水稲冷害研究チーム
2008年東北稲作動向
本情報は新聞記事等から得られる東北地域の稲作概況をお知らせするものです.
稲作の動向と冷害関連記事に注目して,概況を追跡します.
なお,記事の収集については東北農業研究センター情報資料課田中課長さんにご協力をいただいています.
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○1月1日(火) 前年比6割増 300ヘクタールの見通し 東北地方の08年産飼料米
穀物価格の高騰などで、飼料用米が注目を集めている。東北地方の2008年産の飼料米作付面積は、約300ヘクタール前後と前年比6割増の見通しとなることが日本農業新聞の調べで分かった。最も多いのは、山形で、約250ヘクタール前後の作付けとなる見通し。酒田市は07年産4ヘクタールを今年は100ヘクタールに増やす計画。東北最大規模の遊佐町でも前年比1割強増の150ヘクタールを計画している。岩手県一関市大東地域は、法人などを含む農家6戸が10・5ヘクタール作付けした。1月から養豚業者が本格的に飼料米を餌として使うため、15ヘクタールに規模拡大する。宮城県大崎市の田尻地域は、07年産が14ヘクタール。農家は、需要を踏まえて規模拡大したい考えだ。管内となるJAみどりのは、「専用のカントリーエレベーターを用意して、30ヘクタールまで対応していきたい」と話す。このほか青森県藤崎町は、鶏用飼料米として前年比2倍以上の5ヘクタール以上を計画している。飼料米は、転作にむかない水田を活用できることや、これまでの農機が使えるなどメリットは大きい。一方、産地づくり交付金を上乗せしないと、生産費を補えないのが現状だ。低コスト、高収益につなげることが今後の普及拡大の鍵だ。
(日本農業新聞)
○1月5日(土) 観測地の半分で1〜3位の高温に 2007年の天候まとめ 気象庁
気象庁は四日、二〇〇七年の天候まとめの確定値を発表した。記録的暖冬と八月の猛暑などから気温は全国的に高く、長崎県の平戸で平年を一・二度上回る一七・一度など、三地点で平均気温が観測史上最高(過去タイ含む)。全国百五十三の観測地点の約半分に当たる七十一地点で過去一〜三位の高温だった。地域別では、西日本は一・一度、沖縄・奄美は〇・一度それぞれ平年を上回り、地域別統計のある一九四六年以降で二位タイの高温。北日本は〇・七度、東日本は〇・九度、平年より高かった。気象庁によると、年平均気温が過去二番目の高さだったのは、東京、神戸、福岡、高松、那覇など四十一地点、三番目は仙台、名古屋、広島など二十七地点。
降水量は全国的に少なく、北海道の北見枝幸と青森県の深浦、徳島の三地点で平年の五六〜七五%と観測史上最少だった。昨冬は冬型の気圧配置が長続きせず、東・西日本の平均気温が観測史上最高を記録したほか、六十三地点で冬の平均気温の過去最高を更新。八月は埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市で、これまでの国内最高気温を更新する四〇・九度を観測した。
(日本農業新聞)
○1月9日(水) 井戸で占い 今年は豊作 福島・JAそうま
JAそうま飯舘総合支店の営農経済課職員は、稲作の豊凶を予知することで知られている福島県飯舘村深谷二本木の「作見の井戸」を参拝し、井戸の水位を測った。井戸の深さは3・6メートルで、湧水がたまる。古来、寒の節の水量でその年の豊凶が分かるとされ、毎年寒の入り後に水位をはかり、その年の稲作の作況を占ってきた。水位2・25メートルを境に、それ以上を良作、それ以下を不作と伝えられている。今年の水位は約3・6メートルと昨年に続き満水。満水時は大豊作になると伝えられ、同支店では今年の豊作を期待している。
(日本農業新聞)
○1月10日(木) 米新品種 「山形97号」戦略着々 協議会あす発足
県産米の新品種「山形97号」のブランド化に向けた戦略が今月秋から始動する。2010年秋のデビューを踏まえ、生産、情報発信、販売面から3カ年にわたる取り組みで県産米の銘柄確立を目指す。その実行会組織となる銘柄確立協議会が11日に発足する。「山形97号」は米をめぐる環境が厳しさを増す中で、産地間競争に打ち勝つ県産米の切り札として期待されている。新潟・魚沼産を筆頭に、各産地の「コシヒカリ」が価格面で上位を占める中、その一角を崩そうと販売戦略が練られた。戦略の目標は「日本一おいしい米として全国の消費者に評価されるブランド米」。品質・食味・安全を重視した栽培方法を基本に、おししさ、高級感を打ち出す。当初は少量生産で高い品質を確保し、ブランド力を高めてから生産を拡大していく。流通ロットを確保し市場性を持たせるため、県外産地との連携も図る。何より消費者からの評価がブランド化に不可欠との認識から、情報発信にも力を入れる。消費者に向けさまざまなメッセージを発信するほか、節目ごとにイベントを企画、ネーミングにも力点を置く。販路戦略として、デビュー時は家庭やホテル・旅館、料理店などをターゲットに販路を開拓する。また品質を確保していくため米穀店、デパート、インターネットなどで販売していく。「はえぬき」「どまんなか」の教訓を生かした戦略となった。県外での生産に歯止めをかけて流通量に課題を残した点、コンビニエンスストアや外食産業への供給で産地銘柄が無視された点などを反省材料にしている。
(日本農業新聞)
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○1月11日(金) もろみ搾り 清酒仕上げる 岩手・釜石市で体験塾
