水稲冷害研究チーム
2008年東北稲作動向
本情報は新聞記事等から得られる東北地域の稲作概況をお知らせするものです.
稲作の動向と冷害関連記事に注目して,概況を追跡します.
なお,記事の収集については東北農業研究センター情報資料課田中課長さんにご協力をいただいています.
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○3月1日(土) 新酒「清流寒河江川」祝う ブランドへ販促強化 山形・JAさがえ西村山など3者
JAさがえ西村山、寒河江酒造協議会、清流寒河江川倶楽部(くらぶ)の3者は2月28日、JAと生産者、管内の酒造会社がつくった「清流寒河江川」の新酒発表会をJAさがえ西村山大ホールで開いた。発表会には、県、1市4町の関係者をはじめ、地元の飲食業組合や温泉協同組合、酒造好適米の生産者、JA関係者ら100人が出席した。清流寒河江川の特徴は、さがえ西村山産酒米「出羽燦燦(さんさん)」、「はえぬき」で醸造した純米酒。味に広がりがあり、まろやかできめ細やか、香りや後味もすっきりで燗(かん)にもよい酒。さらに、蔵元が5社あり味の違いも楽しめる。
(日本農業新聞)
○3月1日(土) 雑穀作付け、3割増950ヘクタールに 日本一の産地確立へ 岩手・花巻農協生産部会
花巻農協雑穀生産部会は、2008年度の雑穀の作付面積を950ヘクタールに拡大する。07年度の実績面積より3割も多い。雑穀の需要は引き続き堅調で花巻産の引き合いは強く、生産量が不足しているのが現状だ。08年度は特にヒエとハトムギ、アワ、イナキビの増産を目指す。品目別の作付け推進目標はハトムギ200ヘクタール(07年度145ヘクタール)、ヒエ150ヘクタール(同95ヘクタール)、アワ67ヘクタール(同18ヘクタール)、イナキビ60ヘクタール(同54ヘクタール)。産地づくり交付金を活用し転作田での栽培を進める。関係機関と協力して栽培技術の向上を図り、安全・安心・信頼を消費者や実需者から得られるよう徹底した農薬の管理と栽培管理記録簿の記帳に取り組む。新たに取り組むタカキビの実証圃(ほ)を設置し、生産を促していく。
(日本農業新聞)
○3月3日(月) 日本海側豪雨の危険 今世紀末まで温暖化進むと… 国交省予測
地球温暖化に伴い集中豪雨が激しさを増し、日本列島各地で洪水のリスクが高まることが、国土交通省の研究グループの予測でわかった。スーパーコンピューター「地球シミュレーター」を使って解析した。太平洋側より日本海側の方がリスクが増す傾向にあり、このまま温暖化が進むと、二十一世紀末には北海道西部や東北北部、紀伊半島などでは豪雨時に一日に降る最大降水量が現在より四〇%以上増える恐れが出てくるという。国土技術政策総合研究所と気象庁の共同研究チームは二〇八〇〜二〇九九年の日本列島各地域での雨の降り方を地球シミュレーターを使い予測した。列島を二十キロメートルのマス目に区切って割り出した。今世紀末に世界の平均気温が約二・八度上昇する場合を想定した。河川整備の基準となっている「百年に一度の豪雨」が襲来した際に降る一日最大降水量は、関東から東海地方の一部や九州南部を例外に全国的に増加する見通し。
(日本経済新聞)
○3月4日(火) 自給率向上へ 米を飼料に 東北地方
飼料価格の高騰で、米が有力な飼料作物として期待されている。東北ではトウモロコシや大麦の代替に豚や鶏への給与が行われ、こだわりの畜産物が店頭に並び始めた。肥育牛へも給与できることが分かり、飼料米で自給率向上を図る取り組みは拡大しそうだ。
作付け全国一 鶏も豚も…
