水稲冷害研究チーム

1996年青森県技術情報

 なお,詳しい内容に関する問い合わせは青森県にお願いいたします.

稲作指導情報 第8号(7月19日)

1.今後の気象見通し(8月から10月)
この期間の天候は、平年同様晴れの日が多いですが、8月は天気のぐずつく時期があるでしょう。
この期間の平均気温、降水量は共に平年並みの見込みです。9月の平均気温は平年より高いでしょう。
8月 晴れの日が多いですが、寒気が南下して、天気のぐずつく時期がある見込みです。気温、降水量は共に平年並みでしょう。
9月 高気圧や低気圧が交互に通り、天気は周期的に変わるでしょう。気温は高く、降水量は平年並みの見込みです。
10月 晴れの日が多い見込みです。気温と降水量は共に平年並みでしょう。

2.生育状況
(1)県内の生育状況(7月15日現在)
 ア 津軽地域は、平年と比較して草丈はやや短く、茎数はほぼ平年並み、葉数は下回っている。県南地域は、平年と比較して草丈、茎数、葉数ともやや下回っている。
 イ 穂首分化期から予想した生育は、平年と比較して津軽地域が1〜4日、県南地域が3〜5日、下北地域と太平洋沿岸の一部地域が4〜6日遅れている。

(2)農業試験場作況田における生育状況(7月10日現在)
 ア 黒石の「むつほまれ」は、平年より草丈がやや短く、茎数は並み、葉数は0.3葉少ない。「つがるおとめ」は平年より草丈が短く、茎数が少なく、葉数は0.5葉少ない。藤坂の「むつほまれ」は、平年より草丈がやや短く、茎数が平年並み、葉数が0.6葉少ない。
 イ 幼穂形成期は黒石の「むつほまれ」が平年より3日、「つがるおとめ」が4日遅れている。また、藤坂の「むつほまれ」が平年より4日遅れている。

3.これからの農作業と管理
7月下旬から8月上旬にかけて、低温に最も弱い穂ばらみ期となるので低温時には、障害不稔の発生を防止するため、深水管理を徹底する。
また、日照不足が続き生育が軟弱傾向となっていることなどから、葉いもちの発生が多くなると予想されるので、昨年多発した水田や多肥傾向の水田では見回りを徹底して早期発見、早期防除に努める。

(1)水管理
 ア 幼穂形成期(幼穂長が2mm程度)に達した水田は、天候の良否にかかわらず水深を10cmに管理する「幼穂形成期深水かんがい」を10日間実施し、花粉数の増加と花粉の充実を図り、障害不稔の防止に努める。
 イ 障害不稔は平均気温で20℃(アメダス値19.2℃)以下、最低気温で17℃(16.9℃)以下になると発生するので、15〜20cmの深水管理をして不稔を防止する。
 ウ 低温時に深水管理ができるように畦畔を点検・補強して漏水を防止するとともに、かんがい水の入排水を容易にするため、用排水路の清掃や草刈りを行う。 エ 穂ばらみ期が高温の場合は、4cm程度の浅水に管理し、時々水の入れ換えや掛け流しかんがいを行って根の老化防止を図る。

(2)追肥
低温・日照不足等で生育が遅れているため、稲体の茎葉窒素含有率が高い傾向にあるので、葉色診断等に基づき追肥時期や追肥量を適正に行い、安定生産と食味・品質の確保に努める。
 ア 生育が遅れて、幼穂形成期が7月下旬以降にずれ込み、安全出穂期を越えると予想される水田では、追肥を中止する。
 イ 安全出穂期の限界日前に出穂すると予想される場合は、次の点に留意する。 (ア)追肥は、必ず幼穂形成期に到達したことを確認し、葉色が淡くなってから行う。葉色が濃い場合は、幼穂形成期の10日後(減数分裂期)まで追肥を遅らせ、葉色が淡くなってから行う。
 (イ)減数分裂期に達しても、葉色が淡くならない場合や低温が続くと予想される場合には、追肥を中止する。

(3)病害虫防除
 ア 葉いもち
三八・上北地域で7月5日に葉いもちの初発生が確認され、平年の初発日より大幅に早まっている。特に、取り置き苗(補植苗)での発病が多く感染源となるので速やかに取り除く。
 (ア)葉いもちの発生を確認したら直ちに薬剤を散布し、まん延しないように努める。特に、昨年発生した水田では、今年も発生が多くなることが予想されるので水田をよく見回り、早期発見・早期防除に努める。
 (イ)急性型病斑が見られた場合は、その病斑が終息するまで、4〜5日間隔で薬剤散布を行う。その場合、雨間や小雨程度の雨中でも薬剤散布を行い積極的に防除する。
 (ウ)窒素質肥料を多く施用すると、いもち病に対する抵抗力が弱まるので追肥は適正量を守る。
イ 稲こうじ病
 (ア)穂ばらみ期が低温、少照、多雨等の気象条件になると発生が多くなり、出穂10日前以降の薬剤散布は効果が期待できないので、出穂10〜20日前ごろに確実に行う。
 (イ)前年発生した水田では、発生しやすいので防除を徹底するとともに、追肥は適正量を守る。
 
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