水稲冷害研究チーム

2008年東北稲作動向


 本情報は新聞記事等から得られる東北地域の稲作概況をお知らせするものです.
 稲作の動向と冷害関連記事に注目して,概況を追跡します.
 なお,記事の収集については東北農業研究センター情報資料課田中課長さんにご協力をいただいています.


7月

上旬へ 中旬へ 下旬へ
 
−−−−−−−−−   上旬   −−−−−−−−−


○7月2日(水) 田んぼ回り腕磨く 生育状況を確認 山形・鶴岡地域良質推進協
 JA鶴岡や行政が組織する鶴岡地域良質米推進協議会は6月30日、生産者約50人や、市、JA関係役職員らが参加し、管内の展示圃場(ほじょう)を巡回、稲の生育状況などを確認した。巡回したのは、黄金、大泉、上郷、大山地区など7カ所。圃場では、特別栽培「コシヒカリ」や今後発売が予定されている新品種「山形97号」が栽培されている。JAの調べによると、6月27日現在、低温と強風の影響で平年に比べて2、3日程度生育が遅れているが回復傾向にある。
(日本農業新聞)

○7月3日(木) 水田の生き物 児童が調査 JAあきた北央
 JAあきた北央はこのほど、小学校5年生を対象に「田んぼの生きもの調査」を実施した。JA職員や地域住民、JA青年部・女性部が参加して、田んぼの生きものプロジェクトのインストラクターが指導に当たった。管内4カ所で参加したのは、合川南小学校、米内沢小学校、上小阿仁小学校、阿仁小学校、大阿仁小学校。それぞれの地区の田んぼでオタマジャクシやヤゴ、ゲンゴロウの幼虫などを次々と捕まえた。捕まえた生き物をトレーに移し、図鑑を使って種類を調査し、班ごとに自分たちの成果を発表した。田んぼの中の3カ所から土を抜き取り、目を凝らしてイトミミズやユスリカの調査も行なった。
(日本農業新聞)

○7月3日(木) 初の酒米作りに意欲 冷害克服し特産化へ岩手県久慈地方の研究会
 岩手県久慈地方で今年から、初の酒造好適米作りが始まった。やませが襲う冷害地帯で、耕作放棄が増え続ける状況に歯止めをかけようと、生産者、酒造メーカー、JA、行政らが研究会を発足。米から醸造まで地元産にこだわった酒を特産化し、地域を活気付ける試みだ。5月下旬に田植えし、現在は活着状態も良く、生育はまずまずだ。研究会のメンバーは約10人。今年は生産者3人が、耕作放棄地50アールを含めた計60アールで、酒造好適米用品種「ぎんおとめ」を作付けた。「ぎんおとめ」は早生なので、県北地域でも栽培できると選んだ。10アール収量は、同地域での食用米並みの480キロを目指す。JAに玄米出荷し、県酒造組合(盛岡市)で加工した後、久慈市の酒造会社・福来が全量買い取る。来年には、純米酒として2700リットル販売する予定だ。
(日本農業新聞)

○7月3日(木) 農家が指導バケツ稲作り 岩手・一関萩荘小
 一関市立萩荘小学校5年生65人はこのほど、総合学習の一環としてバケツ稲づくりを始めた。同市厳美町の生産者、佐藤修司さんが指導。児童は楽しみながらバケツに苗を植え付けた。佐藤さんは「水は常に切らさないようにすること。稲も生き物。水がないと生きていけない。スズメに食べられないよう気をつけること」と今後の管理を説明。
(日本農業新聞)