飼料米への取り組みは、東北地方が全国をリードする。07年の作付けが最も多いのは山形県で、遊佐町を中心に約130ヘクタール。全国の作付面積286ヘクタール(前年比2・8倍)の半数を占め、日本一だった。東北地方全体では、185ヘクタールだった。東北では養豚での飼料米導入が進む。岩手県一関市では10・5ヘクタール、宮城県大崎市の田尻地域では14ヘクタールを作付け、豚に給与する。ともに08年に作付け拡大を計画している。飼料米の使用を付加価値としてブランド化する動きも出ている。秋田県のJAかづのは首都圏の生協と連携し、飼料米を与えた豚を「お米で育てた桃豚」として販売。青森県藤崎町のトキワ養鶏は、飼料米で育てた鶏卵を「玄米たまご」として売り出す。東北農政局では、東北地方で飼われる豚やブロイラー、肥育牛に与える餌として、飼料米の潜在的な需要を1万9000ヘクタールと試算している。
270ヘクタールに拡大 交付金10アール4万円 山形・庄内
山形県庄内地方で2008年度飼料米の生産面積が270ヘクタールとなり、全国最大規模となる。酒田市は、前年度4ヘクタールから120ヘクタールと大幅に増産。転作大豆の連作障害を防ぐ作物として導入し、地元養豚業者に販売する。産地づくり交付金を使って作付けを誘導していく考えだ。市は飼料米に対して産地づくり交付付近を10アール当たり4万円と、転作大豆と同程度に設定した。今年は、管内の大豆栽培面積の10分の1程度を見込む。先行して飼料米生産に取り組んでいる遊佐町は、前年度比2割増の150ヘクタールの作付けを見込む。両市町の飼料米は酒田市の平田牧場が1トン当たり4万6000円で買い取り、ブランド「こめ育ち豚」として販売する。課題は産地づくり交付付金を上乗せしないと生産費を補えないため、低コスト、高収益につなげる取り組みが必要だ。
◆メリットは?
稲作農家にとっては、転作作物として取り組みやすいことが魅力的。2008年産から生産調整として認められるための手続きが簡素化された。産地づくり交付金や、生産調整を拡大する農家への緊急一時金(踏ん切り料=10アール5万円)の対象にもなる。栽培面では、大豆や麦といった他の転作作物と違い、農機などへの新たな投資や、技術の習得も不要で取り組みやすい。連作障害も無い。畜産農家にとっては、輸入飼料が高騰を続ける中、地域内で飼料の自給ができることが最大のメリット。輸入トウモロコシの代わりに配合飼料の原料として利用でき、長期保存も可能だ。特別な設備や手間は必要ない。
◆課題は?
輸入トウモロコシとの価格差とともに、主食用米との価格差が最大の課題となる。トウモロコシは、高騰しているといっても1トン約5万6000円。その代替として使うため、飼料米は現在60キロ1800〜2000円程度と、主食用に比べ、かなりの安価で取引されている。克服には多収品種の導入や、主食用米より資材の投入を抑えるといった低コスト生産技術の確立が不可欠だ。また飼料米の流通・保管には、主食用米との厳密な区分が求められ、経費が余計にかかる。これに農水省は飼料米1キロ25円まで助成する。飼料米専用の新たなサイロや運搬車両への投資にも2分の1まで支援する。こうした助成や、産地づくり交付金などをうまく活用することも欠かせない。
(日本農業新聞)
○3月4日(火) 自給率向上へ 和牛肥育に圧ぺんもみ 福島県畜産研究所
黒毛和牛の肥育仕上げに欠かせない大麦の代替に、稲もみが有効なことが福島県畜産研究所沼尻分場の試験で分かった。濃厚飼料に3割含まれる大麦は全量輸入で、穀物市場の高騰に伴い価格が高騰しているだけに、飼料米の実用化に期待が高まる。大麦は、肉質の締り、きめ、脂肪質改善のために肥育仕上げ期に利用している。試験は26カ月齢の黒毛和種12頭に出荷前までの3カ月間給与した。
基本となる飼料組成は、大麦32%、トウモロコシ30%、ふすま24%、このほか大豆かす、麦ぬかなど。大麦の代替として稲もみは圧ぺん処理したものと、もみの糊熟期に収穫して発酵処理したサイレージ(SGS)の2種類を6頭ずつに与えた。給与量は「圧ぺんもみ」が1日1頭当たり1〜2キロ。「稲SGS」は1・7〜3・3キロとした。枝肉成績は、通常の大麦区が枝肉重量527キロに対し、「圧ぺんもみ」は541キロ、「稲SGS」は523キロ、上物率、ロース芯(しん)、歩留まり、脂肪の着色も大麦とそん色はなかった。今回使用した飼料米は飼料用品種の「フクヒビキ」。圧ぺん化することで消化を高めた。1年中保管できる。稲SGSは糊熟から黄熟期に収穫し破砕処理した上で乳酸菌を添加しサイレージ調整したもので福島県オリジナルの技術。収穫期がずれることから水稲農家には労働力が分散できるメリットがあるが、発酵品質を一定に保つことなど今後の研究課題だ。
