水稲冷害研究チーム

福島県稲作指導情報

 詳細に関する問い合わせは福島県農業試験場にお願いいたします.

 稲作技術情報


 
新稲作情報<浜通り版>(8月6日)

発行:福島県新稲作情報編集会議
編集:福島県農業試験場相馬支場

−穂いもち防除と水管理の励行を−

<当面する技術ポイント>
  1. いもち病の防除
    1. 現在、上位葉に病班が認められる水田では、引き続き防徐を徹底する。葉いもちの病班が認められない水田でも、今後の気象条件により進展する可能性があるので注意する。
    2. 穂いもち用に粒剤を施用しなかった水田では出穂直前、穂揃い期、傾穂期の薬剤散布を徹底する。

  2. 今後の生育予想
    1. 出穂期は初星・ひとめぼれが平年より3日前後早く、コシヒカリも同程度早まる見込みである。
    2. 稗長は平年よりやや長く、 数は平年より少ないと予想される。
    3. 刈り取り時期 は平坦部の初星・ひとめぼれで9月中旬と予想される。


  3. 早期落水防止による品質向上
    1. 開花後の水管理は間断潅漑を基本とし、登熟向上に努める。
      ただし、強風時には深水とし、風害を防ぐ。
    2. 早期落水は穂いもちの発生を助長し、米質の低下も招くため、適期落水(出穂後35日頃)を守る。特に葉いもち発生田で早期落水すると、穂いもちが急増するので注意する。

  4. カメムシ類の防除
    1. 気温が高く、各種カメムシが混発しているので、有機燐とカ−バメ−トの混合剤を使用する。
    2. 防徐時期は出穂後1週間と2週間の2回で、広域的に行うと効果が高い。

  5. 直播栽培のポイント
      A 直播共通
      1. ひとめぼれの出穂期は、移植水稲より10〜2週間遅い8月15日と予想される。
      2. 本年はイネツトムシの発生が多いので、直ちに防徐する。
      3. 葉いもちや紋枯病の発生に注意し、適期に防徐する。
      4. 穂いもち防徐は稲の生育ステ−ジ(@いもち病防徐のペ-ジ参照)に合わせて行う。

      B 湛水直播
      1. 間断潅漑を継続して、できるだけ田面の固化に努める。

      C 乾田直播
      1. 収穫期まで間断潅漑を継続する。
        早期の落水は登熟を停止させ、品質の低下が著しくなるため行わない。
      2. 葉色の低下が著しい場合には補い 穂を施用する。
次号発行は9月4日予定。

 
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新稲作情報<中通り版>

発行:福島県新稲作情報編集会議
編集:福島県農業試験場

−穂いもち防徐と適切な追肥により倒状を防止しよう−


<移植栽培の技術ポイント>
  1. 今後の生育予測
      生育ステ−ジ:出穂期は、各品種とも平年より早めと予想される。今後、平坦部の早い所では、初星、ひとめぼれが8月2日頃から、コシヒカリが8月11日頃から出穂期を迎えると予想される。高冷地では、まいひめが8月2日頃から、初星が8月12日頃から出穂期を迎えるものと予想される。

  2. 水管理
      水管理は、台風の襲来時を除き、間断潅漑〜飽水管理を基本とする。

  3. 穂いもち対策
      今後、上位葉での葉いもち発生を防止するとともに、体系別に以下の注意して穂いもちを防徐する。
      1)穂いもち用の水面施用剤を施用した場合でも、上位葉でいもち病の病班が確認された場合は、散布剤による追加防徐を実施する。
      2)航空防除を実施している地域でも、適期に散布が行われなかった場合や葉いもちの進展が認められる場合は、補完散布を徹底する。
      3)散布剤で穂いもちを防徐する場合は、穂ばらみ末期、穂揃い期、傾穂期と3回の防徐を行う。

  4. カメムシ防徐
      カメムシの発生が多い地帯では、出穂期の防徐を徹底し、玄米品質の低下を防止する。

  5. 稲こうじ病対策
      穂ばらみ期から出穂期にかけての降雨によって、稲こうじ病の発生が助長されるので、常発地を中心に予防を徹底する。

  6. 追肥
      コシヒカリの籾数は、平年より少ないと予想される。しかし、草丈が長いため、穂肥の施用は慎重に行う。穂肥の目安は、幼穂形成期の草丈が80cm以下で、かつ葉色が3.0以下の場合、出穂前15〜10日に窒素追肥1〜2kg/10aとする。なお、明らかに倒伏が予測される場合は、倒伏軽減剤を使用する。また、穂肥の施用にあたっては、いもち病の防徐を徹底する。

