水稲冷害研究チーム

1996年青森県技術情報

 なお,詳しい内容に関する問い合わせは青森県にお願いいたします.

稲作指導情報 第7号(7月5日)

−作業のポイント−
 〇中干しは幼穂形成期前までには必ず終了し、低温が続く場合や生育後れの見られる場合は中止する。
 〇追肥は幼穂形成期を確認し、栄養診断に基づいて時期と施肥量を判定する。
 〇幼穂形成期に達した水田は、10cmの深水による「幼穂形成期深水かんがい」を徹底し、障害不稔の防止に努める。
 〇病害虫の防除は病害虫発生予報等を参考に適期に行う。

1 生育状況
(1)農業試験場作況田における生育状況(7月1日現在)
 ア 黒石の「むつほまれ」、「つがるおとめ」とも草丈、葉数は平年をやや下回り、茎数は平年並みである。藤坂「むつほまれ」は草丈が平年よりやや短く、茎数は平年並み、葉数は平年より少ない。
 イ 葉数からみた生育は、平年より黒石で2〜3日、藤坂で4〜5日の遅れである。

(2)県内の生育状況(7月1日現在)
 ア 津軽・県南地域とも平年と比較して草丈、茎数、葉数はやや短下回っている。
 イ 葉数からみた生育は、平年と比較して津軽地域が1〜3日、県南地域が3〜5日遅れている。

2 これからの農作業と管理
(1)水管理
 ア 中干しは、無効分げつの抑制、土壌中への酸素供給、根腐れ防止等に効果があるので1株当たり20本程度の茎数を確保し、平均気温で20℃以上の日が続くときに実施する。ただし低温が続く場合は直ちに中止して5cmのやや深水管理に切り替え、幼穂形成期の前には必ず終了する。
 イ 幼穂形成期に達した水田は、低温・高温にかかわらず、水深を10cmにする「幼穂形成期深水かんがい」を10日間実施する。
 ウ 穂ばらみ期は生育期間中で最も低温に弱い時期に当たるので、平均気温で20℃以下、最低気温で17℃以下になると予想される場合には、障害不稔の発生防止のため、15〜20cmの深水管理を実施する。
 エ 幼穂形成期後に高温が続く場合は、4cm程度の浅水に管理し、ときどき水を入れ換えたり、掛け流しかんがいを行い、根の老化防止に努める。

(2)追肥
追肥の時期と量は、米の食味・品質に及ぼす影響が大きいので栄養診断に基づいて適正に行う。

ア 穂肥2回体系の場合
(ア) 1回目の追肥は、幼穂形成期(幼穂長が2mmに達した時)を確認し、栄養診断で追肥が可能と判断されたら、窒素成分で10a当たり2kg程度を施用する。
(イ) 2回目の追肥は、1回目から10日後の減数分裂期に、窒素成分で10a当たり1〜2kg施用する。
(ウ) 栄養診断の結果に基づき1回目の追肥が減数分裂期に変更して行った場合は、2回目の追肥を中止する。
(エ) 1回目の追肥後に低温が続いた場合は、2回目の追肥を中止する。

イ 穂肥1回体系の場合
(ア) 幼穂形成期を確認し、栄養診断で追肥が可能と判断されたら、窒素成分で10a当たり2〜3kgを施用する。
(イ) 幼穂形成期に達しても栄養診断で追肥ができないと判断された場合は、10日後の減数分裂期まで待ってから行う。
(ウ) 減数分裂期まで待っても、葉色が濃かったり、天気予報等で低温が続くと予想される場合には、追肥を中止する。

(3)病害虫の防除
ア いもち病
(ア) 本年は発生がやや多いと予想されているので、特に、最近発生が多くなっている「むつかおり」や「かけはし」および軟弱に生育している水田では注意し、早期発見・早期防除に努める。
(イ) 多肥栽培はいもち病に対する抵抗性を低下させるので、追肥は適正量を厳守する。
(ウ) 初発時期は平年並みと見込まれているが、一部地域ではすでに補植用の取り置き苗に葉いもちが確認されていることから、徹底した早期発見、早期防除に努める。

イ 稲こうじ病
(ア) 津軽地域では発生が多いと予想されているので、出穂10〜20日前の穂ばらみ期に予防防除を実施する。
(イ) 多肥栽培は発生を助長するので、追肥は適正量を守る。

ウ コバネイナゴ
(ア) 発生がやや多いと予想されているので、水田内部への侵入が本格化する前のふ化終期の7月第4〜5半旬に畦畔や農道等に薬剤を散布する。
(イ) 畦畔際防除を行わない場合は、出穂直前の穂いもち等と同時に防除する。(ウ) 移動、分散が激しい害虫なので防除効果を高めるため、広域的に一斉防除する。
 
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