水稲冷害研究チーム
福島県稲作指導情報
詳細に関する問い合わせは福島県農業試験場にお願いいたします.
新稲作情報<浜通り版>(6月25日)
発行:福島県新稲作情報編集会議
編集:福島県農業試験場相馬支場
−葉いもち防除と水管理の徹底を−
<当面する技術ポイント>
- 置き苗の早期処分と葉いもちの防除
- 葉いもちは、置き苗では6月2日に、本田では18日にともに大熊町で発生が確認された。本年の発生は置き苗で10日、本田で3日平年より早い。
- 補植用の置き苗は葉いもちの発生源になるため早急に処分する。
- 葉いもちの発生した圃場では、直ちに散布剤による防除を実施し、進展を助長する強度の中干しは行わない。また、粒剤による葉いもち防除を予定している場合は早急に実施する。
- 現在の生育と今後の水管理
- 生育は6月中旬以降の好天により回復傾向にあり、平坦部では目標生育に近づきつつあるが、山間部では茎数が少ない。
- 目標茎数を確保したお嬢では、中干しを実施し、無効分げつの抑制および根の健全化を図る。実施時期は遅くとも幼穂形成期までとする。
- 茎数の少ない圃場では、7月上旬まで浅水管理や昼夜止水夜間灌漑により茎数の確保に努める。
- 平坦部の初星・ひとめぼれでは7月10日頃より幼穂形成が始まると予想される。前歴保温効果を得るため、この時期に深水管理を行い、減数分裂期の深水管理をより効果的にする。深水管理の水深は、幼穂形成期5〜10cm、減数分裂期は15〜20cm必要である。
- 栄養管理
- 稲体の充実を図るため、出穂前40〜35日にカリの追肥を成分で10アール当たり3〜4kg行う。生育量が少ない場合には塩化カリ、並み〜多い場合は珪酸カリが有効である。
- 6月20日の土壌アンモニア態窒素の発現量は、わら土壌改良区(基肥窒素アール当たり0.3kg)で1.78mg(乾燥土壌100g)と昨年より少ないが、つなぎ肥は側条施肥や生育不良田以外では行わない。
- 初星、ひとめぼれの穂肥適期は出穂前25〜20日で7月中旬と予想される。
- 倒伏軽減剤の施用に当たっては、稲の生育ステージにより剤を選び、施用量を厳守する。
- 直播栽培のポイント
- 直播共通
- 現在の生育は順調であるが、両直播とも今後の管理が重要となる。
- 葉いもちの発生は移植と同時期なので、6月下旬〜7月上旬に粒剤等で防除する。
- 湛水直播
- 分げつの促進を図るため、浅水〜間断灌漑を継続する。また、中干しに備えて圃場内の排水溝を整備しておく。
- 中干しは9葉期(7月上旬)以降、移植栽培より強めに行う。
- 穂肥は幼穂形成期から減数分裂期に行うが、葉色が濃い場合や葉色が淡くても苗立ち数過剰の場合には穂肥を遅らせるか施用しない。
- 乾田直播
- 中干しは行わず、浅水や間断灌漑を継続する。
- 穂肥は幼穂形成期に行うが、葉色の低下が著しい場合には補肥を施用する。
- 残草の認められる圃場では、中・後期剤で対応する。
次号発行は7月17日予定。
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新稲作情報<中通り版>(6月25日)
発行:福島県新稲作情報編集会議
編集:福島県農業試験場
−生育はほぼ平年並みに回復、葉いもち防除と低温対策に努めよう−
<移植栽培の技術ポイント>
- 山間部などで茎数が不足している圃場では、浅水管理を継続して有効茎の確保に努める。有効茎が確保された圃場では、直ちに中干しを開始して無効茎の抑制と根の健全化、地耐力の向上を図る。中干し後は間断灌漑を実施する。
- 幼穂形成期は、平年並みになると予想される。高冷地では、幼穂形成期の前歴深水管理による保温が減数分裂期の障害不稔防止に有効である。また、平坦部でも幼穂形成期に低温が予想される場合は、深水管理を行い障害不稔の防止を図る。
- 本年は、葉いもちの初発時期がやや早かった。罹病性品種作付圃場や葉いもち常発圃場では直ちに粒剤を散布して予防措置を講じる。散布剤で対応する圃場では、早期発見に努め、病斑が認められたら、直ちに防除を実施する。
- 土壌中のアンモニア態窒素の残存量は平年並みである。このため、穂肥は、生育診断に基づいて施用する。窒素肥料の多用は、倒伏を招くばかりか、冷温時の耐冷性をも低下させるので避ける。
