水稲冷害研究チーム

1996年青森県技術情報

 なお,詳しい内容に関する問い合わせは青森県にお願いいたします.

 稲作指導情報第4号(5月10日):


<作業のポイント>
・田植え5〜7日前になったら,降霜や強風の恐れがない限り,夜間も外気に当てて苗の硬化に努める。
・田植えは活着を早めるために低温や強風の日を避け,温暖な日に行う。
・田植え後は生育促進を図るため天候に応じた水管理に努める。
・除草剤は前年発生した雑草の種類を考慮して選び,使用基準を守って使用する。

1.農業試験場の苗の生育状況
 出芽は黒石(本場),十和田(藤坂支場)とも平年より遅れ,苗長は黒石で平年より短く,十和田ではほぼ平年並みである。
 葉齢は黒石で平年並みであるが,十和田では遅れている。また,黒石,十和田とも病害の発生はみられない。

2.これからの農作業と管理
1)育苗管理
・田植え5〜7日前になったら,降霜や強風の恐れがない限り夜間もハウスを開放して,外気に慣らし,硬く丈夫な苗に仕上げる。
・田植え前に肥料切れにより葉色が淡くなった場合は活着を促進し,初期生育を確保するため追肥を行う。追肥は箱当たり窒素成分で1gとし,硫安を使用する場合は肥料ヤケを起こさないよう,追肥後は葉が乾く前に肥料分を水で洗い流す。
・例年,イネミズゾウムシ,イネドロオイムシ,イネハモグリバエなどの害虫が多く発生する水田は,田植え当日にこれらに効果のある薬剤を箱施用する。
・徒長軟弱苗の場合は田植え前3日〜当日に萎ちょう防止剤を茎葉散布し,活着の促進を図る。

2)本田作業
(1)代かき
・代かきは田面の高低差による生育むらが生じないよう,できるだけ均平にする。
・稲わらなどの残さが多い場合は水を少なめにして土中に埋め込むように代かきを行う。
・減水深が大きい水田では,代かきの回数を増やして漏水を防止する。

(2)田植え
・田植えは日平均気温が13度,日平均水温が16度以上になったときを目安とし,活着を早めるため,気温が高く,風の弱い日を選んで行う。
・株当たり植え付け本数は,中苗の場合で3〜5本とし,苗箱の使用数は10a当たり35箱を目安とする。
・植え付け深は3cm以下に浅植えして,活着や分げつの発生を促進させる。

(3)側条施肥
・基肥に速効性肥料を使用する場合の基肥窒素量は地帯別施肥基準の15〜25%を減肥する。
・基肥に緩効性肥料を使用する場合の基肥窒素量は地帯別施肥基準と同量とする。

(4)水管理
・田植え後は直ちに水を入れ,昼間止水・夜間灌漑の基本を守り,水温の上昇を図る。
・温暖な日は2〜3cmの浅水で水温の上昇を図り,低温の日は苗が冠水しない程度の4〜5cmのやや深水で保温に努め,生育の促進を図る。
・冷水がかかる水田は,温水田や迂回水路の設置およびポリチューブ等を使用して水温の上昇を図る。
・高低差があり,苗が水没したり,田面が露出するような水田では,畦畔板(アゼシート)等を使用して水深を調節する。
・漏水の約30%はネズミやケラなどによる穴が原因であることから,水田の見回りを徹底するとともに畦畔の補強と草刈りを行い,漏水の防止に努める。

(5)雑草防除
・除草剤は発生する草種を考慮して選定し,使用基準を守って使用する。
・体系処理法で除草する場合は,初期除草剤を植代から田植え4日前までに散布するか,田植え直後〜5日後(ノビエやホタルイが発生する前)までに散布する。
・初期一発処理剤は田植え直後〜15日後までに,初・中期一発処理剤は田植え後5〜15日までに散布するが,薬剤の種類によっては,雑草の種類や生育量によって効果が異なるので注意して使用する。
・除草剤散布後は除草効果を高めるとともに水質汚染を防止するため,散布後3〜5日間は絶対に落水しない。
 特に,フロアブル剤は散布後に有効成分が水中を拡散し,その後土壌に吸着されて処理層を形成するので,散布後の水管理に注意して使用する。
・畦畔や農道雑草に除草剤を処理する場合は,風が弱い日に行い,稲や転作作物へ飛散しないように注意する。


(次回発行予定は,5月23日です.)
 
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