○7月8日(火) 展示圃場を比較検討 水稲新品種「山形97号」 山形・川西町
 山形県は、2010年10月のデビューを目指す水稲新品種「山形97号」の展示圃(ほ)を、今年、県内4市町村5カ所に設置した。栽培適地の判断や栽培マニュアルに役立てる。4日には展示圃の一つ、川西町で現地検討会が開かれ、県やJAから約30人が参加し、生育を確認した。川西町では30アールで「山形97号」を栽培している。県の担当者と作付け農家の後藤行雄さんが元肥の量など栽培状況を隣の圃場の「コシヒカリ」と比較しながら説明した。県は昨年、川西町と鶴岡市の展示圃2カ所で各10アールを栽培。今年は新たに、寒河江市と鮭川村が加わり、4市町村に各30アールと鶴岡市では有機栽培15アールも始めた。このほか小規模な試験圃約25平方メートルを県内32カ所に設置している。「山形97号」はコシヒカリをしのぐ食味を持つといわれる県オリジナル新品種。デビューに向け、栽培基準の設定や販売戦略、名称の公募などを山形97号ブランド化戦略会議などで検討を進めている。
(日本農業新聞)

○7月8日(火) 大麦69トン検査 宮城・JA仙台
 JA仙台は2日、2008年産大麦の初検査を仙台カントリーエレベーター前で行なった。「シュンライ」69トンを検査した結果、被害粒は見つからなかったが、全量2等に格付けされた。整粒歩合は67%と昨年とほぼ同じ。今年度の大麦の刈り取りは6月13日から始まった。播種(はしゅ)期から天候に恵まれ、刈り取りまで生育は良好。例年に比べて4日から6日ほど生育が早かった。JA農産物検査課では「昨年は空洞粒なども見られ、規格外となったものもあったが、今年は刈り取り時期の天候にも恵まれ、検査の滑り出しとしては順調」と、今後の検査結果に期待を寄せている。
(日本農業新聞)

○7月8日(火) 農地被害2400万円 秋田で水田液状化 岩手・宮城内陸地震
 岩手・宮城内陸地震の影響で、秋田県湯沢市では一部の水田に液状化現象が起きていた。県内の農林業被害は4日現在で1億3000万円。このうち水田の液状化や畦畔(けいはん)など農地被害は2400万円に上がっている。湯沢市皆瀬地区は、地震被害が大きかった宮城県栗原市花山地区に隣接し、震度5弱に見舞われた。地震発生直後に地区内を調べた湯沢市農業振興センターによると「田んぼの表層が揺れて、稲が倒れていた」と話す。同地区で液状化が見られた水田は12枚。すき込んだ稲わらが地表に現れたり、陥没した水田もあった。苗は植栽時とずれた位置にあり、巡回したJAこまちの担当者も「田んぼごと揺さぶられた状態だった」と話す。県のまとめによると、県内の液状化は18カ所あり、畦畔の決壊と合わせて7・3ヘクタール。このほか農道の路肩崩壊と水路の損傷が1700万円、菌床シイタケの落下1700万円。森林被害は6400万円となっている。
(日本農業新聞)

○7月8日(火) WCS地域で自給 作付け拡大 耕畜、きずな固く
 飼料の高騰が続く中、岩手県のJAいわい東管内の大東飼料作物利用組合は、7年前から稲発酵粗飼料(WCS)を地域で自給し、牛に給与を続ける。組合は、今では合併前の旧大東町で16ヘクタール、旧一関市で15ヘクタールのWCSを、稲作農家と契約して栽培する。収穫・調製は組合が、それ以外の肥培管理は稲作農家が行なう分業制だ。収穫・調製は、組合メンバー総出の共同作業で行なう。主食用米より1カ月程度早い8月後半に収穫を始め、2週間ほどで終える。トラクターなどの機械は、組合メンバーがもともと所有していた牧草用を有効利用。水田の水切りがしっかりしていれば、牧草用でも問題ないという。調整・乾燥後、11月には牛への給与を始め、翌年の3月までには使い切る。気温が高くなると、WCSの品質が低下するためだ。10アールの水田からは、旧大東町で3、4ロール(1ロール約300キロ)、旧一関市で5ロールのWCSが作られる。組合10戸で乳牛105頭と繁殖牛72頭を飼養するが、この期間の粗飼料の5、6割を賄える。稲作農家にはWCS1ロール当たりで代金を支払う。燃料代などの経費は補助金でカバーするが、今年度で国産粗飼料増産対策事業(3カ年間、10アール当たり1万円)が打ち切られてしまう。
(日本農業新聞)


