水稲冷害研究チーム
福島県稲作指導情報
詳細に関する問い合わせは福島県農業試験場にお願いいたします.
新稲作情報<浜通り版>(7月17日)
発行:福島県新稲作情報編集会議
編集:福島県農業試験場相馬支場
−いもち病防除と低温時の深水管理の徹底を−
<当面する技術ポイント>
- いもち病防除
- 葉いもちは各地で確認されており、進展型病班も多いので、今後も防除を徹底する。
- 葉いもち用粒剤を6月中に散布した水田では、薬剤効力の切れる時期にきており、予防時に防除を行う。
- 穂いもち用粒剤を散布予定の場合は、剤及び生育ステージを確認して、適期に防除する。
- 今後の生育予想
- 6月下旬以降気温が高めに推移したため、出葉が早まり、草丈は平年よりやや長めである。
- 幼穂の発育は3日程度進んでおり、平坦部の初星・ひとめぼれ及びいわき地区のコシヒカリ、山間部のまいひめは、7月3半旬に幼穂形成期に達し、減数分裂期は7月下旬と予想される。
- 一方、相双のコシヒカリの幼穂形成期は7月23日頃と予想される。
- 倒状防止のための診断と対象
- 浜通り各地ともコシヒカリの草丈はほとんど70cm台と長く、生育の進み具合を考え合わせても、今後倒状が懸念される。
- コシヒカリの穂肥適期は7月31日頃と予想されるが、栄養診断に基つ゛いて、施用の時期・量を決定する。
また、追肥を行う場合は、必ずいもち防除も併せ行う。
- 幼穂形成期の草丈が75cm以上あるコシヒカリは、倒状軽減剤の施用を検討する。
- 低温対策及びカメムシ防除
- 20度以下の低温が予想される場合は、深水管理で対応する。深水管理の水深は、幼穂形成期は5〜10cm,減数分裂期は15〜20cm必要である。
- カメムシ類の常発地及び前年の多発地では畦畔の草刈(出穂前10日までに)及び防除を行う。
- 直播栽培のポイント
A 直播共通
- 葉いもちや紋枯病、イネツトムシの発生に注意し、適期に防除する。
また、粒剤等による穂いもち防除にあたっては,移植栽培より生育ステージが遅いので注意する。
- 幼穂形成期(7月下旬)以降低温が予想される場合は,移植栽培に準じて深水管理を行う。
B 湛水直播
- 中干しは幼穂形成期まで継続し、移植栽培より強めに行う。
- 穂肥は幼穂形成期〜減数分裂期に行うが,葉色が濃い場合や株元が不安定な場合,苗立ちが過剰な場合は穂肥を遅らせるか施用しない。
C 乾田直播
- 中干しは行わず、浅水〜間断灌漑を継続する。
- 穂肥は幼穂形成期に行うが,葉色の低下が著しい場合には穂肥を利用する。
次号発行は7月17日予定。
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新稲作情報<中通り版>(7月17日)
発行:福島県新稲作情報編集会議
編集:福島県農業試験場
−葉いもち防除と低温対策に努めよう−
<移植栽培の技術ポイント>
- 穂いもちの伝染源となる上位葉での葉いもちを徹底防除する。
- 散布剤で葉いもちを防除する場合は、防除適期になっているので、直ちに防除を実施する。降雨の続くことが予想される場合には、雨間散布で対応する。
- 粒剤を施用した圃場でも、発病が認められた場合には、散布剤による追加防除を実施する。
- 航空防除が遅れている圃場や実施済みの圃場でも、葉いもち発生の増加が認められる場合は、補完防除を実施する。
- 穂いもち防除に粒剤を使用する場合は、出穂前20日を目安に施用する。
- 水管理は、低温時を除いて間断灌漑を継続し、圃場の固化と根の活力維持に努める。
- 土壌中のアンモニア態窒素の残存量は、水稲の生育量が回復した6月下旬以降平年より少なくなった。しかし、現在、葉色が平年並みからやや濃く、草丈も平年より長いため、追肥の施用は慎重に行う。また、窒素の追肥は、いもち病の発生を助長する。このため、既に葉いもちが発生し、進展している圃場では、追肥を控える。
- 中生品種の減数分裂期、コシヒカリの幼穂形成期にあたる7月下旬は、低温が予想されている。最低気温が17度を下回ることが予想された場合は、可能な限り深水にして障害不稔の発生を防止する。
<直播栽培の技術ポイント>
草丈が長く、茎数も前年より多い。倒伏防止のための生育抑制と葉いもち防除に努める。
