上に努めたという。それでもまだ、IODの発生予測ができるのは半年から一年前。
(河北新報)
○11月26日(月) 飼料用米 農畜連携へ生産開始 秋田県小坂・ポークランド、秋田・JAかづのなど
コメ価格の下落が続く中、県内でも飼料用米が注目され始めた。主食用米との価格差、生産コストなどの面で課題は残るが、水田の機能維持や畜産物の肉質アップにつながるなどメリットは多い。肉質が新たな付加価値として、消費者に認識してもらえるかが本格生産の鍵になる。飼料用のイネは籾(もみ)と茎葉を青刈りして乳酸発酵させる発酵粗飼料(ホールクロップサイレージ、WCS)と、籾あるいは玄米だけを使う飼料用米の二種類に大きく分けられる。飼料用米は「餌米」とも呼ばれる。全国の飼料用米の作付面積はわずか百四ヘクタール。県内の飼料用イネの生産もWCSが大半。飼料用米の生産は山形県遊佐町などで取り組みが盛んだが、「県内で純粋に生産しているところはほとんどない」と県農畜産振興課。こうした中、「桃豚」で知られる「ポークランドグループ」(小坂町)とJAかづの(鹿角市)、ポークランドの取引先でもある首都圏生協のパルシステム生活協同組合連合会(本部東京)などが今年、飼料用米の生産を始めた。地元産の飼料用米を豚の肥育に生かすことで飼料の自給体制を整え、農畜連携による地域活性化や資源循環型農業の確立に結びつける狙いだ。JAかづのは同市の農事組合法人「二本柳ファーム」の協力で、転作田約六・二ヘクタールで作付けしている。初年度は、「めんこいな」のほか、県奨励品種である飼料専用品種「ふくひびき」、東北農業研究センター大仙研究拠点(大仙市)が育成した多収量米「べこあおば」など五品種を栽培した。ポークランドは昨年から、肉のやわらかさなど飼料用米が豚の食味に与える実証試験を重ねている。今月中旬から、全体の肥育頭数の約5%に当たる二千八百頭に、飼料用米10%配合の飼料を与えている。年明けから出荷予定。地元産であることから、安全性をPRできることも売りだ。最大の課題はコスト高。従来の配合飼料よりも一トン当たり約四千円高い。飼料用イネの栽培は水田の機能維持、コンバインなど既存の農業機械をそのまま使用できる点でメリットがある。また畜産面でも堆肥(たいひ)の利用拡大、肉質改良などにつながる。
(秋田魁新報)
○11月26日(月) 県産大豆のパン焼けた 白神こだま酵母使用 秋田・能代
能代市の薬局と製パン会社が、糖尿病や高血圧などで食事制限に悩む人たち向けに、県産大豆を用いてカロリーを下げた新しいパンを共同プロジェクトで開発した。名付けて「無糖大豆パン」と「大豆パン」。いずれも白神こだま酵母を使ったもちもち感が特徴で、全国展開を目指す。共同開発したのは赤玉薬品と、白神こだま酵母を使ったパンを県内で初めて開発した山田製パン工場。「大豆粉に水を加えると粘土のようになって膨らまない。発酵させるための技術開発に苦労した」と山田社長。試行錯誤の末に完成したのは「無糖大豆パン」が食パン、ロールパン、フランスパンの三種。「大豆パン」が食パン、クロワッサン、ラスク、クッキーの四種。いずれも価格は一袋五百円。無糖大豆パンは砂糖、バター、ミルク、卵を一切使用せず、添加物はカロリーゼロの天然素材甘味料を加えただけ。県産の大豆粉と国産小麦粉をミックスした結果、一般の食パンに比べ炭水化物(糖質)とナトリウムを約47%カット。食物繊維は二・四倍、タンパク質は二倍になっている。プロジェクトの総括責任者を務める赤玉薬品熊谷専務は「ロールパン一個、食パン一切れで約百キロカロリー。大豆のおかげでタンパク、ビタミン、ミネラルなどは豊富で栄養バランスがいい」と話し、糖尿病や高血圧のほか、メタボリック症候群の人の食生活にも役立つことが期待できるとしている。七品目はいずれも焼きたてを冷凍保存、自然解凍すればいつでも焼きたての風味を味わえる。赤玉薬品の薬局三店舗で販売しているほか、全国に発送する。問い合わせは赤玉薬局駅前店(電)0185・53・4616