 −倒伏防止にむけたほ場の固化といもち病の徹底防徐に努めよう−

<直播栽培の技術ポイント>
  1. 湛水直播
    1. 生育の状況
       場内の生育は、ほぼ順調である。5月上旬播種では、ひとめぼれまで 幼穂形成期が確認された。現地での生育も概ね順調である。しかし、今後いもち病の発生や倒伏が懸念されるほ場が認められる。
    2. 当面の技術対策
        1)間断潅漑を継続して、できるだけ田面の固化に努める。このため、台風襲来期や、粉剤の施用時を除き、長期間の湛水管理は、絶対に避ける。
        2)幼穂形成期を確認後、移植に準じて穂肥を施用する。ただし、株元が不安定な場合や苗立ちや茎数が過剰な場合、品種がコシヒカリの場合は、施用を遅らせるか、または中止する。なお、明らかに 倒伏が予測される ほ場では、倒伏軽減剤を施用するとともに、ほ場の排水対策に全力を尽くす。
        3)当面、移植稲と同様に葉いもち防徐を徹底する。穂いもち防徐にあたっては、生育ステ−ジが移植稲よりも遅れるので、移植栽培とは別の防徐体制を取る。苗立ちが過剰なほ場での紋枯病発生や生育の遅れによるイネツトムシの発生にも十分注意する。

  2. 乾田直播
    1. 生育の状況
       場内で試験では、4月下旬播種でひとめぼれまでの幼穂形成始が確認された。生育ステ−ジの遅れは、移植に比較してひとめぼれで10日程度と推定される。現地における生育は概ね順調であるが 、今後、いもち病の発生が懸念され る。
    2. 当面の技術対策
        1)水管理は、間断潅漑を継続する。出穂後の高温時の落水管理や早期の落水は、極端に登熟を早めて品質を低下させるので、絶対に行わない。
        2)幼穂形成期を確認したら10kgあたり2kgの窒素追肥を実施する。
        3)病害虫防除については、湛水直播に準じるが、生育ステ−ジをふまえた防徐を実行する。

次号発行は8月28日予定。

 
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新稲作情報<会津版>(7月25日)

発行:福島県新稲作情報編集会議
編集:福島県農業試験場会津支場

−基本技術を励行し,安定多収・良質良食味の会津産米の更なる向上を図ろう。


<移植栽培の当面する技術のポイント>
    長稈型の生育で倒伏の危険性高い
    生育は平年より1〜3日早い
    山沿いを中心に葉いもち多い

    倒状対策と穂いもちの徹底防徐
    低温時の深水管理の徹底


  1. 生育状況
    1. 生育(7月18日現在)
      草丈は平坦地、山間地とも平年より長い。茎数は平坦地では平年よりやや少ないが, 山間地では平年より多い。葉色は平坦地、山間地とも低下が緩慢で平年より濃い。幼穂形成始期は平坦地では平年より1〜3日早く、山間地で平年並〜2日早い。

    2. 今後の生育予想
      減数分裂期は平坦地ササニシキ、ひとめぼれが7月21日〜26日頃、平坦地のコシヒカリ、山間地の初星が7月27〜8月1日頃で、出穂期は平坦地、山間地とも1〜3日早まるものと推定される。
      平坦地では,8月上旬までの気温が平年並であれば稈長が平年より長いと予想され、倒伏する危険性が高い。


  2. 当面の技術対策
    1. 追肥
      1. コシヒカリの生育が穂肥の施用基準を超えている場合には、出穂10〜5日まで穂肥の施用を遅らす。ただし、葉色が施用基準を超えている場合には施用しない。
      2. 草丈が長く、倒伏が予想される場合の対策として、倒伏軽減剤の施用が有効である。
      3. 出穂後の追肥は穂いもちの増加や食味の低下を招くので行わない。


    2. いもち病防徐:山間地や山沿いを中心に葉いもちが多発している圃場 がある。平坦地でも密度は低いが全域で葉いもちが発生している。穂ばらみ期から出穂期の8月上旬に不順天候が予想されているので、穂いもち防徐を徹底する。


      1. 既に葉いもちの発生が見られる圃場では防徐を徹底し、上位葉での発病を防ぐ。
      2. 穂いもち防徐に粉剤を使用する場合には出穂 前15〜10日までに施用する。
      3. 液剤、粉剤を使用する場合には穂 ばらみ末期、穂揃期の2回散布を基本に行う。

    3. 水管理
      1. 減数分裂期に平均気温20℃以下の冷温が見込まれる場合には、深水管理(15cm以上)で幼穂を保護する。
      2. 根の健全化と土壌の固化維持のため間断潅がいを継続する。ただし、35℃以上の高温時や、台風による強風時には、湛水 か掛け流し管理とする。


    4. 稲こうじ病、カメムシ類防徐:稲こうじ病やカメムシ類の常発地や、前年多発した地帯では防徐基準に従い適期に防徐する。

<湛水直播栽培の当面する技術対策のポイント>

  1. 生育状況
    会津支場内の播種後70日の生育は昨年に比べ草丈が長く、茎数が多く、葉色も濃い。出穂期は昨年より2日程度早まる見込みである。
    一般農家圃場でも生育量は十分確保されているが、草丈が長く倒伏が心配される圃場がある。

  2. 当面の技術対策
    1. 追肥:穂肥施用の診断基準は移植栽培に準じるが、施用時期は出穂前15日以降とする。移植栽培に比べ倒伏しやすいので、慎重に時期と量を判断する。
    2. 水管理:幼穂形成始期以降は間断潅がいとする。中干しが不徹底な場合は、間断潅がいとする。中干しが不徹底な場合は、間断潅がいを 行う中で土壌の固化を心がける。
    3. いもち病防徐:穂いもちの防徐を徹底する。防徐体系は移植栽培と同様である。

 
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