水稲冷害研究チーム

1999年青森県稲作指導情報


 なお,詳しい内容に関する問い合わせは青森県にお願いいたします.

稲作指導情報 第3号

平成11年4月22日

青森県農業生産対策推進本部

1 は種作業の進ちょく状況
 4月20日現在におけるは種進ょく状況は、県全体で97%となっている。
 は種始め(進ちょく率5%に達した日)は4月6日で平年より1日早かったが、最盛期(進ちょく率50%に達した日)は4月13日で平年より1日遅れ、終り(進ちょく率95%に達した日)は4月20日で平年より2日遅れであった。

2 農業試験場作況田の苗の出芽状況
 (1)出芽期間中の気温は、黒石、十和田(藤坂)とも平年より高く、日照時間は黒石では平年より多く、十和田では若干少なかった。
(2)「むつほまれ」の出芽揃いまでの日数は、黒石では平年より2日早く、十和田では平年より1日早かった。黒石の「つがるロマン」の出芽揃いまでの日数も、平年(平年値が3か年で参考)より2日早かった。また、「ゆめあかり」の出芽揃いまでの日数は、黒石で4日、十和田で6日であった。
(3)出芽揃いの良・不良については、いずれの品種も良好である。

3 これからの農作業と管理
(1)育苗管理
ア 温度・水管理
(ア)育苗ハウスやトンネル内の温度は、晴天では40〜50℃に上昇することがあるので、温度計を設置して、生育と気象変化に合わせたきめ細かな温度管理を行う。
     また、強風時でも換気ができるように防風網を設置する。
 (イ)日中の温度管理は、出芽期から1.5葉期までは30℃以下に、1.5葉期になったら25℃前後、3.0葉期以降は20℃程度とし、夜間はいずれも5℃以下にならないようにする。
(ウ)機械的に毎日かん水すると、徒長軟弱な苗となり、ムレ苗や立枯病害等の発生を助長したり田植え後の生育も劣るので、床土の乾きや葉先の巻き具合を見ながらかん水する。
  (エ)置床遮断方式で育苗している場合は、育苗中期以降になると葉からの蒸散が多くなり床土が乾燥しやすくなるので、乾燥に注意してきめ細かなかん水を行う。
イ 低温・霜害防止対策
 低温が続いたり、降霜が予想される場合は、次の対策を行う。
  (ア)ハウス育苗では、シルバーポリトウや保温マット等で二重被覆するか、ストーブやコンロ等を用いて保温する。
(イ)トンネル折衷育苗では、トンネルの上をシルバーポリトウや保温マット等で二重被覆したり、育苗箱の高さまで湛水する。
(ウ)苗への降霜が認められた時は、早朝速やかに苗に散水して、被害の軽減に努める。
ウ 追肥
 (ア)追肥方式の育苗では、第1回目は1.5葉期前後、第2回目は2.5〜3.0葉期頃にそれぞれ1箱当たり硫安5gを水500mlに溶かして、目の細かいジョウロで施用し、追肥後は肥料ヤケを防ぐため、葉が乾く前に肥料分を水で洗い流す。
  (イ)田植時に肥料切れが予想される場合は、田植え3〜5日前に追肥を行い、苗の活力を高める。
エ 田植直前の育苗管理
   田植え5〜7日前には、降霜や強風の心配がない限り、夜間もハウスやトンネルを開放して苗を外気に慣らす。
オ 育苗日数と生育
  中苗は田植時までに苗長14〜15cm、葉齢3.5葉以上の硬く、丈夫な苗に仕上げる。

(2)本田作業
 ア 畦畔のかさ上げ・補強
   平成10年度の調査結果によると、畦畔の高さは県全体で16cm以上が54%と平成5年に比べて10%増加しているものの、依然として幼穂形成期や穂ばらみ期に十分な深水管理をできないほ場がかなり見られる。
(ア)「幼穂形成期深水かんがい(10cm程度)」や穂ばらみ期の低温時に15〜20cm程度の深水管理ができるよう、畦畔のかさ上げや補強を行う。
  (イ)かさ上げ作業は土に水分が十分残っている間に行う。
 イ 施肥
(ア)食味・品質の向上と気象の変動に即応できる米づくりを行うため、多肥栽培をやめ、地帯別、土壌別、品種別施肥基準を順守する。
また、施肥法は、生育に応じて追肥が可能な穂肥体系を基本とする。
(イ)前年の施肥窒素量と生育、収量、品質を把握し、ほ場条件に合わせた適正な基肥窒素量を施用する。
  (ウ)「つがるロマン」は、多肥栽培で倒伏しやすくなるとともに、たんぱく質含有率が高まり、品質・食味が低下するので、土壌別施肥基準を参考に施肥量を決める。
  (エ)「ゆめあかり」は「むつほまれ」に比べていもち病に弱く、最適籾数も少ないことから、籾数の増加をねらいとした多肥栽培は、いもち病抵抗性や食味・品質の低下を招くので、土壌別施肥基準を参考に施肥量を決める。
      なお、基肥窒素量は、穂肥1回体系の場合施肥窒素総量の70〜80%とし、穂肥2回体系の場合は60%前後とする。
ウ 耕起・代かき 
 平成3年の調査結果によると、県全体で10〜12cm耕起が42%を占めており、県平均耕起深で11.9cmとなっている。
  (ア)耕起は、稲の根域を十分確保し生育の健全化を図るため、15cm以上の深さを目標にする。
  (イ)代かきは、高低差による生育ムラをなくし、除草剤の効果を高めるためにも、できるだけ均平に行う。
     なお、稲わら鋤込み田では、浅水にして稲わらを土中に埋め込むようする。
     また、減水深が大きい水田では、漏水防止のため代かきの回数を増す。

(3)農業機械による事故防止
 ア 始業前にはトラクターなどの機械・機具の点検整備を十分に行う。
 イ トタクターは必ず安全フレームを装着して走行・作業し、農道や畦畔、傾斜地での転倒、転落事故のないように注意する。
ウ ロータリーなどに巻きついた雑草やわらなどを除去するときは、必ずエンジンを切り、作業機が停止してから行う。

◎次回発行予定日は、平成11年5月7日です。


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