(秋田魁新報)
○11月29日(木) 世界の雨量分布、一目で 宇宙機構、ネットで公開
宇宙航空研究開発機構などは、複数の人工衛星による観測データを基に世界の雨量分布図を作成し、インターネット上での公開を始めた。同機構によると、分布図は十キロ四方以下の区画ごとに、一時間の推定雨量を色分けして表示。観測から約四時間後には作成し、一時間ごとに更新する。アジアの発展途上国など、多くの台風や豪雨に直面するにもかかわらず地上の観測設備が整っていない地域に、迅速できめ細かな情報を提供できるという。日米が共同開発した熱帯降雨観測衛生などの降雨の観測データを使用。さらに気象衛星の雲の画像から雨が降っている地域の変化を求め、こうした情報を併せて降雨両や分布を推定、一枚の地図上に表示している。アドレスはhttp://sharaku.eorc.jaxa.jp/GSMaP/index_j.htm
(山形新聞)
○11月30日(金) エコ米$юi、宮城に暗雲 環境支払いなく… 農家「裏切られた」
「環境保全米」の全県運動を進める宮城県で、農地・水・環境保全向上対策の上乗せ支援が受けられない地域が現れそうだ。この支援は環境に配慮した営農活動に対して行い、水稲で10アール6000円の助成がある。だが、財源の半分を負担する地方自治体は台所が火の車。今年度から鳴り物入りで始まった「環境支払い」は、地域によって格差が生じかねない事態になっている。
「裏切られた」と吐き捨てるのは宮城県涌谷町、上町営農組合役員の大橋信夫さんだ。「今年4月までに手を挙げた組織しか支援できない」。町から事実上の締め切り$骭セを聞いたとき、怒りが込み上げた。上町地区は営農組合を中心に子ども会や消防団、老人会を束ねた活動組織を4月につくった。今年度はまず37ヘクタールで草刈り、県道沿いの花壇作りなど、農地・水・環境対策の1階部分(共同活動)を固める。次に来年度から減農薬、減化学肥料栽培を柱とする営農活動にステップアップする。そのために農家5人が3月、交付金を受ける条件である「エコファーマー」の資格を取った。町では3200ヘクタールの農振農用地のうち900ヘクタールで、8つの活動組織が農地・水・環境対策に取り組む。来年度以降、上乗せ支援が受けられる営農活動を800ヘクタールまで広げ、町挙げて環境保全型農業に取り組む手はずだった。別の活動組織の中には、50人がエコファーマーの資格を取得したところもある。これらの組織がすべて門前払いを受ける羽目になる。大橋さんは10年ほど前から環境保全米に取り組んできた。米価の低迷を踏まえ、上乗せ支払いを「有機肥料の購入資金に充てるつもりだった」。同じ取り組みをしながら、県の財政事情で交付金がカットされる不公平感に肩を落とす。
県内で今年度、共同活動に取り組む組織は517(8月31日現在)、面積は4万3885ヘクタール、営農活動支援は4310ヘクタールが採択された。東北で最も広く、県が冷淡なわけではない。だが、来年度以降の新たな支援は、「財政難から困難」(宮城県)と打ち明ける。県の台所事情を踏まえて、負担の一部を肩代わりする自治体もある。「環境保全米」の面積が約8000ヘクタールと全国最大級の登米市だ。当初の見込みを上回る3367ヘクタール、73組織が手を挙げた。県と市の支出は1億円を超える見通しだ。市は「農家の気持ちを裏切れない」と、地方負担分の7割近くを賄った。だが、それも体力的に限界で「新たな予算確保は難しい」と話す。東北大学大学院農学研究科長、工藤昭彦教授は「制度を設計した時点で地方自治体の厳しい状況は予想できたはず」と指摘。「環境保全が目的なら国民にも利益になるので、税金を投入することへの反発は少ないはずだ」とし、定着までの一定期間、活動組織を満遍なく支援する重要性を強調する。
(日本農業新聞)
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