水稲冷害研究チーム

1996年山形県技術情報

 なお,詳しい内容に関する問い合わせは山形県にお願いいたします.

 当面の技術対策(6月)(5月23日)

3カ月予報によれば、6月は平年同様曇りや雨の日が多い見込みです。また、気温、降水量とも平年並み、梅雨入りも平年並みと予想されている。
特に、雪解けが遅く、用水の水温が低いことから初期生育の確保を中心に以下の7点に重点を置き管理の徹底を図る。

1 保温的水管理
(1)活着後は2〜3cm程度の浅水にし生育の促進を図る。低温の日は深水にして稲体を保護するなど日中止水、夜間灌漑を励行する。
(2)本年は、雪解けが遅く野ねずみの穴が多いので、アゼシート等で漏水を防止する。
(3)中山間・山間部の「冷や水掛かり」水田では、調整水田、迂回水路の活用や温水チューブなどにより水温の上昇を図り、初期生育の促進に努める。また、移植期が6月に入る場合には、栽植密度を10〜15%程度多くし茎数の確保を図る。

2 適正な追肥対応 
(1)この時期の追肥は窒素の持越による、中期生育の不安定に結びつくので、行なわない。やむを得ず、むら直しを行う場合は、窒素成分で10a当たり1kg程度とする。
(2)側条施肥田植機で移植したほ場では、施肥窒素の消長(基肥窒素の消失は田植後35から40日)に留意し、追肥時期が遅れないようにする。

3 除草剤の適正、効果的な使用 
(1)一発処理剤は薬剤により殺草限界や持続性が異なるので、剤の特性を熟知のうえ使用する。(除草剤使用基準参照)
(2)中期除草剤は高温下での使用は薬害がでやすいので、種類と使用条件に注意する。(除草剤使用基準参照)

4 中耕、作溝・中干しの励行
(1)稲わらが多量に鋤込まれ、異常還元状態で生育が遅れる場合は、水の「かけひき」により還元状態の緩和につとめる。できれば中耕除草機による生育の促進を図る。
(2)有効茎確保後(出穂前35〜40日頃)は、作溝・中干しを徹底して稲体の健全化に努める。

5 病害虫防除
(1)補植用苗の取り残しは、葉いもちの発生源となりやすいので、補植作業が終ったら直ちに残り苗を処分する。
(2)最低気温が15℃以上で降雨が2〜3日続くと、葉いもちの発生が予測されるのでほ場の巡回を行い、葉いもちの早期発見、早期防除に努める。
(3)いもちの防除を粒剤で行う場合は、6月20日頃が使用限度であるので遅れずに散布する。漏水田やかけ流しをする水田では、剤の効果が持続しないので使用しない。
(4)いもち病は薬剤耐性菌が出現しやすいので、防除計画の中に防止策をあらかじめ講じて置くようにする。

6 農業機械の点検整備と安全使用
(1)今月は草刈機の事故が発生しやすいので、農作業の安全を再度啓蒙する。
(2)春作業を終了した農機具は、洗浄・注油・防錆・故障箇所の修理などの手入れの後に格納し、使用年数の延長に努め農機具経費の節減に努める。

7 直播栽培に対する管理
(1)本年は、は種後の低温により水温が上がらず、出芽までの日数がかかり、生育が遅れているので、水温を上げ生育の促進を図る。また、4〜5葉期に作溝の手直しを確実に行う。
(2)分げつ初期(5葉期まで)に、10a当たり窒素成分で1.5kg程度の追肥を行い、初期生育の確保を図る。なお、5葉期以降の追肥は過剰分けつ発生と、有効茎の低下、さらには倒伏に結びつくので注意する。
(3)直播栽培は移植栽培に比較し、雑草の発生が多くなりやすいので、雑草の生育に合わせ、除草剤の散布を行う。
 
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