水稲冷害研究チーム
2008年東北稲作動向
本情報は新聞記事等から得られる東北地域の稲作概況をお知らせするものです.
稲作の動向と冷害関連記事に注目して,概況を追跡します.
なお,記事の収集については東北農業研究センター情報資料課田中課長さんにご協力をいただいています.
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○9月1日(月) 豪雨、大気滞留で頻発 「ブロッキング」2カ月持続 気圧配置の異変続く
今夏は日本各地で豪雨が頻発した。七月末には兵庫県で死者が出たほか、最近は関東、東海地方などで連日激しい雷雨が起きている。七月から八月にかけて、大気の流れに「よどみ」ができて気圧配置が変化しにくくなる「ブロッキング現象」が持続した影響とみられる。同現象が二カ月も続くのは異例。今後、徐々に解消する見通しだが、しばらくは天気はなお崩れやすい可能性があると専門家はみている。気象庁気候情報課によると、ブロッキング現象は七月以降、強弱を繰り返しながら続いている。七月下旬と八月下旬に強まり、これに対応して記録的な豪雨が何度も日本列島を襲った。上空五千〜六千メートルの高層天気図から読み取れる大気の大きな流れは、ほぼ同じパターンが続き、地上での動きも鈍かった。
予想追いつかず
東京大学天候システム研究センターの木本昌秀教授は「ブロッキング現象は通常、続いたとしても一ヶ月程度。二カ月も持続するのは珍しい」と指摘する。同現象をつくり出す、規模の大きな大気の波動が「西から進んでくる小さな波動を次々に吸収して持続力をつけたのではないか」と推測する。高層天気図では、上空の強風帯である「ジェット気流」が日本付近で南北の二つの経路にはっきりと分かれている。高緯度を通る寒帯前線ジェットは北に蛇行、中緯度を通る亜熱帯ジェットは南に蛇行し、この部分で大きな大気の流れが滞った。寒帯前線ジェットの東側では寒気が南下しやすく、亜熱帯ジェットの東側は暖かく湿った空気が入り上昇気流が起きやすくなる。日本付近はこれらの影響を受け、「局地的に積乱雲が発達しやすくなった」と東大大学院理学系研究科の中村尚准教授は分析している。その日の気圧配置などから豪雨の危険度が高いとわかっても、「いつ、どこに、どの程度の雨が降るかを絞り込むのは難しい」(気象庁の村中明主任予報官)。個々の積乱雲の発生や発達までは、現在の技術では予測しきれないという。ブロッキング現象の下では、冷たいオホーツク海高気圧が強まるケースが多い。「今年は二〇〇三年のような冷夏と紙一重の状態だった」(気象庁気候情報課)しかし、インド洋や太平洋の海水温の影響などもあり、暑さをもたらす太平洋高気圧も勢力を保った結果、変化の激しい天気になったもようだ。高気圧の位置は例年と異なり、日本の南海上には低気圧が滞留した。
温暖化も遠因か
中村准教授によると、今後は寒帯前線ジェットの蛇行は解消に向かい、ブロッキング現象も薄れていく公算。ただ、亜熱帯ジェットは日本付近で南西から北東に向かう流れのままで、雲の発達を招きやすい不安定な状態が続く可能性がある。一連の豪雨を直接、地球温暖化と結び付けることには慎重な専門家が多い。ただ、寒帯前線ジェットの蛇行は「シベリアの春の高温が引き金になった可能性がある」(東大の木本教授)。また、日本付近への暖かく湿った空気の流入に「インド洋の海水温分布が関係している」(東大大学院理学系研究科の山形俊男教授)との見方もある。温暖化が加速すればシベリアの高温や海水温の上昇が顕著になり、日本付近は不安定な気象に見舞われやすくなる懸念があるという。
(日本経済新聞)
○9月2日(火) 直播きした米の試食も 秋田・東北農研センター大仙拠点一般公開
東北農業研究センター大仙研究拠点は8月28日、施設を一般公開し、開発した新品種や数十種類に及ぶ稲品種の水田、雑草見本園、農業機械などを紹介した。水稲直播(ちょくは)栽培における雑草防除や鉄コーティング直播栽培、斑点米カメムシの生態と防除の公開講座を開催。直播用の良食味米「萌みのり」や開発中の新食感米「奥羽紫糯(むらさきもち)389号」、青くさみの少ない大豆「すずさやか」の試食も人気だった。