もみは濃厚飼料として栄養価は高く、大麦に比べエネルギーは同等だがたんぱく質含量は少ないのが課題だ。
(日本農業新聞)
○3月4日(火) 冬の気温平年並み 冬型気圧、長続きせず 気象庁
気象庁は3日、昨年12月から今年2月までの冬の天候を発表した。沖縄・奄美は平年より高かったほかは、各地とも平均気温は平年並みとなった。1月中旬から2月上旬にかけて冬型の気圧配置が強まったが、オホーツク海方面からの高気圧の発達が弱く、冬型の気圧配置は長く続かなかった。気温は北日本で平年より0・1度低く、東日本は0・1度、西日本は0・3度高。沖縄・奄美は0・6度高かった。これは、太平洋東部、赤道付近の海面温度が平年よりも低くなるラニーニャ現象の影響で太平洋西部の海面温度が高く、太平洋高気圧が12〜1月中旬にかけ、例年よりも勢力が強かったためだ。一方、北日本から西日本にかけては2日程度の周期で天気が変わり、寒気の南下は弱かった。1月中旬から2月上旬にかけて冬型の気圧配置が強まったが、その期間が短く、降雪量は平年を大きく下回った。北日本で37%、東日本で28%、西日本で45%、それぞれ少ない。
(日本農業新聞)
○3月4日(火) 2月の天気 寒かった 気象庁
気象庁は3日、2月の天候をまとめた。平均気温は平年並みだった北日本を除き、平年よりも低く寒かったことが明らかになった。積雪量は北海道や日本海側などは平年よりも少ない一方、東海、近畿地方の太平洋側などで例年を上回った。平均気温は東日本で平年より0・9度、西日本で1度、沖縄・奄美で1度、それぞれ低かった。また積雪量は北海道で26%、東北52%、北陸56%、山陰地方46%それぞれ少ないのに対し、東海地方は30%、近畿地方太平洋側で15%、山陰地方で8%上回った。冬型の気圧配置になることもあったが、長続きしなかったため、東北や北海道などの積雪が平年を下回った。
(日本農業新聞)
○3月5日(水) 米栽培管理学ぶ 青森・JA八戸広域で講習会
JA八戸広域はこのほど、管内9カ所で水稲栽培講習会を開き、参加した生産者は、青森クリーンライスの農薬・化学肥料の使用基準や、県産米「まっしぐら」の栽培管理について学んだ。このうち、八戸市の上長市民センターで行われた講習会には、生産者約30人が参加。三八地域県民局地域農林水産部普及指導室の船水秀樹主査が、健苗管理の留意点について説明した。この中で、船水主査は「『まっしぐら』は、ほかの県産米に比べ出芽が遅い。浸漬期間を調整して発芽をそろえて、温度・水管理を徹底し良質な苗を作ろう」と呼び掛けた。
(日本農業新聞)
○3月5日(水) 温湯消毒機14台増設 宮城・AJ加美よつば
JA加美よつばは今年、化学肥料や農薬を減らした「環境保全米」を昨年比で3倍を超える1500ヘクタールに拡大する。温湯消毒機を昨年より14台多い、30台設置。2月末に始まった種もみの消毒に活躍している。JA管内では昨年、67の集落営農組織が設立し、組織ごとに環境保全型農業に取り組むことになった。1日には、色麻支店の農産物集出荷場に50人ほどの生産者が集まり、共同で温湯消毒を行った。22人の組合員が参加し、1・3トンの種もみを消毒した。JAは環境に配慮した米づくりを目指そうと、肥料・農薬を減らした特別栽培米と加美よつばエコ米の2つを推進してきた。
(日本農業新聞)
○3月5日(水) 温湯消毒機施設が稼動 福島・JA会津みどり