- 湛水直播
- 幼穂形成期まで強い中干しを継続する。特に、播種深度が浅く根が土壌表面に露出している場合、草丈が長い場合、苗立ち数が多い場合は、圃場全面に亀裂が入る強い中干しを行うとともに、その後も圃場の固さを保ちながら間断灌漑を実施する。
- 移植と同様に葉いもち防除を徹底する。穂いもちの防除にあたっては、生育ステージの遅れに注意して薬剤を散布する。
- 幼穂形成期を確認した後、移植に準じて穂肥を施用する。ただし、圃場が軟弱な場合や播種深度が浅くて株元が安定しない圃場では、追肥を実施しない。
- 乾田直播
- 間断灌漑を継続し、中干しは実施しない。
- 幼穂形成期を確認したら、いもち病の発生を見極めながら10アール当たり2kgの追肥を実施する。
- いもち病の防除については、湛水直播栽培に準じて行う。
次号発行は7月29日予定。
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新稲作情報<会津版>(7月9日)
発行:福島県新稲作情報編集会議
編集:福島県農業試験場会津支場
−基本技術を励行し,安定多収・良質良食味の会津産米の更なる向上を図ろう。
<移植栽培の当面する技術のポイント>
草丈が長く,葉色の低下緩慢
生育は平年より2〜3日早い
葉いもち感染に適した天候が続く
倒状防止のための生育診断に基づいた適切な追肥
いもち病の早期発見、徹底防除
低温時の深水管理の徹底
- 生育条件と土壌条件
- 生育(7月4日現在)
草丈は平坦地山間地とも平年より長い。茎数は平坦地では平年よりやや少ないが,
高冷地では平年より多い。葉色は平坦地では低下が緩慢で平年より濃いが,山間地ではほぼ平年並である。葉数は平坦地で0.5〜0.7葉,山間地で0.2〜0.4葉多い。
- 土壌条件
土壌中のアンモニア態窒素は平坦地,山間地とも6月下旬までは平年より高く推移した。7月上旬に急激に減少し、平坦地では1mg/100g乾土を下回り,高冷地ではほぼ平年並の水準になった。
- 今後の生育予想
幼穂形成期は平坦地の初星が平年より3日早い7月7日で,山間地のまいひめが平年より2日早い7月8日である。他の品種よりも平年より2〜3日早まるものと予想され,平坦地のササニシキ、ひとめぼれが7月10日〜11日,コシヒカリが7月17日〜18日,山間地の初星が7月14日〜15日,ひとめぼれが7月16日〜17日頃である。
平坦地では,草丈が長く葉色の低下が緩慢であることから,長稈化し,倒伏する危険性が高い。
- 当面の技術対策
- 水管理
- 雨天日が多く,中干しが不十分な圃場が多い。田面が固化するまで中干しを継続する。
- 中干し終了後の水管理は間断かんがいとし,根の健全化,作土固化の維持を図る。
- 幼穂形成期以降,低温時(18℃以下)は,幼穂形成期には10cm以上,減数分裂期には15cm以上の深水管理で幼穂を保護する。
- 穂肥
- 本年は葉色の低下が緩慢で長稈型の生育であるため,生育量と葉色に基づく生育診断に慎重に穂肥の時期と量を判断する。
- いもち病防除
- いもち病感染に好適な天候が続いている。本田での葉いもち発生が既に確認されており,今後急激な蔓延が懸念される。圃場をよく見回り,葉いもちを確認したら直ちに防除する。
- 穂いもち防除に粒剤を使用する場合には時期が遅れないようにする。
- イナゴ病防徐
- イナゴの発生が目立つ場合には7月上旬までにオフナック剤でデ予防する。
<湛水直播栽培の当面する技術対策のポイント>
- 生育状況:
会津支場内の播種後60日の生育は草丈が前3ケ年より長く、茎数も多い。葉色は前年より濃い。一般農家圃場でも茎数が十分に確保されている所が多い。
- 当面の技術対策:
- 中干し:過剰生育防止のため中干しを継続する。
- 肥培管理:穂肥期までは窒素の追肥をしない。
- 雑草防徐:アメリカセンダングサ、クサネム等の広葉雑草が見られる場合には、MCP剤やペンタゾン剤で防徐する。MCP剤を含む剤は幼穂形成期前までに施用する。
- いもち防徐:防徐体系は移植栽培と同様である。圃場をよく見回り、早期発見、早期防徐に努める。
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