水稲冷害研究チーム

岩手県技術情報

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岩手県技術情報第2号(5月25日)

岩手県作物気象災害防止対策本部

県南部、東南部で5月の降雨量が少なく水田の作業がやや遅れた地域もみられた。
一般に農作物の生育初期は、天候不順の影響を受けやすく、活着不良、生育抑制などの障害が発生しやすいので適切な栽培管理を実施する。
6月の気温や降水量は平年並みで、平年同様曇りや雨の日が多い予報です。梅雨入り前に生育量を十分確保するよう適切な水管理を行い、取り置き苗の早期・完全除去を含め、葉いもちの防除を徹底する。
  1. 分げつを促進するための水管理
    1. 初期生育を促進させ、下位分げつを早く出させることは、充実した穂を十分確保し、安定生産をするために大切である。
    2. 分げつ発生は、夜間の水温が15度程度で、日中の水温が高いほど促進される。そこで、日中は浅水(2〜3cm)で水を動かさないようにして水温上昇を図り、夕方に潅水する。
    3. 気温が15〜16度以下の場合は、深水(5〜6cm)とし、稲体を保護する。

  2. 葉いもちの防除
    1. 昨年は葉いもちの発生時期と発生量は平年並みであり、防除の徹底により穂いもちの発生は少なかったが、過去、隔年でいもち病が多発しているので、本年も防除を徹底する。
    2. 葉いもちの発生を防ぐためには、多発要因の一つである取り置き苗を、6月上旬までに完全に除去し、土に埋めるなどで処分する。
    3. また、昨年葉いもちが早期に発生した地域や、例年葉いもちが発生している圃場では、稲株をよく観察し、葉いもちの発生が確認されたらただちにいもち剤の茎葉散布を行う。
    4. 予防粒剤は6月第4半旬に必ず施用する。ただし、早期発生常発地や取り置き苗で葉いもち病の発生が確認された場合には、6月第3半旬に施用する。
    5. 粒剤は湛水状態で散布し、散布後5日程度は湛水状態(浅水)にしておく。なお、漏水田や掛け流し状態、中干しなどでは効果が劣るので、散布水田では水管理を徹底する。
    6. オリジナル品種「かけはし」「ゆめさんさ」を含め、作付品種のほとんどがいもち病抵抗性の弱い品種であることから、葉いもちの予防粒剤による防除を必ず実施する。

  3. 根腐れ防止対策
    1. 気温の上昇に伴って気温・水温も上がり、土壌の還元化が進み、排水不良田、稲わら鋤き込み田、牧草跡の復元田などでは、硫化水素や有機酸が発生し、根腐れが起こりやすくなる。
    2. このような水田では6月上旬から中旬の晴天の日に、中耕によるガス抜きを行い、根腐れを防止する。
    3. 中干しは有効分げつを確保したら早めに行い、排水が速やかに行われるようにする。また、秋作業が計画的にできるよう、溝切りを必ず行う。

  4. 中期除草剤の使い方
    1. 中期除草剤は移植後15〜30日頃までに初期除草剤との体系で使用する。
    2. 薬剤の種類によって、適用草種や殺草効果が異なるので、発生している雑草を良く観察し、それに適した除草剤を適期に使用する。

  5. イネミズゾウムシの適正防除
    1. イネミズゾウムシの防除は、成虫侵入盛期(5月末〜6月上旬)に成虫が10株に3頭以上確認された圃場のみで実施する。
    2. イネミズゾウムシは畦畔際から侵入加害するので、畦畔から4〜5m幅のみの処理で防除できる。
    3. 防除適期は侵入盛期の5月末〜6月上旬である。
    4. イネドロオイムシも同時防除する場合や、防除適期を逃がして圃場内部まで成虫の侵入が認められる場合は、薬剤を全面施用する。

  6. イネドロオイムシの防除
    1. イネドロオイムシは例年多発する圃場でのみ防除する。その目安は、昨年の被害葉率が30%以上で殺虫剤を箱施用しなかった圃場で防除する。
    2. 地域によりカーバメイト系殺虫剤抵抗性ドロオイムシの発生が認められる。この地域ではカーバメイト系殺虫剤は使用しない。

 
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