水稲冷害研究チーム
1999年青森県稲作指導情報
なお,詳しい内容に関する問い合わせは青森県にお願いいたします.
稲作指導情報第8号
平成11年7月21日
青森県農業生産対策推進本部
1 生育状況
(1)農業試験場作況田の生育状況(7月19日現在)
ア 「むつほまれ」の生育は、黒石(本場)では草丈、茎数が平年をやや下回り、藤坂(支場)ではほぼ平年並みである。
幼穂形成期の到達日は、黒石で7月10日と平年より2日早く、藤坂では7月9日と平年より6日早かった。
イ 「つがるロマン」の生育は、草丈、茎数がほぼ過去3か年の平均並みである。幼穂形成期の到達日は7月12日で、過去3か年平均より1日早くなっている。
ウ 「ゆめあかり」の生育は、草丈、茎数ともに「むつほまれ」並みである。幼穂形成期の到達日は、黒石で7月8日、藤坂で7月7日と「むつほまれ」よりそれぞれ2日早くなっている。
(2)県内の生育状況(7月15日現在)
ア 各地域の主要品種の生育状況
(ア) 県内の生育は平年に比べて、草丈が並み〜短く、u当たり茎数は中弘南黒地域と下北地域で多く、その他の地域では概ね平年並みになっている。
(イ) 幼穂形成期の到達日は、津軽地域で平年より1〜3日早く、県南地域で平年より4〜5日早くなっている。
イ 「つがるロマン」と「ゆめあかり」の生育状況
(ア) 「つがるロマン」の生育は、過去3か年の平均に比較して、草丈が短い〜やや短く、u当たり茎数が多くなっている。
幼穂形成期の到達日は、津軽地域Tで7月15日、津軽地域Uで7月16日、南部地域で7月12日と、過去3か年平均に比較して1〜4日早くなっている。
(イ) 「ゆめあかり」の生育は、前年に比較して、津軽、県南地域ともに草丈が短く、u当たり茎数は多くなっている。
幼穂形成期の到達日は、津軽地域は7月10日と前年並み、県南地域は7月10日と前年より3日早くなっている。
2 これからの農作業と管理
(1)水管理
ア 幼穂形成期に達した水田は、天候の良否にかかわらず水深10cmの「幼穂形成期深水かんがい」を10日間実施する。
イ 主茎の葉耳間長が−12cm〜+4cm(出穂前15〜7日前)の期間に、平均気温で19℃以下、最低気温で17℃以下になると予想される場合には、15cm以上の深水管理で幼穂を保護する。
ウ 低温時に深水管理ができるように畦畔を点検・補強する。
エ 穂ばらみ期に高温が続く場合は、4cm程度の浅水に管理し、時々水を入れ換えたり掛け流しかんがいを行い、根の老化防止に努める。
特に、「ゆめあかり」は止葉の枯れ上がりが早いことから、中干しの不十分な水田などでは水の入れ換えを積極的に行う。
(2)追肥
ア 追肥は、幼穂形成期に到達したことを確認し、葉色が淡くなり、追肥可能と判断されたら適正量を追肥する。
イ 特に「つがるロマン」は、多肥条件で倒伏しやすいので、慎重に行う。
ウ 葉色が濃い場合は、幼穂形成期の10日後(減数分裂期)まで追肥を遅らせる。
エ 減数分裂期に達しても、葉色が淡くならない場合や低温が続くと予想される場合には、追肥を中止する。
(3)病害虫防除
ア 葉いもち
7月8日に東青地域で初発が確認され、その後北五地域、西地域、下む地域など各地で発生が確認されている。
(ア) ほ場に放置されている補植用取置苗は、直ちに処分する。
(イ) 水田を良く見回り、発生を確認したら直ちに薬剤を散布する。
(ウ) 発生が止まらない場合は、4〜5日間隔で追加防除する。
なお、降雨が続くような場合であっても、雨の合間を見て防除剤を散布する。
(エ) 同一薬剤の連続使用は、耐性菌出現のおそれがあるので避ける。
(オ) 「ゆめあかり」は比較的いもち病に弱い品種なので、予防防除をしていない水田では、発生が確認されなくても薬剤散布する。
イ 稲こうじ病
(ア) 防除適期が出穂前10〜20日であり、前年発生が認めれれた水田などでは、出穂前15日頃を目安に防除する。
(イ) 銅剤は、出穂期に近いほど薬害が発生しやすいので注意して使用する。
ウ 穂いもちなど出穂期直前防除
出穂直前(走り穂の出たころ)には、穂いもち、紋枯病、ニカメイガの防除を行うほか、発生状況に応じて、コバネイナゴ、ウンカ類、ごま葉枯病等の防除も行う。
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