水稲冷害研究チーム
1999年青森県稲作指導情報
なお,詳しい内容に関する問い合わせは青森県にお願いいたします.
稲作指導情報 第6号
平成11年6月24日
青森県農業生産対策推進本部
1 生育状況
(1)農業試験場作況田の生育状況(6月21日現在)
ア 「むつほまれ」の生育は、黒石(本場)、藤坂(支場)ともに、草丈、茎数、葉数のいずれも平年をやや上回っており、平年より2日程度進んでいる。
イ 「つがるロマン」の生育は、草丈、茎数、葉数のいずれも過去3か年の平均より上回っている。
ウ 「ゆめあかり」の生育は、「むつほまれ」に比べて草丈が短いものの、茎数と葉数は同程度である。
(2)県内の生育状況(6月21日現在)
ア 梅雨入り以降、一時低温の日があったものの、好天に恵まれたため、6月21日現在の水稲の生育は、平年より2日程度進んでいる。
イ 地域的には、下北地域の「かけはし」の生育は平年より7日、中弘南地域の「つがるロマン」は平年より4日進んでいる。西地域の「むつほまれ」は移植時の強風等の影響により平年並になっている。
ウ また、全般的に草丈は平年よりやや長く、茎数は平年より多くなっている。
エ なお、「ゆめあかり」の生育は、津軽、県南地域ともに、草丈、茎数、葉数のいずれも前年より上回っている。
2 これからの農作業と管理
(1)水管理
ア 現在の貯水状況は、農業用ダムでは平年より少ない状況にあり、ため池では平年並であるが場所によって平年を下回るところが出始めている。
農業用水の有効利用に努め、特に、掛け流しは行わない。
イ 昼間止水・夜間かんがいを基本とし、温暖な場合は、3cm前後の浅水にして水温、地温の上昇を図り、低温の場合は、5〜6cmのやや深水にして保温に努め、分げつを促進させる。
ウ 茎数が多く、株当たり茎数20本程度を確保した水田では、天候の良い日を選び、中干しを行う。
エ 特に、つがるロマンは耐倒伏性が劣るので、土壌窒素の過剰発現や下位節間伸長の抑制等のため積極的に中干しを行う。
オ 排水の劣るほ場では、中干しの効果を高めるため、5m間隔程度に溝切りを実施する。
カ 中干しは、田面に軽くひび割れが入る程度とし、幼穂形成期前には必ず終了する。実施中に低温が続くことが予想される場合は、直ちに中干しを中止して入水する。
キ 農業用水の有効利用と低温時に15〜20cmの深水管理ができるように、日ごろから水田をよく見回り、畦畔を補強する。
(2)肥培管理
ア 幼穂形成期前のつなぎ肥は、生育を遅らせるとともに、過繁茂となり倒伏や病害虫等の発生要因となるので、行わない。
イ 深層追肥は食味の低下を招くので行わない。
(3)病害虫防除
ア いもち病
放置された補植用苗で6月16日に葉いもちが確認されていることから、放置苗は速やかに処分するとともに、ほ場をよく見回り、早期発見早期防除に努める。
特に、「ゆめあかり」などいもち病に比較的弱い品種を作付けしている水田や葉いもちが例年発生する水田では、6月下旬頃にオリゼメート粒剤やオリゼメートパックを水面施用するか、感染に好適な日が出現したら、葉いもちの感染が見られなくても予防効果の高い薬剤を茎葉散布し予防防除する。
イ イネドロオイムシ
地域により発生が多く、幼虫の被害が見られている。
発生が多いほ場では、茎葉散布剤や水面施用剤で防除する。
ウ イネカラバエ
イネカラバエの産卵が6月17日に確認された。産卵最盛期はやや早くなり、平野部で6月末頃、山間部や海岸冷涼地帯で7月始め頃が防除時期になると予想されている。
イネカラバエによる食害は、減収だけでなく、著しい偏形粒、くびれ粒、茶米粒等が発生し、品質低下を招くで、適期に防除する。
(4)雑草防除
ア 多年生雑草のミズガヤツリ、オモダカ、シズイなどが多く残っている水田では、ベンタゾン及びその混合剤を散布する。
イ ヒエが多く残った場合、ヒエが4葉期までであれば、クリンチャーEWによる除草が可能であり、ヒエに加え多年生雑草も残草した場合は、クリンチャーバスME液剤が効果的である。
ウ 多年生雑草やヒエ等の発生が少ない場合は、拾い草をする。
reigai@tnaes.affrc.go.jp