水稲冷害研究チーム

福島県稲作指導情報

 詳細に関する問い合わせは福島県農業試験場にお願いいたします.

 稲作技術情報


 
新稲作情報<浜通り版>(6月4日)

発行:福島県新稲作情報編集会議
編集:福島県農業試験場相馬支場

茎数の早期確保と葉いもちの予防を!

<当面する技術ポイント>
  1. 分げつ促進のための水管理の徹底
    1. 5月5半旬の低温少照により、出葉は遅れ、分げつも遅れている。今後も浅水管理を中心に、気象条件に対応した水管理で早期に目標茎数の確保を図る。
    2. 稲わら等の未熟有機物施用田では、暖かい日(平均気温15度以上)に行う中耕が茎数確保に有効である。また、中期除草剤散布予定の場合は、使用4〜5日前に中耕を行うと除草効果が高まる。
    3. 5月下旬の土壌アンモニア態窒素の発現は、わら土改区(アール当たり基肥窒素0.3kg)で乾土100g当たり2.52mgあり、今後も窒素の急激な低下はないと予想される。6月中旬の窒素追肥は、側条施肥で退色が早い場合以外は避ける。
  2. 取り置き苗の早期処分と葉いもちの予防
    1. 補植用の置き苗は、葉いもちの発生源になるため早急に処分する。
    2. 葉いもちの粒剤による予防散布は遅くとも6月中に実施する。
  3. 初期病害虫の適期防除
    1. イネミズゾウムシやイネドロオイムシなどの初期害虫は、発生状況により防除する。
    2. 黄化萎縮病の常発地では冠・浸水後はもちろん、発生をみたら早期にメタラキシル剤による防除を行う。使用時期は6月いっぱいとする。
  4. 除草対策
    1. 表土剥離、アオミドロ等は水温の上昇を妨げ、分げつの発生を抑制するので、発生の多い水田ではACN剤を散布する。
    2. ノビエが残存した圃場ではシハロホップブチル剤や中期剤により処理するが、SM剤の高温時(30度以上)や低温時(17度以下)の薬害には十分注意する。
  5. 直播栽培のポイント
    1. 直播共通
      1. 出芽は順調で、目標苗立ち数は確保した見込みである。
      2. 現在の葉齢は平坦部で2〜3葉(早い圃場で4葉)、山間部等播種期の遅い圃場で1〜2葉である。
      3. イネヒメハモグリバエやイネドロオイムシなど初期害虫の防除も発生に応じて実施する。
    2. 湛水直播
      1. 生育の促進を図るため、浅水〜間断灌漑を基本とするが、株元が不安定な圃場では2〜3日の落水期間を設け、根張りを促進させる。
      2. 圃場内に作溝し、間断灌漑、中干し期の水管理を容易にする。
      3. ノビエの残存した圃場では、ノビエ3葉期までにシハロホップブチル粒剤を散布する。また、表土剥離やアオミドロ等の発生が多い圃場ではACN剤を散布する。
    3. 乾田直播
      1. ノビエなどの残草が認められたら、入水前に茎葉処理剤を散布する。広葉雑草が混ざって発生している場合には、ノビエ4葉期を目安にシハロホップブチル・ベンタゾン液剤、ノビエ主体の場合にはノビエ4.5葉期を目安にシハロホップブチル粒剤を散布する
      2. 入水はイネ3葉期を目安に実施する。
      3. 湛水後は、窒素追肥(アール当たり0.4〜0.6kg)と移植栽培に準じた除草剤散布を行う。
次号発行は6月25日予定。

 
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<中通り版>

−浅水管理を基本にし、初期生育の早期確保に努めよう−

<移植栽培の技術ポイント>

  1. 浅水管理により水温の日格差を大きくし、有効茎の早期確保に努める。
  2. 潅水は、夕刻に行う。また、冷水地帯では温水チューブなどを利用して水温上昇に努める。
  3. 有効分げつ確保目標期は、平坦部で6月15〜20日、山間部で6月20〜25日である。
  4. 土壌中の地力窒素の発現は低温によりやや少ないが、分げつ期の追肥は行わない。
  5. 一発剤の散布遅れなどにより、ノビエ等が残草した圃場では、シハロホップブチル剤または中期の散布によって防除する。また、一発剤散布後にアゼナの発生が目立つ圃場は、中・後期剤を使用して防除する。
  6. クログアイ、オモダカ等の難防除雑草が多発する圃場では、ベンタゾンを含む除草剤で防除する。また、表土剥離、藻類の発生が多い圃場では、ACNやトリアジン系成分を含む除草剤が有効である。
  7. 補植用の取り置き苗は、いもち病の感染源となるので直ちに処分する。