酒造りのすべてを体験する、酒造り体験塾の第4回講座・搾り体験会はこのほど、釜石市小川町の酒造所で開かれ、県内各地から出席した49人が、最終講座となるもろみの搾り体験を行い、清酒に仕上げた。体験塾は、県が推進する地産地消運動と地場産米の酒造りに取り組む酒造所・浜千鳥が主催。講座は、酒造好適米生産者の指導を受けて、隣町の大槌町で田植えと稲刈り体験会を行い、昨年12月上旬に収穫した米で、もろみづくりの仕込み体験をした。今回の搾り体験は、酒造りの最終段階。出席者らは、現在の搾り機のほか、酒袋に詰めたもろみを、槽(ふね)と呼ばれる箱に並べて搾る、伝統的な搾り方を体験した。酒の瓶詰めでは、機械から流れ出る搾りたての清酒を、720ミリリットルの瓶に詰め、手作業で栓を閉め、オリジナルのラベルを貼り付けた。仕上がった清酒は、アルコール度数約20度。
(日本農業新聞)
○1月11日(金) ラニーニャ現象ピーク 気象庁
気象庁は10日、エルニーニョ監視速報を発表した。監視対照となる太平洋東部、赤道付近の海面水温が昨年12月の平均で基準値より1・7度低かった。低い状態は10カ月続き、基準値より1度以上低い状態が5カ月連続で続いていることから、同庁は「ラニーニャ現象は、ピークを迎えた」と分析している。同現象は春まで続く可能性が高く、海面温度が基準値より1度以上低い状態は3月ごろまで続く見込み。
(日本農業新聞)
○1月12日(土) 空から品質チェック 遠隔測定技術でおいしい米作り 青森・JA津軽みなみ
青森県有数の米どころJA津軽みなみ管内で、リモートセシング(遠隔測定)技術を利用した「おいしい米」づくりへの取り組みがスタートした。リモートセシングは、地上の構造物などから反射・放射されるさまざまな電磁波を、航空機や人工衛星に搭載したセンサーで測定し、対象物に直接触れることなく、その形状や性質などを調べる技術。稲作では、食味を左右するたんぱく質の含有量を測定し、良食味で均一な品質の米の安定供給が可能となる。昨年、JA米のブランド化を目指し、「おいしい米」を生産販売するプロジェクトを立ち上げ、県のリモートセシング活用事業のモデル地区として取り組みを開始した。まだ面積が少ないので人工衛星でなく航空機を使って測定する。この技術を活用して水稲の生育状況を調査、農場ごとのきめ細かい栽培指導で、食味・品質に優れたJA米「つがるロマン」の栽培に努めている。JA米の袋には2次元コード(QRコード)を導入。生産情報を分かりやすく提供することで、消費者に安全・安心とおいしさを提供している。
(日本農業新聞)
○1月17日(木) 豊作願って 雪中田植え 岩手・花巻市
昔ながらの行事を再現し体験させ、3世代交流を通じて伝承しようと、花巻市石鳥谷町の西八重畑公民館で14日、1年の農作業の安全と五穀豊穣(ごこくほうじょう)を祈願する小正月行事が行われた。雪中田植えでは、田んぼに降り積もった雪に「田」と書き、枠のなかに稲わらと豆カラを持った子どもたちが整列し、春に水田で苗を手植えするようなイメージで挑戦。辺りの雪をかき集めて根元をしっかりと固定するなど、豊作を願いながら丁寧に雪の中へ差し込んだ。
(日本農業新聞)
○1月18日(金) 種もみ 温湯消毒 新いわて
安心・安全な米づくりに取り組んでいるJA新いわてで、2008年産用種もみの温湯消毒作業が始まった。消毒作業が行われているのは盛岡市玉山区渋民にあるJAの種もみ温湯消毒施設で、15日から同区の渋民籾乾燥施設利用組合が委託を受けて作業している。温湯殺菌はもみ枯細菌病防除などの効果が期待されるほか、化学農薬による消毒作業が温湯での消毒へ切り替わることで環境保全につながる。施設には3基の温湯消毒機が設備され、60度の湯に10分浸すという作業を中心に、1日6トンの種もみが消毒されている。消毒される品種は「あきたこまち」200トンをはじめ6品種合計で約270トン。作業は3月中旬まで続く予定だ。
(日本農業新聞)
○1月19日(土) カドミウム米 検出されず
東北農政局は18日までに、2007年産米のカドミウム含有量調査の結果を公表した。今回、東北地方では食品衛生法の基準を超える米がなかったことが分かった。独自に検査する秋田、福島を除く4県を対象に、238サンプルを調査。食品衛生法の基準を超える1ppm以上のカドミウムを含む米は検出されなかった。
(日本農業新聞)
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○1月23日(水) 効き速い、水稲除草剤 広範な雑草に適用 協友アグリと全農が開発
協友アグリ(神奈川)は、新たな除草成分「ピラクロニル」を含む水稲用除草剤を、3月から販売する。1年生雑草に加え、スルホニルウレア(SU)系除草剤に抵抗性を持つ雑草など、広範囲な雑草に効く。効果が現れるのが1週間以内と極めて速いのも特徴だ。「ピラクロニル」は、同社とJA全農が共同開発した成分。ヒエだけでなく、広葉雑草やカヤツリグサ科など広範囲な雑草に優れた効果を示す。SU抵抗性雑草にも草種を問わず高い効果がある。雑草の枯殺にかかる日数は、散布から3〜7日。大半の除草成分が2週間以上かかるのと比べ、素早く効く。同成分を含む数種類の除草剤が、昨年12月28日付で農薬登録を取得した。そのうち、今回発売する新商品は初期除草剤の「ピラクロンフロアブル」で、有効成分に「ピラクロクル」だけを含む。同社は今年、1キロ粒剤タイプやほかの有効成分を含む除草剤の実証試験を各地の試験研究機関で行う予定。地域に合う除草体系を確立し、来年から販売する計画だ。
(日本農業新聞)
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