(日本農業新聞)
○9月2日(火) 山の米作り ドラマに 19日放送、NHK仙台「お米のなみだ」 宮城・大崎市
NHK仙台放送局(仙台市)は中山間地の米作りをテーマにしたドラマ「お米のなみだ」を19日に放送する。都会に住む女性の視点から、米に懸ける農家の思いや、それを支える地域の人々の姿を温かいまなざしで描いた。舞台は宮城県大崎市の鳴子温泉がモデル。同地区は、観光地という立地条件を生かし、地元で取れた米を温泉旅館で提供したり、観光客に買ってもらったりすることで、米作りを支えている。チーフプロデューサーの矢吹寿秀さんは、「食べ手」と「作り手」が支え合う鳴子の取り組みに驚きと尊敬の念を感じたことが製作のきっかけになったことを明かす。あらすじは、東京の商社に勤める主人公の月村みのりが中山間地の米を青田買いするよう命じられる。記録的な猛暑で大凶作になるとの予想から、冷涼な地域で育った米を買い占めるため。だが、みのりの前に米を売ろうとしない農家のリーダーが現れた。「地域の人たちのために米を作っている」が理由だった。5月から生産現場の撮影に入り、鳴子地区や鬼首地区の農家らも協力した。NHK総合で午後7日時30分から8時43分まで東北向けに放送する。放送に合わせ、NHK仙台放送局ではホームページ上で、大好きなおにぎりについての写真やレシピ、まつわる思い出を募集している。希望者にはオリジナルグッズを提供する。
(日本農業新聞)
○9月4日(木) 広がる稲発酵粗飼料 専用の収穫機実演 福島県産地づくり推進会議
専用機による稲発酵粗飼料(WCS=ホールクロップサイレージ)の収穫実演が2日、JA伊達みらい管内の伊達市桑折町の転作水田で行なわれ、収穫からラッピングまでの一連の作業が公開された。JA全農福島の農機担当者が機械の特長などを説明した後、オペレーターが収穫、ラッピング作業を行なった。使用した機械はヤンマーの飼料コンバインべーラと、今年7月発売となったクボタの細断型ホールクロップ収穫機の2台。特長として、ヤンマーの機種は飼料稲、牧草、ソルゴーなど各種作物に対応でき、刈り落とし、予乾、拾い上げの「予乾体系」が可能。クボタの機種は湿田での刈り取りでも泥の混入がほとんどなく、裁断幅が短く高密度で発酵促進のよいサイレージ形成が可能となる。飼料の価格高騰で自給飼料の増産を目指す機運が高まっており、今年の県北地方のWCSの生産は昨年の11ヘクタールから7倍以上の81ヘクタールまで拡大している。
(日本農業新聞)
○9月4日(木) 操作や構造確認 JA新ふくしま
JA新ふくしまは8月28日、福島市松川町の水原地区活性化センターで稲発酵粗飼料(WCS=ホールクロップサイレージ)の収穫機械の事前講習会を開いた。生産者、JA職員、行政関係者らが、WCS収穫機械の構造やメンテナンス法、操作方法などを確認した。実演会では、機会の製造会社タカキタ関西営業所の白石義文主任らが、稲を刈り取り、断裁したものをロール状に巻き上げるホールクロップ収穫機と、巻き上げた稲を保存用のラップで包み保管、発酵させるラッピングマシンの機械の使用方法を説明。
(日本農業新聞)
○9月5日(金) バケツ稲の出穂確認 毎日観察で理解深める 奥州市の胆沢第一小5年生
奥州市立胆沢第一小学校の5年生52人がこのほど、水稲の出穂に関する学習を行い、理解を深めた。学習には、JA岩手ふるさとの職員が3人参加し、三浦静恵・胆沢地域営農経済課職員が、出穂に関して説明した。児童らは、バケツ稲作りマニュアルと照らし合わせながら、稲の生育を学んだ。JA職員が「今の時期、穂を日に透かすと、実が入っているかどうか見える。稔実(ねんじつ)途中の米を指でつぶすとでんぷんが出る」と話すと、児童らは、もみを指で確認。質問の時間には「なぜもみには毛のようなものが生えているのか」などの質問が出された。
(日本農業新聞)
○9月5日(金) 日照不足続く 農産物管理に注意を 仙台管区気象台