<直播栽培の技術ポイント>
 出芽およびその後の生育はほぼ順調である。適切な水管理により、出芽・初期生育の促進を図るとともに、雑草の発生状況を把握して早期に防除対策を実施する。
  1. 湛水直播
    1. 出芽および生育の促進を図るため、浅水〜間断灌漑を基本とするが、株もとが安定していない圃場では、2〜3日落水期間を設け、根張りを促進させる。
    2. 間断灌漑、中干し期の水管理を容易にするために、圃場内に作溝する。
    3. ノビエの残草が認められる場合は、ノビエ3葉期までにシハロホップブチル粒剤を散布する。また、表土剥離、藻類の発生が多い圃場では、ACN剤を散布する。
    4. イネミズゾウムシの発生が認められる圃場では、早急に水面施用剤などで防除を実施する。
  2. 乾田直播
    1. ノビエの葉齢を観察して茎葉処理除草剤を散布する。広葉雑草が多い場合には、4葉期を目安にシハロホップブチル・ベンタゾン液剤を、広葉雑草が少ない場合には、4.5葉期を目安にシハロホップブチル液剤を散布する。
    2. 入水は稲の葉齢で3葉期を目安に実施する。まもなく入水が可能となるため、畦畔、水尻を点検整備して漏水を防止する。
    3. 湛水後は、窒素追肥(10アール当たり4〜6kg)と移植栽培に準じた雑草防除を行う。また、発生に応じた初期害虫の防除を実施する。
次号発行は6月24日予定。
 
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新稲作情報<会津版>(6月4日)

発行:福島県新稲作情報編集会議
編集:福島県農業試験場会津支場

−基本技術を励行し、安定多収・良質良食味の会津産米の更なる向上を図ろう−

<移植栽培の当面する技術対策のポイント>
  1. 水管理
    1. 低温や強風時以外は浅水管理で生育の促進を図る。潅水は夕刻に行い、昼間は止水にする。
    2. 掛け流しは穂数の減少と出穂遅延につながるので絶対にしない。特に、低温期の移植となった山間地では温水チューブや調整水田等を利用した温水池により水温の上昇に努め、生育の促進を図る。
  2. 施肥管理
    1. 平坦地、山間地とも土壌中の窒素の発現は平年より多い。分げつ期の窒素追肥は基肥を計画的に減肥したところ以外は行わない。
  3. 害虫防除
    1. 山間地ではイネヒメハモグリバエ、イネドロオイムシの発生に注意し、発生をみたら防除に努める。
  4. 葉いもち防除
    1. 水田放置苗は葉いもちの感染源となるので直ちに除去する。
  5. 雑草防除
    1. ノビエの残草が見られる場合には、シハロホップブチル剤または中期剤を使用して防除する。
    2. クログアイ、オモダカ等の多年生雑草が目立つ圃場では、ベンタゾン剤を使用して防除する。
<湛水直播栽培の当面する技術対策のポイント>
  1. 水管理
    1. 低温や強風の日を除き、浅水管理で生育の促進を図る。
    2. 山間地等、出芽が遅れたところでは、水管理に特に注意して水温の上昇を図り、生育の促進に努める。
    3. 強還元田や湿田では4〜5葉期頃に3日程度落水し、発根を促進させる。
  2. 肥培管理
    1. 基盤整備直後田等の基肥窒素無施用田では、葉色が淡い場合には窒素成分で10アール当たり2kg程度施用する。
    2. 基肥窒素施用田では分げつ期の窒素追肥はしない。
  3. 雑草防除
    1. ノビエが残草した場合には、ノビエ3葉期までにシハロホップブチル剤をやや深水状態で散布する。
    2. 表土剥離や藻類の発生が目立つ圃場では、ACN剤を散布する。
  4. 害虫防除
    1. イネミズゾウムシの食害が多い場合には直ちに防除する。
    2. イネドロオイムシやイネヒメハモグリバエの発生に注意し、発生をみたら防除に努める。

 
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