水稲冷害研究チーム

1999年青森県稲作指導情報


 なお,詳しい内容に関する問い合わせは青森県にお願いいたします.

稲作指導情報 第4号

平成11年5月7日

青森県農業生産対策推進本部

1 農業試験場等の苗の生育状況
  4月30日現在、苗長は黒石、十和田(藤坂)とも平年に比べてやや長めで、葉齢はほぼ平年並である。
「ゆめあかり」は「むつほまれ」に比べて、苗長が短く、葉齢は並である。
なお、全県的には、苗の生育は順調で、病害虫の発生も少ない。

2 これからの農作業と管理
(1)育苗管理
  ア 田植え5〜7日前には、降霜や強風のおそれがない限り、夜間もハウスやトンネルを開放して外気に慣らし、硬く丈夫な苗に仕上げる。
イ 田植え前に苗の葉色が淡くなった場合は、老化を防ぐため、箱当たり硫安5gを水500mlに溶かして追肥する。追肥後は肥料ヤケを起こさないよう葉が乾く前に肥料分を水で洗い流す。
ウ 苗が徒長軟弱に育った場合は、田植3日前〜当日に萎凋防止剤を茎葉散布し、代枯れの防止と活着の促進を図る。

(2)病害虫の防除
ア 病害虫発生予報(4月28日)では、イネドロオイムシが全県的にやや多いと予想されている。
    例年、イネミズゾウムシ、イネドロオイムシ、イネハモグリバエなどが多発生する水田では、田植当日にこれらに効果のある薬剤を箱施用する。
イ 「ゆめあかり」はいもち病抵抗性が「中」で、「むつほまれ」より弱いので、移植3日前〜田植当日にDr.オリゼ箱粒剤又はウィン箱粒剤を箱施用する。
ウ なお、初期害虫といもち病との同時防除できる箱施用剤も登録されている。

(3)本田作業
  ア 代かき
  (ア)代かきは、できるだけ均平に行う。
     また、代かき時は必要以上の無駄な入水はしない。
  (イ)稲わらなどの残さが多い場合は、水を少なめにして土中に埋め込むように代かきを行う。
 (ウ)減水深が大きい水田では、代かきの回数を増やして漏水を防止する。

  イ 田植え
  (ア)田植えは日平均気温が13℃、日平均水温が16℃になったときを目安とし、温暖な日を選んで行う。
  (イ)1株当たり植付け本数は、中苗の場合で3〜5本とし、苗箱の使用数は10a当たり35箱を目安とする。
(ウ)活着や分げつ発生を促進させるため、3cm程度に浅植えする。
(エ)栽植株数が減少傾向にあるが、生育の安定や食味の向上を図るため、地帯別栽植株数を守る。
特に、「つがるロマン」は分げつの発生がやや緩慢で、茎数が少なめに推移するので、津軽地域ではu当たり栽植株数24〜26株、県南地域では25〜27株を目標とする。

  ウ 側条施肥
    基肥に速効性肥料を使用する場合の基肥窒素量は、全層施肥栽培の基準量の15〜25%を減肥する。

エ 水管理
  (ア)田植後は直ちに水を入れ、昼間止水・夜間かんがいの基本を守り、水温の上昇を図る。また、掛け流しは絶対やめる。
  (イ)温暖な日は2〜3cmの浅水で水温の上昇を図り、低温の日は苗が冠水しない程度の4〜5cmのやや深水で保温に努め、生育の促進を図る。
  (ウ)冷水がかかる水田は、温水田の設置やポリチューブの使用等により水温の上昇を図る。
(エ)高低差があり、苗が水没したり、田面が露出するような水田では、畦畔板(アゼシート)等を使用して水深を調節する。
  (オ)漏水の30%はネズミやケラなどによる畦畔の穴が原因であることから、水田の見回りを徹底するとともに畦畔の補強を行い、漏水の防止に努める。

  オ 雑草防除
  (ア)一発処理除草剤の普及とともに、タウコギやアメリカアゼナなどこれまであまり問題とされなかった雑草が目立ってきている。
  (イ)除草剤は、前年発生した雑草を考慮して選定し、使用基準を守って使用する。
  (ウ)体系処理で除草する場合は、初期除草剤を代かき〜田植4日前までに散布するか、田植直後〜5日後(ノビエやホタルイが発生する前)までに散布する。
  (エ)初期一発処理剤は田植直後〜15日後までに、初・中期一発処理剤は田植後5〜15日までに散布するが、薬剤の種類によっては、雑草の種類や生育量によって効果が異なるので注意する。
  (オ)除草剤散布後は除草効果を高めるとともに水質汚染を防止するため、散布後3〜5日間は絶対に落水しない。
     特に、フロアブル剤は散布後に有効成分が水中を拡散し、その後土壌に吸着されてから効果を発揮するので、散布後の水管理に注意する。
 (カ)畦畔や農道の雑草に除草剤を処理する場合は、風の弱い日に行い、水稲や転作作物へ飛散しないように注意する。

(4)農業機械による事故の防止
  ア 農業機械の始業、終業時の点検・整備を徹底し、事故防止に努める。
  イ 代かき作業後などに道路を走行する場合は、トラクタ−の方向指示灯や反射灯等の汚れを落としてから走行する。
ウ 田植えは作業時間が長く、疲労が蓄積しやすいので適度に休息をとりながら実施する。

◎次回の稲作指導情報の発行予定は5月20日です。


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