水稲冷害研究チーム

1996年秋田県技術情報

 詳しい問い合わせは秋田県農業試験場稲作部(電話 0188−39−2121)へお願いいたします。

作況ニュース第5号(6月26日)

 1.当面の技術対策
 6月25日現在の生育は、葉数から見て平年に比べ1〜2日の遅れとなっている。平年に比べ葉色が濃くなっていることから、今後の技術対策については、適切な生育・栄養診断の実施と病害虫の発生情報等を参考にした、よりきめ細かな肥培管理の徹底に努める。

(1)適切な生育・栄養診断の実施を
 変動する気象条件下において、水稲の生産安定を図るには、地域の気象や立地条件及び品種特性等を考慮しながら、各生育ステージにおける生育診断や栄養診断を行い、理想の生育に近づける適切な技術対策が必要である。
 今後の生育診断は有効分げつ決定期、最高分げつ期、幼穂形成期に行う。また、栄養診断は幼穂形成期と減数分裂期に行う。

(2)中干しの実施は早めに
 中干しは、有効茎数を確保した圃場や稲わら施用田、排水不良田等では効果的であるが、生育の遅れている水田や砂質土壌などの漏水田などの低地力田では、逆に減収につながることがあるので注意する。
 中干しの開始時期は、目標穂数の80%程度の分げつを確保した時点である。 なお、実施時期を遅らせても、目標分げつ数が確保できないと推定される場合は、中干しは行わず間断かん水の継続で茎数の減少防止に努める。

(3)中干しの終了時期に注意
 中干しの期間は、7〜10日位とし圃場に亀裂が入り軽く足あとがつく程度とする。
 中干しは、強すぎたり、幼穂形成期に入っても継続していると、茎数(穂数)や一穂着粒数の減少を招くだけではなく、食味値も低下することになるので注意する。
 また、中干しは遅くとも幼穂形成期前(出穂前25日)には終わらなければならない。

(4)溝掘りの励行
 稲体の活力維持と秋作業の効率化を図るため、田面の均平が悪い圃場や排水不良田、稲わら施用などの還元田(昨年の倒状田含む)では、中干しと並行して溝掘りを行うようにする。
 特に本年の場合は、生育の遅れが見られる地区では、中干しの開始時期も遅れ、十分な中干し期間がとれないため、稲体の活力維持と圃場の乾田化等に支障を来すこともあるので、排水不良田等における溝掘りの励行は、重要な技術対策である。

(5)中干し後の水管理に注意
 中干し後の圃場(表層)は、酸化状態にあるため、中干し終了後湛水状態を持続すると、急激に還元が進み酸素不足となり、根を傷めるので、中干し後の水管理は、間断かんがいを行ない、徐々に湛水状態にならす。
 ただし、この時期が幼穂形成期に入っていて、低温注意報が発令された場合は深水管理とし、幼穂の保護に努める。

(6)葉いもち防除の徹底を
 補植用余り苗で葉いもちの発病が県内各地で見られることから、葉いもちの検診を強化し早期発見・早期防除に努める。

(7)農薬安全使用の徹底を
 県では農薬による事故防止の徹底を図るため7月1日から1カ月間、農薬危害防止運動を展開中であり、特に農薬の使用頻度が高くなる7月を重点指導月間と定め、農薬による事故防止の徹底を図ることにしている。
 農薬の使用にあたってはラベルの表示内容に基づく適性使用に努めるとともに、次の事柄についても十分配慮する。
 @散布作業者の安全
 農薬による被害は年々減少しているが、農薬散布中に起きた中毒原因の大部分は「防備不十分」、「本人の不注意」、「不健康状態」、「作業不良」によるものである。農薬の散布にあたっては、防除衣、メガネの着用と散布前、散布時、散布後の健康管理に努める。
 A農作物の安全
 農薬の種類ごとに使用量、使用方法、使用時期、使用回数、取り扱い上の注意など使用基準を遵守し、作物に対する薬害を防止するとともに安全な米の生産に努める。
 B環境に対する安全
 農薬の散布により河川、溝沼などの汚染や他作物等に影響を及ぼすことないように散布計画をたてる。
 
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