福島県内の水稲種子温湯処理施設の稼動式が3日、JA会津みどり湯川総合支店管内の74号農業倉庫で開かれた。同処理施設は、4キロのもみを60度の温湯に10分間漬け、その後15度の冷水に6分漬けて脱水する。この作業工程を全自動で行い、1時間で480キロを処理する。同作業で、育苗段階で無農薬が可能になる。JAは、エコファーマーが栽培する米の栽培面積拡大を目指す「会津エコ米3・8推進運動」を展開している。同施設の導入で、水稲栽培の農薬使用量の削減はもとより、農薬消毒の廃液が皆無となる。環境に優しい農業に取り組み、「売れる米づくり」をさらに進めていく。
(日本農業新聞)
○3月5日(水) 病害防除へ 栽培講習会 宮城県古川農業試験場
環境保全米の安定生産を図ろうと、宮城県古川農業試験場主催の「水稲の環境保全型栽培講習会」がこのほど、大崎市で開かれた。生産者やJA職員など関係者約100人が参加、試験場の担当者が最新の研究成果を話した。講習は@育苗期の病害防除A斑点米カメムシ類と本田初期害虫の防除B水田雑草の効率的な防除C水稲の窒素栄養からみた現状と課題など。堆肥(たいひ)に含まれる窒素を考慮し、施肥窒素量を抑えてもみ数を過剰にしない。将来的には減肥を目指すことを示した。JA宮城中央会は2008年産の環境保全米の取り組みについて、「水田作付面積7万771ヘクタールの40%に当たる2万8384ヘクタールになる見込み」と報告した。
(日本農業新聞)
○3月7日(金) 稲発酵粗飼料50ヘクタールに JA東西しらかわ
福島県のJA東西しらかわ管内では、2008年度の稲発酵粗飼料(WCS)の作付面積が、07年度の14ヘクタールから50ヘクタールに急増する見込みだ。JAが刈り取り機を導入し、直接事業を手掛ける全国でも珍しいケース。耕畜連携の要として、農家への粗飼料供給に力を入れていく。JAは07年度、国の事業を使い、収穫に必要な専用機械一式を購入した。栽培した農家14戸のうち10戸は酪農家で、自家用飼料に利用した。JA営農経済部は「管内は酪農や和牛農家が多く、飼料高騰で需要はさらに高まる」とみている。拡大分の36ヘクタールは酪農家が増産するほか、生産調整で取り組む稲作農家が一挙に増えたという。刈り取りはJAが請け負い、売買価格は1梱包(こんぽう)300キロで5000円。10アール当たり収量は1500キロで、収入は2万5000円。種もみ代、除草剤、機械利用料金など差し引かれるが、産地づくり交付金や耕畜連携事業を活用し、07年度の粗収入は10アール当たり7、8万円とみられる。
(日本農業新聞)
○3月8日(土) 農家の悩み、現場で解決 農業ドクター#h遣 青森県農林総研センター
生産現場のお悩み解決へ農業ドクター≠派遣します。青森県農林総合研究センターは今春から、農家が抱える課題について出向き、対策などの共同研究に取り組む事業を始める。研究員である農業ドクター≠ェ、現場の実態をみて肥料や管理法などの処方せん≠無料で作成。これに基づいた資材経費や労力は、農家が負担する仕組みだ。対象品目は水稲、畑作、野菜、果樹、花き、畜産、きのこ。県内在住農家で、処方せんに基づいた経費負担、適切な管理ができることなどが条件だ。農家が同センターに派遣を要請、受託され、同意書を交わしてから共同研究を始める。今年2月から募集を呼び掛けたところ、続々と問い合わせが来ている。同センターが開発した水稲冷害回避技術を試したい、良食味米生産へ乾燥・刈り取り適期を知りたいといった内容などがあり、農家との連携体制に期待する。これまでの現地試験や指導のほかに「とにかく、生産現場で直接困っている課題に対処していく」考えだ。企画経営室の高舘正男室長は気軽に派遣を要請してほしいと話す。
(日本農業新聞)
○3月8日(土) 地元の米、水で幻の日本酒 「小沢の桜」今年も 福島県田村市
