水稲冷害研究チーム
1999年青森県稲作指導情報
なお,詳しい内容に関する問い合わせは青森県にお願いいたします.
稲作指導情報 第10号
平成11年9月8日
青森県農業生産対策推進本部
1 農業試験場作況田における生育及び登熟状況等
(1)生育状況
ア 「むつほまれ」の稈長、穂長、u当たり穂数は、黒石(本場)、藤坂(支場)ともに平年並みであった。
イ 「つがるロマン」は、稈長、穂長ともに過去3か年並みであったが、u当たり穂数は平年より少なかった。
ウ 「ゆめあかり」は「むつほまれ」に比べて、稈長はやや短く、穂長はやや長く、u当たり穂数は黒石、藤坂ともに多かった。
(2)籾数と登熟状況(8月31日現在)
ア 「むつほまれ」の1穂籾数とu当たり籾数は、黒石、藤坂ともに平年に比べて少なかった。
イ 「つがるロマン」は1穂籾数が過去3か年並みであったが、u当たり籾数は少なかった。
ウ 「ゆめあかり」は「むつほまれ」に比べて、1穂籾数は少なかったが、穂数が多かったため、u当たり籾数はやや多かった。
エ 8月31日現在の登熟歩合は、「むつほまれ」「つがるロマン」ともに平年を大きく上回り、登熟は極めて順調である。
(3)籾殻の大きさ
ア 「むつほまれ」は、平年に比べて籾長が黒石、藤坂ともに短く、籾幅は黒石でやや広く、藤坂でやや狭くなった。
このため、籾長×籾幅は黒石で平年並みだが、藤坂では平年より小さかった。
イ 「つがるロマン」は、過去3か年に比べて、籾長が短いが、籾幅が広く、籾長×籾幅はやや大きかった。
ウ 「ゆめあかり」は「むつほまれ」に比べて、籾長は並みだが、籾幅がやや狭く、籾長×籾幅はやや小さかった。
2 県内の生育と登熟状況
(1)各地域の主要品種の生育と登熟状況
ア 稈長は、中弘南地域で平年よりやや短く、北五と下北地域で平年並みだが、他は平年よりやや長くなっている。
イ 穂長は、中弘南、東青、北五地域で平年よりやや長いが、他は平年並みである。
ウ u当たり穂数は、下北地域で平年より多く、北五地域でやや多く、西地域で平年並みだが、他は少なくなっている。
エ 1穂籾数は、東青地域でやや多いが、他は少なくなっている。
オ u当たり籾数は、下北地域でやや多いが、他はやや少ない〜少なくなっている。
カ 登熟歩合は、全県的に平年を大幅に上回っている。特に、例年登熟の遅れる地域で平年を大きく上回り、地域差が小さくなっている。
(2)「つがるロマン」と「ゆめあかり」の生育と登熟状況
ア 「つがるロマン」の生育(過去3か年の平均値比較)
(ア) 稈長は津軽地域Uで平年並みだが、他はやや短く、穂長は津軽地域Tでやや長いが、他はやや短くなっている。
(イ) u当たり茎数は、津軽地域Tで平年より少ないが、他はやや多い〜多くなっている。
(ウ) 1穂籾数は、南部地域で平年よりやや多いが、他は少なく、u当たり籾数は、南部地域でやや多いが、津軽地域Uで並み、津軽地域Tで少なくなっている。
(エ) 登熟歩合は、全地域とも平年を大幅に上回っている。
イ 「ゆめあかり」の生育(前年比較)
(ア) 稈長は津軽、県南地域ともに前年より長く、穂長は津軽地域でやや長いが、県南地域でやや短くなっている。
(イ) u当たり穂数は津軽、県南地域ともに前年よりやや多いが、1穂籾数が並み〜少なく、1u当たり籾数も並み〜やや少なくなっている。
(ウ) 登熟歩合は、津軽、県南地域ともに前年を大幅に上回り、特に県南地域で大きく上回っている。
3 これからの作業と管理
(1)適期刈取り
ア 品種別の刈取適期幅と各地域における出穂後の積算気温到達予測日は、登熟が平年を大幅に上回り、籾数が少なめで、登熟気温も高く経過していることから、積算気温到達予測日よりも刈取適期の始期と終期が早まることが予想される。
イ このことから、積算気温到達予想日だけでなく、下記の目安を勘案して総合的に判断して刈取りを始め、適期内に終了するようにする。
(ア)ほ場全体の籾の90%が黄化したとき。
(イ)精玄米に占める青未熟粒歩合が10%程度まで減少したとき。
(「つがるロマン」は青未熟粒歩合が15%程度)
(ウ)枝梗の2/3程度が黄化したとき。
(エ)籾水分が25〜26%まで減少したとき。
ウ なお「ゆめあかり」は「むつほまれ」より登熟がやや早いので、早めに刈り始めることが必要である。
また、「つがるロマン」は刈り遅れると茶米等の発生が多くなるので、積算気温で1,150℃までに刈取る。
エ 刈取時期が遅れると、品質・食味が低下するので刈取適期内に刈取る。
オ 倒伏した部分は、品質が低下するので、別に刈取る。
カ 刈取後、水分が高い籾を長時間堆積しておくと、ヤケ米や発酵米等の着色粒が発生し品質低下の原因になるので、早めに乾燥機に搬入する。
(2)乾燥
ア 乾燥中の籾水分は、乾燥機による自動測定だけでなく手持ちの水分計も併用して測定し、玄米水分15.0〜15.5%の適正な水分に仕上げる。
イ 籾水分が25%以上のときは、初期の送風温度を下げて乾燥し、籾水分が20%程度になってから所定の送風温度にする。
また、水分ムラや未熟粒の混入が多い場合は、二段乾燥法で行い適正な水分に仕上げる。
ウ 自然乾燥は、脱穀時期を逸しないよう注意し、降雨が続くような場合は、乾燥機で仕上乾燥を行う。
(3)調製
ア 籾ずりは、穀温が高い状態で行うと肌ずれ米の発生が多くなるので、常温に下がったのを確認してから行う。
イ 整粒不足により品質の低下を招かないよう、米選機の機種に応じた適正な流量を守り、屑米の混入を防ぎ、整粒歩合80%以上を目標にする。
ウ 回転式米選機は、1本当たり毎時1,000kg程度の流量を基準とし、目詰まりが生じないように点検を行いながら作動させる。
(4)採種
ア 自家採種を続けると品種の特性が失われ、品質等の低下につながるので、種子更新は毎年行う。
イ やむを得ず自家採種する場合は、異品種の混入や病害虫の発生していないほ場を選んで行う。
(5)農作業事故の防止
ア コンバインなどの移動や籾の運搬作業等でほ場へ出入りする場合は、足場の安全を十分確かめてから行う。
イ 作業中に機械を調整したり故障等で点検・修理する場合は、必ずエンジンを停止してから行う。
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