東北太平洋側は8月中ごろから日照不足が続いている。日照時間は平年を大きく下回り、30〜50%にとどまる。仙台管区気象台によるとこの状態は8日まで続く見込みで、農産物の管理に注意が必要だ。8月14日から9月2日の日照時間は、仙台が32時間で平年比34%、福島32時間で同34%、盛岡45時間で同47%、青森が61時間で同52%のほか、むつ(青森)が同29%、石巻(宮城)同33%。気圧の谷の影響で曇りや雨の日が多いためだ。気象台は「8月下旬の低温傾向は脱し平均気温は高くなったが、南からの暖かく湿った空気が入り込み不順な天気は続いている」と話す。日本海側も日照時間は平年を下回るが、太平洋側ほど極端な状況ではないという。9日以降は晴れ間も出るが、中旬からは秋雨前線が活発化するため農作物への影響が心配される。
(日本農業新聞)
○9月7日(日) 田の生き物調査 多様な命に感激 JA岩手ふるさと小学生に指導
奥州市立南都田小学校の5年生51人がこのほど、田んぼの生き物調査を実習田で行い、トンボやクモ類、害虫類などを採取した。JA岩手ふるさとの職員と、生産者で世話役の石川千早さんが指導に当たった。JA職員の説明の後、児童は実習田に入り生きものを調査。図鑑と照らし合わせ、生息する数多くの生き物に理解を深めた。同校では秋に実習田を稲刈りした後、収穫祭を予定している。
(日本農業新聞)
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○9月14日(日) 早くも稲刈り 新米、首を長〜く心待ち=@宮城・JA古川
大崎市松山下伊場野地区で12日、良食味米の早生米「こころまち」の稲刈りが行なわれた。通常の稲刈り時期より、10日〜2週間ほど早い。早期の出荷で、宮城米の新米PRを早めることを狙う。JA古川管内では、9月下旬から本格的な稲刈りが始まり、新米が小売店に並ぶのは、10月に入ってから。9月中に消費者に宮城米をPRしたいとの米卸の要望で、早生米の「こころまち」の作付けを、JAが生産者に依頼した。当初は8月下旬の刈り取り予定だったが、天候不順で日程が延びた。JAは、主力品種「ササニシキ」や「ひとめぼれ」の新米販売につながるPR効果を期待する。
(日本農業新聞)
○9月18日(木) 08年産米を初検査 1等比率は89%に 宮城・JA古川
JA古川は17日、2008年産米の初検査を大崎市の伊場野農業倉庫で行った。検査したのは「こころまち」298袋(1袋30キロ)、「ゆきむすび」42袋、「やまのしずく」50袋。1等米比率は89%と、今後も良質米の集荷が期待できる結果になった。管内では「ひとめぼれ」が26日ごろ、「ササニシキ」は30日ごろに刈り取りの最盛期を迎える見込み。
(日本農業新聞)
○9月19日(金) もち米初検査 全量1等 JAいわて中央
県内トップを切って、今年産もち米の初検査が16日、JAいわて中央赤石支所農業倉庫で行なわれた。紫波町赤石地区で刈り取られた「ヒメノモチ」948袋(1袋30キロ)が検査され、全量1等に格付け、上々の滑り出しとなった。検査では、2人のJA農産物検査員がサンプルの水分や形質、被害粒の有無などをチェック。佐々木功有検査員は「心配されていたカメムシ被害もほとんどなく、品質的に問題ない良いもち米だ」と話し、1等に格付けした。JAもち米生産部会では、出穂前の草刈りや除草剤の全面散布を徹底し、カメムシ被害の発生防止に努めてきた。もち米作付面積は、「ヒメノモチ」を中心に1928ヘクタール。
(日本農業新聞)
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○9月27日(土) 秋の味召し上がれ 4道の駅で独自弁当 宮城県登米市