福島県田村市船引町の杜氏(とうじ)が、地元の水と米で仕込んだ日本酒「小沢の桜」は、無ろ過で火入れをしていないため、この時期しか味わえない逸品だ。あぶくま高原特有の気候を生かした寒仕込みの搾りたての酒は、米のうまみが凝縮、味わい深い仕上がりだ。船引町小沢地区などの生産者85人が栽培した「チヨニシキ」と県酒造好適米「夢の香」を100%使用。地元酒造の玄葉本店で地元の杜氏と蔵人が、地元の水を使って醸造。すべてが地元で育(はぐく)んだ日本酒。酵母が生きており、出荷時期や本数も限定。まさに幻の日本酒だ。アルコールは17度で、ロックで味わうと、違ったおいしさが楽しめる。玄葉本店代表の玄葉次郎さんは「甘み、酸味、うまみを、いかにバランス良く引き出すかを意識した。昨年と比べ、甘みや酸味の後味が、すっきりと仕上がった。地元の食材と一緒に味わえる日本酒が目標。皆さんの意見を参考に、品質向上を目指したい」と話す。
(日本農業新聞)
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○3月11日(火) ラニーニャ夏までか 気象庁が速報
気象庁は10日、エルニーニョ監視速報を発表した。2月の太平洋東部、赤道付近の海面温度は基準値よりも1・4度低く、ラニーニャ現象がなお明確に現れていることが明らかになった。差は今年に入ってわずかながら小さくなっており、同庁は夏にかけて解消に向かうと予想する。ラニーニャ現象は日本では夏は暑く、冬は寒い天気として影響を与えている。しかし、今回のラニーニャ現象は温暖化などもあり、日本ではあまり明確には出ず、冬型の気圧配置が長続きしない状態になっている。3月の天気も暖かい日と寒い日が繰り返される見込みで、3カ月予報などでも、寒暖の差も大きくなるとなっている。同庁は現在のラニーニャ現象の状態から、「この予報を変える根拠にはならない」と指摘する。
(日本農業新聞)
○3月12日(水) 稲食い荒らすイネミズゾウムシ あぜ波シート有効 福島県農業センター
県農業総合センター生産環境部作物保護グループは、稲を食い荒らす害虫イネミズゾウムシの被害防止対策として、漏水防止や水田の区画整理用として使われているあぜ波シートの有効性を実証した。イネミズゾウムシは五月ごろ畦畔(けいはん)や近くの山から飛来。幼虫期に水中の根、成虫になると葉を食べ、深刻な被害をもたらす。食害を受けたイネは生育が遅れ、まれに枯死することもあり注意が必要だが、農薬を使用しない有機栽培農家では、有効な対策手段はなかった。同グループは昨年六月福島県松川町で実証試験を実施した。高さ約三五センチのシートで囲んだ水田と囲んでいない水田を使い、イネミズゾウムシの成虫密度などを比較した結果、シートで囲んだ水田内のイネミズゾウムシの個体数は大幅に少なかった。
(福島民報)
○3月14日(金) 淡雪こまち デビューへ 秋田県農試育成
県農業試験場は十三日、二〇〇五年三月に農水省に登録申請した水稲うるち米「淡雪(あわゆき)こまち」が品種登録されたと発表した。淡雪こまちは、奥羽343号と秋田51号(でわひかり)を交配させた品種で、九三年に同試験場が育成した。通常のコメよりもでんぷんの一種であるアミロースの含有量が少ない低アミロース米で、冷めても硬くならず、粘りがあるのが特徴。あきたこまちより出穂が早く、耐冷性もやや強い。現在、鹿角市と小坂町の農家でつくる「かづの淡雪こま直播(ちょくはん)研究会」が約三ヘクタールで試験栽培している。今年から県による播種を行い、〇九年から農家が種子を購入できる予定。
(秋田魁新報)
○3月15日(土) 平年収量案530キロ 温暖化で3県下げ 08年産米
