水稲冷害研究チーム

1996年山形県技術情報

 なお,詳しい内容に関する問い合わせは山形県にお願いいたします.

 当面の水稲技術対策(6月25日)

 3ヶ月予報によると、7月は曇りや雨の日が多いと予想されている。今月は米の品質・食味の良否を左右する大切な時期であり、気象の変動や稲の生育に即応したきめ細かな対応が必要です。

1 生育調節
(1)水稲の生育は平年並みとなっているが、やや葉色が濃く、天候の経過等から過剰生育の心配が予想されるので、期待茎数確保後は作溝・中干しにより生育調節を行う。
(2)倒伏の診断は9.5葉期頃に実施するが、気象の変動により、急激な草丈や節間が伸長し倒伏する場合があるので、時期別の草丈の伸長程度にも十分留意し、伸長程度が大きい場合には中干し期間を長くしたり、穂肥の量を加減するなどで対応する。
(3)倒伏軽減剤の使用にあたっては、剤の種類によって使用時期が異なるので適正使用に留意する。
(4)直播栽培については、生育ステージが1〜2葉程度遅れることから、草丈伸長期が梅雨明けの高温期にあたることや、根が表層に多いことから、倒伏し易いので倒伏診断を十分行う。
 倒伏診断は最高分げつ期頃に行い、耕種的手法、倒伏軽減剤使用等により倒伏防止を図る。なお、苗立ち密度が高いほど倒伏しやすいので、過度な施肥は避け、深水管理や中干し等により適性な茎数、生育量の確保に努める。

2 穂肥
(1)はえぬき・どまんなかの穂肥は、幼穂形成期(出穂25日前)の時の葉色がフジカラースケールでそれぞれ5.0以下になったら行う。施肥量は、窒素・カリ成分で10アール当たり2kg程度とする。穂肥に際しては、出穂前日数や幼穂長などを勘案して、施肥を行う。
(2)ササニシキの穂肥は、幼穂形成期(出穂20日前)の葉色がフジカラースケールで4.3程度の時に施肥する。施肥量は窒素・カリ成分で10アール当たり1.0〜1.5kgとする。
(3)山間・中山間部のはなの舞への穂肥は、出穂前25日頃に窒素・カリ成分で10アール当たり1.5〜2.0kgとする。また、葉色は幼穂形成期(出穂25日前)に4.6程度で推移するようにする。葉色が4.0以下になると籾数が大幅に減少するので注意する。
(4)施肥時期に葉色が低下しない場合、時期を遅らせて施肥する傾向が見られるが、低温抵抗性が低下し、不稔籾の発生を助長したり品質にも悪影響を及ぼすので、施肥量を減らして、適期施肥する。

3 気象変動に対応する水管理
(1)冷害を受けやすい地域での、前歴深水灌漑(幼穂形成期の深水)は、稲の耐冷素質を高める技術であり、冷害防止の事前策として積極的に実施する。
(2)異常低温時には深水管理を徹底する。
(3)高温・強風時には、一時的な湛水により稲体の保護をするなど、気象変動に即応した水管理の徹底を図る。

4 病害虫防除
(1)いもち病
 葉いもちの発生は平年並みと予想されているので、圃場の見回りを徹底し、早期発見・早期防除に努める。特に、葉いもち防除に育苗箱施用したところでは、今月上旬に効果がきれる可能性があるので、見回りには特に配慮する。
 また、有機リン剤耐性菌の出現防止のため、同一剤の連用は避け、他成分剤と組み合わせて使用する。
(2)紋枯病
 稲の株もとをよく観察し、病班が見え始めたら防除する。その後上位葉鞘へ病班が進展するようであれば、出穂直前まで更に防除する。
(3)イネカラバエ
 常発地で耐虫性が弱いはなの舞を作付した所では、産卵最盛期(6月末)から14日後までに防除する。なお、漏水田やかけ流しをする水田では、粒剤を使用しない。
(4)セジロウンカ
 今後の低気圧や前線の通過で多飛来する恐れがあるので、発生予察情報に注意するとともに、圃場を見回り、多発時には直ちに防除する。
(5)イナゴ
 近年、発生が増加している。発生が多いときは地域一斉に防除する。
(6)カメムシ
 生息しにくい環境にしておくため、雑草の刈り取りを徹底するが、稲の出穂2週間前から8月中は行わないよう関係者と連携をとり、斑点米の発生を未然に防止するよう配慮する。
(7)農薬散布中の事故を避けるため、防除衣の着用や健康管理に注意する。

 
ホームへ 前へ 次へ 戻る ご意見どうぞ
 


torigoe@tnaes.affrc.go.jp/kanda@tnaes.affrc.go.jp