地場産の秋の食材を使ったお弁当をどうぞ―。宮城県登米市内にある4つの道の駅が10月から、各駅オリジナルの弁当を秋季限定で販売する。地元の食材と旬にこだわり、各駅が調理に工夫を凝らした地産地消弁当の食べ比べが楽しめる。昨年に引き続く第2弾で、「とめ道の駅べんとう・秋味パートU」と名付けた。10月4日〜11月9日までの土、日曜日と祝日に、各道の駅で1日20食を販売する。価格は1個750円。きのこなど秋の食材をふんだんに使ったメニューで、試食した関係者は「昨年以上のおいしさ」と太鼓判を押す。どの弁当も、共通メニューと各駅オリジナルのメニューの組み合わせ。共通メニューは、地元産の環境保全米「ひとめぼれ」のご飯と秋野菜の煮物だ。登米市東和町の道の駅「林林館」は、オリジナルメニューとして三陸産サンマのくし焼きや、シメジとマイタケの豚肉しそ巻きなどが楽しめる。
(日本農業新聞)
○9月27日(土) 種子用稲の収穫ピーク JA岩手ふるさと
JA岩手ふるさと水沢地域の県指定の水稲採種圃場で水稲「どんぴしゃり」と「ひとめぼれ」の稲刈りが最盛期を迎えた。24日は秋晴れの下、種子専用のコンバインで軽快に刈り取りを進めた。JA水稲採種部会の会員は75人。「ひとめぼれ」約85ヘクタールと「どんぴしゃり」15ヘクタールの合わせて約100ヘクタールを栽培。県種子センターや普及センターの2回の圃場審査で「倒伏や病害虫被害も少ない」と太鼓判を押され、目標の420トンは確保できるとJA水沢地域の関係者はいう。種子用もみはJA施設で乾燥調製後、検査を経て、沖縄県など県内外に出荷される。
(日本農業新聞)
○9月27日(土) 実りの秋実感 もち米を収穫 岩手・奥州市
奥州市江刺区の玉里小学校5年生17人は25日、同校の学童農園で「コガネモチ」の稲刈りを体験した。5月に自分たちの手で植え、生育観察を見守ってきた。児童は、穂が垂れ下がった約5アールの圃場の中に入り、かまを使って1株ずつ刈り取った。児童の祖父母も応援に駆け付けた。刈り終わると、ホニオ掛けをするくいが立っているあぜに稲を運んだ。
(日本農業新聞)
○9月27日(土) 黄海小児童もかまで手刈り 岩手県藤沢町
藤沢町の黄海小学校の3〜6年生71人は、実習田「ぴかぴか田んぼ」で「コガネモチ」の稲刈りを行なった。他区の老人クラブやPTAら約30人が指導。児童はかまを手に稲を刈り取った。稲は、10月中旬に脱穀し、11月に黄海地区の収穫祭でもちをついて地域の人に振る舞う。
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(日本農業新聞)
○9月27日(土) かかしさんお米守ってね 岩手県一関市
食農教育、稲作体験の一環として5月に植えた稲を鳥から守ろうと、一関市立厳美小学校5年生は25日、一関市の生産者、佐藤衛さん、てる子さんの圃場(ほじょう)3アールにかかし4体を立てた。同校は、4班に分かれてアイデアを出しながら製作。鳥がよりつかないようにCDなどキラキラしたものをかかしに貼り付けたり、サングラスをかけてちょい悪風に仕立てたかかしなど、個性豊かなかかしが並んだ。
(日本農業新聞)
○9月27日(土) 米初検査 宮城・JA栗っこ
JA栗っこの2008年産米の初検査が25日、栗原市の紫波姫農業倉庫と長者原倉庫で行なわれた。東北農政局、JA全農みやぎ、栗原市役所の関係者らが見守る中、農産物検査員29人が形質や整粒、玄米の保有水分などを検査した88袋(1袋30キロ)とフレコン3本(1本1000キロ)は、全量1等米と格付けされ、幸先の良いスタートを切った。カントリーエレベーターでは18日から荷受けが始まり、24日までに約450トンが運び込まれている。JAでは約3万7000トンの集荷を見込み、高い1等比率を期待している。
(日本農業新聞)
○9月27日(土) 米初検査 JA岩手ふるさと
JA岩手ふるさとは25日、2008年産米の初検査を奥州市水沢区の谷地舘低温農業倉庫で行なった。水沢地域の生産者が収穫した特別栽培と限定栽培した「ひとめぼれ」の玄米1395袋(1袋30キロ)をJAの農産物検査員が検査。全量1等と上々のスタートとなった。JAは適期刈り取りを呼び掛け、管内の5地域で検査を本格的に始めた。管内の水稲の生育は、田植え以降草丈、葉数とも平年並みに推移。
(日本農業新聞)
reigai@ml.affrc.go.jp