農水省は14日、「水稲の作柄に関する委員会」を開き、2008年産水稲の10アール当たりの平年収量案を示した。今回は算定を地球温暖化に対応した方法に変更して実施。毎年の気象変動を除いて計算した全国の平年収量案は前年を1キロ上回る530キロとした。地球温暖化による気温上昇の影響で、佐賀など3県の収量が引き下げとなった。正式決定は17日となる。見直しは7〜9月の気温が上昇、田植えや出穂が早まる中、登熟期間の夜温が高温になり登熟障害が発生している実態などを考慮。登熟期間に対応する気象データの計算範囲を、出穂期と出穂後を合わせて平均値を出していた方式から、それぞれ算出する形式に変えた。地域別にみると、引き上げとなったのが、北海道、東京、神奈川、愛知、島根、宮崎の6都道県。技術向上などで収量水準の高い品種の作付け割合が増え、一方で、低収穫量地帯の作付割合が減少したのが要因で、「温暖化が影響しているとは言いがたい」(統計部)。一方、引き下げとなったのは山口、福岡、佐賀、島根の4県。このうち、山口、福岡、佐賀の3県は温暖化による影響が響いた。登熟期間の最低気温が大きく上昇。登熟や収量への影響は出穂前と出穂後で異なる上、1等米比率が全国平均を大きく下回る年が続いているため。島根県は04年の台風による倒伏被害で警戒感が高まり追肥量を減少、収量水準が低下しているのが理由としている。
(日本農業新聞)
○3月16日(日) 環境考え米作り 種子を温湯消毒 福島・JAすかがわ岩瀬
JAすかがわ岩瀬は須賀川市の西袋選果場内の施設で温湯種子消毒作業を行っている。60度の湯に10分間水稲種子を浸し、すぐに水で5分間冷却する温湯消毒は、農薬を使わずに種子を殺菌することから、コストの低減と環境に優しい米作りができる。農薬使用と同等の殺菌効果があるほか、ばか苗病、いもち病、もみ枯細菌病などの種子伝染性の病害を防除する。JAの温湯消毒機は、一度に30キロ、1時間で180キロの処理が可能。導入3年目の今年は、昨年の11トンを上回り、岩瀬清流米8トンのほか、JA管内の特別栽培米や一般米など8トンの合わせて16トンの処理を、4月上旬まで行う。
(日本農業新聞)
○3月19日(水) 元気な苗作ろう 青森・JA津軽尾上が水稲講習会
栽培技術の向上で健康で元気な苗作りを目指そうと、JA津軽尾上は18日、平川市にある同JA本所と西支所の2会場で、水稲育苗講習会を開いた。JAでは、5年前から農薬節減米(青森クリーンライス)に取り組み、管内統一の農薬使用基準で栽培している。このうち、種子消毒について、これまで化学合成農薬で処理していたものを、2008年産米から微生物農薬による消毒に変更するため、講習会には、例年より多くの生産者が訪れた。講習会では、JAの山口博之指導員が消毒方法の説明や注意点を説明した。
(日本農業新聞)
○3月19日(水) 健苗づくり 要点を確認 岩手・JAきたかみ指導会
今年の米の出来を左右する育苗の指導会が17から19日までJAきたかみの支店など市内14の会場で開かれている。初日は4会場に210人が出席し、健苗づくりの要点を確認した。「良質米生産は健苗から」と題して、JA米穀流通課の職員が育苗作業の流れと管理のポイントを説明。「育苗管理は温度と水分のコントロールで決まる」と、こまめな管理を促した。JAきたかみでは、今年の田植え適期を例年並みの5月15日ごろと設定。そこから逆算して作業スケジュールを算出し、4月上旬から種子の水漬け作業を始めることとした。種子処理は、数年前から生物農薬と温湯消毒の2本立て体系をとっているが、生物農薬は昨年までのモミゲンキに替えてエコホープDJを採用。このことで種子を無消毒へと全面的に切り替えることにより、年間農薬使用回数をこれまでより1成分減らすことができる。
(日本農業新聞)
○3月19日(水) 増える稲発酵粗飼料 耕畜双方から需要 宮城県農業公社
宮城県農業公社が手掛ける稲発酵粗飼料(WCS)の受託面積は、2008年度県内で280ヘクタールになる見込みだ。生産調整の拡大と飼料高により、耕畜双方の農家から需要が高まっているため。07年度の県全体のWCS作付面積は494ヘクタールで東北で1位。この43%を公社が作業受託した。作業料金は10アール当たり2万2700円(団地型)。もみが完熟する前に公社の専用機で刈り取り梱包(こんぽう)、サイレージまで請け負う。昨年は1万1000個(1個300キロ)を畜産農家49戸にあっせんした。稲作農家の収入は、WCSの販売(10アール8個の場合)2万4000円のほか、産地づくり交付金、耕畜連携水田活用対策で10アール1万3000円助成される。公社は注文があった畜産農家に圃場(ほじょう)渡し1個3000円で販売する。農家まで運搬サービスも行う。畜産農家は国産粗飼料の給与助成も受けられ、メリットは大きい。
