水稲冷害研究チーム
1996年青森県技術情報
なお,詳しい内容に関する問い合わせは青森県にお願いいたします.
稲作指導情報第5号(5月23日):
<作業のポイント>
・きめ細かな水管理と漏水防止により水温・地温の上昇を図り,初期生育を促進させる。
・低温等により活着の遅れが懸念されるので,除草剤は活着を確認してから処理する。
・イネミズゾウムシとイネドロオイムシなどの本田初期害虫の発生状況に注意し,適期防除を行う。
1.苗の生育状況
・黒石本場は苗長が平年並み〜やや短いものの,葉齢は平年並みであった。
・十和田(藤坂支場)は苗長が短く,葉齢も平年より0.7葉遅れであった。
2.田植えの進捗状況
5月20日現在の進捗状況は県全体で55%となっており,平年より約20%ポイントの遅れで,田植え最盛期は平年より2日遅れとなった。
3.これからの農作業と管理
田植えが遅れる場合は,苗の老化や病害発生の防除等に努めるとともに,天候の状況に留意しながらできるだけ早めに作業を終えるように努める。
1)水管理
・田植え後は,直ちに入水して昼間止水・夜間灌漑を基本に,水温・地温の上昇を図る。
・温暖な日は2cm程度の浅水で水温の上昇を図り,低温の日は冠水しない4〜5cm程度のやや深水で稲を保温し生育を促進する。
・消雪が例年より遅れ用水温が低い傾向にあるので,温水田や迂回水路の設置,ポリチューブなどを積極的に利用して水温の上昇を図る。
・稲が冠水したり,田面が露出するような高低差がある水田では,畦畔板(アゼシート)等を利用して生育ムラが発生しないように水深を調整する。
・分げつの発生や除草剤の効果を高めるため水田をよく見回り,畦畔等からの漏水を防止する。
2)雑草防除
最近は,難防除の雑草が増えているため雑草の発生状況を十分確認し,効率的に除草剤を使用する。特に,低温等により活着の遅れがみられる場合は,稲の生育が回復してから除草剤を処理する。
・除草剤は種類によって対象雑草,使用する時期や方法が異なるので,使用基準を守って正しく使用する。
・初期除草剤+中期除草剤の体系除草の場合は,初期除草剤を田植え直後〜10日後までに処理し,中期除草剤を初期除草剤の使用後20日前後で稲の葉数が5葉以上になったのを確認してから散布する。
・一発処理剤の使用は,初期一発処理剤の場合は田植え直後〜15日後までに,初・中期一発処理剤の場合は,田植え5〜15日後までに散布する。ただし,除草剤によって使用する時期が異なる場合があるので注意して使用する。
・除草剤の処理後5日間程度は,除草効果の持続と水質汚染防止のため,落水しないようにするとともに漏水の防止に努める。
・除草剤の多くが1キロ剤に切り替わっているので,薬剤の使用基準に応じて適正に散布が行えるよう散布機具の調整を行い,過剰散布にならないように注意する。また,フロアブル剤は,水中拡散性が大きいため,成分が土壌に完全に吸着するまで落水しないなど水管理に特に注意する。
・畦畔や農道雑草に除草剤を処理する場合は,風が弱い日に行い,稲や転作作物へ飛散しないように注意する。
・モリネートを主成分とする除草剤は魚毒性が強いので,河川,湖沼,池等へ飛散したり流入しないよう注意する。
3)病害虫防除
・近年,苗代でのごま葉枯病の発生が広い範囲でみられており,本田への持ち込みが多くなっているので発病に十分注意して今後の防除に努める。
・昨年は,取り置き苗(圃場に放置された補植用苗)がいもち病の感染源となった例もみられるので,補植が済んだら取り置き苗を早めに処分する。
・イネミズゾウムシの発生が多い場合は,6月上旬に水面施用剤で防除する。
・農薬中毒を防止するためマスク,ゴム手袋等を着用し,作業後は露出部分を石鹸で良く洗うこと。
・薬剤の管理は厳重にすること。
(次回発行予定は,6月25日です.)
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