- 出穂前35〜40日を目安に10アール当たり4kgのカリ成分を追肥し、稈質の改善、登熟の向上を図る。
<直播栽培の技術ポイント>
茎数確保は概ね順調。倒伏防止のための生育抑制と葉いもち防除に努める。
- 湛水直播
- 分げつの促進を図るため、湛水、または間断灌漑を継続する。また、中干しに備えて圃場内の排水溝を整備する。
- 目標生育量が確保されたら強めの中干しを実施する。特に、播種深度が強い場合や苗立ち数が多い場合には圃場全面に亀裂が入る程度の強い中干しを行うとともに、その後も圃場の固化につとめて倒伏を防止する。
- 直播稲の生育量は、今後、出穂期にかけて著しく増大する。このため、窒素追肥は幼穂形成期頃まで行わない。
- 幼穂形成期前後の水管理やカリの追肥は、移植栽培に準じて実施する。
- 移植稲に比べて葉齢の小さい直播稲は、葉いもちに対する感受性が高い。このため、粒剤の予防散布を直ちに実施する。
- 乾田直播
- 間断灌漑を継続して分げつを促進し、中干しは実施しない。
- 雑草の後発生が認められる圃場は、中、後期剤で対応する。
- 幼穂形成期前後の水管理やカリの追肥は、湛水直播栽培に準じて実施する。
次号発行は7月17日予定。
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新稲作情報<会津版>(6月19日)
発行:福島県新稲作情報編集会議
編集:福島県農業試験場会津支場
−山間地では水管理の徹底で生育の回復に努める。葉いもち防除を予防散布、早期発見・早期防除で万全に−
<移植栽培の当面する技術対策のポイント>
- 水管理:
目標茎数が確保されるまでは浅水管理を継続する。昼間止水、夕刻潅水を徹底し、茎数の確保に努める。
- 中干し:
平坦地では、目標茎数を確保した圃場より順次中干しを実施する。中干し終了後は間断灌漑とする。山間地で6月末までに有効茎の確保が困難な場合には、中干しを省略し、間断灌漑を行う。
- 葉いもち:
水田放置苗でのいもち病の発生が、山都町で平年より5日早い6月16日、会津若松市、会津高田町で平年より4日早い6月17日に確認されている。天気予報によると、今後曇りや雨の日が多いと見込まれているので、葉いもちの多発が懸念される。まだ水田放置苗の残っている圃場があるので直ちに処分する。粒剤での防除を予定している場合には直ちに散布する。また、散布剤での防除を予定している場合には、圃場を良く見回り早期発見に努め、発生を見たら直ちに防除する。
- カリの追肥:
カリの追肥は登熟向上、倒伏防止に有効である。出穂前35〜40日前に10アール当たり4kg施用する。特に、砂質老朽化水田、排水不良水田、ごま葉枯病発生水田で効果が高い。
- 害虫防除:
イナゴやクサキリ類の発生が多い場合には6月下旬〜7月上旬の幼虫期に防除する。
- 雑草防除:
ノビエの後次発生の多い圃場では、シハロホップブチル剤で防除する。クログアイ、オモダカ等の多年生雑草が目立つ圃場では、ベンタゾン剤を使用して防除する。
<湛水直播栽培の当面する技術対策のポイント>
- 水管理:
浅水管理、間断灌漑を継続し、生育の促進を図る。
- 作溝:
中干し期の水管理を容易にするため圃場内に5〜10m間隔で作溝する。
- 中干し:
目標生育量を確保したら、田面に亀裂が入る強めの中干しを実施し、土壌の固化と生育の調整を図る。
- 肥培管理:
基肥窒素施用田では補肥期まで窒素の追肥はしない。基肥窒素無施用田で葉色が淡い場合には、窒素成分で10アール当たり1〜2kg施用する。ケイカリンや珪酸カリを10アール当たり20kg施用し、稲体の硬化を図る。
- 雑草防除:
ノビエが残草した場合には、ノビエ3葉期までにシハロホップブチル粒剤をやや深水状態で散布する。アメリカセンダングザ、クサネム等の広葉雑草がみられる場合には、MCP剤やペンタゾン剤で防除する。
- いもち防除:
防除体系は移植栽培と同様である。粒剤を施用する場合には直ちに散布する。
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