 
−−−−−−−−−   中旬   −−−−−−−−−


○7月17日(木) 良質米生産の要、水管理しっかり JAいわて南あぜみち相談会
 安全・安心良質米生産を図ろうとJAいわて南は9、10日の2日間、管内で第4回あぜみち相談会を開いた。JAの営農指導員が米生産者に7〜8月の水稲栽培管理を説明した。9日の一関市赤萩の会場には生産者8人が集まった。JA一関中央営農経済センターの佐藤賢治調査役が「幼穂形成期や減数分裂期にかけて低温に対応できるような水管理をすること。畦畔(けいはん)の草刈りは出穂の10〜15日前には終えるように」と呼び掛けた。
(日本農業新聞)

○7月17日(木) 水稲間断かんがいを 節水管理促す 少雨で岩手県技術対策会議
 岩手県は16日、春先からの少雨傾向で農作物への影響が心配されることから、JAや普及センター、研究機関などと技術対策連絡会議を開いた。特に水稲はこれから、幼穂形成期など水管理が必要な時期となるため、できるだけ間断かんがいにして節水することにした。水稲の幼穂形成期は低温に弱いため、徐々に入水して深水管理する場合が多い。今年は水不足が深刻なため、低温の心配がないかぎり深水管理をせずに、間断かんがいで水の確保に努める。効率的に水を利用するため、水漏れの補修や溝切りなど圃場(ほじょう)管理を徹底する。1月から6月までの県内降水量は、内陸部で平年の半分程度と、干ばつ被害に遭った1994年を下回る。主な農業用ダムの貯水率平均は、7月15日現在で41・1%と平年の61・7%よ低い。既に県内15団体、水田約2万5400ヘクタールで取水制限などの対策を取っている。
(日本農業新聞)

○7月18日(金) 大豆の種まき1年生が体験 岩手・紫波町立紫波第二中学校
 農業体験学習の一環として紫波町立紫波第二中学校1年生50人が15日、紫波町の農事組合法人ゆいっこの里犬草の圃場(ほじょう)で大豆の播種(はしゅ)作業を行なった。この日は、25アールほどの圃場に納豆大豆と「スズマル」の2品種8キロを手作業で1時間かけて播種した。この日、播種した大豆は、生徒たちが除草と11月に予定される収穫を行い、学校給食に納豆として出される。
(日本農業新聞)

○7月19日(土) 小麦初検査 全量1等に JA新いわて
 盛岡市玉山区好摩のJA新いわて夏間木農業倉庫で16日、JA管内で初めてとなる2008年産小麦検査が行なわれ、全量が1等に格付けされた。検査した小麦は玉山区内で生産された「ナンブコムギ」35トン、「ゆきちから」13トン。水分、整粒歩合、被害粒の有無などを調べたJA農産物検査員は「粒が大きく、昨年より品質は良好」と太鼓判を押した。今年産小麦は好天に恵まれ順調に生育。刈り取りもスムーズに行なわれ、検査時期は平年並み。例年より登熟が進んでおり、朝露などによるかび被害が懸念されるため、JAは早期刈り取りを呼び掛けている。JA管内における08年産小麦は318ヘクタール、700トンの収量を見込んでいる。
(日本農業新聞)

○7月20日(日) 斑点米カメムシで注意報 除草しっかり 山形
 県病害虫防除所は18日、県内全域に斑点米カメムシ類の注意報を発表した。巡回調査により、過去10年で最も多いカメムシの発生が確認されたため。除草の徹底など、的確な対策を呼び掛けている。県が15〜17日に行なった巡回調査では、カメムシの発生確認地点数と、水田内の平均すくい取り虫数が、ともに過去10年で最も多かった。県は防除方法として、@出穂2週間前ごろまでに畦畔(けいはん)や農道の除草を徹底し、刈り取った草は放置せずに搬出することA8月に入ってからの草刈りはカメムシの水田侵入を助長するため、草刈り後すぐに薬剤防除を行なうことなどを挙げ、注意を促している。
(日本農業新聞)

 
−−−−−−−−−   下旬   −−−−−−−−−


 
GotoHome Prev Next Return Opinion
 

reigai@ml.affrc.go.jp