(日本農業新聞)
○3月20日(木) 小麦生育は順調 生産者ら現地研修 宮城・JAみどりの
良質麦の安定生産を目指そうと、JAみどりの涌谷営農センターはこのほど、2008年産小麦の研修会と現地検討会を開いた。生産集団の代表や担い手農家ら30人が参加し、今後の管理を学んだ。美里農業改良普及センターの大槻恵太作物担当普及員が、地域内の調査圃(ほ)の生育状況から追肥時期と施肥量を指導した。今後の留意点として、倒伏防止と生育のばらつきの解消を狙いとした麦踏みの実施が挙げられた。今年産小麦は、適期播種(はしゅ)の励行で茎数・葉数が確保され生育は順調。幼穂長は0・5ミリ程度で平年並み。出穂時期は5月10〜16日と予想される。
(日本農業新聞)
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○3月22日(土) 種もみを温湯消毒 青森・JA木造町
JA木造町おいしいごはんを作る会は17日、アイガモ農法による完全無農薬米(品種=つがるロマン)の種もみの温湯消毒作業を行った。同会のアイガモ農法による完全無農薬米は、1996年から取り組んでいるもので、今年は、全会員数35人のうち、5人の生産者が約4ヘクタール作付けする。作業では、西北地域県民局地域農林水産部普及指導室つがる分室の石岡正樹技師が「温湯が満遍なく種もみに行きわたるよう、袋には5キロ程度入れ、絶えず種もみが袋の中で動くようにすること」などと指導。参加した会員が、今年使用する種もみ215キロの温湯消毒を行った。
(日本農業新聞)
○3月22日(土) 健苗作り確認 JAいわて花巻が水稲育苗講習会
統一した栽培に取り組み信頼される花巻米を作ろうと、JAいわて花巻と同水稲部会は11〜18日まで管内11の支店を会場に水稲育苗講習会を開き、健苗作りを確認した。花巻市石鳥谷町のJA石鳥谷支店で開かれた講習会には100人が出席。JAの営農指導員が講師となって、農薬の使用方法や催芽の目安、ハウス内の温度や水管理のポイントなどを伝えた。
(日本農業新聞)
○3月25日(火) 乾田直播排水良好 麦用高速機で米作り 東北農研センター
東北農業研究センターは、麦用の高速播種(はしゅ)機を乾田直播(ちょくは)に応用できる作業体系を開発した。1時間で1ヘクタールを播種でき、畑作並みの省力化が可能だ。10アール収量は545キロあり、水田農業の本格的な担い手向け技術と位置付けている。作業工程は@砕土・鎮圧A播種B鎮圧で、トラクターに畑作用の作業機を装着させる。砕土には縦軸回転ハローを使い硬めに床を作るのがポイント。播種に用いる麦用グレーンドリルは時速8キロの高速播種が可能。種子も一度に110キロ投入でき、2ヘクタールをいっきにまける。播種後はカルチパッカで鎮圧すると種子と土壌が密着し、苗立ちが良くなる。乾田のメリットを同センター東北水田輪作研究チームの大谷隆二上席研究員は「代かきしないので排水性が良く、田畑輪作が容易」と言う。水田作の大豆・麦は、湿害が低収の最大要因だ。乾田直播の翌年は排水が良くなり、大豆・麦が作りやすくなる。また、気温が低くても土が乾いていれば播種できるので、作業適期を長くとれるという。
(日本農業新聞)
○3月26日(水) 晩霜に警戒を 3カ月予報 気象庁
気象庁は25日、3〜5月の3カ月予報を発表した。気温は全体的に平年並みか平年よりもやや高めで、降水量もほぼ平年並みになる見込み。しかし、ラニーニャ現象の影響が残り、日本列島上空へ寒気が一時的に流入する可能性があるため、気温差の大きくなる日もある。気象庁は「急に冷え込んで霜が降りることもあり得る」として、晩霜への警戒を呼び掛ける。
