水稲冷害研究チーム

1999年青森県稲作指導情報


 なお,詳しい内容に関する問い合わせは青森県にお願いいたします.

稲作指導情報第9号

平成11年8月3日

青森県農業生産対策推進本部

<作業のポイント>
生育が早まり、県内各地域の生育の早い水田ではすでに出穂期に達している。
 今後の天気予報等に十分注意し、きめ細かな水管理と病害虫の適期防除を徹底する。
 ○ 出穂までは、低温と予想される場合に、15cm以上の深水とし、幼穂を保護する。
 ○ 穂いもち防除は、出穂直前と穂揃期の2回実施する。
 ○ 津軽地域で、アカヒゲホソミドリメクラガメの発生量が多いと予想されているの
  で、発生に十分注意し、適期防除を徹底する。
 ○ 出穂後10日間は、低温時には10cmの深水、高温時には5〜6cmのやや深水とし、開花・受精の促進を図る。
 ○ 登熟期間が低温の場合は、12cm以上の深水で登熟を促進し、高温の場合は、3cm前後の浅水や間断かんがいで根の老化防止に努める。

1 生育状況
(1)農業試験場作況田における生育状況と生育ステージ
   「むつほまれ」の生育は、平年に比べて、黒石(本場)、藤坂(支場)ともに草丈はかなり長く、茎数は下回っている。
   また、「むつほまれ」の出穂期は、黒石で7月29日と平年より6日早く、藤坂で8月1日と7日早くなっている。
(2)県内の生育状況
   稲の生育は、幼穂形成期頃までは1〜5日程度進んでおり、その後の天候も良く順調に進んでいる。
 
3 これからの農作業と管理
(1)水管理
ア 出穂・開花期
 (ア)出穂後10日間は、5〜6cmのやや深水に管理する。
 (イ)最高気温が25℃以下の低温の場合は、10cm程度の深水で養水分の吸収を助け、開花・受精に支障のないようにする。
 (ウ)高温の場合は、5〜6cm程度のやや深水とし、時々水の入れ替えや掛け流しを行い、根の老化防止に努める。
 イ 登熟期
(ア)最低気温が15℃以下の低温の場合は、12cm以上の深水で養水分の吸収を助ける。
 (イ)高温が続く場合は、2〜3cm程度の浅水に管理し、時々間断かんがいや掛け流しを行って、根の老化防止に努める。
特に、「ゆめあかり」は止め葉の枯れ上がりが早いことから、積極的に間断かんがいなどを行う。
ウ 落水時期
(ア)落水時期は、湿田や湧水田では出穂後20〜25日、乾田では30〜35日を目安にする。落水時期が早すぎると、玄米の肥大生長が抑えられ、収量や食味・品質の低下を招くので注意する。
(イ)いもち病等が発生したり、登熟が遅れている水田では、落水をできるだけ遅くする。

(2)災害対策
ア 台風等の大雨に備え、速やかに排水できるよう、排水路の草刈りや整備を行う。
イ 強風やフェーン現象の場合は、6cm程度のやや深水とし、脱水による白穂や褐変籾の発生を防ぐ。
ウ 潮風害を受けた場合は、直ちに散水して塩分を洗い落とす。
エ 倒伏すると食味を低下させるので、倒伏した場合は、稲を引き起こし、4〜5株ずつ束ねるなど、登熟促進に努める。

(3)病害虫の防除
ア 穂いもち
   県内全域で、穂いもちの発生量は平年並み、発生時期はやや早いと予想されていることから、次のことに注意し、適期防除を徹底する。
(ア)出穂直前と穂揃期の防除を実施する。
(イ)出穂が長引いた場合は、穂揃期に達しなくても、出穂直前散布後7日目ごろに2回目の防除を行う。
(ウ)出穂期前後に降雨が続くと、穂いもちが多発することがあるので、降雨の合間をみて防除適期を失しないようにする。
 イ 紋枯病
県内全域で、紋枯病の発生量は平年並みと予想されている。
(ア)通常出穂直前の1回とするが、例年発生の多いほ場や高温が続き多発が予想される場合は、穂ぞろい期にも行う。
 ウ ごま葉枯病
   県内全域で、ごま葉枯れ病の発生量は平年並みと予想されている。
(ア)ごま葉枯病が毎年発生する水田や発生が見られている水田では、出穂直前と穂揃期に、いもち病と同時防除できる薬剤を散布する。
 エ カメムシ類
   津軽地域で、アカヒゲホソミドリメクラガメの発生時期がやや早く、発生量が多いと予想されていることから、次のことに注意し、適期防除を徹底する。
 (ア)発生の多い地帯では、穂揃期から7〜10日ごとに3回、次のいずれかを散布する。
    スミバッサ粉剤20DL、バイバッサ粉剤DL、トレボン粉剤DL、スミチオントレボン粉剤DL、MR.ジョーカー粉剤DL
 (イ)出穂期が近づいてからの草刈りはカメムシ類を水田内に追い込むので、少なくとも8月中は草刈りを控える。
 (ウ)割れ籾を好んで加害するため、割れ籾が多い場合は特に注意する。
 オ ウンカ類
   県内全域で、セジロウンカの発生量はやや少なく、ヒメトビウンカの発生量は平年並みと予想されている

(ア)出穂直前または穂揃期に、いもち病などと同時防除を行う。
 (イ)穂揃期以降でも発生が多い場合は、倒伏や品質低下の原因となるので、発生動向に注意して防除する。
(ウ)ヒメトビウンカにはスミチオン剤やマラソン剤は効果が劣るので、他の薬剤を使用する。
カ コバネイナゴ
   県内全域で、コバネイナゴの発生量は平年並みと予想されている。
(ア)出穂直前あるいは穂揃期に防除する場合は、穂いもちなどとの同時防除を行う。
(イ)バッサ剤については、防除効果の低下している地域があるので注意する。



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