(日本農業新聞)
○3月27日(木) 水稲育苗スタート 岩手・JAいわい東
JAいわい東川崎水稲育苗センターは24日、一関市川崎町薄衣の同センターで水稲育苗作業を始めた。4月9日から25日まで播種(はしゅ)作業が行われ、5月7日から各農家へ苗の配布が始まる。2008年度の同センターの育苗は、「ひとめぼれ」2万3500箱、「ササニシキ」480箱、「あきたこまち」360箱、「コガネモチ」840箱の2万5180箱を計画している。
(日本農業新聞)
○3月27日(木) 水稲種もみの温湯消毒終了 宮城・JAあさひな
JAあさひなが取り組んできた2008年産水稲種もみの温湯消毒作業が終了した。環境保全米作りを推進していることもあり、今年は07年産に比べ8トン増の30トンを処理した。作業は2月26日から3月19日まで延べ22日間。大和町鶴巣のJA鶴巣ライスセンターで、「郷(さと)の有機」特別栽培米と環境保全米Cタイプの作付け者を中心に実施した。センターは温湯浸漬殺菌機6台を設置。種もみは個人や集落営農組織が持ち込んだ。08年産は管内319件の申し込みがあり、「ひとめぼれ」26トンをはじめ、「ササニシキ」「コシヒカリ」「まなむすめ」など全体で30トンになった。
(日本農業新聞)
○3月27日(木) 桜の開花 東北も早い 気象庁
気象庁は26日、今年4回目の桜の開花予想を発表した。今回は東北地方だけで、各地とも平年より3〜9日早い。3月の気温が平年よりも高い状態で推移し、今後も平年並みか、高くなると見込まれていることが影響している。最も早い開花日は福島県の小名浜で4月3日。以後北に進み、青森で4月22日と予想している。平年より最も早いのは盛岡で、9日早い4月14日の見込み。その一方で、前回(19日)の予想と比べると、福島県の予想開花日が1日遅くなり、青森、秋田、岩手、山形各県が1、2日早まった。
(日本農業新聞)
○3月28日(金) 青森県育成の低アミロース米「青系159号」 第一種認定品種に指定 適地の津軽で生産拡大へ
県は二十七日、県が育成した低アミロース米「青系159号」を、地域や用途を限定して作付けを推進する第一認定品種に指定した、と発表した。主にブレンドや加工に向いており、西北、中南など津軽中央地域での栽培に適しているという。低アミロース米は現在、海岸冷涼地帯向けの早生種「ゆきのはな」が第一種認定品種に指定されている。「青系159号」はつがるロマンと同じ中生種で、つがるロマンが安定的に生産できる地帯で作付けに適している。アミロース含有率は「ゆきのはな」と同じ6-12%。炊飯した時の粘りが強く、冷めても硬くなりにくい特徴があり、食味向上のためのブレンドや冷凍米飯など加工に向いている。
(東奥日報)
○3月29日(土) もみ殻充てん簡易機械登場 暗きょ排水機能低下を補修 宮城県古川農試が開発
水田の畑地化に伴い、暗きょに施した疎水材のもみ殻が腐食して、排水機能の低下が問題になっている。宮城県古川農業試験場は、空洞化した暗きょにもみ殻を充てんする簡易な機械「モミタス」を開発した。町の鉄工所など10万円台で製作でき、低コストで補修が可能だ。「モミタス」はホッパー部、切削部、ステップ部で構成、50万馬力以上のトラクターに装着して使う。田の表面から20〜45センチ下にもみ殻を充てんする。突き棒で突き固め、もみ殻投入部の真上をトラクターの前輪で転圧。その後ロータリーで耕起して、前輪で再耕起する。作業はもみ殻投入に2人、トラクターの運転、もみ殻突き固め、荷降ろしなど補助作業に各1人。このほかにもみ殻運搬車の運転手と、合わせて7、8人が必要。機械の改造は、特許などを侵害していないので支障ないが、利用者の責任で行うことに注意が要る。問い合わせは古川農試土壌肥料部、(電)0229(26)5107。
(日本農業新聞)
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